ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

能登和倉万葉の里マラソン2023(2023/3/12) 五感と心で味わう海の恵み!ワクワク、ランラン、ゆっくり過ごそ。

四年ぶりに復活して下さったこの大会、公認コースではありながらみえ松阪マラソン並に到底真面目に走る気にならない大会(褒めています)で、もう四度目の参加になります。こんなに間が空いてしまうとは2019年当時は考えもしませんでしたが、久々に走らせていただき、四年前と変わらない七尾湾の景色も、グレードアップした給食も、そして応援に駆けつけて下さる皆様の優しさもこの大会ならではで、正に海の恵みを五感と心で感じられる素晴らしい大会だと改めて身に沁みました。

notowakura-marathon.jp

全国屈指の絶景には、時の経つのを忘れそうになります。ただ船の残した波の跡だけが、時の存在とどれくらいの時間が過ぎたのかを教えてくれます。最後は温泉街に戻ってきて青いゲートに突っ込んでいくのも何か好きです。

ここでしか食べられない至宝、能登マ丼(マラソンの「マ」だそうです)は今回もぷりっぷりの能登牡蠣と能登白ねぎに生姜の香りがなす絶品で、是非多くの方に味わっていただきたいですし、新メニューでは滋味に富むつみれ汁、麺も出汁も優しい中島菜うどんがランナーを出迎え、お馴染みブリフレークにぎり細巻きま菜茶も楽しみです。更に白山の月能登ブルーベリーポルボローネも加わり、一層豪華な布陣となっていました。

そして今回は久々の大会復活に陽気が重なったこともあり、いつも以上に沢山の方が応援して下さったように思います。応援ポイントの太鼓演舞、旗を振って応援して下さるおじいちゃんおばあちゃん、あちこちに駆けつけるランクラの皆様、38kmのお馴染み拡声器おじさんと、走っている方も笑顔になりますし、楽しみながら応援して下さるのが伝わりますので、とっても嬉しかったです。

(気温と体調、予定に鑑みて)タイムは完全に放棄して3時間26分台、4年前より10分以上遅かったのですが、今日の自分にとっては、応援して下さる地元の皆様にとっても、完走狙いラインの方にとっても楽しい思い出になる(例年寒さ対策の方が重要で、雪風で完走率が下がることもしばしば)ことの方が大切で、そうしてこの大会が開催されてよかったと心から思える方が沢山いるだろうと思ってニコニコしながら走れました。きっと、皆様能登が好きになったことと思います。

わくたまくんの教えに従い、「ワクワク、ランラン、ゆっくり過ごそ。」という一日で、走り終わった後も能登島バーガーや地元食材のベイクドチーズケーキを食べたり、ステージを楽しんだり、七尾湾を改めて心に焼き付けたりしました。昔は“マラソン大会に出る以上は速く走らなくては”という思いもあったのですが、ランニングとのこういうつきあい方も素敵だなと新しい境地に気付いた日でもありました。(3時間26分台、184spm, 162bpm, ストライド1.12m, 上下動比5.5%, 上下動6.4cm, 左右49.3:50.7)

見て、食べて、嗅いで、聞いて、触れて、感じて、それらは走っていてこそ日常以上に研ぎ澄まされる喜びなのですが、更に「能登はやさしや土までも」といわれるこの場所でしか味わえない形で楽しませていただき、本当によかったです。七尾の皆様、今回も温かく迎えていただき、本当にありがとうございました!

