ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

みえ松阪マラソン2022(2022/12/18) 肉と風と豪商の街!とんでもない大会が三重に爆誕!

行く手を阻む肉エイドやスイーツエイドの誘惑が強すぎて到底真面目に走れる大会ではありません褒めています)。松阪市の気合いがみなぎっている素晴らしい大会で、驚く場面も多数でした。

mie-matsusaka-marathon.jp

エイドは期待以上で、ベルファームでは給食をコンプリートするためにUターンしましたし、松阪牛サイコロステーキ、トマトジュース、鶏焼肉、スイーツと続くコース(料理の並び)もよく練られています。普通の大会は終わってから打ち上げですが、ここはレース中盤から既に打ち上げが始まっているくらいの勢いです。

そして寒波直撃に強風が重なりとても寒かったにもかかわらず、応援して下さる方の多さにも驚きます。いや家で温かくしていて下さいと何度思ったことか。後半のトンネル内ではプロジェクションマッピングの応援メッセージまであり、どれだけ大会開催のために知恵を絞り準備を重ねたのかと、松阪の皆様の大会にかける思いに打たれました。

風が強かったというのもありますが、今回は端からエイドで止まりまくる計画でしたので、有酸素ジョグの延長くらいのつもりで望み、ネット3時間20分ちょい、191spm、153bpmで怪我無く終われました。翌日もがっつり観光を楽しみました。

フルマラソン空白県の一つだった三重県にも弩級の大会が生まれたということで、全国の旅ランナーも喜んでいることでしょう。

松阪の皆様、とんでもなく素晴らしい大会を開催していただくと共に寒い中応援していただきありがとうございました!

豪華過ぎるエイドの写真やコースの様子は次のページにモリモリ書きました。きっと出場してみたくなることと思います。是非ご覧下さい。

エイドの種類が豊富な大会と言えばやはり金沢マラソンの食べまっしステーションですね。年明けのいぶすき菜の花マラソンも、2023年こそ私設エイドが控えめでしたが、2024年は2020年並みの本来の姿に戻って下さることでしょう。

savarun.hatenablog.com

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そして“日本一過酷なファンラン”を自称する函館マラソンもまた、素晴らしい給食達が待ち構える大会なのです。

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前日(移動して野崎のひれかつ定食)

肉のことしか考えておらず真面目に走る気が全くないのでそれ程食事も変えません。チョコレートデニッシュとフルーツ大福をプラスし、間食にプロテインバーを一本食べます。

金夜は牛こまとえりんぎのバター醤油にパンを足しました。

鶏モモ肉のソテーにチョコデニッシュ、キウイのフルーツ大福です。

交通費をケチって鈍行で松阪まで移動しましたが、たかだか二時間程度ですから近いものです。(移動中よせばいいのに三島由紀夫金閣寺』を読んで陰鬱な気分になってしまいましたが。)

商店街も盛り上げようと準備して下さっています。

まずは翌日に備えて豚肉だろうととんかつ野崎さんへ。17時台でしたので、並ばずに座ることができました。ひれかつ定食を選択し、この絶妙の火の通り具合に自然と背筋も伸びます。柔らかなヒレ肉は噛むことによりもたらされる幸福感も素晴らしいです。お店の方も親切で、人気店なのも納得です。

見るからにうまそうではありませんか。

お宿は松阪駅前の松阪シティホテルさんでした。直前にキャンセルが出たのか運よく予約できたのですが、例のあれの力もあり何と7700円で宿泊できました。更に予想外にみえ得トラベル地域応援クーポンまで付いてきて早くも甘やかされ過ぎです。ありがとうございます。

文字通り身に余る待遇です。

ぎゅーとらで買ったチョコパンとレーズン食パン、チーズも食べておきます。

みえ松阪マラソンは配布物の時点で素晴らしく、当日の案内やコース図など必要なページのみの冊子も同封して下さっています。お陰様で重たい参加案内の冊子(参加者名簿が当日役に立つことなどない)を持って行かずに済み、助かります。どこの大会もこの方式を取り入れていただきたいところです。コース図にはエイドの内容を書き込み、肉と名物の在り処を念入りに予習します

何事も準備が肝心です。

松阪に行くからには松阪牛を食べねばと同封の案内を見たのですが、た、高い……。予約を取ろうと電話をしてみるも夜は会席になり肉は減るとのことだったので見送り、その後しばらく徹底的に調べましたが、結論として別に何かのお祝いでもないのでそんなに高いものを食べなくてもよいだろうということになりました。身の丈に合ったお店で定食を食べるだけでも十二分においしいですし。

金沢百万石ハーフマラソンの後は、火曜に30km程、木曜74分で14km程、金曜スプリント、土日2時間40分弱で31km程ずつ、月曜スロージョグ、火曜寝坊でオフ、水曜3分オン2分オフ×10、木曜75分で14km程、金曜擬似本番スタート走3本(4分14秒、3分55秒、3分37秒)でした。有酸素ジョグが最も大事と信じて練習します。体調は良く、ガーミンさんも頑張れと言ってくれていますが、如何せん今回は肉の祭典ですのでタイムなど構っていられません。有酸素ジョグの延長という位置づけで、ダメージを少なく抑えたいところです。

