個人的に本当にそれでよいのか疑問も感じますし大会レポでも辛辣な評価も見られる大会ですので、どう走るか迷ったのですが、“マイボトルのせいで速く走れませんでした(だから僕は悪くないんです)”と拗ねた文章を書くよりも、それなりの対策を立ててやるだけのことをやった話(あわよくば成功談)の方が読む側も面白いですし参考になりますよね。私だったら後者の話を聞きたいです。書くとしてもその方が楽しいですし。というわけで、結構ちゃんと走って3時間4分台でした。“三連戦で一番速く、可能であれば大体3時間5分切るくらいで”と考えていたので、上手くいったといえます。
非難を承知の上で書きますとマイボトルは正直不便で抵抗もありますが、参加すると決めた以上は可能な対策を練ります。宿も早々に確保する、とにかく早く会場入りする、経口補水液もゼリーも使う、終了後用に2lのペットボトルとタオル、お菓子も持参する、できるだけ速く走って混む前に帰るなど。天気ばかりはてるてる坊主を作るくらいしか思いつかないのですが、幸い、好天に恵まれたので荷物も無事でした。
気になる給水ですが、スクイズボトル500ml+ジェルフラスコ125ml*2だけで押し切り、立ち止まるという選択はしませんでした。勝負をかけるなら、止まって一回までだと思います。500mlを入れるとかなりブレて邪魔なので、もう少し量を減らして途中で給水という形が正解かもしれません。止まっても十数秒でしょうし、一時停止一回であればそれ自体は左程影響はないはずです。最後は明らかに脱水に陥りましたので、身体には悪い作戦になったことは認めざるをえません。でもランナーのさがとして、ある程度真面目に走っていると止まるのに勇気が要るんですよ。
最善の策はチームで参加して、7kmごとに用意しておいたボトルを交換しながら走る方法ですかね。力水でテンションも上がるでしょうし。友達がいないと万事休す。
コースは、湘南の中の湘南をひた走り、江の島を見ながら折り返し、その先は先週の富士山マラソンの富嶽百景の続きを胸に刻みながら走るという贅沢極まりないものです。砂防林が続くため日陰も多く、そこまでは暑く感じずに済みました。しかし橋の上と終盤は日当たり良好で、脱水の恐怖もあってラストは上げきれませんでした。
応援は、意外と言っては失礼ですが、往路、復路共に沢山の方が沿道から声援を送って下さり、大いに力をいただけました。吹奏楽や太鼓のような出し物はありませんでしたが、応援の方の表情や声から、地域に愛されている大会だということがよく分かり、走っていても嬉しかったです。“無理やりセルフ給水に従わされている”大会なら嫌ですが、それより遥かに優しいご当地大会の空気が心地よく、“しんどいけど、まあたまにはやってみるか”と思える大会だと感じました。
終了後はとにかく水をひたすら飲み、いかに普段のエイドが恵まれているかという感謝の気持ちが、水と共に全身に染み渡っていきました。本当、水は偉大です。給食は、しらす(取れませんでした)、メダリストのジェル、青柳ういろう、バナナ、湘南塩バターどら焼きと、(走りながら摂取するにはゴミ箱が近過ぎるという大きな問題はありながら、)割と充実していてよかったです。完走後は何も出ませんけど。
走りは、前半と後半がほぼイーブン(0~20kmと20~40kmの差は1秒)で、概ね一定のペースで走れました。コースのイメージが別大に近いのもいい練習になりました。連戦にせずに疲労をしっかり抜けば、もっと速く走れることも確かめられてよかったです。(159bpm, 191spm, ストライド1.20m, 上下動比5.2%, 上下動6.6cm, 左右接地時間バランス48.1%:51.9%, 接地時間242ms, マジックスピード3)
レース以外でも、前日の小田原観光(小田原城に鈴廣かまぼこの里)、宿泊した鴨宮のお店、アフターの熱海観光(貫一・お宮の像、温泉)など、限られた時間で存分に楽しむことができました。これまでなかなか訪れる機会もなかったので、貴重な体験ができました。
湘南の皆様、沢山の応援の中、素晴らしいコースを走らせていただきありがとうございました!新たな挑戦を続けながらも地域に根付いた素敵な大会を、これからも盛り上げていって下さい!