続きのページは写真も多めですので、走った気分が味わえるかと思います。是非一度参加してみてほしい大会です。

焼き牡蠣テントありし頃の記事はこちらです。ここにビールが加わると無敵です。

savarun.hatenablog.com

金沢マラソン加賀温泉郷マラソンと石川三大会を完走すると記念品がもらえたりしますので、こちらも楽しみです。残念ながら加賀温泉郷マラソンは2024年度以降開催なしとなってしまいましたが、最後に石川三大会を完走させていただき感謝です。

savarun.hatenablog.com

savarun.hatenablog.com

肉に目がくらんで到底真面目に走る気にならない(褒めています)みえ松阪マラソンの記事もありますのでよろしければ。

savarun.hatenablog.com

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前日(金沢でのんびり)

パン活はお気に入りのピストリーナエイスキーさんへ。クリームパンはクリームの量も風味も他所とは一線を画する逸品ですし、うず潮パンのしっとりもっちり生地と塩味の相性が素晴らしく、定番のノアフリュイもバターによく合います。金沢だけでなく全国のパン好きにおすすめしたいお店です。

河津桜は咲き、春の犀川も美しいです。

イチ押しと言ってもいいくらいのお店です。

どれもおいしいですがクリームパンは特にお勧めです。

石引には創業明治十年の別所文玉堂さんもあり、別所秘伝かすていら大阪マラソンのスタート前にも食べた大好きなお菓子です。ふんだんにブランデーを使ったカステラも絶対にはまる味です。

カジマート、ニュー三久でもお求めいただけます。

午後は冬の間サボっていた落ち葉掃除や部屋の掃除をしたり、梅や桜の咲き具合を確かめながら軽く片町とアピタを散歩したりと、普通の一日を過ごしました。新橋の桜はまだ蕾でしたが、咲く時は一気ですからね。谷商店さんのおはぎは柔らかいタイプの餡で、戸水屋さんとはまた違った美味しさです。

金沢マラソンで毎年応援して下さる地元の和菓子屋さんです。

金沢も本当に桜のきれいな街でして。

アピタで苺クロワッサンを買い、夜は一汁一菜的な食卓です。

【ちょっと真面目な内容】

大阪マラソン後は月火オフ、水から金スロージョグ、土日有酸素ジョグ2時間ずつ(兼パン活)、月火スロージョグ、水有酸素ジョグ60分、木閾値走5km、金土スロージョグでした。

11月からの流れで2月に大きな山を作った結果、(職場で鉄人呼ばわりされている自分も)流石に心身に堪えたのか日曜から火曜くらいは鼻水フィーバー(幸い発熱その他の症状はなし)で、心拍数も安静時50台とやや高めに出ました。しかし頭蓋骨の空洞部分が入れ替わった感覚は爽快で、人間たまには体調を崩すべきなのだろうと思いました。

ある程度心拍数と鼻が落ち着いた木曜の5kmは久々にしては余力もあり悪くありませんでした。メニューやペースは体調で決めています。タイムや見栄に引きずられず、長く続けられる自分自身とのつきあい方を目指したいところです。

レース当日

レース前(金沢からの移動とすご過ぎるはまづるさんの心意気)

23時消灯、5時30分起床でした。金沢からだとバス→電車→バスの流れですがどれか一つでも逃すとアウトなのでまあまあシビアです。とりあえず前日に作っておいた装備を順に身に付けたり、経口補水液を作ったりして手早く支度を進めます。会場は混むと見て、ワセリンもテーピングもソックスも家で済ませました。

朝食はパン一切れと卵にチーズ少々と適当にも程があります。会場到着後にもう一切れ食べましたが。

洗い物も慌ただしいので。

金沢から七尾までは特に混むこともなく普通に座れましたので、ここぞとばかりに眠ります。以前であれば時間が勿体ないと本を読んだりしていたのですが、(無駄に脳が糖質を消費するというのは本当かよと思うので措くとして)数時間外の光に曝される目は可能な限り休めておいた方がよさそうと考えるようになり、最近は可能な限り目を閉じています。

金沢から七尾までは1230円。富山までが1240円ですから県外並の移動です。確かに乗車時間も90分弱で立派な旅行です。

今やICOCAで乗れる時代ですが、あえて切符を。

七尾駅を出ていつも通り右側に歩を進め、8時30分発の北鉄バスに無事乗車できました。和倉温泉お祭り会館までは370円ですので小銭も事前に準備しておき抜かりなしです。以前も書きましたが、わざわざ和倉温泉駅で降りる必要はなく、そのまま三つ先まで乗れば臨時のバス停まで連れて行っていただけます。私を含めて誰も駅では降りませんでした。

