まさか三度までもはるばる函館へと伺うことになるとは、人生予想もつかないものです。飛行機も新幹線もある今の世においては“最早はるばるではない”という説も有力ですが、日程や予算面でやはり少々思い切りが必要です。それでも「日本一過酷なファンラン」を自称するこの大会にもう一度出たいという思いは抑えきれず、4年ぶりの参加を決めました。単に「過酷」なだけの大会なら実現可能ですが、「ファンラン」と両立しているのが函館ならではなのです(↓公式サイトの課長さんのコラムも以前より楽しみにしています)。
最初は曇りだったものの途中から快晴になり、暑かったのは確かですが、その分漁火通りもともえ大橋も赤レンガ倉庫も全てが絶景でした。ここまで景色に恵まれた観光チャンスもなかなか無いのではと思います。
勿論頑張って走られる方も沢山おられるとは思いますが、私個人としては、徹底的にファンランとして楽しむことをお勧めしたいと思います。数々の豪華給食(五勝手屋羊羹、チーズオムレット、函館散歩、炊き込み海鮮丼、冷やし塩ラーメン、メロン等々)を鉄の意志で我慢してまで暑さと難コースに挑むのは、それこそ「過酷なランニング」になってしまいそうですので……。
応援に制限がなくなったこともあり、どこに行っても沿道やエイドからの沢山の声援、よさこいや太鼓等々応援がいっぱいで、心から楽しめる時間でした。函館マラソンも完全復活ということで、日本陸上界にとってまた大きな一歩となりました。
レース以外も充実の観光が待っていて大忙しです。五稜郭タワー、五稜郭公園、ラッキーピエロ、函館山ロープウェイ、赤レンガ倉庫、八幡坂、元町公園、立待岬、谷地頭温泉、はこだて自由市場の海鮮丼(COFFEEマルシェさん)と存分に久々の函館を満喫させていただきました。
走り自体は有酸素ジョグの長い版というくらいの位置づけで、3時間28分30秒くらいでした。このところ全然速く走っていないので大丈夫なのだろうかという気も少ししますが、例年に比べるとしっかり走れているので、秋冬になればうまく行くはずです(150bpm, 185spm, ストライド1.1m, 上下動比6.0%, 上下動6.8cm, 左右接地時間バランス49.8%:50.2%, 接地時間247ms)。
ずっとランナーを温かく歓迎して下さる函館の皆様の支えがあってこその、とても素敵な時間でした。やっぱり函館は最高です!応援ありがとうございました!
続きのページはコースやエイド、観光の写真が沢山ありますので、チラ見だけでも是非。ご感想などいただけるととても嬉しいです。
2019年大会の記事もあります。この時はカメラがやられてしまいましたが、今回記憶を補完することができました。やはり4年経つと忘れていることも多いものです。
暑い中でもとびきり楽しく走れる大会として、黒部名水マラソンも推したいところです。後半下りということもあって、とろろ昆布おにぎりやアイスを全部食べても函館よりタイムは出易いです。
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追記:ふるさと納税では五島軒のカレーをいただきました。是非とも現地で味わいたいところですので、こちらで予習をしておきましょう。
前日(神戸→新千歳→函館)
恐るべき新千歳空港
8時過ぎまでゴロゴロして力を貯めます。最早穀物を食べることもなく普段通りです。山本ゆりさんのトマトクリームチキン(レンジで一発)がメインです。加賀温泉郷マラソン参加賞の山中塗スプーンとお箸を使いました。加賀温泉郷マラソンもお気に入りの大会の一つです。
出発が遅いのでクリーニング出しや靴磨きといった諸々をこなし、12:40神戸→14:35新千歳のスカイマーク(9,970円)で移動です。久々で忘れていましたが、阪神からポートライナーに乗り換えるには、東出口からでないと遠いですね。神戸空港でも何やかやと食べたいところですが、お楽しみは後に取っておこうと炭酸水を飲んだのみで我慢しました。
