2018年に続いて二度目の参加になりますが、雄大なコースに充実のエイド、予想外に多い応援、どこを取っても多くのランナーにおすすめしたい大会です。充実のフルーツエイドにおもてなしにと加賀ていねいな心遣いが沁みます。四月になると大会が減りますが、エントリー先に迷うランナーには一度は出てみてほしい大会です。加賀市応援ソング『きまっし加賀』はやけにいい声だと思ったらグッチ裕三さんでしたか笑
勿論走るだけではなく、観光も魅力の大会です。この年は山中温泉に行き、こおろぎ橋やあやとり橋を散策しました。山中座さんや菊の湯で歴史も感じられますのでお勧めです。
ちなみに石川県では石川の三つのフルマラソン(金沢マラソン、能登和倉万葉の里マラソン、加賀温泉郷マラソン)を完走すると、記念品がもらえる特典があります。能登和倉万葉の里マラソン2019の記事もありますので、気になる方はご覧ください。牡蠣がたまらないです。
金沢マラソンは言わずと知れた超人気大会で、走り易い上に応援も多くて力が出ますし、エイドも豊富で制限時間も長く、万人におすすめの大会です。
コロナ禍で大変な中、2022年大会も開催していただき、久しぶりの加賀のおもてなしを受けることができたのは良い思い出です。2023年は怪我のない状態で快走したいところです。
2023年大会に向けてリンク切れの写真や文章の大幅な修正を行いましたので、もしよろしければご覧ください。おそらく今年は2022年よりも2019年に近い感じになってくれるのではと期待しています。
前日(受付と加賀市観光)
この大会は前日受付をすると温泉入浴券が一枚追加でもらえます。行くしかありません。金沢の実家に泊まる身としては通り道でもあるので寄ってから行くことにします。
7時30分大阪発新快速から鈍行を乗り継ぎ、加賀温泉の一つ手前、大聖寺で下車して九谷焼美術館を見学します。参加賞として文化施設の入場無料券が配布されますので、ここぞとばかりに現地の歴史を学びます。なるほどこれが青手、五彩、赤絵・金襴の違いなのか、大胆さや精緻さが異なるのかと江戸時代からの作品を目の当たりにして学べる素敵な場所でした。豊かな精神の世界。折角なのでクリアファイルを記念に。桜も少しだけ残っていました。明日に向けて応援していただいたので頑張らねばなりません。
加賀温泉駅からは送迎バスが出ています。13時頃の便はまだ空いています。会場までは10分程度。ラストの坂にビビりながら到着後、受付を済ませます。今年は選べる参加賞で山中塗タンブラーを選択しました。なかなか立派な逸品で自慢できます。
会場には出店も沢山あってテンションも上がり、カーボローディング名目でアメリカンドッグとふくさを食べます。餡がみっちりでうまかったです。能登和倉万葉の里マラソン過去大会Tシャツも購入。一枚はわくたまくんファンの母へのお土産です。
片山津温泉へと向かうべく、一旦駅前に戻ります。今年も駅前のげんば堂さんで川端御亭をいただきました。開けた瞬間の最中の香ばしさからして違います。餡とクリームの相性のよさに舌鼓を打ちました。お茶まで出していただきありがとうございます。山の名前が書かれた写真が置いてあったのも嬉しい心配りです。
片山津温泉では総湯のカフェで片山津バーガーを食べます。加賀パフェは趣向を凝らし過ぎてすごいです。柴山潟を望める見晴らしのいいカフェでした。残念ながら温泉に入る時間は捻出できませんでしたが、翌日まだチャンスがあるので焦る必要はありません。
温泉街と柴山潟を散策します。街中も足湯があったりで温泉地に来た感が味わえます。噴水も見ることができてラッキーでした。満開の桜と重なるとさぞきれいなことでしょう。
続いて中谷宇吉郎雪の科学館へ。こちらも文化施設利用券で入場できます。博士の業績について学べたり人工雪製作装置の展示があるのは勿論のこと、ダイヤモンドダストの発生や過冷却水の凍結等、実際に丁寧な解説と体験を経て不思議さを実感できる素晴らしい施設でした。もっと滞在したかったです。本だけは買ったのでまた次の楽しみに。
名物吸坂飴やゆせん卵を買って前日のミッションは終了です。
当日
レース前
23:15消灯5:30起床。前日は眠過ぎたのですぐに入眠できました。パンは三つですが、後から思えばソーセージの味がやや濃かったかもしれません。山代温泉の温泉卵は普段食べているものとは全く違って黄身が何かと濃いです。6時過ぎには食べ終わり、着替えは現地なのでそのまま出発しました。
今回は翌週に奥熊野いだ天100kmを控えていることもあり、無理せず走って石川三大会完走を達成することを目指します。金沢から加賀温泉へは普通で向かいます(6:52大聖寺行)。少しうとうとできてよかったです。
