ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第41回瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会(2023/1/22) 上るたび、下るたび、訪れるたび好きになります小豆島!

2016年以来二度目の参加となりましたが、「上るたび瀬戸内海、下るたび島の優しさ」以上にこの大会をうまく言い表した言葉はないな、と実感する大会でした。上りは(そこまで長くはないものの)数が多く、それなりにしんどさもありますが、上る度に瀬戸内海の穏やかな景色が広がります。そして上りの後には必ず下りがあり、それぞれの街では小豆島の皆様の温かな応援が待っています。正に島の宝を体感できる時間で、終始ニコニコしながら楽しく走ることができました。

参加費は今時こんなに安くていいのかと思う5,000円なのですが、素麺食べ放題充実のお弁当少々重いくらいの参加賞褒めています。前年度エントリー者には更に追加)フェリー割引券お土産割引、土庄港とのシャトルバスなど、何かと手厚く、ここでも島の優しさ全開です。本当にここまでしていただいていいのでしょうか。

大会コンセプトは健康に完走しようというものですが、制限時間5時間30分と坂の多さ、エイドの少なさから考えると、実は慣れていない方には少々厳しめの大会かもしれません。それでもあの瀬戸内海の姿と皆様の優しい応援は是非多くの方に経験していただきたいと思います。

今回は気象条件が良すぎて、かなり抑えた(終盤まで撮影に勤しみましたし)にもかかわらず、3時間4分で終わり、有酸素ロングジョグを増やした効果が出てきたように感じました。ズームフライ4とあの坂でこの余力かつほぼノーダメージですから、自信になりました。別大はおそらくいけます(159bpm(序盤計測不良で190とか),192spm)。

【追記】手応え通り別大では初めてのサブスリーを達成できました。

savarun.hatenablog.com

観光も、小豆島ではレース以外にもエンジェルロードに行け、オリーブアイスを食べたりオリーブオイルを買ったりできましたし、高松では讃岐うどん骨付鳥で食べる喜びを限界まで刺激されたり、栗林公園高松城跡も巡れて大満足です。


香川県唯一のフルマラソン
ということで、これからも地域に愛されながら大切に続いていってほしいと思います。訪れるたびに小豆島のことが好きになります。小豆島の皆様、素晴らしい大会を開催していただきありがとうございました!

setonaikai-turtle-m.com

続きのページはコースや観光写真がたっぷりあります。楽しさが伝わると嬉しいです。

前日

高松(いきなりの讃岐うどん

金曜までは食事も特に気合を入れず、カーボローディングらしきことも伊吹牛乳サブレを食べたくらいです。前日は野菜を少な目にしてみました。アボカドカマンベールオムレツはおいしかったです。

普段しっかり食べておけば直前は軽めでもよさそうです。

移動は大阪→高松が高速バス、高松→土庄がフェリーです。淡路島を経て高松まで3時間強、フルマラソンくらいの時間です。3,800円で三列シート、十分です。バス遠足は久しぶりなので大阪駅から少しの位置でも新鮮に感じます。移動中は村上春樹編・訳の『レイモンド・カーヴァー傑作選』を読んでいましたが、ちょっと刺激が強過ぎました。

ただバスに乗っているだけでもウキウキします。

着きました。高松はやたらと開けています。

高松駅到着後フェリーまで時間があったので、早速駅前のうどん店(めりけんやさん)へ。セルフで天ぷらなどを取る流れに慣れていないので、早くしなきゃと急いで(誰も急かしていないのに)ぶっかけうどんを単品で。注文もたどたどしく明らかに地元の人ではない様子ながら何とか着席し、手を合わせます。香川のうどんは初めて食べた時、もう口に含む前から甘さが広がるくらいの体験をして、そのまま食べてみると“何だこのうまいものは!”という衝撃を受けました。今回も久々に対峙したのですが、それはもう流石の一言で、麺の甘さや歯触り、出汁の香り、肉と大根おろしの相性など、普通に自分が知っているうどんとは全くの別物でした。2016年11月に訪れて以来、また食べたいと思っていましたが、早々に念願が叶いました。もう帰ってもそれ程悔いは残らない気すらします。