先週走らせていただいた富士山マラソン。更に間近に富士山がそびえています。景色はこれ以上ないものです。
水のありがたさを思い知る大会の代表選手としては、やはり北海道マラソンですかね。最近暑過ぎますが、何とか速く走れるようになりたいです。
そしてこちらも水の素晴らしさとご当地感が突出している黒部名水マラソン。来年も既にエントリー済みです。
続きのページには、レース当日の行動記録や観光情報などを書けるだけ書いていますので、楽しさが伝わったり、参考になったりする部分もあるかと思います。よろしければ是非ご覧ください。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど、何でもいいので反応をいただけますと、私のシャイなハートにルージュの色がただ浮かびます。
2024年のフルマラソンは今回で終了です。通算では46都道府県まで来ましたので、あとはあの一県を残すのみです。次回予告は“平和の琉歌”です。暑いでしょうが楽しみです。
前日
小田原観光
新幹線で小田原まで
朝食はいつも通り、納豆、チーズ、ヨーグルトです。レース本番は貯め込んだエネルギーで走るしかないので、金夜はしっかり食べます。サーモンとチーズ、蒸し野菜に豚肩ロース、卵、納豆、ヨーグルトにココナッツオイルときな粉といったメニューです。
移動は07:54新大阪発→11:09小田原着のこだまです。安くグリーンに乗りたかったのでこの便にしました。時間に余裕もあるので寝ることもできますし、本も読み放題です。
いつもは富士川くらいで富士山を見て“おお”という程度なのですが、今日は浜松辺りから既に見えていることを知り、新たな喜びがありました。先週近くで見たばかりですが、やはり富士山の姿は嬉しいものですね。
小田原駅に着いて駅の中でコインロッカーを探すもいずれも埋まっていました。“大体この辺にあるだろう”というアタリを付けて地下に入ると、期待通りに右手の奥にコインロッカーが見つかり、身軽になれました。
移動中読書は、先週の続きで、ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』(村上春樹訳)を最後まで読みました。話をするということ、書くということで、死者を生きた状態にでき、それは自分自身をも救うことになるという旨があり、自分も一日ずっともやもやしていました。別の国の言葉でも、誰かがこうして自国の言葉に訳すことで伝えていかなくてはならないこともあると、本文に書いていないことを思ったりもしました。
富士山マラソンの後に買った、宮本輝さんと吉本ばななさんの対談本『人生の道しるべ』も半分ほど読み、ドラマのないような静かな一生についての話と、死は言葉にはしにくいが、それを言葉にするのが小説であるという話が印象に残っています。
太宰治『富嶽百景』も久しぶりに読み、そんな場面があったなあと思い出すことだらけでした。若いうちの読書が何故大切なのかについては、年を取ってから再読した時に発見があるからだと思っています。
小田原城
オーバーナイトみちくさの後はとても小田原観光の力はなかった(夜中に箱根湯本に到着し、仮眠後猛暑の箱根山観光をこなして危険な状態だった)ので、初訪問です。
銅(あかがね)門は内部も特別公開中でしたので入ってみることに。小田原評定はここでやったわけではないでしょうけど、“小田原評定に参加しよう!”みたいな案内があって面白かったです。
小田原城は戦国大名小田原北条氏の時代に巨大な総構を誇るなど大いに栄えたものの、秀吉の小田原攻めで敗れ、その後大森氏・稲葉氏が入場してからも交通・防御の要衝であることなどから徳川の世でも重用されてきた場所です。明治3年に廃城となり、更に関東大震災で石垣が崩れるなどしたことから、往時の姿は失われたそうです。現在の建物は昭和35年に復元されたものとのことですが、非常に立派で、見応えもありました。
天守閣の高さは大阪城、名古屋城、島原城、熊本城、姫路城、小倉城について全国7位とのことです。展望デッキからは、紅葉の箱根山を眼前に据えたかと思えば青く輝く相模湾を望み、伊豆大島や三浦半島も遠くに浮かぶという絶景が楽しめます。素晴らしいお城だったのだと実感しました。
館内の展示も充実しており、小田原城の歴史や甲冑、太刀、発掘調査で発見された陶器なども並んでおり、回るだけで勉強になり、記憶にも残ります。なお、お城見学のコツは、あまり下の方の階で時間と体力を使わないことだと思います。全部見ようとしてはしゃぐと、天守に上がる頃には疲れてしまっていますので。
鈴廣かまぼこの里・鈴廣かまぼこ博物館