移動中は、カルロ・ロヴェッリ『すごい物理学講義』が面白すぎてひたすら読んでいたのと、それに触発されてブルーバックスの『E=mc²のからくり』を再読していました。物理は高校時代苦手でしたが、何と面白いものかとこの歳になって思います。
次が17:45新千歳→18:20函館(往復15,610円)ということで時間があります。ということで楽しみにしていたロイズチョコレートワールドへ。四年ぶりの宿願叶ってチョコ尽くしです。一番人気の生チョコクロワッサンオーレはとろっと溢れる生チョコがたまらないですし、グテはその姿だけでもう説明不要と見せかけてチョコクリームも入って贅沢、クロックムッシュはハムもチーズもしっかりしたお味で満足度高し、カカオニブと生チョコオーレのどら焼きは食感もまたよしで心から充たされました。
時間があったので製造工程や展示をいつもより長めに見学して更にチョコレートへの思いを深めます。
新千歳空港といえば雪ミクスカイタウンにも詣でなくてはなりません。何だか少し懐かしい気すらしますが、これからも愛されるキャラクターかつ、独自の文化のシンボルであり続けてほしいと思います。
それにしても新千歳空港は際限なく食べてしまいかねない危険地帯ですね。行けども行けどもレストランやお店が続き、美味しそうなものがいっぱいですので。土曜ということもあり大盛況でした。北海道チーズパンは濃厚なゴーダチーズととろけるクリームチーズが素晴らしいですし、よつばソフトクリームはよつば牛乳そのもの直球の味わいですし、鶏むね肉のコトレッタは手どころか顔よりでかいですし、欲望に任せて食べていては大変なことになります。人生には健康より大切なものがあるのでしょうね、時には。
はるばる来たぜ函館へ(三度までも)
函館空港まではプロペラ機です。まずはイカパネルが健在で何よりです。函館駅からは松風町までバスで移動し(400円。小銭準備済み)、そこからは千代台公園まで歩きました。途中方向を間違えかけましたが無事に時間内に到着し、陸上競技場の階段を下りての参加賞受け取りに、“ああ、そうだったなあ”と四年前を思い出します。遅い時間までありがとうございます。
お宿はLC五稜郭ホテルさん。スタート会場から1kmかそこらという神ロケーションです。いきなり蟹の自販機があって面白いですし、やたらきれいかつサービスが充実していて、本当にいいのかなと思うくらいです。ラウンジではアルコールも飲み放題(飲まないので折角のチャンスを生かせませんが)、朝食は函館マラソンランナーのために5時から(7時起きでいいかなくらいのやる気ですが)、充実のサウナ(暑さが苦手なので使いませんが)、更には珈琲もフリー、ウェルカムパンのプレゼントまであり、二泊以上すると更に楽しめそうです。これで7,680円はすごいです。
流石に新千歳空港で食べ過ぎた感(いつものフル比)があったので、近場のスーパーで地元の牛乳をゲットすると共に食品ロスの削減に貢献してきました(ケチなだけ)。函館牛乳はやはりいいですね。タコスソースは普通においしく、豆たっぷりのあんパンも大満足でした。他にツルハドラッグのプロテインバーも食べました。
改めてコース図とエイドの内容を確認し、シャワーや歯磨きを済ませてから読書を進め、0時頃に就寝という普段と変わらない生活リズムとなりました。
レース当日
レース前(9:30スタートの恩恵)
宣言通り7時過ぎまで寝て、力を蓄えました。朝食はお弁当が付いていたので、好きなだけ食べます。と言っても納豆と味噌汁は味が濃いのでパスしたりで、いつもよりは大分控えめです。暑い日には気持ち悪くなりそうなので、味やにおいの強いものは避けた方が無難な気がします。