このうまさを知るにはとにかく香川に来るしかありません。

ホテルのパン屋さんでフルーツスコーンを買い、小豆島フェリーに乗船します。フェリーも久々過ぎて初めてくらいのぎこちなさでしたが、どうにかチケットを買って13:40発の便に間に合いました。大会参加者は2割引ですので、1,120円で往復できます。眺めのいい席はすぐ埋まってしまいますが、展望デッキに出れば風を受けながら遠くまで見渡せるので全く困りません。この時点では寒波はまだ到来しておらず、気温も程好く絶好のフェリー観光日和でした。フェリーは何となくのんびりしたイメージがありましたが、水面を見ると結構なスピードで動いているんですね(当たり前)。船内に売店があったりするのも懐かしい旅行の雰囲気を醸していて好きです。

カーボローディングの名の下に。

久々のフェリーも新鮮です。

どんどん進みます。

小豆島(受付、衝撃のお宿とエンジェルロード)

土庄港に着くとすぐに参加賞引き換えです。Tシャツ、プログラムにマルキン醤油かどやのラー油、更には昨年エントリー者にはドレッシング手延べ煮そうめんまで。参加費が安いのにフェリー割引券や商品引換券など何かと手厚いのですが大丈夫でしょうか。お土産を大量に持たされて旅人が物理的に重荷を背負わされる(褒めています)ため林家こん平師匠よろしくカバンに若干の余裕を持たせなくてはなりません

参加費が安過ぎるのでは……。

観光センターでは充実の品揃えを誇るお土産が沢山で楽しいのですが、何とランナーは一割引という特典まで。しつこいようですが本当によいのでしょうか。とりあえずオリーブとひしおのお菓子は外せませんし、自分用にすりごまも買いました。

お土産も小豆島らしくて楽しめます。

お宿は旅館Yokoさん。土庄港からすぐでとても便利です。が、とても大きな問題が。何と完全に民家の一部屋をお借りする状態で、カードキャプタープリキュアおじさんになってしまいました。“男性なのにこんな布団でなんですが”とか“つべこべ言うな!男だろ!”といったお声掛けがあるでもなく、普通に“じゃ、これで”といった感じなので戸惑いも一入です。私に与えられたアドバイスは、“寒いからエアコンを使った方がよい”ということのみです。朝起きて魔法少女になっていたらどうしようと思うと緊張して眠れません(実際は9時間眠りました)。

この発想はなかったぁ!!

まだ明るいですし、折角なので散歩に出かけます。小豆島でもパン屋さんには行こうとリサーチし、スコップさんでチョコレートバターフランス、ティラミスフランス、ポテマヨ、くるみパンを買えました。お店はお洒落なスコップが飾られていつつ落ち着きのある感じで、買い物も楽しいです。記念にスタンプカードもいただきました。パンは小ぶりなので色々と買えるのがまたよいです。早速三つを食べましたが、どれも満足のお味でした。

素敵なお店でしたので是非。

ついつい食べてしまい止まらない味です。

世界一狭い海峡である土渕海峡を渡り、2016年は雨でスマホが力尽きて写真も十分に残せなかったことなどを思い出します。会場の町役場では明日の準備をして下さっており、士気が上がります。

こんな景色だったなあと。

妖怪美術館やかどや発祥の地など、色々あります。

その後スーパーでそれ程ラインナップに強い地方色はないことを確認したりしながら、夕暮れ時のエンジェルロードへ。恋人の聖地なのですが、生憎ここ一ヶ月で夏目漱石を固め読みしてしまったばかりに、あの場にいた誰よりも平岡や安井やKのことを思い出さずにはいられない心境でした。たとえ心は暗くとも、美しい夕日透き通る水は確かなものでした。

恋は罪悪ですよ。

行こうと思っていた定食屋さんがお休みだったり喫煙可能だったりで入れず少々難儀したものの、中華料理店さんで酢豚定食に巡り会えました。糖質を活かすにはやはり豚肉でしょう。玉葱のボリュームも結構あり、ご飯も沢山食べられて完璧です。800円はお値打ちです。

このお店にしてよかったです。

18時前には食べ終え、帰りにセブンイレブンで牛乳と卵を調達し、パンを一袋とプロテインバー一本をデザートにして準備完了です。普段の食事に比べると糖質が大きく増え、たんぱく質と野菜が減っている感じですが、おそらくこれでいいはずです。別大では前日朝が早くて朝食もゆっくり食べられない上、日中も炭水化物メインの食事になるはずなので、ほぼ前日のみの糖質大量摂取を試します。

