ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

金沢百万石ハーフマラソン2022(2022/12/4) 早朝の雨も寒さも感謝が凌駕!贅沢なフラットコースを駆け抜けろ!

長い歴史を誇る金沢ロードレースと金沢百万石ロードレースが一つになった第一回大会、前から気になっていたので迷わずエントリーしました。

金沢マラソン同様交通規制の都合上朝が早い(ハーフは8時5分スタート)辺りから金沢らしさ全開ですが、寒さまで重なったにもかかわらず大会運営と沿道応援で沢山の方に支えていただき、とても嬉しく思いながら走りました。雨は走っている分には平気なレベル(キャップとノースリーブ、ランパンのみで、手袋やアームスリーブは不使用)でしたが、止まっていると辛いことは言うまでもありません。本当にありがとうございます。しもやけなどになっていないとよいのですが。

コースはフラットな上、急な減速を強いられる180度の折り返しも無く途中と最後は金沢マラソンと重なるという、かなり贅沢な設定です。どちらかと言うと観光客向けの色が濃い金沢マラソンとはまた違った、ローカル色も感じられる味のある大会です。

今は練習を見直しているためそこまで頑張らなかった(1時間26分20秒ほど)のですが、練習全体での位置づけ、雨の日のヴェイパーのグリップ感、苦しくならない程度のスピードの検証など収穫も多く、走りに限って考えてもとてもいい時間になりました。

金沢には生まれてからお世話になってばかりです。本当に素敵な場所ですので、これからの時間も楽しく過ごさせていただきたいと思います。皆様、寒い中、応援ありがとうございました!

www.kanazawa-halfmarathon.com

ハーフなので短いですが、下見の際に撮ったコース写真や走りながら考えたことなど書いていますので、ついでにご覧いただけると嬉しいです。

前日(金沢で普通に過ごす)

ハーフですしそれ程変わったことをやる必要は無いのですが、折角なので大好きなパンを食べようとスロージョグで石引のピストリーナエイスキーさんへ。何回も書いていますがここのパンは金沢で一二を争うくらいおいしいです。金沢の方には分かっていただけると思います。クロワッサンビーフカレーパンチョコブレッドを買い、早速おいしくいただきました。

見ただけでおいしいのがわかります。

ビタミンB1狙いで豚ヒレ肉を塩豚にして炒めたものなども食べます

クロワッサンの生地のもちもちぶりは特筆に値します。

8時間煮込んだビーフカレー、甘くないのに甘さを感じます。

チョコブレッドも絶妙の味わいでした。

おやつとしておなじみ別所のかすていらもいただきます。こちらも石引、というかピストリーナエイスキーさんのすぐ横ですので行かざるを得ません。

マスカルポーネも付けました。

午後はおふろ旅目的で額温泉さんまでスロージョグ。途中こちらも名店の呼び声高いたねさん黒糖ブレッドを買います。ここもパン好きには外せません。

このお店は生地が違います。チーズもおいしそうです。

ちょっと遠いですがおばちゃんがいつもフレンドリーで素敵です。

夕食はアルビスで買ったレバニラ炒めをキャベツ、ピーマンと炒め、黒糖食パンもおいしくいただきます。

鉄分とビタミンB6をレバーで、ビタミンA,Cを野菜で補給します。

みやすのんき先生の『白熱サブスリー教室』を読んだことで神戸マラソン後は練習を見直し、有酸素ジョグを増やすことにしました。月曜~金曜はスロージョグのみで回復具合を見つつ、土曜に金沢マラソンのコースの途中を28km(2時間31分程、136bpm、192spm)、日曜に松任海浜公園往復で30km(2時間43分程、140bpm、191spm)、月曜にスプリント、火曜に2分オン1分オフ×15、水曜22km(2時間2分、131bpm、193spm)、木曜スロージョグ、金曜擬似本番スタート走(3分49秒、3分46秒、3分38秒)、前日スロージョグでした。

当日

レース前(ジョグで会場入り)

問答無用で5時起床です。ここは車社会なので、7時45分の受付締切までに西武緑地運動公園まで辿り着ける公共交通手段など現実的にはないのです。6時45分に金沢駅から送迎バスが出るものの、その時間に金沢駅に到着する手立てが徒歩しかないので、もうアップをかねて直接会場までジョグしかないと心に決めていました。

朝は思い切り軽くしてみました。特にガス欠感はありませんでした。

しかしこの日の天気予報は曇り時々雨、5時半には日本海側の冬らしいバラバラと大きな音を立てる強い雨が。もうDNSかと思いました。しかし6時半には奇跡のように曇りへと持ち直したので、キロ7分30秒くらいのスロージョグで会場入りすることができました。ありがたや。

