ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第23回 信州爆水RUN in 依田川(2018/8/5) 大人になっても川遊びで爆走!爆笑!上田城跡公園、鹿教湯温泉、松本観光も!

たかだか8kmのために遠征するのかと迷ったものの気になったため鉄人コースに初参加したところ、想像以上に厳しく、また楽しい大会でした。真田昌幸が数に勝る徳川軍相手に二度に渡り輝かしい勝利を収めたあの上田城址も見学でき、鹿教湯温泉に宿泊して翌日は松本に抜けるコースも取れますので、観光満足度も相当高いです。

大人になっても真夏の川で大はしゃぎできるのは貴重です。気になる方は一度は出てみましょう。きっと思い出に残る夏の一日になります。

bakusui-run.jpn.org

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 前日(夜行バスで移動)

今回はレースというよりは観光ですので少しでも交通費と宿泊費を削ろうと夜行バスを選択しました。バス自体は海外出張のエコノミーより快適だったものの、若かりし頃のノリで夕方に筋トレを敢行していたこと、朝明るくなるのが早いことから、なかなかタフな展開になりました……。

レース当日

レース前観光

上田駅に到着したのは6時前。睡眠は3時間を切っていますので既にかなり厳しいコンディションです。この日は最高気温38℃ということで朝からかなり危険な気配を感じつつも、千曲川沿いを少し散歩し、上田城跡公園を目指します。

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こんな時間に到着しても……。

千曲川も訪れることができました。

恥ずかしながら日本史に疎く、この時点では真田氏のこともよくは知らなかったのですが、ここで徳川の大軍を二度も撃退したのか、敵の心理を掌握し切った知略すごいと今更ながら歴史の魅力の一端を垣間見たため、帰ってから『真田信繁の書状を読む』(星海社新書)、『真田幸村 家康を最も追いつめた男』(小学館新書)を皮切りに何冊か本を読み、また、各地で偉人についての書籍を買うようになりました。

早速朝から散策です。しかし眠くてふらふら。

大会会場への送迎バスに乗るため、歩いて駅まで戻ります。道中にも真田十勇士の紹介パネルがある等、多くのファンが訪れていることがよくわかります。歩いてみると他にも上田市の魅力に気づくことができます。

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日本一の兵(ひのもといちのつわもの)!

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駅前には真田幸村公の銅像

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上田市は犬神家のロケでも有名とのこと

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すみません、遠目に見て盗人かと思ってしまいました……。

バスにはスムーズに乗れました。スタッフの若者が明るく元気に「爆水RUNですか?」と声を掛けて下さり、おお、盛り上がっているなと感じました。駅からは予想より遠かったので、ここで少しだけ眠ることができました。

レース

会場に着くと受付で、何はなくともヘルメットの貸し出しが受けられます。ヘルメットを被る習慣がなく、ちょっと気恥ずかしいようにも思いますが、これがないともしもの時には重大な事故につながりかねませんので、絶対に必要です。

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私たちの命を守って下さります

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繰り返しますがこの日の最高気温は38℃です

案内にあるものの甘く見ていて読み飛ばしがちですが、肘や膝のプロテクターもあった方がいいでしょうね……。それ程危険な大会なんですよ……。シューズも迷った末にどうせ濡れるからとトレイルシューズを選択しておいてよかったです……。

開会式で、昨年の優勝者の方は一昨年転倒して脱臼したという事実が告げられ、これはもう生きて帰るのが目標だとターゲットを再設定します。
なお、今回は水の中に突撃するため、当然撮影は諦めています島風コスのマラソンサニーさんがおられたので非常に惜しいところです……。こちらの公式サイトのコース紹介をご参照ください。

bakusui-run.jpn.org

スタートはグラウンドに自由に並んで一斉にどどどと走る自由な展開で既に面白いです。左折して橋を渡り、あと少しだけは陸地を走れますが、遊びはここまでだと言わんばかりに川の中へと導かれます。早くも深さも何もかも分からない水の中へドボンと飛び込むことを余儀なくされます。

当然ですが陸とは全く勝手も違いますし、何をどうしていいのかさっぱりわかりません。河原を攻めるのと流されるのとではどちらがどれくらい速く、消耗が少なく、安全なのか等、全てが未知です。

