2万5000人のランナーを集めて開催される老舗のマンモス大会、比較的軽い気持ちでの初参加だったのですが、予想外に当時の自己ベスト(3時間3分台)が出ました。タイムが出易い要因は沢山あり、
・序盤から道路の幅が結構あるため渋滞も少ない。周囲もレベルが高く、速い流れに乗れる
・基本フラット。少しの上りはあるけどいぶすきのような呼吸が乱れるレベルの坂はない。その分景色に派手さはないが、程よく曲がるのでそこまで飽きない
・応援が多いので力を借りられる。67回の歴史を誇るだけあって地域への定着度も高い
・運営も洗練されておりエイドも移動もストレスフリー
・気温が低く脱水リスクが小さい
・終盤にはあのロッキーおじさんまでおられて勇気がもらえた
等々が挙げられます。ラストの逆風はきつく、これが名高い勝田の風かと思いましたが、東京、大阪、防府、神戸の次くらいに狙えるコースではないでしょうか。
参加賞の完走いもと長袖Tシャツも気が利いていて、思わず過去大会Tシャツを買ってしまいました。初の茨城旅行でしたが偕楽園、弘道館等の見学にあんこう鍋も堪能し、とてもいい思い出になりました。ひたちなか、東海村の皆様、素晴らしい大会を開催していただきありがとうございました!
毎年同日開催で参加を迷うのがこちらも老舗の館山若潮マラソンですね。こちらも素敵な大会ですので、ランナーとしては大いに悩ましいところです。
前日(水戸へと移動)
7090円で無事に羽田空港まで送り届けていただきました。スカイマーク様々です。機内で振る舞われたキットカット(66キロカロリー、炭水化物6.9g )と、菓子パン(286キロカロリー、炭水化物30.5g)を食べつつ水戸行きのバスを待ちます。ここから3600円で二時間強という大旅行です。
途中、もりやにてご休憩です。バス遠足の醍醐味感があります。ここで食べまくれたらさぞ楽しいことでしょう。マラソンさえなければ……。
17時半前には念願の水戸に到着しました。駅前は仙台や宇都宮と同じような作りです。かなりの寒さで関東の洗礼を受けます。お土産コーナーはなかなか充実していました。
ねばーる君、とりあえず強そうなので買いましたが、ちゃんとおいしかったです。今日のお宿は二泊で9000円です。ありがとうありがとう。
この後、デザートにセブンのミニアップルデニッシュ2つとういろう1つを食べて寝ます。これで足りているはずです。と言いますか、一日で相当食べたと思います。
レース
レース前
23時過ぎ消灯6時過ぎ起床です。枕が窓側だったので夜中何度か起きました。食事は前日までで大体足りている印象です。パンは全部食べました。ういろうは二つです。きびだんごは適宜。8時頃にトイレを済ませて身軽になります。前日はトイレが近くて少し不安もあったが結局15時過ぎまで一度も行かずに済みました。
タイツは新品のバイオギア8000EXです。結果的に最後まで脚を守ってくれたと思います。シューズはエンペラー2紺です。テーピングは二重。ソックスも丁寧に履きます。寒いので上はウェアにTシャツ、ウインドブレーカーを着て、下はタイツの上からジャージを重ねます。
関東の大規模大会ですので電車に乗れないのではと心配していましたが、8時31分水戸発でも普通に乗れました。わずか一駅ですので、座れなくても何ら問題ありません。勝田駅からは歩かずに送迎バスを選択します。バスはすぐに来てくれました。会場にもあっさり着き、参加者の多さにワクワクしてきます。
参加賞受取り後、建物の中で座って体力を温存します。持ち物はアミノバイタル赤、パワージェル、スポーツ羊羹、塩熱サプリ3つです。展開次第で写真を撮ろうとスマホも持参しました。気温が低く脱水はないと見て経口補水液ゼリーは持たず、走る前に半分程飲んでおきます。一時間前を目安にアミノバイタル青も摂取します。
