ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

【思い出】第8回いわきサンシャインマラソン(2017/2/12) ありがとうはこっちの台詞です!正に“いわきステキ半世紀”!

2020年大会もエントリーしていたものの丁度第4週から全国の大会が一斉に中止となってしまい、以降もなかなか再訪を果たせていません。しかしこれぞ市民マラソン大会の醍醐味と自信を持っていえる特別な輝きを放つ大会の一つですので、是非とも振り返っておきたくなりました。

iwaki-marathon.jp

私が改めて書くまでもなく方々で評判になっている通り、応援が本当に素晴らしかったです。何度も「来てくれてありがとう」と声をかけていただけて、胸が震えました。江名港の大漁旗アクアマリンパークの応援も圧巻で、普段あまりやらないハイタッチも、アイコンタクトも沢山できました。「温かく受け入れていただきありがとうございます」というのはもう全くこちらの台詞ですよ。

コースも程よい坂と海沿いの景色がよく、飽きがこなかったです。特産物エイドでトマトの皮が咽に詰まりかけたのもいい思い出です(苺とブルーベリーは大丈夫でした)。終盤のカルピスもおいしかったです。

風はかなり強く、止まってしまうかと思いましたが、ラストは面白いくらいの追い風でした。いわきといえばフラガールということでゴール後にレイをかけてもらえるのも嬉しかったです。ふるまいのさんまポーポーつみれ汁カジキメンチがこれまたうまい!

レース以外ではアクアマリンふくしま、湯本温泉、白水阿弥陀堂スパリゾートハワイアンズも楽しみ、沢山のいい思い出を持って帰りました。

ら・ら・ミュウの展示は、胸が締め付けられる思いでした。震災以降、その直後だけではなく十年単位でつながりを持ち続けることが大事だと考え、NPO等への寄付も続け(合計100万円程にはなっているはずです。税額控除対象なので利用しない手はない)、できるだけ毎年東北を訪れるようにしています。復興は色々な考えがあると承知していますが、他所から訪れた身としては、全力で楽しむことがきっと一番だろうと思っています。時が過ぎても癒されない辛さは必ず残りますが、それでも生きていくためには、今と未来には希望があることが大切で、おいしかった、楽しかったと喜んでいる人がそこに一人増えるだけでも意味があるはずですので。

次のページはやや写真も少なく、今の力ならもっともっとコースもエイドも観光も楽しめると思いますので、また参加できればと思っています。いわきの皆様、素敵な時間をありがとうございました。いわきステキ半世紀、そのとおりだと思います。

この年には東北・みやぎ復興マラソンの第一回大会にも参加しました。行動あるのみです。

savarun.hatenablog.com

前日(初めてのいわき)

無事に福島空港まで来ました。当時はいわきまで直行のバスがあったのですが、今調べて見るとどうも郡山経由しかなさそうです。バス待ちの時間に早速さるなしドリンク葱もちを購入します。珍しいものを沢山食べたいなと早くも観光気分に満ち満ちています。

毎度ながらカーボローディングの名の下に。

いわき駅では歓迎の横断幕に喜び、駅前の中華料理屋さんで夕食を取りました。前日はとにかく普通の人が食べるようなものを食べる方針なので青椒肉絲定食にしました。

明日は頑張ろう。

宿はいわきから少し離れた植田駅のホテル富士さんだったと思います。公式サイトから直接予約したところ、ミネラルウォーター(だったか)がいただけたことを覚えています(我ながら細かい)。

かなりリーズナブルだったと記憶しています。

“明日はいかに少ないダメージでかつ遅くなくゴールできるかが肝だな、湯本温泉も行きたいし、できるだけ素早く着替えてアクアマリンとららミュウは回ろう”などと観光プランを考える楽しい時間を過ごしました。

当日

レース前(スムーズに会場入り)

いつものことですが、テーピングやソックス、ワセリンといったおめかしに時間がかかり、ぎりぎりになってしまいました。

この日は初めてミズノのイダテンを履きました。当時勝負レースで履いていたスペーサーより普段履き寄りのシューズなのですが、自分との相性はとても良く、反発も実にいい具合なのです。能登和倉万葉の里や掛川新茶、津山加茂郷、奈良などでも活躍してくれました。履き心地だけでなく、この白さが好きだったりもします。