これはちょっと余分だったかもしれません。

【ちょっと真面目な話】

今回もろくにテーパリングせず、楽しい練習の一環という位置づけでした。いぶすきの後は、月曜観光スロージョグ、火曜スロージョグ5km、水木有酸素ジョグ(14km程。72分、73分。126bpm,195spm。128bpm,198spm。エボライド、デュエル)、金スロージョグ60分、土曜有酸素ジョグ2時間46分(31.5km、5:16/km、136bpm、190spm、エボライド2)、日曜有酸素ジョグ1時間52分(21km、5:20/km、117bpm、194spm、ハイパースピード)、

月曜スロージョグ60分、火曜有酸素のつもりが時間もなかったのでビルドアップ12.5km(5:16/km→4:07/km)、水曜有酸素ジョグ1時間51分(21km程。131pm、195spm、エボライド2)、木曜閾値走5km(19分25秒、145→167bpm、208spm、エンペラー2)、金曜有酸素ジョグ41分(8.6km程。4:47/km、137bpm、197spm、ズームフライ3)でした。

この二か月間とにかく長い時間の有酸素ジョグを増やし実感した点として、閾値走が明らかに楽になってきたこともありますが、何よりも故障しそうな感じがないのが驚きです。キロ5で走ると怪我するとばかり思っていましたが、逆に調子がよいのです。これまではポイント練習で頑張ることが大事だと思っていたのですが、力みにつながり、またスロージョグとの落差が大き過ぎることから故障の呼び水になっていたのかもしれません。もう少しこの路線で続けてみます。ガーミンさんも褒めて伸ばす路線に転向したようですが、要求がエスカレートしてしまい、どう考えても無理な数字を提示してきます。

そんな数字出せるわけないやろ。

レース当日

レース前(早くもふるまわれる素麺)

前夜は血糖値スパイクが炸裂したのかやたら眠くなり、22:00前には消灯しました。朝も急ぐつもりはなく、7:00過ぎまでひたすら寝ていました。9時間以上眠ることはほとんど無いのですが、今回楽に走れた要因の一つだとは思います。朝食はどこまで減らせるのかのテストとして、ゆで卵、チーズ、牛乳、くるみパン一つに止めました。他は経口補水液をいくらかと、走る30分前にアミノ酸を摂取したのみです。気象条件が良すぎたというのもありますが、レース中は5kmに一回水かスポドリをコップ一つ取るのみで足りたので、前日沢山食べておけば朝食はこんなものでよいのかもしれません。

ここまで減らしても特に困らずでした。これでいこう。

全くやる気のない持ち物。しかも使わず。

チェックアウトの際にスポーツドリンクを一本渡され、頑張ってね!と気合いを入れていただきました。すごく面白いお宿なのですが、こういう優しさも光っていて、ここに泊まれてよかったです。(コンビニが近くて夜にデンタルフロスを買いに行ったりもできましたし)。

何かと楽しく過ごせました。ありがとうございます。

テーピングとソックス、日焼け止めなどをいつも通りこなして8時過ぎにはトイレも済ませ、アクシデントが起こり得ないという自信を得ます。8:20頃には出発し、1km程先の会場までゆっくり歩きます。自分はレイトエントリーだったのでゼッケンを当日受け取り、建物二階の荷物置き場で手早くシューズを履き替えたりします。荷物は目立つように、いわきサンシャインでもらった巨大なピンクの袋を活用しました。貴重品預かりはなく、荷物もその辺に置いておくだけですが、まあ余程運が悪くない限り誰も取らないでしょう。

荷物置き場は公民館の二階を選びました。

今回の装備はみえ松阪と同じで、シューズはズームフライ4胡麻豆腐です。アームウォーマーを試しておこうと思ったものの、家で発掘できなかったので諦めました。手袋も一応していたのですが、10kmの給水で外して以降はポケットに収まったままでした。今日くらいの気温なら全く問題なく、自分の一番好きな条件でした。