ここまで来れば間に合います。

会場に着きこれまでと変わらないフィニッシュゲートを見て懐かしくなります。今回は立ち寄り入浴券の販売がないので寂しいですが、あれは確かにめっちゃ密集するので、今回はやめた方がよかったでしょうね。

七尾らしい青です。

お祭り会館から階段を上ってランナー受付と参加賞受け取りを済ませます。検温済みの証明はゼッケンにシールを貼るスタイルで、リストバンドと違って全く気にならないので好印象でした。参加賞は七尾市が舞台のアニメ『君は放課後インソムニア』のマフラータオル能登牡蠣カレー。毎回工夫して変化をつけておられるのが光ります。

今回はわくたまくんグッズではありませんでした。

服を脱ぐだけなので身支度を整え、日焼け止めを塗りたくります。装備は、2019年大会参加賞のキャップ、アンダーアーマーのノースリーブにしました。気温が低ければどこかの大会Tシャツにしたかったのですが、この時期に最高気温21℃はどう考えても暑すぎますし水を被ることになるので、夏仕様がよかろうと判断しました。後はいつものミズノマルチポケットとザムストハイソックス、シューズはズームフライ4胡麻豆腐(走行距離230km強でカーボンも露出)です。持ち物は手ぶらでもいいくらいですが、一応ジェルフラスコ一つに経口補水液アミノ酸を溶かしておきました。

貴重品預りはあるので心強い限りです。荷物はどこに置くか少し迷いましたが、終了時間的におそらくそこまで混むことはないと考え、下の待合室に置きました。実際3時間26分でも空いていたので、この判断は正解でした。トイレは、会場のアナウンスで「スタート横のゆったりステーションはまづるが空いている」とのことだったので行ってみると、何と空いている客室のトイレも使わせていただけるという破格の待遇に感激しました。別にその気もないのに出せる範囲で出し、一切の不安なくスタートに向かいました。

ここまでの待遇は初めてでした……。

スタート前も緩やかですので、動的ストレッチをしたり、給水をいただいたりして準備します。司会は地元の放送局の方かと思ったら市役所の職員さんで、皆様色々できるものだなと感服しました。日々頑張っておられるのですね。登録の部は一番前なのですが、石川では知らぬ人がいないであろう元あえの風の一花建選手(今大会は優勝おめでとうございます)の姿を見られたり、何とあの吉住友里選手(フルも言うまでもなく、富士登山競争無敵。想像より遥かに小柄でした)が間近におられることに盛り上がったりと結構忙しく過ごしました。そして巨大ひゃくまんさんは隠れるつもりもなくひたすら目立っています

左……。隠し切れない存在感です。

レース

序盤~前半(帰って来た能登島大橋と応援)

温泉街を進み、とりあえず左折して能登島大橋を目指します。いきなり能登香島中吹奏楽の応援があり、流石にまだ“負けないで最後まで走り抜けよう”と思います。多分この地点で負けそうになっている人はいないはずです。

橋が近づいてくると、高階くれない太鼓さんの演奏で気分も上がります。シンバルも混じっていた気がします。今回も盛り上げて下さることに、“ああ帰って来た”という気持ちになります。

ただいま戻って参りました!