私はミズノのシューズが好きです。

植田駅から(たしか)湯本駅まで電車で移動し、スムーズにシャトルバスで送り届けていただきます。会場の誘導はスムーズで、何一つストレスがありませんでした。手荷物袋がピンクの大きなもので、とても使い易かったです。目立って見つけやすいため、自主管理の他の大会でも再利用しています。

大変スムーズでしたので気持ちよくスタートできました。

2月の東北と聞くだけでどれくらい寒いのかと心配していましたが、晴天のこの日は意外に寒くありませんでした。ノースリーブ一枚にアームスリーブという通常装備で持ちました。手袋も途中で外しました。気温は年によると思います。今回は連戦でしたし上りもあるので、タイツもサポートの強いものを選びました。

ちなみにワイナイナさんの欠場がスタート直前に発表された時はかなりざわめきました。

レース

序盤~前半(鹿島街道をすいすいと進む)

のっけから坂を下って勢いづくかと見せかけて早速上りに切り替わりそんなにうまい話などないと思い知らされます。とはいえ少しでまた下りになり、そこからは楽に走れます。

それにしても予想以上に応援がすごかったです。走っているだけなのに、競技場を出てすぐの所からおじさんやおばちゃんが「ありがとう」「来てくれてありがとう」と何度も何度も声をかけてくれました。ここまで準備していただき寒空の下で応援までしていただいていますので、それはこっちの台詞ですよというところですが、この声援をいただいた時点で“いわきに来てよかった”と強く思いました。

高低図を改めて見ると途中少し上りがあったようですが、記憶に残っていないくらいなので大したことはなかったのでしょう。トンネルを抜けて左折し、海沿いの道を進みます。

中盤(江名港とアクアマリンパークの第応援)

一体どんな景色が迎えてくれるのだろうかとワクワクしながら江名港を目指します。到着すると、強い風にはためく大漁旗が立ち並び、壮観そのものでした。折り返し地点なので完全に包囲されるのです。ここに折り返しを設けた方の慧眼に感服します。空と海と漁港ならではの色のくっきりした旗が誘ってくれる世界は日常とは別のもので、独特の高揚感も得られます。マラソンコースに漁港があると盛り上がりますよね。(力量不足とはいえ何故写真を撮っていなかったのかと悔やまれます。当時の自分は何をやっていたのか……。)

第1折り返しの後は強い風を感じます。ゼッケンが吹っ飛ぶのではないかというくらい、バタバタという音を立てていました。年に何回かこういう強風のレースに出くわしますが、幸い観光気分で走っていることが多いので大事には至っていません。

この風では給水コップも飛んだりしますし、ゴミ箱にきれいにシュートするのも技量が要る(離れて投げると入らないので、ギリギリまで近づいて深い位置で落とすのがよい)のですが、そうこうしているうちに中間点を過ぎ、三崎公園の坂に突入します。500mで40m程上りますので、苦しくなる長さと傾斜と思っておく方がよいでしょう。幸か不幸かこの日はそもそも遅いので息はそこまで苦しくなりませんでした。とにかく腕を強めに振って上りました。

坂の上には特産物エイドが待っており、テンポよくトマトをほおばり、ブルーベリーをそれぞれの手に取ったまではよかったのですが、テンポがよすぎてトマトの皮が咽に詰まりそうに……。走りながら食べまくる現在のスタイルに至ってからも実はトマトは慎重に向き合わなくてはならない鬼門の一つで、取るか否か迷う給食でもあります。

下りはあまり速くなかったのですが、それはそれとして少し行けばアクアマリンパークに着きます。確か応援の間を縫うように走ったと記憶していますが、ここもとにかく見守って下さる方が多くて驚きました。久々にハイタッチにも応えられて、マラソンはこれでこそとテンションも上がります。

強い逆風が吹き荒れ、時々止まるのではないかと思うくらいでしたが、それでもこういう時こそきっちり走るのが大事とキロ4分54くらいまでに落ちを止めました。適当に人の後ろについて盾にしようとしましたが、割とすぐに入れ替わりでやむなく前に出る場面もありました。

後半~終盤(最後はど順風)

