「一番好きな大会は?」と聞かれた時に名前が出てくるのがこの大会。あまりに気に入ってしまったので三年連続の出場です。北アルプス、黒部川、日本海の全てが堪能できるコース設定に、2km置きのエイドでいただく名水、そして沢山の応援とスムーズな運営。正に完璧で文句のつけようがありません。高橋尚子さんにもお会いできます。是非多くの方に走っていただきたい大会です。
30℃越えで猛暑の2019年大会も、黒部の皆様が一致団結してサポートして下さったので、倒れることなくフィニッシュできました。本当に底力を感じる大会でした。
2022年には復活して下さり、全黒部ファンが歓喜しました。通算5度目の参加となり、すっかり常連です。2023年もふるさと納税枠でエントリーしています。
前日(金沢へ移動)
サンダーバードで金沢まで移動します。ひゃくまんさんのありがたいお姿を写真に収めてから実家へ。普段は鎮座しているのに手足がにょきっと生えて移動も可能という設計が素晴らしいです。
レース当日
レース前
23時30分過ぎ消灯5時20分頃起床です。当時としては食事を少な目にしてみました。パン2つにゆで卵、キウイ。駅でおにぎり梅。テーピングとソックスしっかり。塩熱サプリとゼリーは前日に準備済み。日焼け止めもしっかり塗り、ワセリンも完了してから出発です。
北陸新幹線で黒部宇奈月温泉駅に向かいます。北陸新幹線に乗るだけでテンションが上がります。時間的にはギリギリなのですが、待ち構えているシャトルバスがどんどん輸送して下さるので間に合ってしまうのです。参加賞を受取り荷物を置いて即スタートに移動できるよう、テーピングなどは事前に済ませておくとよいです。※スマホを持って走る場合は防水対策必須です。
レース
序盤~前半(フラットなエリアに沢山の応援)
いよいよスタートです。高橋尚子さんと柏原竜二さんが見送って下さります。天気もよく、今年も素晴らしい景色が見られるのだろうとワクワクします。アイスも楽しみで仕方ありません。高橋尚子さんのご尊顔を拝みたいがために左端に陣取ります。
スタート直後は、流石Bブロックだけあり左程混雑に悩まされることもなく進みます。4'40"/kmくらいの意識で4'38"/kmだったのでまずまずです。給水も最初から確実に取っていきます。
第2エイドも過ぎて最初の折り返しからしばし線路沿いの平坦な道です。高架下をくぐり進みます。花が明るいです。日陰はありませんが初参加の頃より風が涼しく、余裕を感じました。後から見ると4'25"/kmで速かったのですが、感覚的にはゆっくりで、いつでも上げられるくらいのつもりでした。
駅を過ぎてからの市街地では応援が多くて思わず笑顔になります。今年も太鼓やフラダンスの皆さんの応援を受け、市街地を楽しく進みました。この辺りでもずっと“ありがとうございます”と返していました。
中盤(山を感じて折り返し)
12km過ぎくらいで道路の下をくぐってからは一気に山が近くなり、豊かな自然を感じます。ここから15kmくらいまでの上りがやや長く感じますが、上りらしい上りはここくらいだと思います。水撒きはキャップを取って浴びるようにします。この辺りで若者に「毎回ありがとうと応えていて元気ですね」と言われたので「この大会は大好きなので」というようなことを話しつつ進みます。
跨線橋を下るとスポンジなので狙い通りゲットします(当時はコロナ前なのでありました)。黒部宇奈月温泉駅では温泉万頭がいただけます。咥えて走りますが、給水までの距離をミスり少しむせました。
20km付近で二つ目の塩熱サプリを摂取。そろそろ上りも飽きてきた辺りで北アルプスを望める直線に入ります。コースの頂上が近づくと北アルプスが目の前に見えて力強さを感じます。途中で富山の大会ではおなじみの野尻あずささんとすれ違ったのですが、ものすごく苦しそうで心配になりました。でもトップ選手はそこから耐える底力が尋常ではないのです。
