夏の終わりのシンボルである北海道マラソン。今年は最終日曜日が8月31日ということもあって正に夏休みの締め括りでもあり、夏休みの宿題の仕上げをせよという日程です。例年より数日後ろにずれていることが幸いし、夏の出口と秋の入口が重なる、少し静かな空の色と優しくなってきた空気を感じられ、気持ちよく走ることができました。そしてもう7回目の参加にもなるのに、また新たな経験もできた素敵な夏の終わりでした。
この大会だけは水没が怖いためスマホを持たずに走るのですが、コースは鮮明に覚えていますし、沿道の声援も応援もしっかり記憶に刻まれているので、それでいいのかもしれません。どうやったらここまで冷たい水をこんなに沢山用意できるのかという程の日本一長い給水テーブルは見る度に感心しますし、ミスト、雪玉、水被りに氷と、暑熱対策も万全です。私設エイドも数が多く、北海道マラソンは応援して下さる皆様も一緒になって作り上げる素晴らしい大会だと心から思います。
折角ですのでエイドではバナナ、ミニトマト、チョコパン、コーン茶、ちくわぱん、どら焼き、デカビタC、あんぱん、ペプシと目に映る全てをいただき、前田森林公園でも雪と戯れてきました。私設エイドでも氷やコーラ、スポドリなど、申し訳なくなるくらい沢山のふるまいをいただき、お陰様で元気に帰って来ることができました。
走りは、いつか2019年のコースベストを更新したいとは思いつつ、足底筋膜炎のことも考慮して、絶対に崩れないペースを体感で刻むことにしました。最高気温26.9℃と恵まれた環境の割にタイムは過去3番目に止まり惜しい気もしますが、昨年ダレた新川通後半も自然と上がりましたし、最後も冬と同じくらいまで上げられたので十分だったかなと思います。道マラは毎回、自問自答する時間が訪れますが、そこを乗り越えてできることを投げずに実行すると満足感が違います。(3時間8分台, 151bpm, 190spm, ストライド1.18m, 上下動比5.5%, 上下動6.8cm, 左右接地時間バランス48.2%:51.8%, 接地時間229ms, META SPEED EDGE+)
そして今回はブログでお世話になっている皆様とご一緒できたのも新たな経験でした。別大でおなじみのスイミーさん (id:suimie-suimie) と並走できたり、奥熊野いだ天以来のチャーリーさん (id:besmart-chari)、ニアミス続きだったきなこさん (id:kinaco7272)達にもご挨拶できました。長年一人で走っていてほとんど友達もいない私にとっては初めてに近いことでしたので、素直に嬉しかったです。ありがとうございます。
レース前もアフターも、恒例のパン活を楽しみましたし、蔵ノ湯さんのポイントも貯めました。翌日は小樽観光も楽しみ、運河クルーズやオルゴール堂、日本銀行旧小樽支店金融資料館などで歴史ある街並みの空気を存分に吸い込むことができました。勿論お寿司もいただき、北海道はどこに行っても素敵過ぎると大喜びで帰ってきました。
子供の頃は課題も見つからず大人ウケしそうな作業をこなすだけの自由研究が最も嫌いでしたが、大人となった今では、“どうすればもっと速く走れるか”、ひいては“どう生きるのか”といった答えのない難題を追い求め続けることが自分の一部になっています。その中では今まで知らなかった感覚や走らなければつながらなかった方々との時間があり、正に“おのれ自身の端緒が絶えず更新されていく経験”をしています。こういう自由研究ならずっと続けたいですし、きっとそうすることでしょう。
札幌の皆様、今年も素敵な夏の思い出を一緒に作り上げていただきありがとうございました!まだまだ道マラも走ることも楽しみたいので、これからもよろしくお願いいたします!
猛暑炸裂で夏が終わらなかったのは2023年。あれはあれで一生の語り草になるのでよかったです。一度で十分ですが。
オホーツク網走マラソンも近づいて来ました。衝撃の連続で超おすすめの大会です。北海道の大会は地域の魅力が存分に活かされているので大好きです。
函館マラソンは過去三度も出ていますが、はるばる行きてえなあ、という思いがまた強くなってきました。
続きのページには、レース中の様子(写真こそありませんが記憶の限り書いています)、移動や宿も含めた観光情報などもそれはもう詳しく綴っています。読者様より“長過ぎる”、“レースより観光情報の方が役に立つ”という温かな応援の声もいただいております。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど何でもよいので読者の存在をお知らせいただけますと、私がやべーべやに弟子入りして北海道弁の研究に打ち込みます。
次回予告は“北の果てから2025”です。最南端の石垣島に続き、最北端の大会にも参加できることになりました。初めての場所ですし楽しみです。
前日
酷暑の本州を逃れて北海道へ
金夜に寝るのが遅くなったこともあり8時前起床です。今日は走らないので、ゆっくりと朝食の支度をし、石川のソウルフードまつやとり野菜みそで豚バラ、キャベツ、人参の味噌鍋にしました。暑くても寒くても元気のある味です。豚肉でビタミンB1を蓄えて糖質の利用を促進し、納豆でビタミンKを摂って骨を強くします。チーズやヨーグルト、リンゴ酢は主に腸のためです。金夜は牛肉、茄子、人参、しめじの炒めものでした。
掃除や買い物などの家事を済ませ、13:50伊丹発→15:45新千歳着ANAです。往路をスーパーバリューセールで買えたこともあり、往復22,450円で収まりました。