それ程濡れることもなく到着できました。日頃の行いがよいのでしょうか。

受付けは屋根のある補助競技場の横でしたが、体調チェックアプリのバーコードも読み取りではなく目視、荷物預かりももう少しブロックごとに分ければいいのに特に何も策はなく外までの大行列という何とも大らかな空気が漂っていました。並んでいる男性ランナーも「まあ一回目だし仕方ないよね」と和やかに談笑していました。雪国の冬を知る者達は些細なことでは動じないのです。

参加賞は大きなタオルでした。使わねば。

しばらく待ちましたが、7時55分の整列に間に合わないのは勿論、8時5分のスタートも無理と悟ったので、隅の方にこっそり荷物を置いて立ち去るという暴挙に出ました。まあ二時間もかからないし建物の中だからまず大丈夫だろうという判断です。しかしご丁寧にも係の方がピックアップして下さり、フィニッシュ後あたかもきちんと手順を踏んだかのように預かり所から姿を見せました。ありがとうございます。

スタート整列もブロックで分かれてはいますが、特にピリピリする感じもなく何となく長閑です。ギリギリに着いたので土佐礼子さんがゲストに来られていることすら気付かずさっさとスタートです。

今日はヴェイパーで走り、できればネットで1月の大阪ハーフの1時間24分59秒を上回りたいなくらいの考えでした。雨は降ったり止んだりでしたが、そこまで気温が低くはなかったことから、手袋とアームスリーブは使わず、いつものノースリーブ、ランパンのストロングスタイルにキャップのみでした。一応ジェルフラスコ一つに粉飴パウダーを溶かしたものを携帯しましたが、ハーフの速さに慣れていないこともあり、使う場面はありませんでした。

レース

序盤~前半(公園と大豆田~古府一周目)

気楽に走るとは言っても最初は勢いよく集団で駆け出しますので、まあ足元は見えませんよね。車止めで転倒しないように注意が必要です。公園の中をしばらく進みますが、引き続き足元は要注意です。大体3分くらいで息苦しさも収まるので、その感覚を確かめるのが序盤の目的です。いつもやらないアップのジョグが約6kmあったお陰なのか、あまり苦しくなることはなく流れに乗れました。ガーミンによると序盤は3分55秒、4分2秒、4分1秒と推移していたようです。

2kmくらいでようやく公園から解き放たれ、北陸自動車道の下を潜ってすぐに左折、伏見川を軽く渡ってしばらく直線が続きます。大体キロ4分くらいの人が多かったのか、何となく一緒に進んでいきます。5km手前で大豆田大橋(「まめだ」です。「大豆田」と書いて「まめだ」と読みます。金沢まめ知識)を渡り、まめだグラウンドの横を通って戻っていきます。最初の給水は逃しましたが、ハーフは短期決戦ですから別に構いません。とりあえず7kmまでは27分47秒だったようで、それ自体は閾値走になっているのでよかったです。

写真は下見と帰路で撮ったものです。
中盤(大豆田大橋まで二周目~金沢駅、駅西50m道路)

ところが8kmでふと時計を見ると4分11秒の表示が出て、おや今日は駄目な日かな(It's not my day.)と少し思います。いつもやらないアップのジョグが約6kmあったせいで少し早くエネルギーが減ってきたのかもしれません。次の給水は成功(硬派なロードレースですから勿論水のみです)し、気を取り直して進みますが4分8秒、4分5秒とペースは上がらず、周りにもどんどん置いて行かれる展開になりました。1月に比べて閾値走をやっておらず、キロ4で走り続けることに心身の不安があったのだと思います。10kmで40分20秒くらいだったと思います。

“今日は何としてもベスト更新だ!”と鼻息荒く臨んでいた場合は心折れて残りを投げてしまいそうですが、ここで少し冷静に考えました。

  • 何だかんだで30分閾値走もやっているので残りはフルのペースで走っても十分脂肪燃焼効果や最大酸素摂取能力の刺激効果はあるであろうこと
  • 周りも速く走ってくれるのでフルのペースも遅く感じられてよい練習になること
  • 普段信号や車、歩行者に気を遣っていて長時間速く走る機会もなかなかないこと
  • 練習の流れからして二日後にロングジョグをやりたかったこと(※みぞれ混じりの雨の中30km強、2時間43分、140pm、191spmで無事でした。)
  • おそらく来年は別の大会に出るため次の機会がいつになるかわからないこと