スタートは9:30となかなか余裕があります。会場では走る前から素麺のふるまいがあり、次々と人が吸い寄せられていきます。私も普段のノリならガツガツ食べてもよいのですが、今日は折角少食で身体の変化をテストしようと考えていたので、涙を飲んで見送りました。まあ終わってから食べ放題ですから。

そりゃ誰しも食べたいでしょう。

スタートの横断幕がかかっている所がスタート、と見せかけてそこはゴールの裏です。土渕海峡側ですというアナウンスに従い移動します。緩やかなブロック分けはありますが、一番前が3時間30分以内なので、前の方にいても迷惑はかけないでしょう。動的ストレッチを一通り済ませて気楽に待ちます。

選手宣誓の方は8度目の出場だったと思います。

フェイントをかけられます。

レース

序盤~前半(シーサイドコースを上ったり下ったり)

スタートはピッチを意識して軽く進んでいきます。ガーミンさんはいきなり4:19と出て速いなという感じです。主観的には全然しんどくないにもかかわらず、ふと心拍数を見ると190bpmくらいの表示になっていてガッカリします。スタート前はちゃんと60台だったので正しく作動していたはずなのですが。

まあそのうち汗が出てまともな表示に落ち着くだろうと期待するも4km以上最高心拍数を上回る負荷で走っていることになっていました。ワセリンが心拍ベルトに付いたのが悪いのか、はたまたベルトが弛んでいるのかなどと考えを巡らせつつ、唾液でベルトを湿らせる、センサーの位置を変えようとするなどを試みて5km程は忙しく過ごしました。表示が150台に落ち着いた時の安堵感といったらもう。この間マラソン以外の作業に神経を費やしました。

そんな間抜けな営みに明け暮れつつも、コースは2kmを過ぎると瀬戸内海を望む絶景が始まります。そして同時にまた上り坂も始まります。大体片道7つか8つくらいの上りがありそうだというイメージですが、正確な所はよく分かりません。往復14本なら3kmに一回は上るわけですから、ほぼ平地などなさそうな計算になります。実際は多少フラットゾーンもありました。

まあのんびりいきましょう。タートルのごとく。

高低図はあくまでイメージですので。坂はまあまあの長さですが、丁度苦しくなる頃には終わるくらいで、いぶすきより明らかに楽でした。長くはないが数が多いという点では、どちらかというと能登和倉万葉の里マラソンのイメージが近いかもしれません。上ったらしばらくは下りになる親切設計で休めます(心拍数140台もざらでした)。

そして「上るたび瀬戸内海、下るたび島の優しさ」のキャッチフレーズの通り、坂の上では気持ちのよい眺めが、坂の下では小豆島の皆様の笑顔が待っていて下さるのです。今回は練習の一環ですので写真もバシバシ撮り、声援にも大袈裟なくらいの笑顔やピースで応えながら走りました。上りは多少辛くとも、それを補って余りある喜びがもたらされます。

この眺めがご褒美です。

まあまたすぐ上るんですけどね(左手に坂が見えます)。

上りは腕を素早く振り、ピッチも上げるいつもの動きに加えて、今回は息を深めに吸って腹圧が保たれる状態を狙ってみました。呼吸が荒くなると姿勢が潰れて地面反力をもらえないので、ポイントは姿勢をキープするために呼吸をいかに使うかという点でした。全体に、上りは周囲よりは余裕があったように思います。

ハーフの折り返し地点も一応撮っておきました。この先はまた上りになっていましたが、ここからの景色はフルにエントリーしたランナーだけの特権です。ラッキーと思いつつ、上っては瀬戸内海、下っては島の優しさを倍味わいましょう。途中歩道を走るゾーンがあるのも地方大会らしくていいですね。

この先の景色もお楽しみに。

歩道は結構な下りだったと思います。ということは帰りは……。

14kmで確か1時間2分を切っていたので、ひょっとしたら3時間6分くらいでいけてしまうかもという気になりました。前半からやけに安定してスピードが出ていましたが、走りの中でいつもよりほんの少し指先の方に接地の意識を持ちました。いぶすきで少し上げた時に、やや指先寄りの接地の方がスムーズに感じたからです。

海の景色が本当に素晴らしいのです。
中盤(上ったり下ったりしつつ、すれ違いながらのエールの交換)

大坂城残石記念公園を過ぎてまたいくらか上りいくらか下る時間です。

大坂城と言われると撮らざるをえません。

前を見るとまた上り坂ですけどね。

上ってしまえばこっちのものよ。

19km行ったか行かないかくらいの上りで先頭集団とすれ違います。20kmを過ぎてすれ違った皆さんも速かったです。

よくあんなに速く走れるものだと感心します。

ここの下りもいい眺めでした。

下ってお店や旅館の間を進むと折り返し地点です。確か1時間33分程だったと思います。折り返し地点も応援して下さる方が多く、自然と笑みがこぼれます。後は帰るだけですので気楽なものです。

折り返しでも島の優しさ!

