今回で4度目の参加になりますが、都市型マラソンの極致のような大会で、本当に楽しくて楽しくて最初から最後まで笑顔で走ることができました。こんな贅沢な時間を作り上げて下さった金沢の皆様には感謝しかありません。人生最後にどのマラソンを走りたいかと問われれば、金沢マラソンを挙げるかもしれません。(食べまっしステーション完全攻略で3時間3分台でした)
何と言っても“参加者を何としても喜ばせるのだ”という金沢の皆様の気迫がすごいです。普段は静かな街なのですが、沿道を埋め尽くしていただき、金沢の誇る加賀友禅、太鼓、消防団の纏、ハイタッチ等々で出迎えていただけて、どこに行っても驚くと共に、励ましていただけて笑顔になります。
食べまっしステーションもカレー、ラーメン、和菓子等々豪華過ぎる種類と量で、よくぞここまでと感激します。勿論ランナーは大喜びでいただきます。
終了後も街で和菓子を値引きして下さったり、文化施設や銭湯でマラソンの話をしたりで皆様で受け入れて下さったことに感謝の気持ちに充たされます。
金沢の皆様、この素晴らしい大会を続けていただき、本当にありがとうございます!これからも一緒に楽しみましょう!
前日(受付、文化施設見学)
受付&もてなしメッセ
大阪駅8:40発サンダーバードで移動です。いつもは夕方に着くことが多いので、午前中に受付を済ませるのは初めてです。結果的には早い時間に行くのは正解でした。
受付でも応援の言葉をいただき、ますます当日が楽しみになります。今年は北陸新幹線が台風の影響で本数を減らしていたこともあり、なんと22時まで受付時間を延長されていました。こういう熱意もすごいです。
受付後参加賞Tシャツ受取りへと進む途中には、金沢マラソンのあゆみが展示されていました。もう5回目になるのだなあと感慨深いものがあります。抽選漏れで唯一出場できなかった2016年大会の展示が貴重です。
もてなしメッセではトロフィー、ブーケの展示もあります。自分がもらえることはないのでここでしっかり見ておくしかありません。一つ一つ手が込んでいます。
そして食べまっしステーションの展示も待ち受けます。これは素通りするわけにはいくまいと決意を新たにします。やはり金沢マラソンは圧巻です。フルグラの試食もあり、気前が良すぎます。
無事にTシャツを受取り、もう少しブースを回ることとします。体組成測定やランにフォーム診断も毎年開催されており、そこまで混んでいなかったこともあり体組成は測っておきました。基礎代謝1715kcalはホントかよと思いますが。
早い時間に来ればグッズも買えるのがいいです。職場のお土産にサブレ、母への記念にキーホルダーと手拭いを購入し、好きな方を選んでもらいました。(キーホルダーを選択)
お馴染みまつやとり野菜みその新作もあったので買うしかなありません。鍋シーズンも近付いてきましたし楽しみです。しかも会場限定価格でお買い得でした。
スギヨさんの香り箱バター焼きもおいしかったです。明日も確実にゲットするぞと決意を新たにします。
能登和倉万葉の里マラソン、加賀温泉郷マラソンブースにも立ち寄り、毎年お世話になっていますとお礼と共に来年もよろしくお願いしますとお伝えできました。石川三大会はどれも特色があってとても楽しいのです。三大会を完走すると記念の記録証と記念品が贈呈されます。
文化施設見学&ハントンライス
まだまだ見て回りたいところですが、ハントンライスを食べたかったので早目に街へと繰り出します。前々から気になっていたものの訪れていなかった徳田秋聲記念館についに行けました。自然主義とは聞くものの読む機会がなかったので、いいきっかけになります。泉鏡花とのいざこざや室生犀星との庭つながりも知ることができました。なお、自分は年間パスを買って得意気にしていたのですが、金沢マラソン『応援&グルメガイド』特別企画でランナーは無料で入れたと後で知りました……。(この後の施設もです)まあまた別の機会にも来るのでいいですけど。
泉鏡花記念館もひがし茶屋街エリアで近いので久々に入ります。展示が前回と全く異なっているので新たな学びがあります。兔のコレクション、横山大観とのつながり、鏡花の最期についての記述が印象に残っています。金沢マラソン後に積読になっていた泉鏡花作品を読んだところ、安定の悲劇でした。
ここまで来たからには(スタンプラリーにも乗せられ)三文豪を制覇しなくてはと室生犀星記念館にも行きます。前回『抒情小曲集』等の入った詩集や『杏っ子』を買って読んでいるので、展示から受け取れる諸々の量が違って感じられました。確実に持っていない本を選び、荷物が増えました。