移動中読書は、瀬古利彦さんの『瀬古利彦のすべてのランナーに伝えたいこと』でした。確か2019年の道マラの時に札幌で買ったもので、久々に読みたくなったもので。“自分が一番長く走り続けられるペースを見つけて、それを維持できるように”というところから指導しておられるとのことですが、これは長年走っていても大事なことだと思いました。村上春樹さんとの関係は、微笑ましさと真面目さが混じっていて何度読んでも面白いです。そして、「一生懸命走ってほあいい」という言葉は今回のレース中に何度も思い出しました。
もう一冊、鷲田清一先生の『メルロ=ポンティ 可逆性』を、前に折り目をつけていた箇所を拾い読みする形で再読しました。対立するものを截然と切り分ける存在論は正しくなく、“見えているのに(原理的に)見えないもの”(奥行)が存在することで世界が成り立っているという観点を思い出せることは、今の自分にはまた意味のあることだったと思います。触れるものが触れられるものでもあり、その絡み合いが全てをあらしめるということのようです。“哲学とはおのれ自身の端緒が絶えず更新されていく経験である”は深い言葉です。
涼しき北海道で前日準備
前日受付
新千歳空港16:20発→札幌16:57着のJRで移動です。早めの夕食、チェックイン、パン活を経たのですが、案の定寄り道し過ぎて19時10分過ぎに漸く到着するという体たらく。後述の通り、北海道は誘惑が多過ぎます。
遅い時間まで笑顔で受付の対応をしていただき、明日がまた一段と楽しみになりました。暗くなっていたこともありブースを回ってどうというのはほとんどありませんが、やはり大規模大会の盛り上がりは独特ですね。沖縄の大会のブースもあったので、昨年おきなわ100kに、今年は石垣島マラソンに出た喜びも思い出していました。
プログラム、安定のTシャツ、パックご飯(そういえば昨年のものをまだ食べていませんでした。賞味期限4か月オーバーくらいいけるでしょう)、パンチクール等々です。アイヌ文化を学べるウポポイは気になるところです。昨年オホーツク網走マラソンに出た縁で知里幸恵さんのアイヌ神謡集を読んで以来、少々間が空いていましたので、またつながりを持っていきたいと思いました。
パン活
- ロイズチョコレートワールド
どうしても外せません。定番の生チョコクロワッサン[オーレ]は、一年間待っていましたというくらいの喜びがチョコと共にあふれ出します。ヴィジタンディーヌは、登場後瞬く間に人気商品に上り詰めた焼き菓子で、時間が発ってしっとりした状態でも甘さが程よく広がり美味でした。ショコラキューブも新千歳限定ということで初めて買いましたが、生地の味も只者ではありませんでした。
- どんぐりさん
ちくわパン発祥のお店とのことで、早速買い求めました。テレビ塔のすぐ傍で、パンが所せましと並んでいます。ちくわパンはできたてなのか温かくて柔らか、ツナマヨの味が予想外のおいしさで馴染みます。クルミクランベリーも温かくてもっちり、お求めやすいお値段以上の価値があること間違いなしです。
- ブルクベーカリー丸井今井店さん
札幌でドイツパンといえばこちらのようです。あんバターゼンメルは、まず餡がうまいですね。北海道だからでしょうか(そうですよね)。そして塩パンとの相性がよく、バターも丁度いい量になっているようで、率直に言って相当うまいあんバターサンドと感じました。おすすめです。
- Boulangerie Lafiさん
富良野のパン屋さんということですが、きたキッチンでクイニーアマンを見かけて購入しました。北海道産の小麦はやはりおいしいですね。キャラメリゼのコーティングが丁度いい味で、心穏やかに眠りに就けます。
- PAULステラプレイス店さん
見るからにおいしそうだったのでカンパーニュ・オ・フィグ・ノアを選びました。いちじくとくるみですからおいしくないわけがありません。翌朝まで取っておこうとおもいながら、我慢できずに二切れ食べてしまいました。
夕食
定食屋ふか河さんにしました。地元の方が利用するお店ということで是非行ってみたいと思ったのです。土日は18時閉店、ラストオーダー17:20です。17時過ぎでしたが受け入れていただき、迷いながらもチキン南蛮定食を選択。鶏が分厚く、甘辛ソース、タルタル共によく合います。ご飯が進みまくる素晴らしい定食で大満足でした。
お宿
札幌ワシントンホテルプラザさんです。札幌駅すぐ傍(道マラ10km地点過ぎたところ)という好立地にもかかわらず、2泊11,400円という破格のプランを予約できました。2/1に出た瞬間買えたのだと思います。
部屋は広くてきれいで明るく、(コインランドリーの乾燥機が信じられないくらい貧弱で時間が異常にかかる上に30分回した程度では問題が何も解決していないことを除いては)言うことなしです。
レース当日
レース前
“早起きしよう、せめて6時10分には起きよう”と思っていたのですが、二度寝も決めて6時40分頃に漸くベッドからもそもそと這い出しました。駅が近いから電車の音が気になるかもと思ったのですが、実際夜中に特急が通過するわけでもありませんし、札幌では全て減速して停車するわけですから、ほぼ気になりませんでした。気温も下がってくれたことから、窓を閉めたままでも冷房なしで眠れました。
朝食は前日買っておいたカンパーニュ・オ・フィグ・ノアとマジックパール(セコマで買えます)、チーズ、牛乳です。