小田原まで来たからには是非とも行っておきたい観光名所です。かまぼこに並々ならぬ関心がある方は勿論ですが、箱根駅伝の小田原中継所がここの前ですから、現地を見ておくと熱いものを感じます。
かまぼこ博物館は、かまぼこ作り体験もあり、ご家族で参加されている様子がとてもよかったです。かまぼこ板アートも完成度が高過ぎて予想の遥か上を行きますし、かまぼこの科学もたんぱく質がくっついてもっちりする様子などがわかり易く解説されていました。
鈴廣かまぼこの里では高級なかまぼこからすりみプロテインバー、箱根にちなんだお菓子など、幅広く売られていて選ぶのが大変です。すず天さんではおっととライスという、お米とお魚のすり身を混ぜ合わせて揚げた食べ歩きに絶好の逸品が売られています。五目がんも揚げと共に買い求め、新たな食感と期待以上のおいしさに舌鼓を打ちます。この組み合わせを考えた人は天才です。
お昼→パン活
小田原おでん本店さんに行くも、”~12:30満席、12:30~13:30一組可、13:30~14:30若干可”という大盛況ぶりだったので、あっさり諦めてパン活に励みました。小田原のパン屋さんは、総じてハイレベルな上、一つ一つのサイズが小さめなので、色々なお店で食べられてとても楽しいです。
なお、小田原名物のういらう(外郎)ですが、おひとり様用の商品は並んでおらず、一本単位で買わなくてはなかったため、こちらも見送りました。
- come come coさん
その名から分かる通り、米粉を主体とするパンを扱っておられます。お店も優しい空気で、塩バターロールはこの日の一発目だったこともあるのですが、ちょっと驚くくらいうまかったです。“米粉パンはこんなにおいしいのか”と。栗あんぱんもよいお味で、いきなりよいお店に出会いました。
- Leoさん
5月にオープンした新しいお店です。マラソンの応援もしていただけたので、いい走りをしたいところです。トマトペッパーはうまみがいいですね。カシューナッツとショコラは、チョコの味も香りもよく、私のようなチョコ好きには絶賛されると思います。
- 柳屋ベーカリーさん
薄皮あんぱんが大人気で売り切れも早いと聞いていましたので、何とか買えてホッとしました。種類が多くて迷いますが、ずんだあんとまぼろしの黒豆にしました。とにかく餡の舌ざわりがよく、そこでまず衝撃を受けます。薄皮も上の方はカリっと焼かれていてたまりません。これは皆殺到しますね。
- gritさん
ポンデケージョの量り売りで、食べたい量を好きな組み合わせで買えるサービスが嬉しいです。チョコレート、抹茶・白チョコ、ビーツ・ベーコンを選びました。多分初めて食べました(というか名前を意識したのが初めてです)が、小さいもっちり系のパンで、おやつには最適でした。
- レロアさん
大通りから少し海の方へ入った所にあるお店ですが、こちらもおいしかったですね。目移りしまくりですが、何とかポークカレーパン、ココ(ココナッツクリームが入っている)、レーズンパンを選びました。カレーパンはルーがどっさりというよりこだわりのスパイスでの味付けで、おいしかったです。ココナッツクリームは甘過ぎず、思い切りほおぼってしまいたくなるおいしさです。
- GOOD MORNING ODAWARAさん(鴨宮)
週末限定の「スキャッチャータ・コン・メーラ」という、初めて聞く名前のパンにしました。カルヴァドスというお酒が入っているとのことで、シナモンの香りも利いたおいしいデザートになりました。マラソンの応援もしていただけて、やる気が出ました。朝も早くから開店準備をされていて、真面目なお店だと感じます。間違えて写真を消去してしまったのが悔やまれますが、またいつかお邪魔したいと思いますので、よろしくお願いします。
夕食
鴨宮駅北口にある丸登食堂さんにしました。昭和からの空気を伝えるお店で、これぞ求めていた食堂という喜びがあります。私こういうお店が大好きで。
小田原はアジフライが熱いという話も聞いていたので、ここはアジフライ定食にしました。そしてこの分厚さと大きさに歓喜します。おいしさも間違いなく、大満足です。おばあちゃんにお礼を言うと喜んで下さりました。どうぞこれからもお元気で。
こちらの写真も操作ミスであまり残っておらず残念ですが、押すと爪楊枝がでてくるあの懐かしいやつ(わかります?)を筆頭に昭和の香りが漂っている素敵なお店の様子は、私の記憶の中で大切にすることで満足します。
ヨークマートで卵、チーズ、牛乳、水を仕入れて今日のタスクは終了です。
お宿