途中尾崎神社と尾山神社にも立ち寄り、普段のお礼と明日の無事を祈願してきました。徳川家康公と前田利常公を祀った尾崎神社は今まで存在を知らなかったので、新たな発見になりました。利家とまつで広く知られた尾山神社も実は初めてでした。
観光が長引いたため当初行こうと思っていたお店の営業時間を過ぎてしまったため、少し遅めでも開けていて下さるグリルオーツカさんでハントンライスをいただきました。こちらで愛知県からのランナーさんに話しかけていただき、友達になれたのはとても嬉しい出来事でした。更に店員さん(なんと出場5回目、負けた。)とも明日頑張りましょうと盛り上がれたのでとても楽しかったです。勿論ハントンライスの老舗である同店の味は確かなもので、魚フライもサクサクで大満足です。
夜は『応援&グルメガイド』の銭湯無料券を使い、近所の銭湯で身体をほぐして気持ちよく眠りました。街を挙げてのおもてなしに感謝です。
レース
準備
23:10消灯6:20起床です。完全に寝坊しましたが大勢に影響はないのでよしとします。パンは三つ、牛乳は200ml、バターは15g。胡桃の佃煮もおいしかったです。前日銭湯で体重を測った時は69.3kgでした。今日はきっとうまくいくという明るい気持ちで準備を進めます。
基本はエイドで食べまくるのでゼリーは余るはずですが、万一頑張りたくなったときに備えてショッツも携帯します。カプチーノ味がどれほど強烈な味か試しておきたい気持ちもあります。塩熱サプリは三粒。テーピング、ソックス、トイレも済ませて出発です。
装備は白ノースリーブ、短パンのストロングスタイルです。雨に備えて白キャップは被っておきます。シューズは北海道マラソン以来のエンペラージャパンです。過去に大阪、東京、金沢、熊本城、さが桜、北海道と勝負所でお世話になってきた相棒です。
大体20分くらいで会場に到着です。曇りで雨は降っていませんでした。夜中は大雨が降った時間もありましたが、持ち直してくれてよかったです。ランナーはともかく応援の皆様が大変ですので。
スタート
ブロックごとに整列し、開会式では纏による完走祈願、メッセージ、ゲスト紹介等を経て8:40に金沢マラソン2019がいよいよスタートしました。金沢の皆様、ランナーの皆様、今日は一日よろしくお願いします!
今回の目標は食べまっしステーションを完全攻略しつつ3時間5分以内でした。昨年は3時間9分台でしたので、そこはどう考えても上回れると思っていました。Bブロックでスタートロスはわずか15秒ですから上々です。
石川県出身の女優浜辺美波さんとドーハ世界選手権50km競歩金メダルの鈴木雄介選手は紹介時に特に大きなどよめきが走りました。野口みずきさんが指を指しておられるのは、私の目の前におられた女性二人組が「みずきさーん!」と大声で呼んだためだと思われます。
二年連続ランナーとして完走されていたほくりくアイドル部の松井祐香里さんは今年は応援ということでスタート台からの笑顔です。奇しくも脚が写る構図になってしまいましたが狙ったわけではありません。沿道の声には笑顔で応えると喜んでいただけるので、やはり全力笑顔は大事だなあと実感しました。
左折してお堀通りを行くと今年も纏に送り出していただきます。麗しき加賀友禅大使の皆様は本当に美しいです。和傘も色鮮やかで流石金沢と拝みたくなる場面です。ぶれていますが加賀豊年太鼓保存会さんは今年も力強いです。金沢マラソンは太鼓が日本一多い大会かもしれません。
今回は初っ端からいつもよりうまくピッチが上がりました。これは楽に進むなと思いながら左折します。意外と自分の前後に空間ができたので積極的に写真を撮ります。
坂を下って一段落したのでスマホをしまって進みます。2km手前で3時間15分のペーサーに追いつきました。ここで集団に巻き込まれると後々食べまっしステーションで苦戦しますので、早目にしかけて抜き去ることにしました。
スタート前の紹介でおそらく最も声援が大きかったのがiPS細胞の山中伸弥教授。鼓門へ向かう途中でお見かけしたので頑張りましょうとだけお声掛けさせていただきました。今思えば京大の話もすればよかったです。今日はベストを更新されており、本当に偉大なお方です。こういう突出した方のお力により私のような人間も幸せな日々を送れているわけですから、これからも応援させていただきます。(なお、邪魔にならないように注意しながら強引に自撮りも決行しました。)