日焼けは辛いので、ウェアを着用する前に手の届く範囲は背中も含めて可能な限り厚めに塗っておきました。装備を整えて出発するもセンサーを忘れて取りに戻るといった無駄な時間を挟みつつ、出発したのは7時37分。流石にこれは遅すぎます。アップも兼ねてスロージョグで移動することにより7時46分には着けてよかったですが、優雅に朝の札幌の空気を味わいながらコースのシミュレーションをするといったことはできませんでした。
荷物預け前に金沢の庶民の味、別所のかすていらをいただく儀式を執り行い、アミノ酸も飲んでおきます。荷物は7:55には預けて万事快調です。日差しが気になったので、アームカバーとサンシェードも持って行くことにしました。動的ストレッチで身体をほぐし、8時6分にはブロックに整列しました。これくらい遅くてもAブロックの中央くらいには入れてもらえました。
日陰を期待して左側のレーンを選びましたが、結局日陰にはならず、まあそういうもんだよなと受け入れます。シューズのひもを強く締め直し、アッパーのフィット感のよさを確認します。招待選手の紹介も終わり、ほとんど見える人のいないテレビ塔のカウントダウン(ご愛嬌)で気持ちを高めながら、北海道マラソン2025の火ぶたが切って落とされました。
【ちょっと真面目な話】
練習
足底腱膜炎がここまで長引くとは正直思っていなかったのですが、8月の半ばくらいから起床時の足裏の痛みも足首の硬さも徐々に軽くなり、圧痛もほぼなくなる回復基調間違いなしというところまで来ました。この間は長時間動かさないと固まって痛みが出るため、ストレッチもマメに行うようにしています。
痛めているといいながらも4月以降もウルトラやフル、トレイルにも参加し、月間400kmくらいは走れていたので、世の中的に怪我の範疇には入らないのかもしれません。しかし自分的には痛みもありますし万全とは言い難い状態が続いていました。
8月は夏休みの前半が涼しかったこともあり、基本的に21kmや2時間のジョグを中心に9日間で200km走り込めました。キロ5分10秒台の日もあれば5分40秒台の日もあります(キロ7分台のLSDも1日)。無理せず給水も沢山取り、日陰の周回コースも多用してダメージを抑えました。長年の取り組みの成果か、暑さ耐性も徐々についてきた手応えがあります。
直前1週間は練習量とスピードを抑え、木曜にマジックスピード3で1km×3本を4:10/kmでやって終了。前日は完全オフです。
富士登山競走にエントリーできなかった分、道マラに賭けたい思いもあり、過去一走った夏になりましたが、無理して怪我を悪化させてはいけません。タイムを狙うよりも長い目で見てプラスになる走りを心掛けました。
シューズ
本気のMETA SPEED EDGE+さんです。過去フルでは3度使用しており(別大2回、金沢1回)、相性も含めて最高のシューズです。
地面からの感触は厚底シューズの中では固めですが、私はこれくらいの方がレスポンスが感じられて好きです。アッパーもほどよい柔らかさで快適です。前にも書きましたが、源氏物語でいえば紫の上ポジション間違いなしです。
ウェア
こちらも当然本気のナイキノースリーブ白、ナイキキャップ白、2XUハーフタイツ、ミズノマルチポケットパンツ、ザムストハイソックス、ニューハレ踵二重です。TIGORA白アームカバーは道中氷を収納できて大活躍でした。サンシェードは念のため腰のポケットに入れましたが、曇りの時間も長かったことから出番はなしでした。
持ち物
経口補水液パウダーとアミノ酸一袋ずつを二つに分け、水で溶いた上でアミノサウルスの何か高いやつ(佐渡トキマラソンで特売だった)とコーダのプラム(カフェイン入り)をそれぞれ入れました。パンチクールは重くなるからと持参しなかったのですが、今思えば余るので使えばよかったです。
レース
序盤~前半
- 序盤(道マラの鉄則は最初抑えること)
スタートロスはたったの15秒でした。頭の上の時計を見届けてから走り出します。スタート直後の路面電車の線路は、ふくい桜マラソンより引っ掛かりにくいように思います。
事前に自分の記事で記憶を喚起した上で公式のコース動画も見ておきましたので、今回はほぼあらゆる場所がわかりました。すすきのではまだ1kmには至らず、中島公園の横で2kmです。早速エイドを設置していただいていますので、ありがたく水をいただき身体を内外から冷ましました。練習前のように走る前に大量に飲んでおきたかったのですが、今朝は寝坊のせいで時間がなく、序盤から多めに飲むことにしました。
今年も例年通り序盤からバンバン抜かれますが、悪いこと言わないから最初は抑えて入った方がいいです。一度ダレると平坦な直線コースが辛い修行の場と化しますし、逆にどんどん上げていけばそれだけで前向きな気持ちになれます。今日はスイミーさんが距離走的に走ると仰っていたので、前半でお会いできるかもときょろきょろしていました。
幌平橋を渡って少し下り、右折してしばらく進みます。昨年はここが意外と長く感じましたが、左折ポイントは4kmです。ぼんやりしていれば勝手に近づいて来ます。道路標識を少し過ぎたところがコース上の南の果てです。
左折してからは上り坂ですが、ぱっと見で分かるとおり大した長さではありません。ここはゆっくりでよいです。とにかく序盤で疲れてしまっては駄目ですので、遅くても気にしないことです。
例年チェックしている温度計は、沿道応援で別のことを考えていたため見逃しました。そのため、気付いた頃にはいきなり左折を迎えました。平岸小学校マーチングバンドの皆さんは演奏の幕間でしたが、沿道から応援して下さりました。
この通りは、道マラに出る度に感心する日本一長い給水テーブルが待っていますが、招待選手のスペシャルドリンク段階で左に寄ってしまうと“まだ先なのか”とがっかりしますし、意外と辿り着かないので、しばらくは右のレーンを走ります。木陰もないではないので、こちらの方がよいかと。