鴨宮のホテルドレイクさんです。駅徒歩1分でありながら6,300円とリーズナブルで何かと助かります。部屋も広くて満足です。駅からすぐの場所にあるのに、何故かそこまで電車の音が気にならなかったのがすごいです。
レース当日
レース前
会場まで(とにかく先手必勝)
22:10消灯5:10起床です。心拍数も通常通りですし、眠れた実感もあったので十分です。昨日買っておいたレーズンパンとゆで卵、チーズ、牛乳の朝食を取り、軽くシャワーをしてから、テーピングなどの装備を済ませ、着こんで出発です。会場ではゴミを捨てにくいことから、スクイズボトルやジェルフラスコには、内容物を入れておきました。
06:08鴨宮発→06:21二宮着の便にしました。当初は6:24発も検討したのですが、事前情報を見るととにかく混むということですので、少しでも早い方がよいと考えました。
二宮駅に着くと早くもバス待ちの行列が伸びています。“これかぁ”という感慨すらありました。駅前通りをぐるりと回って最後尾に整列します。見た目の割に待ち時間は長くなく、10分程で乗車できました。早く到着して大正解です。
会場(やはり先んずれば何事も快適)
会場までは10数分でしょうか、大磯プリンスホテル前に到着し、またもぐるりと回ってテニスコートやプールの間を抜けてから、海沿いの道に出ます。この途中で朝焼けの富士山も見られ、誰しも気分が上がったと思います。朝日が照らす水平線も美しいものでした。
手前の方の更衣室はまだ空いていたので、しばらく座って大人しくしていました。その方が温かいかと思ったのですが、日が差してからは外の方が過ごしやすかったと思います。7時半頃には人が増えてきたので、完全に着替えてテントから出ました。
テントから出た所には仮設のトイレがあるため、大行列で通路が塞がれてしまっています。粘り強く進むしかありません。なお、後にも書きますが、スタートブロック整列箇所近くにもトイレが多数用意されていますので、早めにそちらに行った方が絶対によいです。
荷物預けは、聞いていた通りのセルフで棚におくだけのスタイルでした。それ自体は他所でも時々あるので、雨が降らないことを祈るばかりです。日当たりはよいので、魚とか蒲鉾を入れていると傷むと思います(そんなやつおらんやろ)。このくらいの時間に、アミノバイタルゼリー赤を飲んでおきました。
今日の金沢スイーツはボストンの羽二重生サブレ絹小町です。金沢マラソンにもお菓子を提供されている老舗で、昔は寺町にもお店があったはずです。久しぶりにお店の味をと金沢駅のあんとで購入しました。もちの食感と甘みがとてもよかったです。
そのままの流れでメイン会場の方に進み、案内係の方にセルフ給水のテントを教えていただきました。会場が広大なこともあって誘導も大変なのですが、幅広い年代のスタッフさんが道案内に応じておられ、“地域に愛されたいい大会なんだな”と感じました。
8時前にはメイン会場にあるテントで、命の源であるお水をいただきます。スクイズボトルと二つのジェルフラスコに満タンにして、ポーチに差し、集合場所へと歩を進めます。
ここからが結構遠いのですが、段々と人も少なくなってきて歩きやすくなり、行った先に沢山の仮設トイレがあることに希望の光を見ます。列もそれ程長くなかったことから、8:10くらいに並んでも10分かそこらで順番が回ってきました。早く移動すると全てがスムーズですし、大規模大会は準備がものをいうと思い知りました。8:30には余裕で整列しています。
整列地点からスタートまではこれまた結構歩きます。どうせネットタイムで決まるので前に行く必要性はそこまで高くないのですが、走り易さを考えるとある程度前の方に行きたいところです。というわけで、少しスロージョグをしつつ、ボトルの揺れを確かめたりもしました。
スタートセレモニーは、実行委員長の瀧川一輝さんのご挨拶が何ともハートフルで、“やっぱこの大会相当よいものなのでは”という思いを強くします。あと、司会の方が18,000人を1,800人と(多分)間違えたことも。変な業者マラソンではなく、ご当地マラソン寄りの和やかな空気が大変に私好みで、やる気も出ました。
邪魔にならない程度に動的ストレッチをして、いよいよスタートです。スタート少し前にVESPAを飲んでおきました。
【ちょっと真面目な話】
シューズ
今回どう走るか前日まで迷ったのですが、冒頭に書いた通りできるだけのことをしようと決めました。というわけで富士山マラソンに引き続きマジックスピード3さんにお出ましいただきました。
装備
ある程度速く走るためにアンダーアーマー水色ノースリーブ、ミズノマルチポケット、ザムストソックス、ニューハレ踵二重です。往路は眩しいのでオホーツク網走マラソン過去大会キャプも使います。待ち時間が長いのでタイツも考えましたが、気温がそこまで低くないことから、不要と判断しました。