部屋で装備を整え、トイレも済ませて8:20頃に出発です。ウェルカムパンはメロンパンを選びました。もっちり感がとてもよかったです。
会場では、これまでと同様、市民プールの更衣室に荷物を置くか迷ったものの、即栄養補給ができそうな気もしたので、試しに荷物預けを利用しました。結論を先に書くと、早く荷物を受け取っても着替えの場所もないため、さしたるメリットはなかったと思います。
競技場ではアミノバイタルをこれでもかと配布して下さるので、事前と事後の補給に大活躍です。スタート前給水もあり、ここでいただいたお水でアミノ酸と経口補水液パウダーを溶かしました。
9:00スタートのハーフは、こんなにすごい顔ぶれもなかなか揃わないであろうというメンバーですので、飛び出して行く所から見送っていました。どこを見ればいいのか分からないと迷っているうちに何もかもが過ぎ去っています。トップ選手のすごさを間近で体感できる機会となりました。
シューズはasicsのマジックスピード黒です。何とフル90本目にして初のasicsです(他は大体8割がミズノ、2割がナイキ)。練習で5km走ってみたところ、いつもより上下動が大きく、上に跳ねてしまったので、フルでどれくらい調整できるかは楽しみなところです。ちなみにその日はそれまでの薄底の数回より5kmで50秒くらい遅く、その分疲れはしなかったという謎の展開でしたので、マジックスピードは結構独特なのかなという印象でした。エボライドっぽい走りにすればいいのかしら。
朝から曇っていたのでキャップ不要と判断しましたが、これは過ちでした。大半が晴れていましたからね。まあ耐性がついたのでよしとしましょう。持ち物は経口補水液とアミノ酸を溶かしたジェルフラスコ2本です。30kmのアミノバイタルステーションもあるので、30分おきくらいに贅沢に飲んでも弾切れはないと踏みました。
レース
序盤~前半
- 序盤(カクカク曲がって津軽海峡)
今回はネットタイムが正式タイムになるということもあってか、皆さんそこまで必死に前に前に押し寄せるでもなく、スムーズにスタートできたと思います。2019年のように土方歳三役の子が鬨の声を上げ、大砲がぶっ放されるといった(えらい物騒な表現)ことはなかったものの、声出し応援も可ということで、序盤からとても沢山の方の声が届きます。
コースは最初カクカクと曲がり、土地勘がない者にとっては1kmも行かないうちに迷子になります。三回目ともなると、“ああさっきあそこから出て来たのだな”と分かるようになりました。とはいえ、テーオーデパートや中島れんばいという地元スポットは、名前は知りつつもどこをどう曲がってそこに至ったのかはなかなか掴めず、それもまた面白いところです。
競輪場の辺りでは元気いっぱいに応援してくれている子ども達がいて、今日のために準備してきてくれたのだなあと嬉しくなります。
自衛隊駐屯地の辺りも土地勘がつかめないものの、津軽海峡に向かって淡々と、ほぼフラットな道を進みます。例年だとこの辺りからハーフの速くないランナーさんがどっと増えて混雑するのですが、スタートを30分もずらしただけあって、概ね問題なく流れていました。まあこの大会は元々ハーフがメインで、フルは「日本一過酷なファンラン」という位置付けですので、ハーフの方を優先して、道を譲り、予期せぬ動きを察知してかわすというのもイベントの一つだと思っています。
- 前半(ハーフと別れて空港へ)
漁火通に出て湯の川方面へと向かうと、また応援も多くなり、力をいただけます。よさこいも盛大で、復路では撮影するぞと決めておきます。
ハーフと分岐してからはコースマップ的にはグッと上ります。が、それほど長くないこともあって、感覚的にはすぐに終わります。この程度の坂で息を荒げているようでは、この先の給食を堪能できませんので、無理なくささっと上ります。