能登島大橋を上り始めると、やはりこの景色を見に来られてよかったという気持ちに満たされます。左も右ももう本当にきれいな海で、船が作った波の跡だけが、時の存在を教えてくれます。架橋40周年、自分より3ヶ月程先輩のこの橋も、祖父母が車で渡ったりしたことがあり、そこを四回も走っていることに不思議な結びつきを感じます。

言葉はいらない気がします。

能登島大橋の先では、車などの通行数をカウントする表示があり、我々もカウントされていきます。半浦からの往路ではお花で「のとじま」の文字が作られていて、四年前はどうだったかな、少なくとも写真は撮っていないなと考えながら進みます。この辺りは山の中ということもあって日陰が多くて快適です。暑さもそこまでは感じません。今のところは。

お花の手入れもして下さっているのですね。

最初のエイドで海が見えるようになったと思ったらまたしばし木々の中を上り、7km手前の下りから再度海を右手に眺めながら進むことになります。この時はまだ31分くらいで、結構速いと思います。まあ給食の布陣を考えると、最初からどんなに頑張ってもハーフまでのつもりですからどうとでもなれという感じです。ただ、記録を狙うなら前半はもっと抑えるべきだと思います。京都マラソンの時もそうでしたが、前半で一度心拍数が上がると、身体がそこそこのペースで無理そうだと覚えてしまう気がしてきました。

また海が見えてきます。

7kmの地点では建物にテープで応援メッセージが掲げられているだけでなく、ものすごい勢いで応援して下さる女性がおられ、往路、復路共に元気をいただきました。

こちらも自然と笑顔になります。

第一折り返し前の上り坂に入る辺りでトップ集団とすれ違い、前回より自分の入りが速いと確信します。一花選手は第二集団で力を温存していたようです。シューズはヴェイパーやアルファでは無く、ちょっと分かりませんでした。

優勝タイム2時間31分の世界です。ほぼ一時間差。

この坂はまあまあ長いのですが、まだ元気なのでそこまで堪えません。応援も多い(ピンクの怪獣の方が初登場)ですし、にこやかに上れます。歩道橋?の手前で折り返して楽になり、力を抜いて下りて行きます。折り返さずにこの先を進めば能登島ガラス美術館やのとじま水族館があるのですね。

写真は逃しましたがピンクの怪獣さん1回目のご登場です。

左折して少し行き、第二折り返しでは小さなお子さんが「頑張れ!」と応援してくれました。既に暑くなってきたことに対応しなくてはと安定のエイドで給水し、お馴染み向田雨乞太鼓保存会さんの応援を受けて海沿いの道を戻って行きます。ここからは往路の選手とのすれ違いで、やはり地元の方が多いのか、頻繁に声を掛け合っているランナーさんもいて、やっぱりマラソン大会のこういうシーンはいいなと思う時間でした。

この流れも本当にお馴染みで懐かしいです。

体感的にはあまりスピードが出ておらず実際抜かれたり離されたりしましたので、今日は遅い日なのだろうと分かってきます。14kmで1時間3分は超えていたと思います。ゼーハーはならないのですが、正直上りは楽ではありませんでした。おそらく体調も戻りきってはいないのでしょう。これはタイムを欲張ってはならないと悟ります。多分ですが、暑さを見越して水分を数日前から増やした方がよかったと思います。

中盤(新メニューつみれ汁様と能登マ丼様)

半浦まで戻ってくる道は、行きが下りでしたので帰りは当然上りです。急ではありませんがだらだらと上る時間は長いです。でも上りでもちゃんと応援していただけるので、笑顔でお応えします。この辺りでは最後尾の車両とすれ違い、“脚が痛そうだけど何とか少しでも進めるといいな”と向かいのランナーさんを見送ります。

上りは長くても日陰は嬉しいです。

少し落ち着いたくらいで15kmのマットを踏み、もう一息進むとようやく右折します。曲がる所で沢山の方が応援して下さるので、持ち直します。そこから少し行くとまた七尾湾が左に見えてきます。春の陽気に包まれながら遠くのツインブリッジのとを目指す時間です。全体に、明るく元気なランクラの方の応援が多いように感じました。