そして給水テーブルに至りますが、今年も素晴らしく長かったですね(日本一です)。更に手際よく次々とコップを並べてくれて、水がとても冷えているという最高のエイドです。勿論最初の方のシマはパスして、奥の方で皆が取り飽きてきた頃に台に接近してゲットします。“水8シマ(※テーブル5本で1シマ)、スポドリ5シマ”でも弩級なのに、一回島が終わったと見せかけてまた復活します(水5シマ)。こんなに頼もしい給水所があるのかと、誰もが驚くことでしょう。
ここは給水テンションと緩やかな下りで誰しもスピードが上がってしまうのですが、ここで“今日の自分は調子がいいぞ”と思ってしまうと、その後何度も訪れる長い直線でギャップに苦しむことになります。右手の太鼓の応援から力をお借りしつつ、走っていきます。
7kmは学校の横です。手元大体31:30くらいでした。
- 前半(直線こそ道マラの魅力)
一旦右に向かうと見せて左折するとまた給水です。ついさっきあれだけのエイドを用意していただいたにもかかわらず。まだ急に減速して追突するケースは多くないと思いますが、レーン変更の急加速があったりするので気は抜けません。
南7条橋を渡る度に、初めて道マラに出た時のことを思い出します。思えばそう裕福ではなかった子供の頃は、北海道は旅行で行く憧れの地で、そう何度も訪れることができないはずの存在でした。しかし走るようになったことで縁ができ、思い切って来ればこんなに長年つながっていられるのかと感じるものがありました。
テレビ塔を眺めて帰って来た満足感を味わいながら創成トンネルに入ります。コース動画で見ると長く見えるものの、入口時点で出口も見えています。GPSではどれくらいなのかとチェックすると、1km弱ありました。意外と長いのですね。トンネル出口の上りも力まずに進みます。
今年はトンネルの出口にミストを設置していただき、内部の蒸し暑さで感じた不快感をすぐにリセットすることができます。このポジショニングはよかったと思います。もう少し行くとJRの高架の下で10kmです。グロス45分くらいだったので、体感通りです。
旧コースならJRの高架を過ぎてすぐに左折していたはずですが、今のコースはここからしばらく直進します。この直線も給水までは意外と遠く感じるので、右の方のレーンを走ります(日陰がないではないため)。11.1kmの給水で補給し、しっかり身体も冷やしておきます。次の給水が15.5kmで、コース上で一番間隔が空くのがここですので少し用心します。でも普段の練習に比べれば涼しさも全然違いますので問題ありません。
大体12.5kmくらいで左折です。動画とマップを見て覚えておいたので、今年は短く感じました。左折して13kmを過ぎれば、北24条通を15kmのランドマークたるJRの高架(潜らず右折)まで淡々と進むのみです。復路で通る北大への道と分岐すると、前の方に見えてきますので長く感じません。
14kmで大体1時間2分20秒くらいだったと思います。
中盤
- 中盤①(存在感を増す私設エイド)
JRの高架目前で右折して15kmを過ぎ、久々の給水を経てから左折して(今度こそ)二度高架を潜るいつもの流れで進みます。15km付近の新川中央小学校和太鼓同好会の演奏が北の大地を揺らします。
しまむらが見つからなかったのですが、ツルハドラッグではまだ半分くらいです。西松屋でようやく左折させてもらえます。ここも2.5kmはあるので、予習していないと長く感じます。他方、予習していればこんなもんだと受け入れられます。
17.5km付近では札幌市立新琴似中学校吹奏楽部の生徒さんが待っていてくれました。曲は“走り出せ~走り出せ~”的なやつ(ジャニーズ系?)”だったと思いますが自信がありません。なお、この付近にやべーべやが出没していたらしいと後になって知りました。
西松屋に至っての左折直前の場所では、私設エイドで氷の入った袋を用意して下さった男性がおられたので、ありがたくいただきました。掌の血管を冷やしたり、前腕や首筋にも当てることができ、後半の暑さへの不安も和らぎました。
1kmばかり直進してから少し上って右折し、新川通へと突入します。ここから26kmの折り返し地点まで大体6km程直線が続くことになります。新川通に入ってすぐ、昨年缶コーラをいただいた私設エイドも待っていてくださりました。今年もコーラが見えましたが、手前で氷を持っていて下さりましたので、いただいてアームカバーに入れて腕から冷やしました。道マラの私設エイドはどこも気合が入っていますが、特に勝負所と言われる新川通では一層熱を帯びています。
20km付近の札幌国際情報高校スイス学部OB・OGの皆様の演奏で盛り上げていただき(多分アラレちゃんのテーマの一部。世代じゃないからわかりませんが)、20.2km給水では最初の給食ですから腕の見せ所です。減速することなくチョコパン、バナナ、ミニトマト2つをゲットしました。しかしチョコパンを手にした時点では残りのテーブルが少ないので、パンを食べつつコップを手早く掴んで食べ易いようにふにゃらせる必要があります(私は年がら年中こんなことばかりしているので全て間に合いましたし、チョコパンの後にバナナを食べることでチョコバナナを完成させました)。バナナの皮を手に持ったままで、ミニトマトも食べていきます。北海道は何を食べてもうまいのがすごいです。
21kmで1時間33分台、中間点で1時間33分台の後半だったと思います。
- 中盤②(25kmの壁とランニング中の出会い)