持ち物
最も悩んだのが持ち物ですが、スクイズボトルをミズノのウエストポーチで固定する選択肢を取りました。給水で止まる回数をできるだけ減らした方がよいとの判断です。思えば昔はマイボトルで走っていたので、そこまで邪魔にはならないはずです。パラチノース(秋田内陸リゾート100kmでもらった参加賞)と経口補水液を500mlに溶かします。
いつものジェルフラスコ二つも持参し、経口補水液半袋ずつ、アミノ酸一袋ずつ、一つにはメダリストのグレープも入れます。甘みがほしいので。この二つを腰のポケットに入れます。
アミノバイタルゼリー赤とVESPAは、賞味期限1年以上前のものが冷蔵庫から出てきたため、スタート前用に奮発しました(エコ大事)。特に異常はありませんでした。
マイカップは落としそうですし、止まることも想定していないのでやめておきました。いざとなれば冬なら3時間無補給でジョグも可能ですので、問題ないはずです。
練習
富士山マラソン後は特に強い筋肉痛やだるさに襲われることもなく、淡々と過ごしました。月曜は観光テンションではしゃぎ過ぎですね。
月曜:朝スロージョグ4km,新倉山歩き、昼:金鳥居・馬返し往復(2時間6分, 18km, 7:03/km, ↑630m)
火曜:オフ
水曜:有酸素ジョグ38分 Zone1
木曜:レース前刺激走1km*3本(4:26, 4:02, 4:08, ソーティマジックLT2)
金曜:有酸素ジョグ38分 Zone1
土曜:オフ
ガーミンさんは富士山マラソン直後にピーキングになってみたり、やたらと甘口評価を披露したりするのですが、まあ励ましはありがたく頂戴しておくことにします。
レース
序盤~前半
- 序盤(戸惑いのマイボトル)
コースは広いので、まずまずスムーズな滑り出しとなりました。しかし早くもマイボトルが揺れて気になります。飲んで量が減れば振動も重量も減るのでしょうが、序盤ですので浪費はできません。入りは4分40秒で、体感よりは少し遅いかなと思いました。
やはり海岸線が近くに見えることは新鮮で、走っていて気持ちがよいものです。写真は多分2km手前と3km手前くらいだと思います。
走っていてありがたかったのは、意外と日陰が多いことでした。砂防林のお陰で、砂や風だけでなく、直射日光からも守られています。
給水は4km置きを目安に飲んでいくことにしました。5kmだとちょっと長いですし、3kmだと忙しないかなと思いまして。
給水ジャグは写真のような感じです。確かに、近くに寄るまでは何が入っているかは識別できません。カルピスもあったようですが、のんびり走らないと色々楽しむことは難しそうです。完全スルーだったので、給水スタッフの皆様にお礼を言う機会がなかったのは少し寂しいところです。
7kmで31分45秒くらいだったと思います。湘南大橋の温度計は14℃とちょっと高めですが、風は涼しいので、概ね快適に感じました。
- 前半(応援の中、湘南の道を走れる爽快感)
走っている間は、思った程サザンのことは浮かんできませんでした。この辺りだと、“(はっと見りゃ湘南御母堂…)”くらいだと思います。ついでに箱根駅伝も、それ程真面目に見ていないのか、今一つコースの景色が重なりませんでした。
それにしても今自分が走っている道路は正に交通の大動脈なのだと感じることも多かったですね。歩道橋が巨大ですから。応援が途切れることもありませんし、その人数がどっと多くなる箇所もあって、にぎやかに鼓舞して下さります。
スタート前が寒く、待ち時間が長いと足の裏が硬くなりがちなのですが、10km程行った頃には気にならなくなりました。このくらいになるともうラップは細かく見ていません。そうね大体ねの世界です。
給水ジャグは概ね200mごとに設置されており、給水しようと思えばいつでもピットインすることができます。前の方が止まる可能性も考慮に入れると、当然ながら沿道からは離れた中央部を走ることになります。
トンネルを抜けて13km過ぎくらいだと思いますが、“帰りは富士山がよく見えますよ”という応援の声もあり、後半が楽しみになりました。
14kmで1時間1分50秒くらいだったと思います。意外と速く走れているようです。
中盤
- 中盤①(江の島前で折り返し)
エイドではレーズンやチョコも用意していただいていましたが、今日は最低限33.9kmのご当地スイーツだけ取れればよいと考えていたので、受け取るチャンスはありませんでした。でもこうして沢山の方が待っていて下さることは嬉しかったです。