実は結構気持ちいいエリアなのです。

この先は古くからの能登らしい家々が並び、海と共に暮らして来られた生活の空気が感じられます。そしておじいちゃんおばあちゃんが大勢沿道に駆けつけて旗を振って応援して下さります。今年は気温が上がったこともあり、沿道の皆様にとってもいい気候だったと思います。嬉しくて、ありがとうございますとお礼を言い、手を振り、写真を撮るといったことを続けていました。

声援にお応えするとすごく喜んでいただけました。

待望のつみれ汁はまだかとそろそろ集中力も切れてくる頃、遠くから太鼓の音が聞こえてきます。いつもここで寿老園長寿太鼓応援隊の皆様がいて下さるなあとまた前を向きます。中間点は1時間36分台でしたので、まあまあ真面目に走っていたようです。一々ペースなんて見ていませんが、体感的にピッチは低く、地面反力も今一つ上手く受け取れていない気もしました。心拍数は高めだが暑いからこんなもんかと思っていました。ここで力むと怪我するパターンですので、仙骨の意識と足裏と指先の感覚におかしなところが無ければよしということにします。

この音が聞こえてきたらもうすぐ橋です。

ピンクの怪獣さん二度目のご登場です。

ツインブリッジのとに向けて下る道ではいよいよ給食エイドですので後ろとの距離を計り、安全に配慮して万全の準備を整えます。新メニューが提供されるにもかかわらずスルーするなんてありえません(※個人の見解です)。最早速く走るつもりもなく、しっかり止まって白山の月能登ブルーベリーポルボローネをゲットします。

走っている場合ではありません。

そしていそいそとつみれ汁様の方へと歩を進め、器を受け取り、その魅力の伝わる写真を何枚も撮影してから手を合わせていただきます。うまい、優しく身体に染みる味です。骨も入っておらず食べやすいですし、お兄さん方も「熱くないですか?」と気遣って下さります。とっても親切でここでも能登はやさしや土までもを実感します。

事前に試食会まで行われた新メニューです。

笑顔でお礼を言い、ツインブリッジのとへと進みます。舌とお腹を幸せにしてもらってから先に広がる絶景は、またも長い時間を重ねて紡がれてきた海の織り成す宝物で、心を打たれます。目だけではなく全身で海の恵みを感じられます。

ここもとにかく訪れていただきたい場所です。

折角の機会ですので、左右を見回し優雅な気持ちで白山の月開封し、ふわふわの生地に程よい甘みのパンケーキを堪能します。これまた豪華なお菓子です。

ピントもばっちりです。

橋の先も応援の多い場所ですので、多くの方の疲れも吹き飛ぶこと間違いなしです。能登祭り太鼓衆の皆様の気合いが伝わります。能登ブルーベリーポルボローネも早速いただき、その甘酸っぱさに癒されます。能登地方といえば柳田のブルーベリージャムが有名ですよね。食べやすいサイズだからと一口で食べるとむせるので、慎重にいただきました。

この打点は絶対大変だと思います。

さくほろでうまし。

少し上って左折し、下りに入るので後はマ丼かと思いたいところですが、前回書いた通りこの先に一番急な上りがあります。上り坂看板が出現してから少しだけ上り、何だこんなもんかと油断させておいてその先に本当の上りが現れる設計になっています。さながら箱根駅伝8区の嘘の遊行寺の坂です。結構な上りですので、いつ歩こうかと機を窺っている皆様、歩くならここだと思います(何それ)。折角なので頂上の26km看板も撮っておきました。まあせいぜい1分から2分なので耐えられるレベルです。

この下りで油断させます。

軽い上りで更に油断させてからのきつめの上りです。

今年はエイドの位置が坂の上でしたので、しっかり給水してマ丼を心待ちに坂を下ります。下った先で左折する辺りは、いつもなら肥料の匂いがするのですが、今回は潮の香りでした。そして海沿いを行くといつもの焼き牡蠣小屋があり、その香りに食欲もピークに達します。写真を撮っていると笑っていただけました。