川パートは、立って歩くとしょっちゅう苔に脚を取られて転倒します。川底はこんなに滑るのかと驚きます。浮き輪を持参して優雅に流されている方もおられ、それは気持ちよさそうでしたが、泳ぐには微妙な深さで、頭から行くと胸を打ってゼッケンが破れる、お尻からいくと臀部に石がぶつかるというシビアな設定となっています。(途中で時計が川底の石にザリッとやられました……。)

ならば陸はどうかと言うと、石がかなり大きく、大股で走ると捻挫、転倒のリスクがあるため、こちらも遅いのです。微妙なサイズの石を踏んでしまうことも多々ありますので、トレイルシューズに足裏を守ってもらえて助かりました。少しでも時間を短縮したいのであれば陸地を小走りで進むことになるかと思います。

もうこんな展開ですので、コケては笑い、抜かれては笑い、暑いなと感じたら水に飛び込んで笑うといった具合で、順位を狙うつもりもなく、ただただ川で水遊びをしているようなものです。流れが急な所では手を取って助け合ったりしますからね。

こんな経験ができるなんてとどんどんハイテンションになっていきます。(ただし距離の割には滅茶苦茶疲れます。二度目の折り返しではまだ帰れないのかよと思いました。)

繰り返しになりますが、コースの危険度はかなりのもので、バランスを崩して高さのある岩場から転落するようなことがあっては洒落になりませんので、遅くてもよいから安全にをモットーにそろそろと進みました。最後陸地に上がってからはダッシュが可能な舗装路で、ここだけ頑張りグラウンドでフィニッシュです。

終わった後はすぐに水でシャワーを浴び、着替えを済ませます。ふるまいのきゅうり、トマト、パン、豚汁がおいしく、かき氷も食べ放題です。ワインも一杯いただけて嬉しいですね。猛暑の一日でしたので、夏だ、夏だよと全身で喜びながらの幸せな時間でした。楽しい夏の思い出ができたことに感謝です。

何故かやたらと充実のふるまい。この暑さの大会はレアです。

トップとは30分以上の大差が。この距離で。

アフター

レース当日

バスで会場を後にし、再び上田駅へ。この時間だとレンタサイクルが利用できますのでありがたくお借りします。朝は回り切れなかった上田城跡公園を再訪し、櫓に上ったり、市立博物館を見学したりします。折角の機会ですので火縄銃を放ちおもてなし武将隊の一人には犠牲になっていただきました(撃てません)。市立博物館との共通券500円はお得です。世界で初めて人工ガンを作った山極氏の展示が印象に残りました(こちらは撮影禁止)。

とりあえず打ち上げです。とにかく暑い。

櫓から狙撃しました(できません)。

展示も色々あって楽しめました。

自転車のお陰で結構回れました。

この後折角自転車があるのだからと柳町にも訪れますが、あまりの暑さと前日からの疲労に体力の限界を感じ、早々に自転車を返却してバスで鹿教湯温泉を目指すこととします。信州銘菓みすず飴をお土産に購入します。

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時間と体力があれば食べ歩きができたのに……。

バスに揺られること一時間くらいだったでしょうか。無事に鹿教湯温泉に到着です。宿にチェックイン後、とりあえず温泉で身体を癒します。よきお部屋ではありませんか。禁煙全部込みで6090円はお値打ちです。 

少し休んでからジョグに出かけます。夏に夕暮れの山道を行くのは非日常感がたまらなく楽しいので、どんどん進んでいきます。1kmも行かないうちに温泉から出てしまいます。この先は山よなあと。夕暮れゆったりと坂を上り続けるのは気持ちいいです。

まあ看板があるっていっても。

こんな感じでクマなんて出るわけないだろうくらいのなめた気持ちでのほほんと進んでいたのですが、内村ダムまで上り、何だよチョロチョロしか流れてないな折角だから端まで行くかと思って渡りきろうとしたその時、自分の身の丈以上の動物が数十メートル先を横切ったので一目散に逃げてきました。人間と高所以外にも、恐ろしいものは、ありますね。命の危険を感じる展開でした。山をなめてはいけませんね……。