鼓門に向かう途中で早くもトップ選手が折り返していきます。写真を撮ろうと思う間もないくらいの速さでした。鼓門でも大勢の応援を受けながら折り返します。8時40分スタートで鼓門まで行く今のコースはとてもいいと思います。
武蔵、香林坊、片町とどんどん進む贅沢な時間です。ここでも少年野球チームのハイタッチや吹奏楽がランナーを盛り立てます。とにかくびっくりするくらい応援が多いのです。手元では5kmで22分を少し切っていたので、珍しく順調な滑り出しだなと考えていました。
犀川大橋を渡ると広小路から少し上ります。ここでおもてなしランナーズの西田隆維さん、加納由理さんに追いついたので、毎年ありがとうございますとお礼を言います。西田さんは2015年にも声をかけていただきました。ここでも周囲のランナーに給水のアドバイスをされていました。
市街地から山側環状エリアへ
最初の給水もテーブルが長く、更に左右両側にあるので余裕を持って補給します。いきなり爽健美茶をゲットです。寺町、泉野、泉丘を気持ちよく駆け抜けていきます。昨年はここでワイナイナさんに写真を撮っていただきました。泉丘高校前のファンファーレさんのパンもおいしいのです。この5kmは21分31秒です。なかなかいい感じで走れています。やはり写真を撮らないと楽なのかもしれません。
窪で左折してからしばらくは緩い上りが続きます。ここではピッチを意識的に高く保つと共に、同じくピッチを高めに維持するランナーについていきます。ここでリズムの悪い人に影響されてしまうと疲れますので。
大乗寺丘陵公園までで一度落ち着き、少し進むとコース最高点に向けてまた上ります。ですが、榛名湖マラソンの絶望感とは比べ物にならない気楽さです。たかだか40mを一本だけです。78mを5本、対向車のメロディーラインの音がトラウマになる榛名湖とは訳が違います。
ここも応援が多いエリアで、最高地点では消防分団の纏が毎年目印になります。給水もこなし、下りのトンネルに入ります。一つ目は大して長くなく、330m程です。二つ目のトンネルは670m程です。ここには今年も「いいぞいいぞ頑張れー!」と大声で応援して下さる女性がおられました。毎年楽しみにしています。ありがとうございます。
このトンネル二本は下りですから、ガーっと行けそうな気がしますが、金沢マラソンの不思議なところで、何故か自分はこの下りで毎年スピードが出ずに戸惑うのです。今年もあまり速くないまま進みました。14kmの通過が手元で1時間1分前後だったと思います。まあ今日はこんなものかなと思いつつ進みます。
そうこうしているうちに食べまっしステーションが近づいてきますので、確実にゲットできるよう、心の準備を整えます。
食べまっしステーション① 14.5km能登ねりものスポット
今年もスギヨさんの香り箱をいただきました。キロ4分20秒辺りだと取るランナーはまだ少なかったようで、差し出されたカップを受け取ると喜んでいただけました。完全にカニを食べた気分で楽しくなります。
ちなみに写真を撮るのはそれなりにテクニックが必要です。カップを取ってすぐにかじりつくのではなく、まずはカップを口にくわえて両手を空け、ストラップを指の間にしっかりと引っかけてスマホを取り出します。画面は見ずに機器側面のボタンでカメラを起動、その振動を感じてから指がシャッターを押せるように持ち方を工夫します。安定しないときは頬を使って持ち替えたりもします。当然一枚だけだとミスショットも生じますので、ダメ元で数枚撮っておきます。
若松橋を渡って右折すると右手に被り水チームが控えています。例年、給水かなと近寄り、違ったと離れる場所ですが、4度目ともなると給水はもう少し先にあると分かっていますのでそのまま進みます。ランナーが取り易いように差し出して下さっているのですが、長時間になると腕も疲れるでしょうし、まだそれ程選手も来ていないので休むことができればいいのにと思っていました。
旧街道まちなみエリアに突入
ここは応援の距離も近くありがたみがより身に染みるエリアです。ここが一番金沢の魅力を感じられるという方も多いかと思います。クランクもあり、こんな家の間をこのスピードで走らせていただけることに感謝です。
