ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第23回鯖街道ウルトラマラソン(半鯖,2018/5/20) 山もロードも楽しめる贅沢アドベンチャー!童心に帰って冒険の旅へ!

かつて京都に長年住んだ身として前々から気になっていた「鯖街道」という響き。ここでウルトラがあると知り、思い切って参加してみたところ、山、川、ロードの下り等々アドベンチャー感満載で想像以上に楽しい大会でした。エイドも非常に心強く、また参加したい大会の一つです。

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ちなみに翌週は大好きな黒部名水マラソンで無事に快走できましたので、一週間前に下りを気持ちよく走っておくことにはいい効果もあるのかもしれません。

savarun.hatenablog.com

 前日

 今回は半鯖ということもあり当日早朝移動となります。ですので前日は何も変わったことはせず、午前中にジョグをした程度です。

レース当日

レース前 

1時就寝6時前起床です。遅く走る分時間がかかるので多めに食べることにしましたが、チキンはちょっと重かったですね。安倍川餅は一つ。おにぎりは出町柳で食べました。

もう少しきれいに撮れなかったものかね。

シャワー、髭剃りを済ませ、日焼け止めとワセリンを塗りテーピング(今回はニチバン)を済ませたら時間が無くて慌てて出発。ゼリーを忘れるなどしました。7時頃の電車には乗る必要があるため、朝は早いです。

電車で移動し、出町柳で受付です。駅でトイレに行きコンビニで水を買ったせいか時間がなく、到着後大急ぎで装備を整える必要がありました(急行ではなく前の特急に乗るべきでした)。貴重品も持っていかざるをえないので財布をポーチにいれ、塩熱サプリは3つ、スクイズボトルに水をです。ゼッケンが硬くて時計では破れなかったので、バス停の針金を使って貫通しました。バタバタしながら鴨川を眺めて慌ただしくバスに乗ります。

京都を離れた今となっては朝の鴨川を見られる機会も貴重です。

バスに揺られて43kmコース(半鯖)スタートの梅ノ木着です。席の都合上5分くらいしか眠れませんでしたがどうということはありません。天気もよくて風も心地いいです。あまりにいい季節でとことん癒されます。写真を撮ったりぼんやりしているうちにスタートです。

とことん長閑で時間の進み方も緩やかです。

割といきなり始まった印象です。

レース

前半(初トレイルの洗礼)

次週に大好きな黒部名水マラソンを控えているため、今日は楽しく走ることができればよしとします。シューズはイダテン with かかとタフです。スタートしていきなり上りで渋滞して歩きましたが、タイムは気にしません。

序盤から上りはそれなりにありましたが、ここはジョグくらいのつもりで軽く上がっていきました。すぐに京都突入です。5kmが6'20"/kmで少し早いかなくらいでした。日陰も多く、帽子も腰に着けていました。

今思い返してもこの環境は贅沢そのものです。

気負わず走っていると遥か遠く小浜から山を越えてきた72kmのランナーと合流します。畏敬の念を抱きながらその背中を眺めます。6km地点で早々に久多エイドです。ありがたくおにぎりオレンジを食べてポカリも補給し、テンションも上がってきたところでトレイル区間に突入です。この後大変なことになることをまだ知りません。

初めてのトレイル、というかまだ遠足気分です。

トレイルは初めてだったのでどんなものかなくらいの気持ちだったのですが、坂もさることながら川ありぬかるみありのコースになり上りはただただ歩くことに。最初は何の疑問もなくほいほい上っていけたのですが、次第にでかい石とぬかるみで足場が悪くなり完全に諦めました。(言うまでもありませんが、悲しいことにイダテンさんも泥に突っ込み黒くなってしまいました……。)

最初のわずかな時間は走れますが、それも続きませんでした。

もう普通に子供の頃の冒険ごっこ状態です。

周囲も歩いていて道の広さ的に抜けませんし、ここはピクニックと割り切って川を越えたり山道をひたすら上ることにします。流石は高層湿原八丁平、全く進みません。5kmがなんと10'41"/km、と当時は驚きましたが、今思えばトレイルの上りなんてこんなもんですね。

数珠のように連なって歩くしかないのです。

大分上ってきたものだなと感心します。

上りは皆歩いているからいいのですが、下りになった途端に周りの速いこと速いこと。道が細くて足下も見えない道でも後ろからガサガサガサッ!とでかい音と共に転がり落ちるように突っ込んでいくランナー(おばちゃん含む)が来て衝撃でした。勿論写真を撮る余裕などはありません。自分は怪我をするわけにはいかないので、道を譲りながらなんとかトレイルの下りという恐ろしい関門を通り抜けることに専念します。

どうにかこうにか、命からがら二ノ谷エイドに辿り着きます。二ノ谷エイドではボトルの残りが多くてコーラは断念しましたが、バナナやオレンジで補給できました。トイレは少し迷ったもののまだ早いと判断しました。