パチスロを左折してから空港までも緩やかに上りますが、そこまできつくはないと思います。空港で折り返してからは、“案外上ってきたのだな”と思いましたが。今日は完全にファンランなので、心も常に穏やかです。
折り返し後、左折してからの往復が長いのですが、ここで何とあの中国電力の岡本直己選手が走って来られるではありませんか。事前に名簿を見ていなかったため、“うお!”と驚きました。その後大会記録で優勝されていますね。長きに渡り走力を伸ばし続ける姿は憧れの的ですので、是非MGCも頑張っていただきたいところです(ちなみに、終了後に街中で歩いておられる時にすれ違ったものの、畏れ多くてただ見送るばかりでした)。
二回程うねって地味に体力を削られるエリアですが、ここでも沿道には沢山の方が応援に駆けつけて下さり、笑顔で走ることができました。14kmで大体1時間6分くらいで、うまくいけば3時間20分切りも可能な展開です。しかし後半はエイド休憩があるので、タイムを狙うには厳しい大会なのです。
中盤
- 中盤①(湯の川のよさこい)
折り返してまずはエイドで給水ですが、もうこの辺りでは暑くなってきたので水を頭から被ることがほとんどでした。キャップなしとした選択を過ちと認めつつ、水が直接頭にかかるのでメリットもあると思うことにします。
15kmの手前で(一瞬ですが)、津軽海峡が望めるスポットがありますので、ここは確実に見ておきたいところです。天気がよければ下北半島まで見えるとのことで、実は見えていたのかもしれません。マットを踏んだ後は海を見ることはほぼできませんので、お忘れなきよう。
地味なアップダウンがだらだら続く感じですが、パチスロの赤い看板が見えてくれば下りが近いと分かり、元気が出ます。左折してスナッフルスの看板を確認し、“後半のエイドではチーズオムレットをいただくぞ”と決意を新たにします。
湯の川温泉の方へ下ると、まずは給水、掌の水滴を拭ってよさこいの撮影に供えます。2019年もそうでしたが、ここのよさこいは大歓迎ぶりがすごいです。ありがとうございます。
この先のエイドから何度かシャワーも用意していただいており、これ幸いと近づくと足下の水溜まりにびっくりします。身体を上から冷やすためのものではなく、シューズを濡らして足から冷やすためのものという割り切りがあれば動揺しませんのでそのつもりでいきましょう。
この先は漁火通を進み、遠くの函館山も青空に映えてくっきりと見えます。前回はガス感満点でしたが、これでこそ漁火通の面目躍如といったところでしょう。この辺りはしばし別大気分が味わえます。
中間点で1時間40分くらいだったと思います。タイムを狙う方はここから頑張り所ですが、この先の豪華エイドをスルーするのはあまりに過酷だと思います。
- 中盤②(五勝手屋羊羹と市電)
中間点を過ぎた後のエイドでは五勝手屋羊羹が待ち構えますので、周囲との距離を測ります。今回も取りやすいよう立てていただいており、遅いこともあって難なくゲットできました。このパッケージは底を押して好きな分量で食べ易く、とてもいいですね。沿道にアピールしながらおいしくいただきます。腹持ちもよくて素晴らしいです。
時に横断歩道を渡る方に気を取られて捻挫しかけたりしますが、今日は遅いので大丈夫です。松風町から左折して、函館山方面へと向かいます。
毎回この直線の最後にあるエイドはハーフの方が歩いていて水を取れないことも多いのですが、初めからそのつもりですので一切同様しません。ファンランで何秒変わろうが何の意味もないので、ハーフの方に怖い思いをさせないような距離感を心がけます。
青柳町の停留所も定番の観光スポットですので、ここも沢山写真を撮っておきます。電車にも応援メッセージを掲げていただき、心意気に感謝です。