仲間入りして食べたいお店ナンバーワンです。

そして待ちに待った(待っていても近づくわけがないのでこちらから走って来た)能登マ丼エイドに到着です。四年間食べたいと願っていたあのマ丼様との再会を果たします(目上の存在)。いつも通り邪魔にならないようコースアウトしてその見目麗しき姿を写真に収め、いただきますと声に出してからほおばります。ぷりっぷりの牡蠣の塩味、能登白葱と生姜の香り、“あ~、これだ!”とここに来た喜びがほとばしります。全国を旅ランで巡っていますが、これは本当にトップクラスの給食ですので是非その味を皆様に知っていただきたいです。

今回も神々しいお姿を様々に撮影させていただきました。

勿論米粒一つも残さずに完食です。

こんなことばかりしていますのでラップを見ると平気でキロ6分を超えていますが、それがどうしたというのでしょう。ちなみにマ丼の直後にはそこそこの上りが待ち構えていますので、“迷いながらもタイムを数十秒程度縮めることを選択したものの心のどこかにはやっぱりマ丼を食べておいた方がよかったのではという後悔も抱えている”勢は、ここで確実に心折られます

食べていきなよとあれ程言ったのに。
後半~終盤(中島菜うどんと温泉街そぞろ歩き)

“この次のエイドは給食は無いが能登のま菜茶があるぞ、その次は新メニューの中島菜うどんだ”と、リピーターの頭の中は高速で回転しています。30km手前では中島大橋で少しだけ上りますが、ここからの眺めがまたよいのです。

そこまで上らなくてもいい眺めでお得です。

温かなま菜茶をゆっくりいただき、いつも応援の方がいて下さる三差路でも懐かしさが込み上げます。何だかんだで過去三回は後半そこまで余裕がなかったり、タイムを気にしていたりしたのであまり写真を残せていなかったのですが、今日はキロ5のジョグ状態ですので何だってできます。

いつも、右に行ったらどうなるのかなと考えてしまう場所です。

そして今回の新メンバーでもある中島菜うどんとの邂逅を果たし、またもコースアウトしてしっかりと味わいます。出汁もおいしく、ここまで来た甲斐があったというものです。こういう、地元の食材を使用した給食はランナーに地域の魅力を伝える絶好の機会ですので、できれば地方大会ではいくつか提供していただけると大変嬉しいです。ごちそうさまでした。

中島菜を普通に買うようになりました。

海沿いはとにかく眺めがよく、普段都会でビルやら地下街やら点滅する液晶画面ばかり見ている時間は何なのかと思うくらいです。生きている実感も薄めです。今は遠くに温泉街を望みながら、空の青、海のあをにも染まず漂うのですが、それはかなしくなく、生かされていると感じられる確かな時間です。

ピンクの怪獣さん、三度目のご登場ありがとうございます。

その青と今の自分と。

35.2kmのエイドでは右手では金沢武士団石川ミリオンスターズの応援が、左ではブリフレークにぎり細巻きが迎えて下さります。ブリフレークにぎりはこの酢飯がまたいいのです(ただの握り飯だろうと思って食べると酸味に驚きます)。前回まではツインブリッジのと直前のエイドでしたので、お引っ越しです。細巻きはもう指定席で、ここ最近は確実にいただいています。

終盤でも鼓舞していただき、走れます。

全然スピードは出ず、昔なら“自分は遅くなってしまったのでは?”という不安から焦って速く走ろうとしたり、“こんな暑いなんてどういうことだ”と無駄に苛ついたりしたと思うのですが、今日は何か、この温かな気候のお陰で応援の方も、寒さに弱いランナーの方も安全に走れて、一人でも多くの方が楽しかったなと思えるよう、空も大会の復活を祝ってくれているのかなと思ってのんびりした気持ちでいました。ワクワク、ランラン、ゆっくり過ごします。

田鶴浜野鳥公園近くの松も好きで、今回写真を撮れてよかったです。笠師保から田鶴浜の間で電車も見られました。38.2kmのエイドでは、いつも拡声器で応援して下さる名物おじさんがご健在で嬉しくなります。カメラを向けるとポーズを決めて下さりました。最高です。お茶もいただいて残りの旅路を行きます。

今年もお会いできて嬉しかったです!