宇奈月麦酒館の前のエイドではおにぎりや果物がふるまわれるので見逃すわけにはいきません。とろろ昆布おにぎりをゲットしました。次の給水まで距離が空いたためややきつめではありますが、富山ですから食べておきましょう。
折り返して下りに入るとかなり楽に感じます。しばらく行くと黒部川沿いの道に出て、名水シャワーが浴びられます。28km辺りで高橋尚子さんのハイタッチと応援で励ましていただきました。本当に明るくて素敵な方ですね。
後半~終盤(黒部川から富山湾へ)
河川敷を走りながら黒部川の美しい流れに目を奪われます。暴れ川としての数々の逸話もあるものの、マラソンの日はその姿がランナーを元気づけます。
毎年おられるシンガーの励ましを受け、32kmのエイドも水のみで進みます。わずかな上りの後一人に先行を許しましたが無理には追わないことにしました。毎度のことですが、この辺りでは36kmのエイド(塩ソフト)だけを楽しみにしています。感覚としても落ちているのは分かりましたが、さして気にせず、まだ平均4'31"/kmかと思いつつ応援に応えて前へ進みます。35kmのエイドで少し左に下った後は高架下のみを目指して走る時間です。
そしてそして!36kmのエイドでは待ちに待った塩アイスがいただけます。米粉ラーメンも初めて食べましたがおいしいのです。しっかり止まって食べ、エイドのおっちゃん達と談笑黒部に来てよかったなあと強く感じる瞬間です。ここでミッション終了のようなものですので、後は気負うことなくゴールを目指します。
普通の大会であればこのまま終わるところですが、まだ日本海沿いの直線を走る贅沢な時間が残っています。どんだけ秀逸なコース設定なのかと思います。大漁旗の応援にも見送られます。遠くから聞こえてくるベース音で浪漫飛行がかかっていると分かる世代です。昨年は左膝の怪我でボロボロになりながらようやく辿り着き、少し涙が出そうになった場所です。最後は少し上げて3時間12分台で終わりました。
アフター(会場を堪能してから宇奈月温泉観光)
フィニッシュ後は名水を好きなだけ飲む、浴びる等できますし、ふるまいの名水鍋、名水団子、ます寿司が豪華です。カーター閣下のメダルも黒部ならではで嬉しいですね。出店も充実していますのであれこれ食べられ、シューズもミズノのアミュレットを買えて大満足です(このシューズで翌月の隠岐の島ウルトラマラソンに臨み、10時間を切れました)。会場からの景色も非常に気持ちよく、また来年も来たいなと思ってしまいます。
折角ですので、会場からの温泉バスで黒部宇奈月温泉へ向かいます。温泉入浴券は前日か朝一でないと売り切れてしまうのですが、総湯であれば入れることが多いです。新しい建物でとてもきれいです。
宇奈月ダムは初めて訪れましたが、やはり音と流量は迫力がありますね。かの黒部ダムはさぞ壮観でしょう。
街を挙げての応援ということで、お土産屋さんでは(酒類を除いて)割引して下さったりします。黒部宇奈月温泉駅までバスで送っていただけますし、安心して観光を楽しめます。新幹線の待ち時間に駅隣接の観光センターでお土産を買い、最後はこしひかり最中を食べて楽しい思い出と共に黒部を後にします。幸福感に溢れた一日の締め括りです。なお、買いはしませんでしたが、「米騒動」というお酒もあり、富山県民にとってのイベント重要度を再認識したりもしました。
最後に
いかがでしたでしょうか。私の拙い文章でどれくらい伝わるかわかりませんが、とにかくすごい大会ですので一度走ってみて下さいという思いです。マラソン大会の魅力が全て凝縮されたような大会です。
黒部の皆様、毎年こんなにすごい大会を作っていただきありがとうございます!
後日談
黒部氏にふるさと納税をすると宇奈月ビールをいただけます。おいしいですよ。黒部大好き。
ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。