晴天で日差しが強かったため予報より暑い気はしましたが、曇ったり風が吹いたりすると寒いだろうと手袋は装着しました。日差し対策でキャップも被ります。スタートに向かいつつ肩甲骨を動かしてリラックスを心がけます。少し遅くなったもののどうにかBブロックの真ん中くらいには入れてもらえました。
勝負レースの三週間前なので、目標はキロ4分25秒で30kmまで行くことです。いぶすきの手応えからすると、まずまず達成できそうな気はしていました。可能であれば2018年に自己ベストを出した東京マラソンと同じキロ4分20秒で30kmまで行きたいところですが、それは難しいかと思いつつ、30kmから先の展開はその時に決めることにしていました。レース
序盤
スタートロスは30秒で済みました。周囲がなかなか快調に飛ばしてくれたので、スピードに乗れた感覚があります。3kmくらいで早くもゼリーを少し摂取します。今日はまめに糖質を補給して脳をだます作戦を試すのも狙いです。いちいち手袋を外してポケットに入れるのは手間ではありますが、気温があまり上がらない可能性も考え、序盤は手袋を装着したまま進みます。
周りの流れ方からしていいペースだなと思ったらいきなり22分を切っていて大丈夫かなと少し不安になります。でもまあにこにこペースで行く限りは問題なかろうと流れに任せることとします。帰りも同じ道を通るので、帰路は少し下るイメージで戻ってこられるのかな等と考えていました。
7kmで北に折れてから最初の給水です。難なく取ることができて一安心です。日差しから首筋を守るためキャップを後ろに被り直します。9km付近でスポーツ羊羹を試してみます。成程ここをこう押すと出るのかと感心しながら進みます。12km付近で塩熱サプリ。海沿いは風が強いという話でしたが、そこまででもなく助かりました。この5kmは21'09"で、これは調子がいいと思いました。
高低図を見る限り13km付近の上りが唯一きつめのようでしたので、ここは落ち着いて対処します。この頃は、上りではかかとをつけてふくらはぎに頼り過ぎないことを意識していました。多少上ったように思ったのですが、ここも21'23"だったのでまだスピードが落ちないもんだなと少し外から考えている感覚でした。(今であればかかとをつけるような走りはせず、ピッチを上げて疲労を溜めないようにします。)
中盤
16km辺りはやや道が狭く、給水を一つパスしました。少し先で水をもらえたためダメージはありませんでした。私設エイドも多いので、公設で取れなかったとしても焦る必要はないかと思います。この辺りで日差しを考えてキャップを前に被り直します。中間点でネット1時間30分30秒だったのでこれは後半上げればひょっとしていけてしまうのでは…と思いました。ともあれ、勝負レース本番でも使えるいい経験になるなと思いながら走ります。
24km辺りで塩熱サプリ2つ目を投入します。線路を跨ぐために少しだけ坂を上りますが、特に苦しいということもなくこの5kmも21'13"でした。右腿裏が少し疲れそうな感じがあったものの、おかしな痛みはなかったので平気そうだと判断します。下りは足が滑るような浮くような感覚で滑らかに進んでいました。
後半~終盤
30km地点でまだアベレージが4'16"/kmだったので、どうするか迷いましたが、ここでチャレンジしてダメージを負うよりも、今回掴んだ調整の精度をより高め、あと三週間で減量してからの方が成功確率は高いと考え、ここからは少し落とすくらいのつもりで進みました。まあ先の保証はありませんし、単にビビっただけとも言えますが。
34km付近であのつくばのロッキーおじさん(!)がおられて、無言でエールを送って下さりました。体調も優れないのに、人が少なく一番苦しい所まで重い機材を運び、編集したロッキーのテーマを大音量で流して下さるのでえす。他のランナーもありがとう!と応えていました。おじさんは信念に従って終始無言でした。