ハーフ組はここで折り返しますが、フルはここからしばし谷地頭の方へと下ります。つまり帰りは上りが追加されるわけで、(空港方面といい)追加されるコースは悉く体力的には嬉しくないのですが、“これもネタになる”とむしろ喜びましょう。
“明日は谷地頭温泉で朝風呂だ!”と思いながら折り返し、遅くてもよいので無理せず上ります。青柳町、宝来町と気持ちよく下り、“そういや前はこの線路で足を取られかけたな”と慎重に曲がります。
もう晴天で、コース上は日陰ゼロですが、給水の力を借りて安全に進みます。往路で撮れなかった舞踏?も撮影し、笑顔で応えながら進みます。
後半~終盤
- 後半(スイーツエイドにともえ大橋)
少しだけ漁火通へと戻りますが、亀田川を渡ってすぐに左折し、往路からは外れていよいよフルの部の独壇場が近づいてきます。ここのエイドは、右がハーフ、左がフルと分かれていて取りやすいです。
1kmかそこら行けばついにハーフとはお別れ、30kmのアミノバイタルステーションです。アミノショッツの赤をいただき、残り時間的にもすぐに飲んだ方が得策と判断しました。この後すぐにこ線橋(何故か「跨」ではなく「こ」)ですが、ここは地味に堪えると思います。上り自体もさることながら、目の前にあるともえ大橋の上を走っていく方々の姿が見えて弱気になりますので。私は次のエイドで完全に足を止めて食べまくるぞと決めていましたので気楽なものです。
そしてこ線橋から案外進んだ先には、お待ちかねのスイーツエイドです。まずは水とアクエリアスをいつも通りに取り、曲がった先がお菓子スポットです。真剣に走っている方の邪魔にならないように、コースアウトしてじっくりと味わいます。前回も強く心を打たれましたが、スナッフルスのチーズオムレットはひんやりしていて、“こんなによいものが夏場のマラソン大会のエイドでふるまわれるとはなんたる僥倖”と思うほどおいしいです。函館散歩もカステラとよき味わいの餡が絶妙です。コーラもしっかりいただき、「四年ぶりに来られて嬉しいです!」とお礼をお伝えすることもできました。ここで1kmに7分くらいかかっていますが、ファンランなのでそういうものです。
お腹も満たされたところでともえ大橋をゆるゆると上り始め、晴天の函館山を眼前に据えて進む極上の時間です。いやまあ暑いし長く感じるエリアではあるのですが、それ以上に空と海の青が、雲の白と一つになって素晴らしい景色を作ってくれていますので、その過酷さも忘れてしまうほどです。風は心地よくすら感じました。
そしてともえ大橋の上でも応援が多くて嬉しいのですが、特にものすごい勢いで応援して下さる大学生?くらいの女の子がいて、“そんな頑張らんでええですよ、疲れるんで”とか言いながら走らせていただきました。ありがとうございます。
ともえ大橋はやはりイメージよりも長く、二回うねるので精神的にもやられがちです。しかしいずれは橋も終わり、函館の誇る金森赤レンガ倉庫に至りますので、心待ちに進みましょう。2017年は怪我で心身に余裕がなく、2019年はカメラの故障に見舞われましたが、ようやく記憶を留めるための写真を残せました。
ここは観光客の方も多く、応援の声もよく届きますので、可能な限りお応えします。“手とか振ってくれるかな”という声が聞こえたので、満面の笑みで手を振ったところ「優しい!」と喜んでいただけました。皆様ご存知の通り、沿道の一言一言って意外と聞こえるんですよね。体力は有り余っていますので、ベイエリアも写真を撮り、片っ端から笑顔でお礼を言いながら進みます。やはりマラソン大会はこういう時間が好きです。
- 終盤(歓喜!緑の島)
折り返してからは緑の島へとまっしぐら。まずは力強い太鼓の演奏にお礼を言います。皆様笑顔が素敵です。