小名浜臨海工業団地に向かう31kmからの上りは腰高のフォームを意識でき、競っていた人とお別れできました。坂はそれなりにありますが、事前に高低図を頭に入れておくと大分気分が楽です。そこまで長くは感じませんでした。本当はここに至るまでにお菓子を提供してくれるエイドがあったはずなのですが、当時は心身に余裕がなく、取れなかったと記憶しています。

第2折り返しの時点で最後まで問題なく行けると察知します。折り返してからのエイドで数年ぶりに飲んだカルピスは予想外にうまくて更に前へと進む気力が湧いてきます。37kmからの下りはいまいちだったのですが(35kmからの5kmはキロ4分40秒でした)、ラストは面白いくらいの順風なのでもう一段上げて締めることができました。

フィニッシュ後はレイをかけていただき、フラダンスの街に来たのだという実感が湧きます。こういう演出は嬉しいですね。

人生初のフルマラソン連戦ということで不安が大きかったですし、風も強かったものの、40km以降はキロ4分17秒でしたし(もっと頑張ればよかった気すらします)、トータルでも3時間25分台ではまとめられ、案外連戦もどうにかなるものだとわかりました。

アフター

当日(アクアマリンふくしまと湯本温泉)

ふるまいのさんまポーポーつみれ汁カジキメンチがやたらとおいしく、流石は小名浜、水産資源が豊かな場所だと感じ入ります。屋台も沢山で何を食べるか迷います。

魚が好きになること間違いなしです。

走った後の解放感からどんどん食べます。

同じおじさんとしては買うしかありませんでした。

半ば強引に買わされた節のある雉おこわです。押しの強いおばちゃんはウェルカムです。観光客なので進められるとホイホイ買ってしまいます。

お腹いっぱいなので夜に食べました。

大会ゲスト、重量挙げの三宅選手のトークショーもありました。こんなに近くで見られるとは。

バーベルを挟んでのトークショーという絵面は珍しい気が。

会場の海もきれいです。

ら・ら・ミュウの展示は、一日にして多くの方が命を落とし、助かった方も突然の別れにずっと辛い思いをされていることとその理不尽さに、胸が締め付けられる思いでした。到底忘れることなどできない悲しさに打ちひしがれながらも、何とか生きていかなくてはならない現実があり、こうして文字にするのも幾分憚られる気もします。

直接の被災者ではなくとも、日本で暮らす誰しもが当事者であることは間違いない災害だったと思います。大なり小なり生活や考え方に影響があったはずですし、あの日を境に一変してしまった世界に対しても何らかの関わりは持って行けるはずですので。復興のためには少しでいいので、出来る範囲で出来ることをしていきたいです。ランナーとしては現地を訪れ、全力で楽しみ、笑顔で過ごすことがきっと一番だろうと思っています。

それでも頑張るのです。

ランナー割引でたったの1000円でいわきご自慢のアクアマリンふくしまに入れるとあれば行くしかありません。どんな動物や海に出会えるのかとワクワクです。

www.aquamarine.or.jp

入口から見入ってしまいかなり時間を使いました。

序盤は小川を穏やかに見ながら進みます。

黒潮親潮が出会う潮目が福島の海の特徴ということも、話で聞くだけではなく目の前にドンっと突き付けられると全然違います。俄然興味も惹きつけられますし、記憶にも残ります。潮目の流れに乗って無数の魚が泳いでいる姿を見て、あの広い海ではこんな光景が常に広がっているのかと。

潮目になると魚がどどっと動いており、圧倒されます。

でかいよ。ドラクエの世界だよ。

トドがでかくて速いです。声も怖いです。お食事タイムも投げ入れ式でした(近づくにはあまりに危険と思われます)。うまくキャッチするものだと感心します。

襲い掛かられたらなす術ありません。

ウミガラスは小さくて平和です。脚がかわいい。

ゴマさんのお食事タイムも見られました。のそのそと水中に向かう仕草がかわいいです。

子供の頃は少年アシベのゴマちゃんが好きでした。

サンゴ礁エリアもありました。

オバチャンではないらしいです。レア度が高かったので。

潮目の海の中を歩けます。

展望室もあって大満足です。

お土産も充実しています。ナメダンゴのぬいぐるみとかは水族館ならではだと思います。

お土産コーナーは現実に戻り一服つける安らぎのひと時です。

ごんべあいすも食べます。ゴンベッサと呼ばれているとのこと。

なかなか普段水族館に行く機会は無いのですが、遠征先では積極的に入ってみることにしています。地域ごとに特徴のある展示になっていますし、海はまだまだ人類にとって未知の世界だと思い知るのも好きなのです。他では、直江津(えちご・くびき野100km)、鹿児島(いぶすき)、桂浜(四万十川桜)辺りが思い浮かびます。