39kmの奥原T字路は風が強い日は風向きの変化を感じる場所ですが、今日はほとんど風もなく、そのまま進みます。早く上りに入ってほしい(上りの後は下って温泉街を少し行くだけで終わるので)と思うと、何となくここから長く感じます。しかしどうにかエイドでの応援を受けて木陰を進み、ようやく平坦になったと思ったらもう終わったようなもんです。気持ちよく下ってラストの温泉街に突入です。

あと少しという油断が長さを感じさせます。

しかしここまで来れば後は下って温泉街です。

前回は最後飛ばしたので写真どころではありませんでしたが、今日は多分キロ4分半くらいまでしか上がらなかったのでとても余裕があり、写真も撮り放題です。そぞろ歩き状態です。湯元の広場を通りながら、この総湯の立派さに驚いた時(銭湯の概念を超越しています)のことなどを思い出します。最後も好きな青いゲートを写真に収め、少しだけ上げて何人か抜き楽しく締めくくりました。

温泉街を駆け抜けるってものすごい贅沢な体験です。

アフター(焼き牡蠣はなくとも充実のウェルカムブース)

ドリンクをいただき、計測チップも軽く外し、おにぎり能登島大橋架橋40周年の模様入りの立派な完走タオルをいただいて、荷物をピックアップした流れでそのまま更衣室へ移動します。期待通り空いていたので余裕を持って着替えられました。ゴミも持ち帰るように案内に書いてあつまたので、テーピングから何から持参した袋に詰め込みます。アミノバイタル粉とプロテインバー二本、いただいた鮭おにぎりを平らげて回復を図ります。

皆様お疲れ様でした!

かなり減ってきましたね。まだあと少しいけるはずですが。

そしてセブンイレブンでは恒例の能登ミルクと炭酸水を買ってごくごく飲んだのですが、何とランナーにはおにぎりを一つサービスしていただけたので、梅おにぎりを選びました。ありがとうございます。

能登ミルクが普通にコンビニで買えて素晴らしいです。

この時点で結構お腹が膨れた感もありましたが、ウェルカムブースもありますので、行かない訳にはいきません。例年の焼き牡蠣テントより近くになったのは、疲れているランナーには嬉しいかもしれません。

焼き牡蠣は大会の目玉ですので、どうなることかと心配していましたが、杞憂でした。出店も沢山ですし、キッチンカーも集結しているので、選択肢が多過ぎて迷うくらいでした。

とりあえず地元食材のスイーツを提供する宮さんでベイクドチーズケーキをいただきます。なんと輪島から来られているとのことで、ご縁に恵まれてよかったです。能登島バーガーも四年ぶりです。またも見映えのする黒バンズのフグバーガーをチョイス。かなりしっかりした味で食べ応え抜群です。

輪島にも遊びにいきたいですね。

見た目も食べ応えも大満足です。

他にもチョコパンを買ったり、ロイヤルカリブでお馴染みスギヨさんのテントで“いつも食べてますよ”とご挨拶したり(カニかまは割いてすりゴマ、マヨ、和風だしの素、わさびで野菜をあえるとうまい)、七尾城サムライラン七尾市ふるさと納税の案内があったりで、楽しめました。

パンは食べずにいられません。

アーティスティックな綿菓子屋さんも。

こんな熱い大会が生まれようとしていたとは。

サンドイッチが完売していたりで、盛況でした。

ステージではわくたまくんとうはくんひゃくまんさんの揃い踏み。これは必見です。ひゃくまんさんはあの体でコミカルな動き(じゃんけんとか)を繰り出していて今や石川には欠かせない存在です。巨大ひゃくまんさんの前ではスタッフさんが写真を撮って下さります。