そしてコースアウトして炊き込み海鮮丼からいただきます。完走できる!のハイタッチボードも面白いです。一口いただくと、“この味は!”とうにといくらの味が広がります。これは掻き込んでは勿体ないので、味覚だけでなく視覚でもしかと楽しみます。冷やし塩ラーメンも手を合わせて割り箸でいただき、“やっぱりラーメンはいいな”と満足します。更にメロンまで用意していただいて、もう完璧です。これをファンランと言わずして何をそう呼ぶというのでしょう。そしてここで全てのフードをいただいて初めて“函館マラソンのファンランに参加した!”と言えることでしょう。
ここから長いともえ大橋を帰るのですが、復路も青空と先の山々も美しく、もうこの景色を見られることも二度とないかもしれないと思いながら、ただこの時を感じていました。長い橋も元気な応援のお陰で乗り切れます。
下れば39kmのエイド、こ線橋の40kmを過ぎてもうあと少しです。何だかんだ言ってもこのこ線橋がラスボスだろうとは思います。この辺りでは、キロ5くらいで行けば3時間半くらいだし、そのままジョグでいいかなと考えていました。
ただ、残り1kmくらいからふと“このままではマジックスピードに悪いかな”と思い、上げてみることにしました。やはり跳ね返りを意識するために力みが出たとは思うものの、単なるジョグと違い、シューズの適正スピードに近づくとよく進みますね。ともえ大橋で随分先行された方も含め、届きそうな人はとりあえず全員抜きました。最後くらいはもう少し大きなフォームでもよかったかもしれませんが、それをやると怪我やフォームの崩れにつながるため、常識的な範囲で、転倒にも気を付けつつ締めました。
マジックスピードは流石にまだ新しいのであまり擦り減っておらず、これからも試していければと思います。ズームフライ5と同様、膝から下のダメージがほぼ無いのはとてもよかったです。火曜の朝には筋肉痛も特に感じないくらいでしたし、やはり新品のクッションと左右バランスは違うなと思うとことです。
アフター
レース後
会場(充実のおもてなしフェスタ)
メダルをいただいてお礼を言い、自ら計測チップを外してお返しします。完走タオル(イラストもかわいい)とお水、アミノバイタルゴールドもいただき、即回復です。更にメロンとスイカもふるまわれ、走ってきてよかったなあと思いながらいただきました。
荷物を受け取っていつも通りプロテインとプロテインバー二本を貪り食い、おもてなし会場へと向かいます。がごめ汁、函館牛乳に加え選べる給食はイカ飯にしました。正直イカは特に好きというわけではないのですが、函館に来たからには必須だろうと。しっかりした味つけと歯ごたえで、いいチョイスをしたと確信しました。
ところで、給食を食べられるようにと野球場のスタンドが解放されているのですが、ここも日陰ゼロでとにかく暑いですし、シートがまた極端に熱エネルギーを溜め込んでいて、結構辛いです。野球場のきれいなグラウンドが好きな人以外にはあまり嬉しくないシチュエーションかもしれません。私は生真面目にスタンドで目と肌を焼かれながらいただきましたが、日陰で食べる方の方が余程合理的でしょうね。他にもリンゴゼリーがおいしそうだったのでいただき、甘さでまた元気を取り戻します。
函館市内観光へ(五稜郭、函館山ロープウェイ)
会場は皆様楽しそうでしたが、やることも無くなったのでお礼を言って早々に退出します。市電は混むので駅まで歩きました。お目当てのパン屋さんが臨時終業でがっかりでしたが、ツルハドラッグでナッツとプロテインバーを買ってトントンです。ついでに駅まで行き、キングベイクさんでほうずりアップルパイとザクザク抹茶ショコラを買い、おいしく食べてご褒美とします。
お宿はホテルシャロームイン2さん。何と一泊4,000円、安過ぎです。部屋の冷暖房設備が超レトロだったりで面白かったですがフロントの方もとても親切で快適でした。