兼六園下に戻ってきて、今度は浅野川を渡りひがし茶屋街エリアに向かいます。ここも金沢の一大観光スポットです。徳田秋聲記念館、泉鏡花記念館、安江金箔博物館、文学館、蓄音機博物館等の文化施設も充実しています。写真からもお分かりのとおり、本当に沿道が応援で埋め尽くされていて幸せです。
そしてまたまた次の食べまっしステーションが近づいて参りました。
食べまっしステーション② 19.6km百万石和菓子スポット
ここでは少しスピードを落とし、確実に中田屋さんのきんつばと粟森梅月堂さんの醤油の里かすてらをいただきました。きんつばは昔から家族に愛されているので上品ながら慣れ親しんだ味です。かすてらはふわっふわで驚きました。粟森梅月堂さんは大野の和菓子屋さんなんですね。それで醤油なのかと納得です。味わいながら体勢を整えているうちにもう次のエイドです。
食べまっしステーション③ 20.8km石川のらーめんスポット
今年も来ました、我らが8番らーめんさんの野菜らーめん醤油味。今年は走りながら取る挑戦を成功させ、食べつつ進みます。沿道の子供の「何食べてんの?」の声に「ラーメン!ラーメン!」と答える等この日一番盛り上げました。
なお、何度も呼吸を止めたのと喉に麺が引っ掛かったのとでこの日一番苦しかった場面でもありました。皆様にはラーメンは止まって食べることをお勧めしたいと思います。(言うまでもないですね)
北部エリア
小坂エリアを抜けて左折し、まずはJRの高架下をくぐります。もう少し進むと北陸自動車道の高架をくぐり、これで当分は平地が続きます。一面に田んぼが見えて遠くまで見えるようになった辺りで25kmです。この辺りまで来るとお腹も呼吸も落ち着き、さあ次の食べまっしステーションでは何を取れるかなという気持ちが盛り上がって来ます。
26km付近で東京からのランナーさんに声をかけていただき、少し談笑します。私はカレーを食べる使命があるのでお先にどうぞと応援します。
この辺りでは獅子舞が応援してくれました。実に多種多様な応援が繰り広げられるのは流石に歴史があり人口も多い金沢ならではです。高低図にはない短い坂を上って下ると次の食べまっしステーションです。
食べまっしステーション④ 28.2km石川県産米・野菜スポット
源助大根煮とひゃくまん穀のいなり寿司をありがたくいただきました。大根煮は汁がよく染みており、石川の味に舌鼓を打ちます。いなり寿司は大きくて食べ応えと満足感があります。ラーメン後のお腹も落ち着き、満を持しての給食です。
ここで補給をしてから右折し、橋を渡って左折して浅野川沿いを進みます。ちょっと行けばもう30kmですので、おおカレーまであと少しだという謎の気合の入り方をします。北陸自動車道の高架をくぐって左折すると、カレー前の折り返しを過ぎていくランナーが見えます。ここで3時間のペーサー集団が過ぎていきましたので、距離にして600m程度は空いていたと思います。
折り返しではステージが展開されていて、相川七瀬の懐かしい曲を歌っておられる方がいました。応援ありがとうございます。
食べまっしステーション⑤ 31.5km金沢カレースポット
折り返し後の直線で周囲との距離を測りつつ、満を持して「カツカレーいただきます!」と声をかけてやや減速し、しっかりとカツカレーを掴み取ります。毎年言っていますが、カツカレーとカツなしカレーがあるものの、カツカレー一択です。カツなしカレーではネタとして劣ります(スルーは論外ですよ)。濃厚なカレーは元気が出ますし、お米もカツも食べやすいサイズに調整していただいていますので心配無用です。金沢マラソンはこういうところも心遣いが違います。
周囲はバテ始める距離ですが、カレーうめえと喜びながら走ります。次のエイドまで2.9kmありますが、容器を持ったまま走ります。北安江町には北鉄を越えるための僅かな坂があり、上って下ると左折して金沢駅へと向かいます。
西部エリア
このエリアはまた一段と応援の皆様が多く、気分も盛り上がります。ここで段々雨が強くなってきましたが、写真は撮っておきます。右折して駅西50m道路に入っても応援が続き、とても力をいただけます。昨年はこの辺りだけ晴れて紅葉が美しかったのですが、今年は雨が降りしきる金沢らしい天候に(ある意味)恵まれました。