この辺りから俄然頑張り始めてペースを上げていった方が何名かおられましたが、41kmまでにはほぼ捕らえることができたと思います。コースとしては同じ道を帰るのですが、前から往路のランナーさんが次々走って来て、しかも結構元気に声をかけて下さるので、こちらもとても長い時間ずっとニコニコしていました。基本的にシリアス色の薄い気楽な大会なので、皆さんも楽しそうでいいな、コロナ前はこういう大会も沢山あったなと懐かしい気分になりました。往路では撮れなかった場所でも写真を撮りながら進みます。後半も結構忙しいですね。

小豆島は醤油の街です。

28kmで2時間4分程。普段の有酸素ロングジョグでも2時間以降が大事というリディアードの教えを真に受けて「さあウォーミングアップはおしまいだ」というくらいの疲労度でした。

往路とはまた異なる眺めで新鮮でした。
後半~終盤(上り下りから平地の土渕海峡へ)

30km手前でも沿道の応援が温かく、笑顔で応えながら走れました。やっぱり楽しそうに走っている方が喜んでいただけますね。周囲は下りで張り切り上りでがっくりという傾向にあり、段々と落ちて来るランナーを拾っていきます。前半荒い呼吸で追い抜いていった方もピッチの差が大きく、あっさり抜き返します。時折頑張ってついて来ようとする方もいたのですが、35km過ぎた辺りで突然静かになったのを覚えています。こちらがあまりに景色の写真を撮ってばかりなので、心折れてしまったのかもしれません。

最後の方は給水も水を取り、少し飲んで残りを首筋にかけるようにしました。暑さは感じませんでしたが、気付け目的です。風もほとんど感じず、島の北側を走るため日陰も多く、何かと恵まれたコンディションでした。

30km手前でも沢山の方が応援して下さり、笑顔になります。

全体の坂の数は覚えても数えてもいませんが、30km付近の歩道を走るエリアはやや長く感じました。それでもまあ耐えられるレベルです。確か35kmまで来ればもう二つくらいしかなかろうと油断し始めますが、ラスト4kmを切ってからの坂も流石にスピードが出にくくなります。ここも意外と長いのです。そうは言ってもいぶすきよりは絶対ましで、呼吸が乱れ切る前にちゃんと下りになってくれます。荒れた呼吸を整えながらのシャッターチャンス到来です。終盤の下りで結構速い仮想ランナーさん(男性)に声をかけ、ウマ娘のコスだと教えていただきました。しんどい時にありがとうございます。

歩道の坂はややしんどいかも。一枚目には仮想ランナーさんも小さく写っています。

上りか下りかも写真からはわからなくなってきました。

ここは気持ちよく下っているはず。

35kmまで来ればもう30分ちょいですね。

左手のフェンスは最後から二番目の上りの目印です。

坂の上で一息つきます。

終盤の坂の上で順位を教えて下さる方がいて、確か26番くらいと言われて“意外と速いですね”とお礼を言いながら走りました。

最後の上りも根性で撮影に励みます。

下りに切り替わって40km!