折り返しが近づいて来る辺りで、中央分離帯の上でハイタッチもしていただき、感謝の気持ちを伝えられたかと思います。上述のとおり沿道には基本近寄れないので、この応援スポットは貴重でした。直前は少し上っていたと思いますが、この辺りはにぎやかになり、また先が楽しみになります。
折り返しは18km台。江の島前です。“江の島が見えてきた 俺の家も近い 行きずりの女なんて 夢を見るように忘れてしまう”というフレーズが浮かびますが、実際にはコースはまだ半分以上残っていますし、刺激的な出会いもありません。
19.2kmではメダリストのジェルを用意していただいていましたので、ありがたく頂戴しました。多分グレープフルーツとはちみつのものだったと思いますが、貴重な水分と糖質を摂取することができました。ゴミ箱がとても近いことは認識していたので、掴んですぐに開封し、急いで口内に絞り出した(写真すら撮らず)ものの、結局間に合わず、その少し先で袋を広げて下さっていた係の女性に託すこととなりました。大変お世話になりました。ちなみにこの給食所ではしらすが提供されましたが、水分とゴミ箱的に給食は取って一つだろうと感じたので、ジェルのみに絞りました。
21kmは大体1時間31分台の後ろの方だったと思います。後半落ちなければ、3時間5分以内に押し込むことも可能なタイムです。
- 中盤②(富士山に見守られながら)
23km過ぎも、砂防林の加護を受けながら、正面には富士山がどっしりと構えている様子が時々見える素敵なコースです。
23.9kmでは青柳ういろうアスリートがふるまわれましたので、しっかり一ついただきました。しかし開け方が分からずもたついているうちにゴミ箱の前を過ぎてしまいます。結局うまく開けられずべたつきましたが、味はよかったです。ゴミは腰のポケットに入れて走り続けます。
25km付近でも正面にバッチリと富士山を拝めます。さっき通ったいくつもある歩道橋を潜り、往路のランナーさん、応援して下さる皆様を視界に入れつつ、淡々と進んでいきます。時計は大体5kmと7kmずつで見るくらいで、それもそこまできっちり確認しているわけではありません。ボトルも半分以上飲んで軽くなってきました。走り易さはアップしていますが、この先どれくらい水分が不足するかは読めません。
28kmで手元2時間1分47秒でした。落ちることもなく、自分でも意外なくらい安定していました。
後半~終盤
- 後半(湘南大橋からの富士山とお土産確保)
28.3kmのエイドでは、バナナの中にも水分があるからと受け取る判断をしたのですが、このバナナは1/2にカットされたもので、即座に食べて皮をゴミ箱に捨てるには大きかったです。せめて数百m先にゴミ箱があってくれればよいのですが、大会コンセプトとして、とにかくコース上で出るごみの数量を減らすことが大事なので、期待してはいけません。やむなくそれなりの距離持ったまま走り、次の給食エイドを待つことにします。
しかしコース上に神はいるもので、30kmを過ぎてからビニール袋を持っていて下さった男性がいたので、お礼を言って託すことができました。あの時は本当にありがとうございました。
その少し前になりますが、相模川を渡る湘南大橋からは富士山がきれいに見え、太宰がいうところの“懐手をした親分”のような感じすら受けました。“この人たちのことをよろしくお願いします”という、弱者を思う太宰の視線も思いながら走っていました。
30kmくらいで橋を下りてまだ直進するのは、別大と重なりますので、やはりイメージトレーニングには絶好のコースでした。バンクの傾斜がない点と折り返しがえらく先の方にある点は違いますけど。
32km過ぎでも橋を渡ります。橋を渡るには少し上らなくてはなりませんし、橋の上は少し風が強く感じられ、日差しもあるので辛いところではあります。“落ちてるかな”と思いつつガーミンさんを見るとラップは4:16/kmと出たので、あまり気にしなくてよいと思いました。着ぐるみのらんなさんは富士山マラソンに引き続いてのご登場でしたが、スマホが間に合わず悔いを残しました。
33.9kmでも給食が出ると分かっていたので、最低一つは取るぞと心に決めます。最も目立った湘南塩バターどら焼きを無事に手中に収めましたが、手持ちの水分からしてここで開ける勇気が湧きません。“フィニッシュ後には何一つ出ないはずなので、後のご褒美にしよう”と切り替え、ポーチの更に内側のポケットに収めます。汗が染み込んでしまわないことを祈りながら。