簡単に道具を片付けてから五稜郭に向けてスロージョグで移動します。大体3km程度です。まずは(18時までなので時間が無い)五稜郭タワーへと上り、360度の絶景に純粋な驚きが湧き上がります。五稜郭が眼下に見えるのは勿論ですが、さっき走った漁火通も、函館山もよく見えますので感慨があります。やはり別大の別府タワーと同じような感覚です。館内には五稜郭の歴史を説明するパネルもあり、四年前の記憶を確認します。
続いて五稜郭公園もゆっくりジョギングして、上から見たお堀を違った角度から眺めたりします。地元の方の定番コースを走れるのも楽しみです。
ここから函館山ロープウェイへの予定をどうするか迷ったのですが、まずは近場の銭湯に行ってから市電で移動することにしました。丁度田家の湯さんが近かったためお邪魔したところ、マラソンのことを労って下さりました。深い水風呂と温かいお風呂で交替浴もでき、完璧です。
五稜郭公園駅から十字街まで市電で移動した時点で20時。函館山ロープウェイの営業時間も考慮の上、ここでラッキーピエロに寄っておくことにします。ガッツリ系と少し迷いつつ、結局定番のチャイニーズチキンバーガー特上にしました。甘辛ソースの唐揚げに目玉焼きとチーズが加わったたんぱく質豊富な逸品です。
栄養を補給したところで満を持して函館山ロープウェイへ。皆夜景を見ようと殺到し、下りは待ち時間が長いとのことでしたが、ここまで来たからには構っていられません。往復1,800円のチケットを握り締め、3分間ゴンドラに揺られて展望台へと至ります。
そこでは、今日走ってきた函館の街が、夜の闇の中でキラキラと光を放っていました。今日あの道を応援していただきながら走らせていただいたのだと、飛びながら見つめているような気分でした。確か四年前もあまり時間がなかったのですが、今回も割と慌ただしく、見るべきものを見たというぐらいで引き上げました。多分、それも含めて自分の人生らしいのだろうと思いました。“次にこの景色を見ることができる機会はあるのだろうか、少なくとも今回と同じ形ではないだろう、でもそれも受け入れなくては”と思うようになったのが、あの日からの変化です。
歩きで宿に戻る途中、セコマでメロンソフトクリームを、コンビニで函館牛乳を買って漸く帰還しました。洗濯と乾燥を終えて23:30頃には就寝です。
翌日(続・函館市内観光と海鮮丼)
立待岬に谷地頭温泉
6時過ぎまで寝てしまいました。それにしても霧が濃いです。これは景色を楽しめないなと思いつつ、まあこれはこれで貴重なものなのでよしとします。まずは駅を過ぎて赤レンガ倉庫群へ。ここは昨日も楽しく走った“ザ・函館”なエリアです。霧もまたよいものです。
八幡坂も外せない定番スポットですので、下から見上げ、ここぞとばかりに早歩きで上り、海を見下ろすという贅沢な遊びに興じます。ここは晴れると、何ともきれいな青が視界に広がります。
旧公会堂も近く、四天王の銅像も健在です。時間を気にしつつ、函館公園にも寄り、孔雀やエゾリス、ウズラに烏骨鶏といった顔ぶれにご挨拶。モテないオスの孔雀情報もあの日と変わらずでした。
昨日フルで折り返した谷地頭駅に至り、ここからしばし上ります。立待岬への道の途中に石川啄木一家の墓碑があり、手を合わせていると左後ろから波の音が聞こえ、四年前に初めて来た時もそのことにハッとした記憶が去来します。
立待岬は予想するまでもなく視界ゼロでしたが、想像力で津軽半島を見たことにしておきます。それでも近い位置の岸壁や飛び散る波はしっかり見えましたので、よかったです。
ここまで来る大きな目的の一つは言わずと知れた谷地頭温泉です。市営施設ながらスペースが広く、お風呂の種類も多い、そして何より天然の良質な温泉が楽しめるという、おそらく全国屈指の銭湯だと思います。高温風呂は暑すぎて耐えられませんでしたが、露天風呂と気泡風呂、水風呂で風情を楽しみつつ回復に努めます(私は苦手なので使いませんが、サウナまであります)。朝6時から営業していますので、石鹸とタオルさえ持っていけば一日を最高の形で始められます。