これまで最もあの世に近づいた瞬間だったと思います。

食事は創業昭和30年の辰巳屋さんくるみ蕎麦をいただきます。香ばしさがたまりませんね。長野に来たからにはお蕎麦でしょう。

くるみは依存症気味です。

鹿教湯温泉にはコインランドリーがあるのもありがたいです。洗剤は持って行った方が無難ですね。

年中無休だそうです。

普段聞こえない川の流れを聞き、普段見えない星を見てぼんやり歩きました。遠くで花火が鳴っています。普段当たり前としている毎日から抜け出て独りになってみる時間があってもいいです。不思議な感覚で静かな時間を過ごして眠りにつきます。

こんな世界に足を踏み入れられるのも旅ランならではです。

翌日

朝はダムとは逆方向にジョグで下っていきます。暑さは苦手なのですが、夏を強く感じさせてくれる緑と空の青に、ランナーやっててよかったな、夏も悪くないなと思います。

夏全開。今でも夏に走っていると思い出す景色です。

コンビニで栄養補給です。

しつこく朝風呂を利用させていただき、チェックアウトです。斉北荘さんには大変お世話になりました。子供向け遊具も多く、家族でもくつろげるかと。宿の皆さんも親切で、初の鹿教湯温泉も大満足でした。ありがとうございました。

名残惜しくて何度も振り返りました。

朝の鹿教湯温泉郷を散策します。万年橋辺りも秋になると更にきれいなのだろうと思います。勿論、緑に包まれるこの時期も素敵です。

色濃い緑と渓流の音に包まれ、夏を満喫します。

参加賞で文殊の湯の入浴券をいただいたことに加え、鹿教湯温泉はここ文殊の湯から始まったといいますし、川の音を聞きながらの入浴とあればこちらも入っておくしかありません。渓流を眺めて心身共に癒されます。色々な温泉に行けるのも旅ランの魅力です。

地域の方も利用しておられました。

翁まんじゅうつぶあん)、かけじいのたい焼き(レモンあん)を食べ、ル・シカでは本場長野の大変甘くておいしいリンゴジュースもいただき、感謝の気持ちを胸に鹿教湯温泉を後にします。松本へのバスが出ていて便利です。

味のある表情をされています。

恐怖の山もバスなら安全です。

松本駅に着いたところで山賊焼きは食べておきます。そしてここでもレンタサイクルを利用させていただきます。しっかり整備されており乗り易かったです。流石は観光都市松本です。

松本といったらこれです。

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素晴らしきブリヂストン製でした

前年に松本城天守閣は見学しているので、今日は旧開智学校を目指します。しかしやはりその姿を拝まないことには松本に来た気がしませんので寄ってみたところ、太鼓門が特別公開中で開放されていました。今回は天守閣は上りませんでしたが、ラッキーです。

松本に来たからにはその姿を拝見しないわけにはいきません。

街中に冷たい湧き水があるのも松本の魅力ですね。

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松本神社 さながらエイド

旧開智学校はとても美しく、当時の最先端の建築意匠をこれでもかと活かした作りが壮観です。塔屋に天使と龍の擬洋風建築は当時の最先端で、東大等の建築を参考にして全体の調和も破綻させていない立石清重が偉大過ぎます。昭和38年まで使われていたのですが、思えばそれもものすごく前のことです。ここで智を開くことが国のために、人々の幸せになると信じて教鞭を取った先生方、学んで巣立っていった生徒達に畏敬の念を抱きます。勿論戦時中には間違った方向へ突き進む暗い時代があったのですが、それも含めて貴重な歴史的建造物です。

松本の地に建っていることがまたよかったです。

時と人とがそこにあったのだと感じます。

時と人とがそこにあったのだと感じます。

8月6日なので、特に戦時中の教育と暮らしが重くのしかかってました。紙芝居は小さい頃好きだったので撮影。あと、明治の学生は絵が上手すぎやしないかと感じました。

ここまでの完成度の絵を描かれるとはどんな方なのでしょうか。

時間はあまりありませんでしたが、駅でりんごパイを買い、鹿教湯温泉で買ったむきくるみと共にワイドビューで帰路につきました。

最後まで沢山食べて満足です。

最後に

いかがでしたでしょうか。 必ずしもロードを速く走るだけが人生ではなく、世の中にはこんな面白い趣向の大会があるのかとその非日常ぶりに感心した遠征でした。たしかに危険は沢山あるのですが、真夏に童心に帰って大はしゃぎできるなんて幸せ過ぎます。観光資源も豊富ですし、是非多くの方にチャレンジしていただきたいと思います。

上田市の皆様、大変貴重な経験をさせていただきありがとうございました。