このくらいの距離になって来ると、“残りをキロ4分半でも3時間5分は切れそうだ”という邪念も生じるようになります。ラップもキロ4分半はかかっていないので、ほぼ確実だと思いました。左手に伸びていく海の姿はとても美しかったです。
- 終盤(ゴールとその先の水を求めて)
折り返しまでに会場の横を通り過ぎなくてはならないというコース設定は予習済みでしたので、あれかと思いながら写真を撮っておきます。折り返しまではあと2kmちょいなのですが、この辺りになると流石に水分不足のためか、しんどさを感じます。微かに上ったり、強くはないものの向かい風が続いたりすることで、地味に体力が削られていたのかもしれません。ラップを見ると、38kmと39kmは、キロ4分31秒になっています。
折り返しも見えて来て、これなら大丈夫そうだと思ったところで、痛恨のミス、マイボトルの落下をやらかしました。幸い後ろの方には害を及ぼさなかったのですが、ここに来ての失態に私は動揺しました。他の方もちょいちょい落として取りに戻っていましたが、この、“ポーチなりポケットなりに差したつもりが中途半端な固定感だったり、差す所を間違えたりする現象”に名前を付けたいです。胸騒ぎの腰つきとか。かなり焦るので。
折り返していよいよ40kmですが、今日という今日は余裕がなく、スパートは無理と感じました。いつもであれば体中を充たしているはずの水分が足りず、脳が号令をかけません。もう大きく落とさず3時間5分だけは切ろうという感じになっていました。“恋人同士せめぎ合う 期待通りのデキ・レース”くらいの勢いで上げて終わりたかったのですが、この脱水状態では厳しいです。
41kmを過ぎてから12時のチャイムが鳴り、もう“今何時?”と気にするまでもなく、3時間5分は切れると分かりました。ピッチだけは落とさないよう気持ちを入れ直し、会場へと左折する場所まで来ました。ここから会場には(一瞬とはいえ)坂を上らなくてはならず、頑張っても減速します。
最後は、大きくて立派なフィニッシュゲートを撮ろうとするもミスショット、再び試みるもやっぱり不発に終わり、“まあしゃあないか”と思いつつ、3時間4分台の表示を確かめてフィニッシュラインを越えました。実況の方の声も優しく、心地よかったです。
アフター
会場
普段は余力を残して終わるのですが、今日は“きつかった”と声が漏れましたし、本当に久しぶりに計測チップの紐も切っていただきました。脚つりや故障こそなかったのですが、水分が欲しくてしょうがないという感じでした。40km以降9:29も仕方がないかと思います(直前より上がってはいますが)。
完走メダルを笑顔でかけていただいた後、給水所に直行です。マイボトルを空けて2杯、3杯と水を飲むことで、少しずつ回復していきました。“水のありがたさが身に沁みます!”などと言いながら、用意してくださっていたスタッフさんにお礼をお伝えします。“私は私喉がカラカラ そんな愛こそ全て”という程渇いているわけではないのですが、マラソンでそこまでの状態に至れば倒れている気もします。
荷物置き場は遠いですし、階段を上らなくてはいけないので、フルマラソン直後には結構タフです。それなりに回復していたので大丈夫ではありましたが、荷物置き場から更衣室までがかなり遠いのは堪えました。荷物、重いんですよ(自業自得)。
ファンランの方が帰る用だったのか、私が更衣室に着いた頃にはとてつもなく長いバス待ちの列ができており、目を疑ったのですが、どうやら12:30から増便になることで、その後の列は明らかに短くなっていました。
マジックスピード3さんは、本人の感覚よりも余裕を持って運んでくれますし、更に速く走ることもできそうです。脚へのダメージも少なく、アウトソールも丈夫なので、益々活躍していただきたいところです。
先述の通りフィニッシュ後は給水所しかありませんので、ここぞと湘南塩バターどら焼きを味わいます。かなりおいしく、いただいておいてよかったなと思いました。前日に買っておいた茶店まんじゅう(黒糖)も食べ、甘いもので元気になりました。
でもホント、完走後にお菓子もなくミニマルなメダルとカード一枚のみというのはかなり強気だと思います。お菓子を配ると会場でゴミが出てしまうので、そこは死守したいのでしょう。メダルは、物語があればどんなものでも嬉しいです。美大生がデザインしたとか、砂丘の砂でできているとか、刑務作業で作られた世界に一つのものとか、そういう物語が。
荷物置き場と更衣室の動線上、メイン会場の屋台に戻ろうとはとても思えませんので、そのまま帰ることにします。会場でゴミを出してはいけませんし、遅くなれば混むことは必至です。最終盤を走っておられるランナーの姿と、海岸沿いの絶景、応援されている皆様の姿を見届けてから大磯プリンスホテルの方へと向かいます。