“新川通は自分との戦い”ということも言いますが、それは先頭を走るようなトップ選手の話であって、周りにこれだけ沢山のランナーがいる我々市民ランナーにとっては意外と辛くないものです。今日は今までで一番余力があったので、左手の山々を見ながら淡々と走っていました。22.5kmにも給水があり、この辺りになると脱水も暑さもあまり心配しなくてよさそうだと実感します。
23.5km 北海道札幌手稲高等学校吹奏楽部OB・OGの皆さんも力づけて下さり、頭上に「前田森林公園」の看板が登場します。しかしこの表示からなかなか敷地には入れず、“流石は北海道、広いものだ”と再認識します。放水ポイントがあったら入口はすぐそこ。25kmのラップが大きく落ちることを覚悟しながら24.8kmで(大きめの段差を乗り越えて)ランナーサポートエリアへ吸い込まれます。誘惑には勝てません。
入場後まずはお水をいただき、続いてコーン茶を味わいます。続いて特大のデカビタCゼリー(よく冷えています)をいただき、昨年の教訓を踏まえてここでは飲まずに道中で摂取することとします。そして今回の新顔たるちくわぱんもありがたくいただきます。隣にあるセコマのどら焼きの存在を考えると、ちくわぱんはここで食べるしかないでしょう。お水をお代わりしながらもぐもぐとおいしくいただきました(しかしなかなか完食できません)。
雪玉も二度いただいたりして念入りに全てのお慈悲を受けたつもりでいましたが、今振り返ると美冬こがれ雪を逃していたようです。時間帯が悪かったのか、私の注意力が散漫だったのかは分かりませんが、完食したつもりがそうではなかったということは白状しておきます。
ここは大幅タイムロスを見込んでいましたが、何とキロ6分18秒に抑えることに成功しました。予習復習の甲斐あって判断が早くなったことから昨年(7分9秒)より1分弱短縮しています。今日の気温を考えると昨年のタイムは上回れる見込みも出てきました。どら焼きの甘みを味わいながら、直後の給水で喉に詰まらない対策も忘れません。そうこうしているうちにすぐ折り返しになり、シマエナガを見ながらターンします。ここはイベント続きですので気楽です。それにしても自分はターンが下手糞です。
折り返しても全体に緩い向かい風が吹いていたと思います。長い新川通はどれだけ曇ってくれるかが勝負なのですが、幸い今日は大半の時間雲が直射日光を遮ってくれ、秋の訪れを感じられる気候でした。最終日曜日が一週間後ろにずれると大分違いますね。
そして相変わらず無理せず走っていると、27km手前くらいで追いついて来られたスイミーさんにお声がけいただきました。今日は距離走の位置づけだと聞いていたのですが、しばらく並走するも“ペース的にこのランデブーを続けては危険だ”と判断し、先に行っていただきました(体感的に2分くらい空けられそうな気がしました)。並んでいる間は他愛もない話をしていた(客観的に見ても呑気だったと思います)のですが、こうしてレース中にそれなりの時間誰かと並んで走る経験はありませんでしたし、えらく遠くから来たもの同士の縁に長年走ってきたことの嬉しさを感じていました。
28kmで“仮にキロ4分30秒だったら3時間10分超えるな”と思ったはずです。ラップは細かくは見ておらず、主に7の倍数に限りました。体感では大体キロ4分30秒前後だろうくらいで走っていました。大会テーマソングの“らーらららーら ららららーら らーらーらーら ららららーら♪”を思い出しながら気負わず走っていました。
後半~終盤
- 後半(嗚呼ありがたや、私設エイドと暑熱対策)
今回は28.2kmで水被りポイントがあります。柄杓はいくつも見えたので、一番手前ではなく奥の方を狙い、後ろにも十分合図してから停止しました。背中にも思い切り浴びたのですが、これが最高に気持ちよくてシャキッとしました。そこまで暑くないとはいえ身体には熱がこもっていますので、大助かりです。マリオがスター取ったくらいテンションが上がると思います。
そして先ほど書いたことの繰り返しになりますが、新川通は本当に私設エイドが多いのです。コーラやスポドリをいただき、何度も回復しました。スイカに気づくのが遅くて取れなかったのは心残りですが。よくぞここまで準備して応援して下さるものだと毎回、本当に毎回驚いています。
公設エイドも負けてはいません。30.2kmエイドではあんぱんとバナナ、ミニトマトをいただきます。ここも如何に素早く水を取ってパンを柔らかくするかが大事です。アンダーパスを通って軽く上った先の31.3km給水所には氷配布ポイント(どぶづけからセルフで取るスタイル)が新設されており、アームカバーに入れて更に体温の上昇を抑えられました。
新川通も終わろうかという頃に、往路の選手を応援するべく吹奏楽部の子が、“お父さんありがとう!それではここで元気のでる曲を!”と宣言したので何かなと思っていたら、“おジャ魔女カーニバル!”の声から小気味よいドラムロールの音が続き、意表を突かれました。佐渡トキマラソンもそうでしたが、流行っているのでしょうか。ともあれ無事に新川通も終わって残りはたったの10km。45分かそこらで終わりますので気楽なものです。
33.0kmのエイドではペプシをいただきます。帰りの右折ランドマークは釣り具店です。西松屋で右折して直線へ入った辺りでガーミンさんを見るとキロ4分20秒台で、体感的にも最後まで問題なく走れると確信します。昨年新川通でキロ4分30秒台が続いてだれた情けなさを覚えていますので、ここで昨年よりいい走りができていることは自信になりました。