ガーミンさん的には今までで一番良い数字でしたが。

当日

レース前(手荷物袋のサイズに焦るも救済される)

23:00消灯、6:40起床です。何せ近いのでギリギリまで寛ぎます。朝食は簡素にパン二つにチーズ、卵、牛乳のみです。

冬至の日の出は遅いので近いと本当に助かります。

どうやら少ない分には大丈夫そうです。

持ち物はいらない気がしましたが、賞味期限切れで余っていた電解パウダーとアミノ酸を混ぜた時の味わいを検証することにしました。もっと不味いかと思っていましたが、無くはないくらいです。と言いますか、エイドが短い間隔で設置されているお陰で、一度も自分のジェルフラスコは使わずでした。手ぶらで全く問題ありませんでした

全くやる気がございません。

時間があるのでシャワーを浴び髭を剃りテーピングやワセリンなどもいつもこなし、7:50という信じられないくらい遅い時間に宿を出ました。この気温で寝起きで走るのは流石にどうかと思いますし、2km程歩くのは悪くありません。途中本居宣長旧宅跡や牛銀本店も見られて松阪にいるのだと実感します。誘導のスタッフさんも沢山おられて元気にご挨拶して下さり、大会に懸ける気合いが伝わってきます。

最高級の松阪牛には手が届きません。

スタート会場では緩やかな検温があったくらいで入場もスムーズです。個人的には(やってる感を出すためだけの諸々を省いた)このくらいの対応が好きです。が、ここで問題が。嫌な予感はしていたのですが、手荷物袋が他の大会よりかなり小さく、衣類が多い冬の荷物達が物理的に収まらないのです。ナイキフリーをつぶせば押し込めるというレベルではなく、格闘しているうちに8:30の締切時刻が迫ってきます。もうこれは佐川の有料配送がある可能性に賭けるしかないと悲壮な面持ちでトラックの方へ行くと、何ということでしょう、「手荷物相談所」というコーナーがあり、急遽袋を用意して下さりました。まさかこんな救済策があるとは……。ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます。

何とか救われました……。

別に速く走る気もないので適当に並び、動的ストレッチを一通りこなします。この間にも何としても配り切りたいのか、アミノバイタル試供品をいただきました。最早お一人様お一つではないのですが、よいのでしょうか。

三重県唯一のフルマラソン第一回大会ということで、三重県ご出身の偉人、瀬古利彦さん野口みずきさんがゲストです。瀬古さんは寒さを心配し、最初飛ばして後半低体温症にならないように(「速い人はいいんです!」とのこと。二回仰りました)と、野口さんは上りは少し下を向き、下りはストライドを大きくと仰っていました。多分、下りはへっぴり腰が一番膝にダメージがあることと、ストライドを伸ばそうと思っても伸ばせないことを見越してのアドバイスだと思いますが、忠実に実行したらそれはそれで着地衝撃に耐えきれない動きになる可能性もある気がしました。まあ、言葉で伝わるイメージは聞き手次第ですし、各人に合った動きをするしか無いのですが。

寒波襲来ということで、待っている時間はなかなか気温が低かったです。風が強いと余計に寒さを感じます。寒さに強い私(手袋のみでアームスリーブやタイツはなし)でも気温の低さを心配するだけあって、周りには寒そうにしている方も多かったです。東京マラソン並の大規模大会なら衣類回収があって直前までごわごわの古い服を着ていられるのですが、普通の大会でそこまで期待するのは無理でしょう。

ともあれ、二年間の時を経て、三重県でフルマラソンが開催される瞬間がついにやって来ました。

レース

序盤~前半(フラット、しかし風が強い)

「号砲と共にランナーが一斉にスタート」できるはずもなく、“うむ、動かない”とゆったりと構えます。最初は狭いので当然でしょう。54秒後にスタートラインを越えるもまだ加速していないので、瀬古さんと野口さんをばっちり拝むことができました。ありがたや。

瀬古さんも野口さんも嬉しそうです。

土地勘が無いのでどこへ連れて行かれるのだろうかとワクワクしながらスタートです。陸橋を越えて広い道路を往復します。何でこんな普通の道を往復するのだろうかなどと思ってはいけません。何とここはあの全日本大学駅伝のコースの一部なんですね。まあ私は当該駅伝の映像を見たことが無いのであれですが。ここで我らが川内優輝選手独走している姿を見られて、怪我から復調されるといいなと思っていました。それにしても、トップ選手とすれ違う時はものすごく大きく見えませんか(私だけ?)。ストライドとオーラのなせる業だろうと思っていますが。

力強いフォーム、カッコいいです。

それはそうと、さっきから風がビュンビュン吹いています。折り返したら風向きが変わって楽になるはずと思ったら、横風なのか期待した程走り易くならないというのはよくある話です。最近はペースを気にせず感覚で走ることが多いのですが、5kmで手元24分弱かかっており、“このところ週末はこってりと有酸素ジョグを重ねているため、練習のノリで走ってしまっているのかな”と少し懸念しました。まあどうせエイドで止まりまくるわけですから、それもありかなと思っていました。7kmで33分程、神戸マラソンとは全然違います。