帰りは大人しく市電で移動し、旅情に浸ります。昨日走ったコースをのんびりと電車に揺られるのもよいものです。通勤時間を外していた(8:27発)ためか、空いていました。
4年ぶりの自由海鮮丼
ホテルの朝食は見送り、9時過ぎにチェックアウトしてはこだて自由市場へ。こちらは函館朝市より何かとマイルドで過ごしやすいのでお気に入りです。中でも今回絶対訪れたかったのが、市場内にあるCOFFEEマルシェさん。喫茶店でありながら、市場で仕入れたばかりの新鮮で美味しすぎる魚を使った料理も人気のお店です。四年前にお世話になり、マスターのお人柄も含めてすっかりファンになってしまいました。
早い時間なのに大丈夫かなという心配をよそに、自由海鮮丼(時価!)をリクエストすると、おすすめのお魚も教えていただき、サーモン、いくら、マグロを選びました。待ち焦がれたお刺身はもう本当にとろとろで、お箸で軽く切れることに驚きます。どれ程おいしいかは言わずもがなといいますか、表現の域を越えています。“四年前もお世話になりました”とお伝えすると喜んで下さり、どのような形であれまた来たいと強く感じました。
折角なので土方歳三最期の地にも詣で、函館市内の観光は終了です。どうしても歴史の残酷な話は好きになれないのですが、実際その上に今があるのも確かではあります。函館駅に来る頃には快晴になっており、朝曇りや霧でも昼は暑いのだなと昨日の教訓を再確認します。駅ではべこ餅をと思っていたのですが、二個入りからしかなかったため見送りました。
帰りは12:10函館→12:50新千歳なのですが、バスの本数が少ないことから、10:30に函館駅前を去らなくてはなりません。これを逃すと何故か次が11:40でアウトです。もっとのんびりしたいところですが、泣く泣く函館を後にします。空港への道はわずか20分程、フルのコースも通りますので、走った時の気持ちや応援、景色を思い出していました。
函館空港では案外食べるものがなかったので、ロイズのチョコをバリバリと食べるというあまりに贅沢な行為に及びます。2/3も食べてしまい幸福です。職場へのお土産にイカ煎餅を買い(このところネタ目的でパンチの効いたものばかり選んでいます)、出発前には阿さ利のコロッケをいただき、ホクホクです。
新千歳空港でもうろうろして、結局またしてもロイズチョコレートワールドに赴き、チョコパイを食べました(チョコの歯ごたえとチョコクリームの相性が抜群)。更にパスコ北海道プレミアムではチーズキーマカレーパンとフルーツとクリームチーズのパンを食べ、これで悔いはありません(なお、何となく栄養面に不安を感じたことからアミノ酸も摂取しました)。今回はかなり食べた方に入りますが、それでもかつてよりは控えめになってはいます。繰り返しますが、新千歳空港はそこら中にソフトクリームを始めとするスイーツが待ち構えていて、とにかく危険です。15:00新千歳→17:00神戸のAIR DOで無事に帰還です。
最後に
“はるばる行くのか?行かないのか?”と迷ったのですが、一回一回がもしかすると最後になるかもしれないので、行ける時に行くしかないと腹をくくって参加したことで、また沢山の素敵な想い出ができました。これも大会を支えて下さり、歓迎して下さった函館の皆様のお陰です。またあの函館の街を走らせていただけてよかったです。
最初にも書きましたが、この大会のすごい所は、過酷でありながらファンランとしての魅力も両立しており、寧ろ過酷さを忘れてしまうくらい楽しいことだと思います。やっぱり函館は素晴らしい街です。
函館の皆様、大会開催にご尽力いただき、ありがとうございました!函館マラソンに出会えて本当によかったです!またはるばる行きたいと思います!
ここまでご覧いただきありがとうございます。