35kmがグロス2時間38分30秒。キロ4分30秒だと42kmで3時間10分に達する計算です。“折角なので後味のよいタイムで終わりたいものの、ちょっと厳しいかも”と思っていました。
- 終盤(”一生懸命走る”とは)
35.2kmで給水。残りの給水も二つのみです。終わりが近づいていると実感しつつJRの高架を抜けて右折し、往路と分かれて北大へと向かっていきます。38.0km給水では北海道武蔵女子大学・短期大学の学生さん達が演奏や声援で大いに鼓舞して下さります。ここは毎回パワフルですよね。給水もしっかり取ってすぐに左折し、北大の手前まで来ます。右折と左折を挟み、いよいよ北大構内へと入ります。
敷地内に入ってから割とカクカク曲がるのも慣れたものですが、スパートのかけどころはタイミングが掴みにくいように思います。全身の疲労はそれ程でもなく、ペースが上がっているのは分かっていましたが、それでも今日の足裏の状態からしてそこまで猛然と上げられるはずもないと理解しています。
ここで考えていたことは、瀬古さんの「一生懸命走ってほしい」という言葉でした。中盤でも、とてもコースベストを狙える状態ではないと知りつつも、今できることをやろうと前向きになれる言葉でした。最終盤でももう一度、その思いを確かめます。「一生懸命」は、死に物狂いで速く走れという意味ではなく、“その日その場でできる最善の選択を、投げずにやり切る”ということだと思いました。
二つ目のゲートを過ぎて少しで40kmのマットを踏みます。ここで意外なことに3時間と少しだったので、3時間10分は間違いないという事実を知りました。最後の給水も周囲に気を遣いながら接触もなしで取るべきものを取れ、身体を冷やせて万全です。ロータリーを左折し、緩やかに右に進路を取りながら北大を出ます。
JRの高架を抜け、スイング横断誘導を見つつ、道庁の敷地に入って生まれ変わった赤れんが庁舎も見届けます。正直ここの直線は毎回しんどくなる場面ですが、残りは1kmくらいなので、多少弾んでもよいと割り切り推進力を感じられる動きにしました。流石にきつさも感じつつある中、MCの岡田拓海さんが、“笑顔で走って!”と仰っておられ、笑顔を取り戻すと共にまだいけると思い直せました。色々な司会の方がいますが、やはり走っている方の言葉は響くものがあります。
打ち鳴らされる新琴似太鼓&札幌和太鼓倶楽部の皆さんの太鼓に力をいただき、日ハムのB・B達の姿を捉え、赤れんがテラスを抜けてAJO北海道☆朝チア部さんの声援も受けながら右折し、最後の直線へ。“今年も無事に戻って来れたな。何度も道マラに出られてよかったな”と思いながら加速し、ギリギリ3時間8分台の表示を見ながらフィニッシュしました。
アフター
レース後
会場
ゼーハーまではならない程度に抑える癖がついているので、普通に歩いていきます。先着しておられたスイミーさんと合流し、完走メダル、タオル、水、カップ、アイスも受け取り、お待ちかねの水浴びも全身で楽しみました。こんなに気持ちいい水浴びもそうそうありません。
セコマのアイスを喜んで食べ、楽しかったと感想を言い合い、近くにおられた方に写真を撮っていただいた後は、また後で合流することにしてあっさり解散しました。
給水所ではバナナと水をたっぷりいただけて感謝です。更にリカバリーのためにプロテイン、アミノプロテイン、アミノ酸を摂取しておきました。両踵は走る前より痛みが強くなりましたが、歩けるレベルではあるので大丈夫ということにします。止まっている時間と動き出しに痛みを感じることが多いです。フィニッシュ直前の景色と帰って来られたランナーさんの姿を見届けつつ、もっと速く走りたいという気持ちを胸に、一旦宿に戻りました。
道マラの難しさは、当日の気温が冬より高いこともありますが、暑い時期に質の高い練習を積み重ねることができない点が大きいと実感しました。ジョグはある程度長く、日によっては速くこなせますが、10kmのペースが上がりません。年中フルを走っている自分にとって(フルの)ブランクが3か月程空くのも幾らか難易度を上げている気がします。しかしこの夏にかなりの距離を踏めたことで、秋レースは例年より仕上がった状態で臨めるはずですので、年間で見れば上手くいっているといえます。
META SPEED EDGE+さんは元々減っていた右踵が削れましたが、まだ反発も十分ですし数本は活躍してくれそうです。怪我の影響もあって走りが崩れかけているのは事実ですので、シューズも大切にしたいと思います。
シューズの紐を抜き消臭剤を吹き付け、シャワーを浴び、ウェアの下洗いなどを済ませてからシェアバイクで観光に出かけます。途中セコマで牛乳と炭酸水を買うのもいつもの流れです。
苗穂駅前温泉蔵ノ湯さん
シャワーを浴びたもののやはり風呂だろうと今年も伺いました。私が到着した14:30頃だとまだそこまで混んでいませんでした。夏は洞窟風呂がぬる湯になっていて、ここでただぼんやりとリラックスできる時間はよかったです。水風呂でしつこく交替浴をしてマッサージも繰り返したところ、足裏の痛みもかなり改善してくれました。
湯上りスイーツにはMOCHIMOREの抹茶を食べ、こちらも大変おいしかったのですが、北海道アイスにした方がご当地感は出たかもしれません。
パン活
- BOULANGERIE à ton côté(ブーランジュリ ア・トン・コテ)さん
昨年に続いてお邪魔しました。蝦夷鹿サラミのクロワッサン(珍しいジビエに表面のチーズも香ばしい)、フロマージュフランス(チーズ好きなら外せないコク)、黒糖パンを選び、どれも大変おいしかったです。黒糖は甘党には特におすすめです。木の実と黒糖の優しい味わいと柔らかい生地がとてもよくマッチしています。昨年に引き続きマラソンのお礼も言えてよかったです。