40kmで後は平地のみとなったので、一度時計を押して残りのラップを取ることにしました。ここからは閾値走のイメージで、ピッチも上げていきます。200spmは出ていました。ここだけ心拍数も160bpmを超えていましたが、短いので全く平気です。折り返し時点で大差をつけられていたランナーも拾い、街中を左折したらいきなり土渕海峡が見えてもう終わりだと嬉しくなります。最後の最後には折り返しがあり、大減速するのですが、それも6年前に経験済みですので、笑顔で軽やかにフィニッシュを決めました。ラップは3:59,4:07,4:02なのでまずまず満足です。

ズームフライ4も237km程です。シューズベストが出せてよかったです。

アフター

当日

小豆島(ガッツリ食べてからささやかな応援)

着替えをするまでもなくいきなり素麺を食べられる親切なレイアウトの恩恵で、高校生に勧められるままにありがたくお椀を受け取り、するするとおいしくいただきました。これは何杯でもいけてしまう素晴らしいもので、流石は小豆島と唸るところです。間髪入れずにアミノ酸を摂取、プロテインプロテインバーも摂り、一度も飲まなかったアミノ酸入り経口補水液も飲んでリカバリー完了です。

流れで素麺コーナーに吸い込まれていきます。

ささっと着替えて、お弁当を持ち帰らずに会場で食べる人用と指定された旧高校体育館まで歩きましたが、豈図らんやわざわざここまで歩く人は自分以外にはおらず、体育館貸し切り状態でがっつりお弁当と素麺をいただくことができました。素麺にははも天を二つも入れていただきました。お弁当も何種類もあり、迷った末にサバ味噌弁当を選んだのですが、写真から分かる通り、これがかなりしっかりした良いお弁当でして、味も量も大満足です。くどいようですが、参加費の割に何もかもが手厚過ぎて大丈夫なのかと心配になります。

おいしくいただきました。

食後一旦会場に戻って再度荷物を置き、オリーブしまちゃんの御姿を撮影させていただいてから、スロージョグで応援とコースの振り返りに出かけます。気になったもののレース中には確認できなかったランドマークも見ながらゆっくりと走ります。

かなりの人気でした。

ふしぎ発見と言われると昭和世代は気になります。

書道部の学生さんの作品。颯爽と吹いています。

5kmごとの看板は見易いです。

ランナーの方も応えてくれたり、スタッフさんにお礼を言ったりしながら坂を上って5kmで折り返しました。途中おっちゃんから「あんたものんきやの~」と言われたりと楽しみながら散策しました。折り返してからは制限時間ギリギリのランナーに「まだいけますよ」と声をかけるもなかなか脚が動かないようで、残念ながら連れてはいけない場面が多かったのですが、一人アフロのヅラを被った方が息を吹き返したかのようにリズムを上げてついて来て下さったのでしばし並走し、残り時間1分半程で見事にフィニッシュされる所を見届けることができました。自分のことのように嬉しかったです。あのコースで制限時間5時間30分は結構厳しい設定だと思いますが、最後まで頑張られた皆様の姿には力をいただきました。

ここまで本当にお疲れ様でした。

タイミング的に丁度よかったので手早く着替えて土庄港行きのシャトルバスに乗り、スムーズに送り届けていただきました。自分用のオリーブオイルと昨日散々迷って我慢したオリーブアイスをご褒美に買い、フェリーに乗り込みます。展望デッキでアイスを食べながら小さくなっていく小豆島を見送り、日常とは全く異なる素敵な時間を過ごさせていただいたことに感謝していました。

ありがとう小豆島。また会う日まで。
高松(骨付鳥にかぶりつけ!)

フェリーを降りて中心地まで歩き、ホテル川六エルステージ高松さんにチェックインです。昨夜のようなサプライズもなく一安心です(普通はない)。こちらは水風呂もある大浴場が魅力で選んだのですが、夜にしっかり回復できてとてもよかったです。設備やサービスも非常に充実しているにもかかわらず5,000円というお値打ちぶりに驚きます。

全てが快適でした。

翌朝は雨予報でしたので早朝観光ジョグは厳しかろうと夜の高松港を見にスロージョグで出掛けます。思ったより暗くてやはり朝明るくて人の少ない時間に来たいと思ったものの、灯台せとしるべ)や夜景は夜だけのものですので、これはこれでよかったです。

夜には夜の姿があります。

高松のご当地グルメ(うどん以外)といえば骨付鳥ということで、発祥のお店一鶴さんへ。豪快に香ばしく焼き上がった肉にかぶりつくとは人類の夢凝縮し過ぎやろと思います。勿論キャベツもたれに浸けていただきました。とりめしも醤油と鶏のうまみをたっぷり含んで箸が止まりません。他のことは考えずに、ただ夢中で「食べる」経験をしました。ごちそうさまでした。