駅ではトイレに寄っておきます。シャトルバスはすぐに来るので会場到着もスムーズで何の問題もありません。二年連続なので慣れたものです。
シューズはエンペラー2ネイビーです。今回も佐賀と同じくタイツなしのストロングスタイルでした。お供はカフェインなしです。賞味期限の迫っているものの消費を優先します。ライチ味は見た目はあれですが味は思ったよりおいしかったです。
レースプランもいい加減で、よほど調子がよければベストを狙うがそうでもなければしっかり名物を食べようというくらいでした。曇天で暑過ぎないのでそこそこやれるとは思っていました。昨年高低図の割に楽に走れて3時間10分ちょいだったので、曇天の今年も余裕だろうと思っていたのですが、終わってみると結構疲れましたね。10秒くらい遅かったですし……。スタートも特に気負うでもなく適当に並びます。増田明美さんのMCで盛り上がり、直前にゼリー青を飲んでスタートです。
レース
序盤~前半(片山津温泉往復)
競技場を出て下ってから、片山津温泉を目指します。競技場を出る箇所は混雑しますが焦りません。最初の下りも落ち着いて入りました。下りの感じがいわきに似ています。
序盤は混むので、3kmくらいで3時間30分のペーサーを抜いておきました。5km通過は22分40秒程。さが桜と同じくらいかと思いつつ片山津温泉への坂を進みます。下りながら昨日の柴山潟はほとんど見えないなと考えていました。
柴山潟をちらっと見てから折り返して戻ってきます。折り返し後の上りの途中で増田明美さんとハイタッチできました。6.9kmのエイドで苺をいただきます。やはり加賀に来たからにはフルーツを食べねばと減速して確実に狙いました。5kmから10kmは22分程で、アップダウンがきつい割になかなか速いなという印象です。
駅に近づく辺りで例の巨大観音(ユートピア加賀の郷!)を撮影できます。写真では伝わりにくいのですが実物はかなりでかいです。
競技場の下に戻ってきて応援の多さを実感します。元気がもらえるエリアです。
そして帰りには激坂へと変わる下りへと突入します。この辺りもかなり抑えていたつもりでした。今日は曇りなので白山は見えず、ちょっと残念ですが、暑いよりはましでしょう。そこから山代温泉に向かって進みます。
中盤(山代温泉と山中温泉、そして例の坂)
充実のエイドに感謝しながら平坦なコースを行きます。15kmまでの5kmは21分台で、アベレージは4分25秒を見ていたので、これは悪くても3時間10分くらいと予想しました。17.6kmで給食か?と思ったので止まりましたが、お菓子ではありませんでした。目ぼしいものはトマトです。止まった以上トマトはありがたくいただきます。
見通しのよい道を進むうちに山代温泉が近づいてきます。この辺りも旅行気分でワクワクしながら走れます。
神社に向かう辺りではレンズが曇っていたこともあり焦点が合っていないのが悔やまれます。
山代温泉では和菓子等がふるまわれて豪華です。総湯では今度こそ給食と分かっていたので、近くにいたランナーに道を譲り、饅頭やきんつばをいただきます。ここでも増田明美さんがおられたのでハイタッチ。今回はスタッフさんとの見事な連携でゼッケンから名前を呼んで下さり嬉しい限りです。
今一つスピードに乗り切れず、なんかしんどいぞもしや肥満かという気持ちもありながら、今大会から加わったカニご飯を逃すわけにはいきませんので、意地でも食べます。なかなかの美味しさで元気になります。食べ易いサイズで、持ち手付きで用意されていました。立ち止まって写真を撮り、お礼を言いつつ酢飯の味を楽しみます。気持ちも新たに山中温泉へと向かいます。
山代温泉から山中温泉に向かうこのエリアは昨年通ってなかなか気に入っていました。いびがわを思い出させるものがあります。
山中温泉では、少し上っているかなと思いつつ総湯で折り返します。走っていると近過ぎて撮りにくいという難点がありますね。山中座前ではグレープフルーツをいただきました。停止や減速もあり、25kmまでの5kmは23分ちょいでした。
後は帰るだけ、しかも下り基調なのですが、27kmを過ぎた先に一か所強烈な激坂があり、大変な目に遭います(写真は終了後に撮影)。二枚目を左折するとびっくりします。とにかく急で、肘を飛ばして身体を浮かせるしかありません。ここで勝負をかけてきた人がいたのですが、長くは持たずに落ちていきました。ここは本当に傾斜がきつく、うおおまだ続くのかよと思うこと間違いなしです。あと100mの看板が心の支えです。
後半~終盤(ダイナミックなコースと止めの上り)
ここさえ過ぎればあとは下りくらいのイメージですので、昨年実績からしてもこの先10kmは5km当たり21分台だろうと楽観視してました。しかし現実にはさっぱり上がらず苦戦することに……。