所々に水たまりはあるものの、確実に給水をこなして35kmも通過します。あまり気にしてはいないものの、手元で21分52秒だったので、カレーを食べた割にはまずまず落ちていないことを確認します。この直線は苦手という方もいますが、平地でダメージはありませんし、北陸自動車道の高架という目印もありますので、自分にとっては楽なエリアです。昨年はここからギアを上げたのですが、今年は確実に最後の食べまっしステーションを攻略するという目標がありましたので、若干抑え気味に進みます。昨年はミスショットをしてしまいましたので、緊張が高まります。
食べまっしステーション⑥ 36.3km石川のスイーツスポット
シャールベルべさんの和倉温泉のシフォンケーキとラ・パレットさんの五郎ちゃん(多分)をゲットです。シフォンケーキは口の中でとろけるように広がり、五郎ちゃんは甘みが元気を回復させます。石川スイーツは強者揃いです。(シャールベルべさんは翌週の中能登トレジャートレイル前日に和倉温泉に宿泊した際に立ち寄り、お礼を伝えつつロールケーキとパンを購入することができました。)
左折してゆっくり食べつつ、体力的に余裕があるので県庁の写真も撮っておきました。お腹が落ち着いた頃に残り5kmの表示があり、ようやくエンジンがかかって来ました。(スロースターターにも程があります)
西高の前を過ぎて折り返した辺りでなかなか速い女性ランナーを抜きましたが、まだまだ元気ですので沿道の声援に「ありがとう!」と応えつつ進みます。右折して短い水路の横を走っていると、2015年大会でよろよろと走っていた時のことを思い出します。2017年や2018年では元気だったこともまた想起します。ここでは祖父母に感謝するのが定番になっています。
38.1kmのエイドでも無事に給水に成功し、そろそろ余っているショッツカプチーノ味でも飲んでみるかということで食します。カフェインパワーは偉大で、これまでの距離はなかったことになるくらいの錯覚を覚えました。経口補水液で薄めていたため、味はやや微妙なものがありましたが。終盤は1km毎に飲むくらいでよさそうです。
西松屋の前を右折する時も、初めての金沢マラソンで失速しながらも何とかゴールを目指していたことを思い出します。ここに来る度に思い出すのです。そして今はこれだけ強くなったぞと自分に言い聞かせる時間でもあります。
さて40kmまで来たなと思ったところで、GPSが21分43秒というパッとしない数字を知らせ、え?あんまり上がってないじゃんと少し不安になります。しかしここから先はキロ4分ちょっとではいけるだろうからと気持ちスピードを上げます。ストライドを伸ばすというよりは、大転子からの力で勝手に膝から先が進む感覚です。「あ、ピッチは快調にでているな」とはっきり分かりました。ここではできれば3時間3分を切りたいと思っていました。
最後の給水で確かコーラも取り、元気を出して右折して示野橋を渡ります。競技場に入る前は雨が更に強くなっていましたが、「おお、雨も私たちを祝福してくれているのだ」と勝手な解釈を展開してペースを上げて行きます。競技場の外で3人、競技場前の直線でもう3人くらいを、入口であと1人を抜きました。直線でどうにか届きそうな人があと一人いましたが、残念ながら届かずにフィニッシュです。ただ、40km以降は9分ジャストで、必死に上げた北海道マラソンよりも速かったのはよかったです(2秒だけですが)。
競技場に入ってからはオーロラビジョンに自分の姿が映っているのは分かったので、無駄に苦しい表情をせずに走るようにしました。狙い通りMROの第一部終了直前に競技場に帰ってきましたが、後で母に聞くと「上半身が妙に大きい白いウェアの人が走っている様子がちょっと映ったけど、あれかどうかはわからない」という薄めの反応であった。競技場の画面にはでかく映っていたものの、あれが流れていたわけではなかろうとは思います。
アフター
レース後
完走メダルとタオルをかけていただき、バナナとドリンクを受け取った後、今年も皆大好きまつやとり野菜みそが贈られます。メダルもタオルも素敵なデザインです。毎年感じ入ります。
体力的には余裕もありましたし、何よりも、走り終わった後にそれ程のダメージがなかったのはとてもよかったです。数週間前に不自然なフォアフットに挑戦して足底を痛めかけていたので心配していましたが、それも気になりませんでした。昨年は左ふくらはぎを痛めましたが今年はそれもなしです。ピッチは188spmで押し切れ、リズムもよかったです。
着替え後、ふるまいのつみれ汁をいただきます。まつやさんのごまとり野菜みそ(前日のもてなしメッセで買えたので後日も楽しみです)、スギヨさんのエビ入りつみれ、加賀麩不室屋さんの彩り麩のハーモニーです。走っている最中も終わってからもおいしいものが目白押しのグルメマラソンです。