もう明日が来ないかというくらいの勢いで食べました。

スーパーで牛乳やチーズ、翌朝のお惣菜を買って部屋に戻り、お風呂、洗濯と乾燥を次々こなして就寝です。

翌日(栗林公園高松城跡)

夜は洗濯物を乾かすために着けた暖房が暑くてあまり眠れなかったものの、6時には起きました(ランドリーは新館の方を使えばよかったです)。予報通りの雨でしたので、高松が誇る巨大アーケードを行ったり来たりで60分スロージョグができました。この屋根がなかったら部屋でじっとしていることしかできないので助かりました。

GPSは無茶苦茶でしたが気にしません。

7時からやっている春風堂さんで照り焼きチキンと卵のパンを買い、味付けに感心しながら朝食とします。雨が止むのを待ちつつ、がめつく朝風呂にも入り、更なる回復に努めます。荷物の整理などをしてだらだらしているうちに雨も弱まってきたので、走り易い格好に着替えて出発です。

朝早くから種類が豊富で素晴らしいです。

徐々に現実に戻っていかなくては。

まずはザ・地元のうどん屋さんを求めて松下製麺所さんへ。自分で麺をゆがくスタイルで天ぷらもセルフで選びます。出汁はあっさりで、おそらく最も伝統的なお味だと思います。天ぷらはお魚と鶏を選んでたんぱく質もばっちりです。次に香川に来られるのはいつか分からないので、本当においしいうどんの味を記憶に刻み込みます。ごちそうさまでした。

そこら中に名店があるのが香川のすごさ。この湯気からもうまさが迸ります。

栗林公園は今回絶対に行きたいと思っていた場所です。一歩一景と称される程、景色の変化に富んだ名園で、どれだけ回っても“まだ自分の知らない景色がある”と思うとなかなか立ち去り難い場所でした。曇り空と時折の小雨がまた風情を加えてくれます。紫雲山を背景に造園されていて、仙巌園と同様スケールの大きさに打たれますが、険しいトレイルはないので、多少疲れていても延々と散策できると思います。

行けば分かりますが、見どころが多過ぎて大変です。

是非とも歩いてみてほしいと思います。

ちなみにうどんの解説展示などもありました。

栗林公園でつい二時間を費やしてしまいましたが、ここまで来たからには高松城跡(玉藻公園も外せません。日本三大水城の一つ(他は今治と中津)とのことで、お堀が海につながっています。天守は3重5階で四国最大だったとのことで、少し上ってみるとなかなかいい眺めでした。艮(うしとら)櫓も1677年完成といわれる貴重なものです。鯛の餌やりはいかにもブラタモリで喜ばれそうな趣向ですね。

橋を渡って天守へ。

絶対もっといいアングルがありますね。

鯛願城就!とのことです。

なお、荷物が重い重いと言いながら、宮脇書店さんで菊池寛の本などを買ってしまいました。何せ「菊池寛通り」があるくらいですので素通りはできません。旅先で本を買うのは記念にもなりますし、記憶にも残りやすいので、地元の本屋さんを応援する意味でも積極的に何か買うようにしています(しかし荷物が増えるのは辛い)。

菊池寛を知りませんとは言えない空気でした。

バス待ちのわずかな時間も、観光に悔いを残さぬためにシンボルタワーへと向かいます。29階の展望デッキはお休みでしたが、それでも十分にいい眺めに恵まれました。8階のテラスからは瀬戸内海を広く望めて、昨日の灯台も見えます。大分間が空いたけど、今回香川に来られてよかったなあと感謝しつつ、バスに乗り込んで日常へと戻ります。

この場所でこの高さですからそれはもう。

最後に

沢山書いてきましたが、「上るたび瀬戸内海、下るたび島の優しさ」、このことを完全に体現したとてもとても良い大会ですので、是非多くの方にも走っていただき、人生の思い出の一頁に書き加えてほしいと思います。ここでしか経験できないことが沢山あるとしみじみ感じるはずですし、私はそれを知ることができてよかったと思っています。

香川県唯一のフルマラソンということで、これからもこの穏やかな路線で大切に続いていってほしいと思います。これだけ歴史もありますし、リピーターを惹き付けて止まないので大丈夫でしょう。

小豆島の皆様、素晴らしい大会を開催していただき、ありがとうございました!

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。