この5kmは21'42"で、うまくペースを落とせたなと考えていました。36kmで3つ目の塩熱サプリを投入です。食べにくかったのですがミスりはしませんでした。エナジージェルの封を切る自信はなかったので使わず終いです。次回はジェルフラスコを導入することにしようと教訓を得ます。いぶすきならここから上りですがそれもないし大丈夫そうだなと思いつつラスト5kmへと突入します。
ここまでは特にしんどくはなかったのですが、右に折れてから向かい風になり、進んでいる感じがしなくなりました。これが勝田の風なのかと思い知ります。キャップが吹き飛ばされそうになったので手に持って走ることにします。ポケットに挿した方がよかったかもしれません。何故か腕でも二頭につながる筋肉が痛くなり、こんな所が痛くなるのか、面白いなあと思ったりもしました。今から思えば当時は腕を力強く振り過ぎていたのかと思います。腕を振り回してもピッチも上がらず、無駄なエネルギーを消費するだけですので、今はコンパクトな腕振りでリズムを刻むことと、肩甲骨の動きを妨げないことを意識しています。
ここまで来ると人間欲が出るもので、せこい話ながら先のことを考えるとここで自己ベストは出しておきたいなと、そればかり考えていました。ラスト3kmではキロ5分でもベストは出るしなあという感じで、かなり遅くはなっていました。周囲のランナーに心の中で頑張りましょうと話しかけながらどうにか進みます。
ラスト少し前で左に折れて風も気にならなくなり、最後の右折後の直線で少しだけ上げます。何人かは捕らえましたが、それまでに何人かには抜かれているのでとんとんです。最後は軟らかい芝の上を走り、後ろからの足音も聞こえなくなりました。ああベストが出たなと思いながらフィニッシュです。ラストも4'30"/kmまでの落ち込みでまとまりました。
自分はいつも抑えて走るのですが、ハーフや30kmでこのくらいのペースだったとしてもどうということがないと分かったのがとても大きな収穫でした。このペースでこれだけ走れたのは初めてす。これまでは気持ちで負けていました。
カーボローディングも上手くいったのかもしれません。直前3日で体重が2キロくらい増えて68kgを超えてもどうということはないと確認できたのも安心材料です。金土を完全オフにして疲労を抜いたのもよかったっぽいです。タイツは邪魔ではありませんでしたし、新しいものだとサポートが強くて心理的に頼れるのがメリットだと感じました。
アフター
レース当日
歩く分には問題ありませんでしたが、ベストが出て実際嬉しかったこともあり、少し寝転がって安堵に浸りつつ回復を待ちます。アミノバイタル粉、残りのゼリー、バナナを摂取、ポカリ一本がぶ飲みです。荷物受領後プロテインバー、ビタミンとミネラルサプリを摂取します。出店で肉二つと炭火焼カレーを食べました。自己ベストを更新できた安堵により全てがうまいです。
イチゴダッペは期待よりうまいものでした。お土産の吉原殿中も購入しました。試食したらかなりいけたので。
更に予想外にかかとタフのランライフさんが出店されており、お互い大阪からはるばるやって来たことに驚きました。かかとタフはこの後で後輩にプレゼントしました。頼まれもしないのに普及に努めています。かなり役に立つ商品ですので。
ランナーの皆様が続々とフィニッシュを迎えます。やはりこれだけ大規模になると賑やかといいますか、「ああ、テレビで見たマラソン大会だ!」という感慨すら覚えます。
なかなか勝田まで来ることは難しいだろうと思ったので、過去大会Tシャツも一枚買っておきました。皆様の応援のお陰で自己ベストが出ましたとお伝えするとスタッフさんも喜んで下さり、こうして初対面の方とも喜び合えるなんてランナーでよかったなあ、走ることの醍醐味の一つだなあと思う瞬間でもありました。