- boulangerie coronさん(本店)
北海道小麦100%ということで百貨店にも複数出店しています。行くなら本店だろうと訪問し、季節限定の道産ゴーヤのタルティーヌ、手土産用に本店限定のパン・オ・ヴァンと最終日のカンパーニュ・ソレイユを購入しました。ゴーヤはあの苦みが癖になりますね。おいしいパン生地がまたよく合います。
青空宴会
長風呂の結果16時も過ぎてすっかり遅くなりましたが、何とかご挨拶に伺えました。チャーリーさんが世を忍ぶ仮の姿(イカ未装着)だったため分からずうろうろしていたのですが、気付いていただけてご一緒できました。きなこさんもブログ上では結構長いことお世話になっているのにニアミス続きで初めましてとなりました。ほとんどいなかったのに完走タオルを掲げての記念撮影にも交ぜていただき、いい記念になりました。皆様、またどこかで、あるいはここでお会いしましょう。
夕食
今年も一夜干しと海鮮丼できたて屋時計台店さんに伺いました。今年はスイミーさんと打ち上げということで、色々とお話しできて本当に楽しかったです。そして久々に食べた焼魚のうまいこと。ご飯をお代わりしての締めのだし茶漬けまで、お腹いっぱい食べられて大満足です(半年以上ぶりの乾杯もできましたし)。毎回書いていますが、北海道は何を食べてもうまいのでずるいです。
わくわく広場でパンを買ったりしてから宿のコインランドリーで洗濯をと思ったのですが、部屋数が多い割に一回120分かかるというとんでもない機器が設置されていたため、私も含めて多くの人が順番が回って来ずに頭を抱えました。少しでも短くしようと洗濯のみと乾燥のみに分割して65分で終わらせたのですが、乾燥機能は30分何しとってんと思うくらい貧弱で全然乾きません。でも後の人をこれ以上お待たせするのも心苦しいので諦めました。そんなこんなで就寝は1時過ぎになり結構きつかったです。こんなことなら外部のコインランドリーを探しておくべきでした。
待っている間はMog&cocoさんのとろけるチーズケーキパン(食べ易いスイーツでした)を食べたり、ひたすら振り返りの文章を書いたりしていたので、やるべきことはやれたと思います。
翌日
観光ジョグ
睡眠不足ですがどうにか6時20分に起きてコースの確認と観光のためにスロージョグで出発します。レース以外ではあまり行ったことのない創成川通を少し北上し、身体の状態を確認しつつのろのろと進んでいきます。欲を言えば北24まで行ってしっかり覚えておきたいところですが、時間が無いので適当な所で左折し、流れに任せて進路を取りました。
しばらく行くと、エルムトンネルの横から北大構内に入れ、こうつながっているのか、という新たな発見がありました。環状通がコースの下を通っているのですね。
そこからはコースを遡り、終盤の景色を今年も見届けておきます。このラスト4kmの、北大構内に入る直前の映像をしっかりと頭の中に入れておくと全然違うことを今年思い石りました。コースの写真は、レースの方に載せています。
大改修を終えた赤れんが庁舎も見ておきたかったので、人が途切れるまでゆっくり待ち、その姿を撮っておきました。前に中に入ったのは何年前だったでしょう。また北海道の歴史を再学習するために来てみたいと思います。67分で8.67km(7:44/km)でした。
部屋に戻ってシャワーを浴び、BAKERY Coneruさんのもっちりショコラとゆで卵、チーズ、牛乳の朝食です。こちらは昨夜わくわく市場で購入したものですが、求肥が入っていて期待以上のおいしさでした。割と時間があったので荷物の点検も抜かりなく行ってから出発です。
小樽観光
札幌09:10発→小樽09:45着の便で移動しました。ある程度予想してはいましたが、数分前にはかなり列が長くなっており、最初は立つことになりました。運よく途中からは座れましたが、できるだけ早めに並んだ方がよいと理解しました。
今回何故小樽を選んだかというと、高校時代修学旅行で小樽に来たものの、何一つ覚えていないに近く、この機にいい思い出を作りたいと思ったからです。今より心が歪んでいたところにお金も持っていなかったので、そりゃいい記憶が残るわけないよなと、今なら分かります。
小樽には北海道初の官営鉄道である手宮線が敷かれていて、その廃線跡が公園になっていたりします。複数ある歴史的建造物と共に、こうした景色が保存されている小樽のよさは、少し歩いただけで感じることができます。
小樽運河クルーズ
小樽観光の定番ということで、10:30のチケットを予約しておきました。でも実際は当日でも買えたっぽいです。10:15までに支払手続きを済ませる必要があります。船は二隻で運行しているのですが、元気いっぱいの団体さんに気圧されて後ろの方に並んだことが幸いして、二隻目の前の方に座れました。焦らない方がよいこともあります。
コースは約40分程で、小樽湾に出て北防波堤や海上保安庁の船舶などを見てから往時の河端を保っている北運河に戻り、最後は小樽と聞いてイメージするあの倉庫街がある南運河を巡ります。
運河と建物の歴史から、カモメの脚はピンク、ウミネコの脚は黄色といった動物豆知識まで楽しく教えていただけるガイドさんの解説も楽しいです。廃油が再利用されたバイオディーゼルでとにかくゆったりと回れますので、乗客の皆さんも皆静かに小樽の雰囲気を味わっているように感じました。
小樽たけの寿司さん