余裕がなかったのか28kmの通過タイムを見るのを忘れています。多分29kmくらいの、橋を渡る時の景色は去年も気持ちよかったです。エイドでは着実に給水しましたが、左折したところで河南トンネルの前に上りがあるのを忘れていました。
日谷荒木トンネルは涼しいです。ここで塩熱サプリを摂って回復に努めます。トンネルの中でやや顎が上がっている感じがあったので立て直そうとしましたが、結局その後も直らず終い。トンネルを出ると蒸し暑さを感じたものの曇りではあったのでましだと言い聞かせます。のぼりの応援を受けて35km手前の折り返しへ向かいますが、軽い上りが地味に効きました。
タイムは駄目そうなのでフルーツを積極的に取ることで多少盛り上げたものの塩大福は取り逃したり、38kmで女性ランナーに抜かれたりと課題を残しました。40kmを過ぎて競技場への坂も肘を飛ばして頑張ろうとしますが、それはもう止まるかというくらいの遅さでして。結局2.195kmで9分56秒もかかり昨年より10秒遅くフィニッシュです。
アフター(山中温泉観光)
終了後アミノバイタル粉を即摂取。コーラもいただきます。ふるまいは長蛇の列になるので早々に並び、その後石川三大会記念グッズを受取ります。更衣室でプロテイン、プロテインバー2本と菓子パンを食べて一息つきます。
エンペラー2もフル7本を走り、ダメージが目立つようになってきました。シューズは珍しく左の踵が大きく減っています。これでフル7本なのでぼちぼち厳しいかなと思いました。身体は、右腿前と股関節がいつもより疲れた感じがあったものの、走っている間も違和感はなく、怪我らしい怪我もなく済んだので、総体としては成功したといえます。翌週の奥熊野いだ天も快走できましたし。
タイムはどうあれ、終わった以上は食べまくり、終了後の観光に向けて素早く動きます。終了後の飲食程楽しいものはありません(あまりに遅い場合は除きますが)。牛カツ串がずっしり重くて大満足です。つきたての餅も最高です。無事に石川三大会を完走できたこともよかったです。
さて、単にマラソンを走っただけで帰ってしまっては勿体ないので13時30分会場発の温泉バスで山中温泉に向かいます。到着後山中座さんのご厚意で荷物を預かっていただけたので、温泉を楽しみつ超スロージョグで山中温泉を観光します。
早速湯快リゾート山中温泉よしのや依緑園さんの豪気なお風呂で汗を流して回復です。何と言っても露天風呂からの鶴仙渓の景色のよさが素晴らしかったです。
いずみやさんは大繁盛でした。この年はリサーチ不足で諦めましたが、2022年大会ではしっかり立ち寄りました。展望台などに寄りつつ進みます。
元禄時代以前に架けられたというこおろぎ橋、工事が一時お休みということで運よく通れました。これは貴重なものだと張り切って下まで下りて眺め回します。行路危橋という異名もいいです。紅葉の季節は間違いなく美しい色に包まれることが見てとれました。
もう一つ、山中温泉で外せないのがあやとり橋。その名に違わぬ姿で、川床でせせらぎに心を委ねながら過ごす時間は最上なので、旅行メインで来る機会があれば是非。こおろぎ橋までの遊歩道も心洗われるものです。
折角なので27km過ぎの例の坂を再訪して写真を撮る等してから折り返して菊の湯で汗を流します。熱めのお湯が気持ちいいです。内装を撮るわけには勿論いかないのですが、歴史を感じられる建物です。温泉卵、作りたかったな。
山中座さんで娘娘饅頭や吸坂飴、箸置き等を購入したところ温泉卵をサービスしていただけました。ジェラートは予想以上にしっかりとお酒が入っており、おいしいものでした。アイスキャンディも気になる存在だったので次はきっと。スタッフさんにお礼を伝えて16時40分発の温泉バスで駅に戻ります。
JRが遅れていたので、文化施設利用券を握りしめて加賀市美術館も見学させていただきました。写真展では初夏の乗鞍の様子を詳しくご説明いただき、館蔵名品展では山田宗美の鉄打出という幻の技術や截金(きりかね)といった高度な技法があることを知り、山中漆器を凝視させていただきました。眼福。ありがとう加賀市。また会う日まで。
最後に
応援も多くて気持ちよく走れる上に観光もセットで楽しめる素晴らしい大会ですので、もっともっと人気が出てもおかしくないと思っています。地方にこそこういう素敵な大会が隠れて(?)いるのです。これからも何度も参加していくつもりです。少しでも気になった方がエントリーされて、この大会の魅力を体感されることを願っています。
加賀の皆様、今年も素敵な大会を開催していただき本当にありがとうございました!