勝田から打ち上げ会場までは疲労抜きジョグを試みましたが、道を間違えて10km超の道のりになってしまいました。それはいいとして、後輩を10分待たせてしまったのが申し訳ないです。でもまあ何となく茨城っぽい景色を楽しめたのはよかったです。橋から眺めた川はいい感じにきれいでした。この道を走れることはもう一生ないかもしれませんので、貴重な時間です。
茨城まで来たからには打ち上げはあんこう鍋で打ち上げです。後輩と二人で、積もりに積もった話を口早にまくし立てながら、どんどん食べていきます。話と食べることに夢中でろくに写真も撮れませんでした。楽しい時間はあっという間に過ぎるものです。
贅沢な味がしたのは間違いないのですが、食感や味が少しでも伝わるように表現できない自分が情けない限りです。出汁も濃くて関東に来た感があり、大喜びでした。この魅力を伝えるためには何度も食べるしかないのでしょう。
後輩とこれからもお互い楽しく走りましょうと分かれて、宿に戻ります。近場に銭湯がないので早々に諦めて宿で半身浴です。洗濯機も回したところでごほうびスイーツ。コンビニには魅力的な商品が沢山ありますね。抗えません。
翌日(偕楽園、弘道館観光)
まずは千波湖をジョギングです。朝焼けがとてもきれいでコブハクチョウ?も間近に見られました。水戸光國公は氷点下にも関わらずご健在でひれ伏すしかありません。(ただし格さんはいないので紋所は見られませんでした)
そして日本三名園の一つ、偕楽園にやって参りました。徳川斉昭公が領民の民と楽しむ場にしようと創設されしこの名園を朝から散策させていただきました。梅はまだでしたが、ほんの少しだけ咲いているものが見られてほっこりしました。二月になればそれは素晴らしい光景でしょう。好文亭は残念ながら9時からだったため諦めます。吐玉泉はいきなり感がありました。
早朝は人も少なく、ゆっくり落ち着いて見られるのがありがたいです。来てよかったなと実感し、噴水等を見つつ帰還します。キロ8分と少しで8キロ程でした。怪我はなさそうでよかったです。宿に戻って朝食です。旅先では間食が必須ですから、ここで食べ過ぎてはいけません。
宿をチェックアウトして、まずは駅のコインロッカーに荷物を押し込み、観光第二段に向かいます。水戸駅と言えばこちらの銅像でしょう。
弘道館では游於藝の額に学問や武芸に凝り固まらずゆうゆうと楽しみながら学ぶことや、至善堂で信念を持ってことに当たることの大切さを説かれながら、静かな中で正座して徳川慶喜公を思うなどしました。しばし落ち着いた時間を過ごせました。(その後団体さんが来られたのでタイミング的についていました)
お土産としてみとちゃんミニタオルを購入しました。ご当地キャラの皆様にはご活躍いただきたいと思っています。地元の方から観光客まで、皆に愛されますように。水戸学の道では博物館で係のおじさまに水戸の街の成り立ちにつき随分丁寧に教えていただき、百名城とされる地理的な要因や水戸黄門漫遊マラソンのコースの厳しさ(千波湖は精神的にきつい)等も非常に記憶に残り易かったです。やはりその土地の方に教わるのが一番ですね。
この納豆、粒がでかくて食べごたえがあり、自分だけでメインを張ってみせるという自負すら感じます。水戸の納豆は本物です。食べられて幸せです。なお、この後納豆熱が再燃して、ほぼ毎日納豆を食する生活が続くこととなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。大阪から茨城は遠く、参加を尻込みしていた部分もありますが、高速コースだけでなく、あの規模の大会を支えて下さる勝田の皆様の熱意と完成された大会運営、素敵な秋田屋さんにあんこう鍋、偕楽園に弘道館等々、やはり実際訪れてみなくては体感できない数々の素晴らしい思い出が心に残り、この大会に出られたご縁を幸せに噛みしめました。初めて訪れた茨城のことも大好きになりましたし、是非また遊びに行きたいと思います。
勝田全国マラソンに関わって下さった皆様、本当にありがとうございました!これからもこの老舗の大会を大切に育てていって下さい!