帰りのバスもそれなりの行列でしたが、本数が多いので10分強で乗れました。運よく座れたのもありがたかったです。
熱海観光
13:37二宮発→14:11熱海着の普通で移動です。一番端の15号車は空いており、余裕で座れました。途中の景色は、海が一面に広がる箇所もあり、18きっぷで通った時のことも少し思い出しました。
駅前のビル内に100円コインロッカーがあり、それらは全て埋まっていたのですが、お店の方が100円で預かって下さり大変ありがたかったです。ここまでご親切な観光地も滅多にありません。
熱海銀座を歩いたり、ときわぎさんでお土産を買ったりしつつ、個人的に行きたい所を巡ってきました。
貫一・お宮の像
尾崎紅葉『金色夜叉』の舞台の一つがこの熱海。話自体は裏切りにより復讐の鬼と化す男の物語ですが、お宮の“くわぁんいちさああああん!”という叫び声にちょっと笑ってしまったのは私だけではないはずです(すみません)。しかしこの小説が一大ブームとなったことから熱海の知名度も一気に高まったそうで、当時の尾崎紅葉の影響力がいかに大きいものだったか思い知るところです。
銅像の解説には、“暴力を肯定するものではありません”と注釈があり、それもまた少し可笑しかったです。確かに下駄で足蹴にしていますからね。とんでもない男です。
サンビーチは波打ち際まで行け、波は比較的穏やかでありながらも音は力強いものだと思いつつ、遠くの海をぼんやりと見るでもなしに見ていました。
日帰り温泉(熱海温泉 湯宿一番地さん)
水風呂もなくなかなか高級ですが、“あの熱海で温泉に入った”という思い出が欲しいので利用しました。やはり走った後に温泉で汗を流せるのは最高ですね。露天風呂にゆったりと浸かり、涼しい風を感じている時間は至福です。
景色は、熱海の街と海、そして謎の城が見え、帰って調べてみると熱海城ということで謎は深まりました。まあ京都タワーみたいなもんなのでしょう。
パン活・スイーツ活
- パン樹木久遠さん
仲見世通りにあるお洒落なパン屋さんで、パン好きとしてはスルー出来ません。豚角煮サンドは、白髪ねぎの香りもよく、マラソン後のご褒美に相応しい逸品でした。来宮大楠根っこパンは、カシューナッツと橙がたっぷり入ったとてもおいしいものでした。
- 阿部商店さん
平和通りにあるお店で、見るからにおいしそうな湯気も立っていましたので、いいらまんじゅうをいただきました。「いいら」とは、熱海地方の方言で”よい”“よいでしょう”を意味するそうです。黒糖もいきたかったのですが、先ほど茶店饅頭黒糖を食べたばかりですので堪えました。抹茶は、抹茶の香りとこし餡がよくマッチしており、旅の締め括りに相応しいおいしさでした。
16:40熱海発→19:10新大阪着のひかり自由席で帰りました。運よく空いている席がありましたが、静岡で下りる人も多いので、少なくともそこでは座れます。帰宅後、荷物の整理、洗濯などを済ませて、気持ちよく眠りに就きました。
最後に
一度はこの目で、そしてこの身を以て確かめてみようと思った湘南国際マラソンは、思った以上に地元に根付いて愛された、温かな大会でした。マイボトル・セルフ給水はかなりしんどいですが、自分がどれくらいやれるのかを試すいい機会にもなりましたし、それはそれで刺激的で楽しめました。強い人はどんな環境でも強いものですから、私もそうなっていきたいものです。
普段の生活でもエコを意識することは本当に大切だと思っていますので、私もマラソン大会でコップを大量消費している罪滅ぼしに会社ではマイカップ(加賀温泉郷マラソン参加賞)を使ったり、牛乳パックをや食品トレーを洗ってリサイクルに出したり、買い物にはエコバック(神戸マラソン他参加賞)を持参したりと、ごくごく小さいことは継続しています。前にいわて奥州きらめきマラソンに出た時に子供達に言ったのですが、“僕らはそのうち死ぬからいいけど、君らは先が長くて大変だから”、“大人がちゃんとしないと子供もやろうとは思わないから”ということだと思っています。できることを大人がやって、次の世代につなげていく必要があります。
素晴らしい景色を楽しめるコースの管理、広大な会場の運営、沿道での応援、どれを取っても大変な大会だと思います。こうして大会を作り上げて下さった湘南の皆様に、改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
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