更に打ち上げは続きます。金沢マラソンフェスティバルにはお店もいっぱいありますので。勢いよく、ランナーズハイという地ビールに能登豚串とソーセージのセット、五郎島金時のスイートポテト、ペールエールをいただきました。いずれもおいしくてたまらないですね。大盛況です。
のとじまファームさんのホイップブルーベリーもめちゃうまでした。ブルーベリーがすっごく冷えていて回復にも効く気がします。小さなお子さんがお手伝いされているので買うしかないですね。ありがたや。
表彰式も見ることができました。優勝は旭化成の丸山文裕選手。2時間11分36秒という尋常じゃない大会新記録で、流石にトップ選手は異次元です。ゴールに吸い込まれていくランナー達にエールを送りつつ、この四年間の自分の姿と重ねて感慨に浸っていました。感謝です。
今回仲良くなれたランナーさんと会場でお会いでき、談笑できたのも本当によかったです。またどこかで再会できますようにとガッチリ握手をして別れました。このバスの多さも流石に金沢です。
雨も止んだのでリカバリージョグで帰ります。脚を労りながら犀川沿いを行きます。今朝走った犀川大橋も夢の中の出来事だったような気すらします。
犀川大橋すぐ側の谷屋さんという和菓子屋さんではマラソンに出たからと値引きして下さりました。菊餅が程よい甘さでおいしく、金沢マラソンのお話をできたのもよかったです。更に室生犀星記念館にも立ち寄り、昨日応援していただいた方にお礼を伝えることもできました。
夕食前に45分程疲労抜きジョグを追加しました。夜の金沢もきれいで、竪町、香林坊、21世紀美術館等を巡って帰って来ました。文化施設のナイトミュージアムも行きたかったものの、流石に時間が合いませんでした。それでも楽しい時間でした。
食後、昨日と同じ近所の銭湯にお邪魔し、金沢マラソンの話をしたところ、沿道で応援して下さっていたとのことで、ご近所でもこうして皆で応援して下さったのだなあとまた嬉しく思いました。
翌日
昨日の金沢マラソンの楽しさを思い出しながら美しき朝の金沢を疲労抜きジョグです。本当に切れ目のない沿道の応援が壮観で、また来年も是非是非出たいなあと考えていました。犀川沿いも青空がきれいでとてもよかったです。なんと清々しいことでしょう。
午前は混む前に鈴木大拙館に行けました。企画展は「道は自然に法る」と題した「大谷大学と宗教研究」です。鈴木大拙だけでなく西田幾多郎の書もありました。「妙」(の異体字)が印象に残っています。水鏡の庭は柳と波紋がただそこにありました。言葉にすると駄目なのでしょう。
松風閣庭園もいつ訪れても美しい場所です。
すぐ近くの金沢ふるさと偉人館も初めて行きましたが、充実の内容でした。子供向けの説明が分かり易くて助かります。Z項の木村栄、タカジアスターゼの高峰譲吉、台湾で烏山ダムを築いた八田與一や鈴木大拙、西田幾多郎等の明治三年組、谷口吉郎、三文豪等々一日で大分知識を得ることができました。かなりまとまっていますので、お勧めできる場所です。
昼はホーム・くっくわかばやしさんでハントンライスです。キュウリが刺さったデザインが人気ですが魚フライや卵も絶妙にケチャップライスとマッチしており、母も喜んでくれました。
近くには犀星のみちがあり、詩碑が佇んでいます。この詩碑は谷口吉郎の作品です。どこまでも空が広がるような一日でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あまりにも愛情が強過ぎて書き過ぎてしまった感もありますが、とにかく素晴らしい大会で、一人でも多くの方に参加していただき、金沢をまるごと走ることでその魅力を感じていただきたいと願っています。沿道の切れ目ない応援は圧巻で、完走率96.4%という数字を支えています。全てにおいて初めての方でも安心です。唯一問題点があるとすれば、金沢マラソンがすご過ぎて他の大会に出た時に物足りなく感じてしまう可能性があることくらいでしょうか。
金沢の皆様、今年も最高の時間を一緒に作り上げていただきありがとうございました。来年もまたよろしくお願いいたします!
(2017年、2018年の記事もありますので、よろしければご覧ください。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。ご感想等いただけますととても嬉しいです。)