ひゃくまんさんは伸縮自在です。

七尾高校ダンス部のパフォーマンスもありましたが、毎度のことながらあのキレのある動きを中高年が真似すると怪我確実とビビります。見ただけで肩外れそうです。

湯っ足りパークにはわくたまくんが沢山いたり、野点(のだてがさ)と床几台で寛げたりと、こういうのもいいなと思いました。流石は温泉街、いつもの方法が駄目でも別の楽しさを作り出してくれます。足湯もありましたし、今思えば浸かっておくべきでした。

わくたまくん自体は卵であって温泉卵ではありません。

流石演出にも趣向を凝らしておられます。晴天でよかったです。

与謝野晶子の歌碑もあります。

湯っ足りパークからは七尾湾をぐるりと見渡すことができ、ついさっき通ったばかりの能登島大橋も、ツインブリッジのとも一望できます。走っている間は夢中で、距離もあまり分からないものですが、少しだけ涼しくなった風に吹かれながらふと冷静になってみるとあんなに走ったのかと少し驚いたりもします。ずっとこの海を感じながら回って帰ってきたのかという充実感は素晴らしく、この眺めは写真がなくても思い出せるよう、しばらく佇みながら、目を閉じては思い浮かべて確かめ、記憶に焼き付けました。

目だけではなく、全部で覚えたいものです。

向いのシャールベルベさんにも再訪を果たし、珠洲のきな粉黒ロールをいただきました。やはり地元食材を食べて和らぎます。パンも種類があり、もっと食べまくりたいところでした。

金沢マラソンでシフォンケーキをいただいて以来のご縁です。

はまづるさん、ありがとうございました。

和倉温泉駅までは歩いてもすぐなのでゆったり歩きました。はいだるいさんは、ダルいのかと思いきやカレーが評判ですので、いつか行かなくてはと思います。

わくたまくんが至る所に。

やけに気になる存在です。

駅前のお土産物屋さんでわくたまくんサブレを買い、ポストの上のわくたまくんに久しぶりと挨拶をします。16時50分頃まで電車はなかったので、16:25発のバスで七尾まで移動し(310円)、16:45七尾発18:11金沢着の電車で移動しました。少し高くつきますが、多分時間的には最もスムーズだと思います。

和倉温泉に来たらわくたまくんです。

なお、かがのと湯めぐりスタンプラリーでは能登地方のハードルが高く、貴重なチャンスではあったのですが、流石に遅くなるので涙を飲んで見送りました。(このニッチなブログを読んで下さる方の中にこのネタが通じる方はいるのでしょうか?)

何かと記事になるパトリアに別れを告げて。とうはくんもありがとう。

19時過ぎに家にあるもので簡単に夕食を作り、近所の銭湯で交代浴をしてから就寝です。フル当日は興奮して眠れないことが多いのですが、あまりジョグと変わらない負荷だったこと、翌朝は雨で走るつもりがないこと、そして能登和倉万葉の里マラソンが復活した幸福感が重なり、久しぶりに熟睡できました。

豚バラで回復に努めます。

最後に

久々に能登の素晴らしさを満喫できる時間を過ごさせていただき、心も身体もまた新たな活力と喜びを得ることができました。

思えばマラソンなんて早送りもワープもできずタイパ(タイムパフォーマンス。今の世では重視されているらしい)が悪すぎる遊びなのですが、でもこうして自分の全身を使ってリアルな時間と空間の中で限られた命を感じられるので、生きる上でかなり大切な営みだと考えるようになりました。そこに地方の自然、食べ物、優しさが加われば、その喜びはどれだけ大きなものか、改めて書くまでもないでしょう。

今回もその時間を作って下さった能登の皆様と海、大地に改めて感謝いたします。能登和倉万葉の里マラソンを開催していただき、本当にありがとうございました!

ここまでご覧いただきありがとうございます。

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