観光地ですので用心して、11:30から予約した上で伺いました。ちょっと高級な小樽握りを注文し、大将がリズムよく魚を捌いてシャリを握っていく姿を見ている時間も贅沢に味わいました。
お寿司は12巻あり、どれもネタの鮮度とお米の味が素晴らしかったです。本物のお寿司を食べたという喜びが違います。特に中トロと赤身が蕩けていく食感と濃厚な味わいが衝撃的でした。アワビやイカの歯ごたえも、ウニのコクもたまらないものがあります。大変おいしいお寿司を食べさせていただきありがとうございました。
日銀旧小樽支店金融資料館
こちらもとてもよかったです。貿易で栄える中で商都として繁栄した小樽の街には正に北のウォール街と称されるに相応しい程多くの金融機関の支店があり、日銀の支店もありました。日銀通りと呼ばれるこの通りに限らず、明治時代以降の最先端の建造物が複数見られ、今も色褪せないデザインに魅了されます。設計に携わった辰野金吾が佐賀県の唐津出身ということも、さが桜マラソン後の観光で得た知識と記憶がつながりました。
建物を眺めて感心するだけでも十分楽しめるのですが、日銀ならではの展示も面白かったです。誰しも自分が子供の頃に使われていたお札を見ると懐かしい気持ちになるはずですし、一億円の札束の重さを体験できるのも(私のような庶民にとっては)またと無い機会です。金融がどういうものなのか、主に若年層に向けた解説も多かったと思いますが、大人にとっても十分に新鮮な内容になっています。
お土産も新千歳空港では買えないであろう個性的なものがあったため、暑さにも強いお札煎餅を選びました。クリアファイルも買えたので、今回の思い出はこちらに詰め込んでおこうと思います。
小樽オルゴール堂
二号館(アンティークミュージアム)に展示されている貴重なオルゴールや、一生ものの贈り物になるであろう高級なオルゴールを見ることができ、とてもよかったです。館内の空気も落ち着いていて、癒されるという言葉以上の充たされる感覚があります。そういえば小さな頃に手回しの小さなオルゴールがあり、不思議に思いながら鳴らしていたことも思い出します。こういう所に来ると、自分の中に眠っている記憶が思わぬ温もりを持って姿を見せたりします。
本館は観光客が土産物を買う場所なので騒々しく、あまり長くは滞在できませんでしたが、外にある蒸気時計の音が面白かったです。15分ごとに鳴るということで待ち構えていたところ、数秒前から蒸気が少し漏れだすように出て来ました。いざその時になると“ポーッポーッポーポー”と何ともいえない、少々間の抜けたような音が響いた上に、それが割とすぐに終わって後は何事もなかったように澄ましているので、少し可笑しかったです。
パン活・スイーツ活
- 新倉屋さん
花銀を考えもなく歩いていると出くわしました。団子が見るからにうまそうだったので、花園だんごの胡麻と季節限定の茶団子にしました。胡麻はとても香ばしく、これを買ってよかったと思います。茶団子も期待通りで甲乙つけがたいです。そして和菓子屋さんのお団子は本当に柔らかくて驚きますね。小樽は和菓子も見逃せません。
- モンピエールさん
一番人気のソフトフランス生にしました。柔らかいパンの間に生クリームがサンドされており、これがまた予想以上に食べ易く、噛み締めたら噛み締めたで味が増しておいしかったです。
もりのKumaぱんさんはパンが大き過ぎたので、またの機会に。
小樽ならではということでルタオ本店にも行きましたが、あまりに観光客が多くてとても何かを買おうという気にはなれず、早々に退散しました。
駅のすぐ傍にある小樽三角市場にも行ってみましたが、観光客が多過ぎてとても歩けたものではなく、お互いのために立ち去りました。
14:30頃には雨が降り出したため、観光はここで切り上げ、駅でお土産を補充してから、出発10分前くらいにホームに向かいました。
小樽14:53発→新千歳16:06着の便でしたが、一番奥の車両まで行けば十分に空席があって座れたので、移動中は少し眠って回復に充てました。起きている時間は『遠藤周作短編集』を少し読み、暗い気持ちになったりもしました。
新千歳空港ではまたしてもロイズチョコレートワールドでチョコパイを堪能し(人気ランキング上位ではないもののかなりおいしいと思います)、北海道ミルクスタンドであっけし極みるく(厚岸)の牛乳の生乳そのものの味わいを楽しみ、食の方も打ち止めにします。新千歳にいると際限なく食べたくなるので、早めに保安検査を終えることで気持ちに区切りをつけました。
何度も出ているのにまた新たな経験が沢山できた今年の道マラの思い出を胸に、17:30新千歳発→19:30神戸着のAIR DOで帰りました(実際は北海道の天気の崩れによる遅延で30分後ろにずれましたが問題ありません)。うまいものと涼しさに慣れた脳と身体を、少しずつ現実に戻していかなくてはなりませんね。
最後に
こうして振り返ってみても書き切れない程、大会も、北海道の街も魅力いっぱいで、本当に行ってよかったと思うことばかりです。ランナーにとっては夏の練習はとても辛いものですが、道マラがあるから、その日を楽しみに走ることができるのです。毎年新たな、そしてかけがえのない思い出を与えてくれる道マラと北海道のことは、走る度に好きになっていきます。何度も同じことを書いていますね。
この暑かった夏の締め括りにも、新たな課題と成果を見つけ、また自由に研究していくことの喜びを再認識できました。7回目の道マラも大切な思い出として生涯心に残ることでしょう。大会を支えて下さった北海道の皆様に重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。