あまりに下りで消耗したのか、食べ物の写真がありません。

少しロードが続いたので挽回できるぞと思いたいところですが、ロードといいつつ水が流れていてぬかるみもあるので、この辺りからシューズを通して水が入る場面が増えました。ここらで1か所程危ないレベルの下りがあったはずです。

走り易いロードも一睡の夢です。

そしてロードも束の間でまたしてもトレイル区間に入ります。やはり最初の少しだけは走ってみるも、後は諸々の危険を避けるために歩く羽目に。散々歩き木々の間を抜け、どうにか進みます。これはこれで貴重な経験ですので楽しくはあります。ある程度の高さまで行っても沼化している箇所があり、木の上に乗ったりして回避は試みるも、かなりやられてしまいました。

どう考えても冒険し過ぎでしょう。

這う這うの体でようやく杉峠エイドに到着し、わずかに見える琵琶湖の姿にほっとします。今年は昨年と異なり涼しいので皆元気だとエイドの方に教えていただきます。そうめんかりんとうもおいしかったです。バナナ、オレンジ、コーラ、饅頭等も次々と吸収します。

ようやくトレイルも終わり、ホッとします。

正にエイドという言葉そのものでした。

なお、15kmで二時間弱かかっているので6時間付近を意識しました。

後半(花脊峠から賀茂川へ)

ここからいよいよロード区間です。花脊峠から鞍馬寺に向かって駆け下りるという京都民なら一度は憧れる下りです。まずは花脊峠の横に出ただけで、“ここに出るのか”と感慨に浸ります。ここまで来れば気は楽ですので、有名な酷道の写真も撮りつつどんどん進みます。下りも飛ばし過ぎるわけにはいかないのですが、へっぴり腰で大ダメージを負わないようには注意したいところです。当時はかなり荒々しいフォームだったこともあり、揺れでポーチからボトルが抜けそうになっていました。翌週の黒部に響かないかなと思いつつもキロ4分台は出ていました。

おお、ここに出ますか!と一生に一度の喜びがあります。

この酷道の先はすごいらしいです。

この方向に下るのは初めてです。

鞍馬寺エイドでは優しく迎えていただきます。ここで日差しが強くなっていることからキャップ・サンシェードを装備しました。走っていると応援してもらえて嬉しいです。

ここを勢いよく下れる日が来ようとは。

全鯖だったらもうへとへとだっただろうと思います。

その後も下りは続き、思い入れのある京都の街(ただしかなり北の方)を気持ちよく走ります。調子が出てきたのか市原エイドまであっさり到達したので、トマトクラッカーバナナをいただきました。東北部クリーンセンターの方は意外と眺めもよかったです。

もう下り一辺倒で爽快です。

更に左に曲がる所で、みかんの缶詰コーラレッドブルをいただきました。少し行った先ではかき氷まで。もう感謝感謝です。

噂に聞いていましたので、辿り着けて嬉しかったです。

賀茂川沿いに突入してからは景色も変わらず、また、遮るものもないため日差しをもろに受けることになるのですが、自分は前半ほとんど歩いていて元気な上にイダテンさんを履いているので、重厚なトレイルシューズ組をどんどん抜きます。土地勘もあるので気楽に、エイドがあるごとに水やコーラをいただき元気に進みます。多少暑かったものの、それ程辛さは感じませんでした。

30kmは5'01"/km、35kmは5'10"/km、35kmから先は4'50"/kmと4'29"/kmで無理なく走れており、何回も止まっている割には速かったです。

最後は少し上げて気持ちよくフィニッシュ。完走賞の鯖をゲットして大喜びです。フィニッシュは何度経験しても嬉しいですね。応援して下さった皆様、一日どうもありがとうございました!

あれだけ遠くから京都に帰って来た!という喜びは特別です。

鯖に迎えられるのが完璧です。

アフター

とりあえずプロテインとゼリー、ポカリと水を存分に摂取し、更にコンビニで栄養補給(唐揚げ、ゆで卵、チーズ)をしてから百万遍東山湯さんに向かいます。無料入浴にご協力いただき感謝です。予想通り混んではいましたが、広かったので案外快適でした。ビールがたまらなく美味しかったです。

この鴨川の空気、もうバーベキュー気分です。

充実感が半端ないです。

イダテンさんは大きなダメージを受けていました……。踵は、走っている時も浮いているような感触があったのですが、見ても速くならないと判断してそのまま押し通しました。後で見てみると予想外の割れ方をしていました。まあミッドソールに接着すること自体に無理があるとか、石を踏んだとか色々あるのでしょうが。

脚を守ってくれてありがとうございます。

そしてタテカンが撤去されて見慣れない姿となった東大路通を見届けてから帰宅……。やはり独特の景観が変わってしまうことに寂しさを感じます。

まあそこまで好きではないですけどね。

最後に

鯖街道ウルトラマラソンは、人気大会ゆえあっという間にエントリーが締め切られてしまいますが、走ってみるとその魅力がよくわかりますね。全鯖に出られるような強靭な身体に憧れるところです。一日ご協力いただいたスタッフの皆様、贅沢な時間をどうもありがとうございました!