などを総合考慮し、“フルマラソンの後半だと思ってフルマラソンに使える走りをしよう”と切り替えました。自分の弱さを責めても何もいいことはありませんので、残りの時間を最大限活かそうと決めます。

そうこうしているうちに二度目の大豆田大橋も渡り、少し行くと金沢駅です。ここからたった2km程で県庁、金沢マラソンでおなじみの景色です。ここでも周囲に抜かれた記憶ばかりですが、それでも腐ることなく、呼吸が苦しくならないラインを探る時間と割り切ります。大体キロ4分4秒から4分12秒で推移していたようです。

この直線は金沢マラソン最大の見せ場です。
終盤(海側環状~競技場)

県庁から先はあまり走ったことはないのですが、事前に一度下見に来ていたので、あのオブジェが見えたら左折して海側環状だと分かっていました。雨が強く降る時間もありましたが、それでもこんなに朝早くから応援して下さる方が多く金沢は何とよい所かと今更ながら感じ入ります。走っている分にはそれ程寒くないのですが、止まっているととにかく寒いので、どうか皆様お風邪など召されませぬように。

あのオブジェが見えたら左折です。駅からは割とすぐです。

左折してしまえば2kmも行かないうちに金沢海みらい図書館のあの独特の姿が見えてきますのでそれを心待ちにします。風向きがよく変わるのであまり覚えていませんが、確かこの辺りは逆風気味だったと思います。それでも特に苦しくなっていく感じもなく、仙骨意識で体幹が滑っていくような楽な走りができているように思いました。フルでこの感覚で走れれば、かなり結果を期待できます。車から応援してくれるお子様に笑顔で応えつつ走りました。

一度遊びに行きたい金沢海みらい図書館です。

ほんの少し行けば犀川を渡る赤土大橋です。ここだけ少し上るので心の準備が必要ですが、給水で気持ちを入れて進みます。橋が下りに切り替わってからは、“もう残りの距離では(客観的にはともかく)主観的には落とすまい”と決めます。橋を渡って少しで左折、いしかわ総合スポーツセンターの横を通って稚日野で左折です。

少々落ちても怯まないことです。

橋が終われば少しで左折です。

もう競技場はすぐそこですので、気持ちも楽になります。

まだ余力はあったので気持ちペースを上げます。右折して公園に入り、左折した所で、これは金沢マラソンのラストだと気付きます。ここまで来れば思い出に浸りながら走るのみですので、もう一段回上げて競技場に入り、一周してフィニッシュラインを越えます。

金沢マラソンのコースと重なる直前まで気付きませんでした。

心拍数は平均166bpmで、これくらいであればそこまで恐れることはないと分かりました。198spm、平均上下動5.6cmも主観的な楽さに寄与していると思います。左右接地時間バランスが最近にしては悪い48.0%:52.0%でしたので、怪我の呼び水にならないように要注意です。

走行距離269kmのヴェイパーさん。まだいけます。

アフター

スムーズにドリンクとひゃくまん穀おにぎりが提供されますので、即座においしくいただき、持参していたアミノバイタル粉も摂取します。回復にはとにかくこだわります。

手荷物を受取りますが、高校生のスタッフさんがわざわざ運んで下さるので恐縮します。更衣室はあまり広くないのですが、まだそこまで混んでいなかったのでパパっと着替えられました。

まだ10時過ぎという朝型の街、それが金沢。

過去6回も走っている金沢マラソンの思い出が詰まった陸上競技場の前を通り、会場を後にします。晴れていればジョグで帰るつもりでしたが、やや強めの雨だったため傘をさして歩きました。途中満天の湯に寄って交代浴を繰り返し行い、アピタでも土井善晴先生の本を買ったりしてゆったり帰宅しました。一汁一菜でよいのです。

銭湯は憩いの場です。料理は生涯大切にします。

ぶりの刺身、焼き鳥やカニカママヨサラダで回復に努めます。

最後に

第一回大会でありながら前身の大会からの歴史を引き継いでいて、地元に根付いた硬派な大会だと感じました。以前からこういうローカル色の強い、地元の方が楽しみにしている渋めの大会に出たいと思っていたので、今回この機会に恵まれたことに感謝しています。

そしてやはり金沢の皆様は、金沢マラソンと同じくしっかり運営・応援して下さり、心強い限りです。また金沢が好きになった一日でした。寒い中での大会開催にご協力いただき、本当にありがとうございました!