シャトルバスの最終時間は明示的には書いていない(気もした)ので、アクアマリンふくしまではしゃぎ過ぎると送迎バスに乗り損ねます。付近にバス停はないからとタクシーを勧められますが、風俗街を北に抜けた辺りにバス停があり、湯本、いわきに行けますので全く問題ありません。

それはフィリピンちゃうやろ。

ランナーのために日帰り入浴も提供して下さっているので、どこに行こうか迷いながらも湯本温泉で回復します。これで有馬温泉道後温泉と合わせて日本三古泉を体験したことになりました。

駅前の和菓子屋さん(久つみさん)でお饅頭を買ったら羊羮までサービスして下さりました。一個しか買ってないのに悪いですよと言ったのですが、今日の客の中で一番タイムがよかったからいいとのこと。ありがたいことです。

また来ようと思いました(翌日に再訪)。

夜は会場で買った雉おこわをいただきました。

翌日(国宝白水阿弥陀堂ハワイアンズ

寒さと疲労はあるものの、観光に執念を燃やすタイプなのでギシギシいう身体に鞭打ってジョグに出かけます。平城本丸跡地は早朝なので開いていませんでした。そりゃそうですよね。尼子橋で犬の散歩をしているおじさんにご挨拶したり、文化交流館は結構立派だなと思ったりしつつウロウロしました。

当然かなりの寒さです。

サウナ&カプセルキュアいわき駅前店さんに泊まったのですが、意外と充実の朝食でした。カプセルホテルのクオリティはどんどん上がっています。

からしっかり目に食べられて感謝です。

少し迷いつつ、徒歩で国宝白水阿弥陀堂まで行きました。856年前建立です。住職のお話も柔らかくてよかったです(“この花は咲いていませんのでご覧になりたい方はどうぞ三途の川をお渡りになられて~”等)。

体力がなかったからか結構歩いた気がします。

敷地内もぐるっと廻るように散策しました。

是非とも一度は訪れておきたい場所です。

内郷からバスに乗り、スパリゾートハワイアンズにも行きました。寒かったのですが、水着で入れるお風呂は粗方回れました。寝そべる風呂でぼんやり前日のことを思い出していました。テーマパークなのでオンドルなんかもあって一日過ごせそうです。もっと時間があればと悔やまれますが、とにかく来られてよかったです。

全身ふやけるくらいまでゆっくりしなくては勿体ないです。

湯本駅前でフラおじさんバーガーを購入しました。玉子とハンバーグの組み合わせは食べた感ばっちりです。

やたら出くわすこのおじさま。

今日はくるみ入りのお菓子を買い、おいしくいただきました。おばちゃんが常連さんとのんびり話してはるのがいい感じです。

湯本温泉へ行かれた際には是非。

流石にもう一風呂行く時間はなかったので、駅前の足湯で締めました。お陰様で楽しい三日間でした。バスに乗って福島空港へと向かいます。

ありがとういわき。また会う日まで。

円谷監督が空港のある須賀川市出身ということでウルトラマンがいます。小さい頃は本当に好きでしたし、今でもヒーローです。

辛い時でも、福島にはウルトラマンがいます。

最後に

いわきサンシャインマラソンは、素晴らしい応援と熱気、海あり坂ありの変化に富んだコース、おいしいふるまいを含む行き届いた運営等々、市民マラソン大会の醍醐味が詰まった大会です。これは多くの人におすすめしたいですし、また何度も出たい大会が増えてしまったなと当時しみじみと思ったことを覚えています。

初めて訪れたいわきは素敵な場所でした。これもマラソンがあったからこそのご縁です。また走らせていただきたいと思います。素晴らしい大会を開催してランナーを受け入れて下さったいわきの皆様には感謝しています。本当にありがとうございました。

ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。