5kmに続いて7kmでも給水。手袋を毎回外すのが面倒くさくなってきました。スマホ操作もやりにくいので、早々に手袋をポケットに収納し、以後出番はありませんでした。7kmにしてもう「給食」の文字が見え、“中盤以降では登場しない普通のお菓子は逆にレアだぞ”と考えてりんごゼリーをゲットします。

序盤から給食開始です。

左折して先程の陸橋を渡り、スタート会場近くに戻って来ました。10km付近では太鼓の音が鳴り響きます。駅に近づくと吹奏楽の演奏もあり、元気づけられます。松阪駅で折り返して少し行って右折、12kmのエイドではバナナをゲットします。二つに割って少しずつ食べるのですが、両手が塞がるので写真を撮れません。この直線にも沢山の方が応援に駆けつけて下さっていました。14kmで1時間5分弱だったようで、幾分身体が動き出した感があります。

このエリアは本当お祭り状態でした。

駅前もしっかり立ち寄ります。

準備して下さる方のご厚意は受けて立つスタイルです。
中盤(ベルファームの罠とサイコロステーキ)

ようやくバナナの皮をエイドのゴミ箱にシュートした頃、辺りには田畑が広がっています。大型の店舗も姿を消し、急に長閑になった印象です。この直線も走り易いはずなのですが、何せ風が強いのでいつになったら終わるのかという気持ちになります。途中風でキャップが吹き飛ばされ、拾いに戻るという初めての経験もしました。これまではとっさに押さえて“ギリセーフ”という所で踏み止まってきましたが、今日は完璧に吹っ飛ばされました。街の美化のためにもそのまま走る訳にはいきません。

長い、そして風が強い。

そうこうしているうちに折り返してくる速いランナーの姿が見えるようになり、いよいよ決戦の地ベルファームが迫っていると覚悟します。敷地内に入ると、何と両サイドに給食が。まず自分に近かった右側の伊勢うどんあられ茶をいただきました。あられ茶は香ばしさを楽しみつつすっと飲めるのですが、この伊勢うどんがまた食べにくく、ランナーの都合などお構い無し(褒めています)で好感が持てます。

こういうコシのある給食を待っていました!

このまま進むと左側の給食には出会えないと直感し、そこからUターンして左のテーブルまで戻ります。まさかの逆走です。元気な高校生から松阪牛プリントクッキーぷちくるみスイート松阪赤菜おにぎりを立て続けにいただき、止まって写真撮影に勤しみます。“パンはでかいですけど”と気を遣ってくれましたが、望むところですので、“今日は真面目に走る気ゼロです”などと言って次のテーブルに移ります。

お土産にも買い求めやすい数量とお値段です。

ここでは塩レモンの最中ということで、予習していた老伴が提供されているではありませんか。おいしさのせいにしてがめつく二切れいただきます。更に隣にはさわもちが。この柔らかな餅に甘い餡、最高やないかと大喜びです。これで使命は果たしたと再出発です。後で見るとこの1kmは7分以上かかっていましたね。ウルトラのエイドかと思いました。ベルファーム恐るべしです。

地元銘菓とあれば見逃せません。

道路に戻ったはいいものの、両手に先ほどのくるみパン赤菜おにぎりを握りしめており、ポケットにはクッキーが控えています。順風のこの区間で休みながら食べるのが最善策なので、まずはパンをよく噛んで食べます。水分が無くても以外と詰まりません。続いておにぎりも少しずつ食べます。このおにぎりがまたでかくてランナーのタイムなど一切考慮していません(褒めています)。注意が必要なのは、米はパンと異なり、口に入れたら早めに咀嚼してしまうべきである点です。だらだら食べてぼんやり口を開けると、粒が口の中で跳ねてむせることがあります。偉そうに書いていますが、今回むせて思い出しました。この教訓は今後に活かします。長閑な風景の中を進むと19kmのエイドが見えて来たので、ここでゴミを全て捨てねばとクッキーも食べます。この区間は食事しかしていません。

でかいですが、それがよいのです。

この辺りはほぼ順風だったはずで、風に苦しめられた記憶がありません。中間点で1時間40分を越えており、一体どうしてこんなに遅れたのかと首を傾げます(ベルファームや)。22kmでは水分だけ取りましたが、ここは井村屋ようかんを狙うべきだったんですね。次のエイドが気になって気になって……。

ここは視界が開けて好きなシーンです。

そして待ちに待った24kmエイド、松阪牛サイコロステーキとの邂逅を果たします。串に刺さった神々しいまでの松阪牛、噛んだときのこの香りと肉汁、これぞ牛肉です。子供の頃から好きで、食べたいと願っていた肉はこれです。牛肉は高級なこともあり今でも食べる頻度は控えめなのですが、こんなにいいものを食べてしまって大丈夫なのでしょうか。エイドのおっちゃんが“100g2000円の肉や”と仰っていましたが、庶民には夢の世界です。

エイドの範疇を越えています。

“僕は肉が好きだから、肉も僕が好き”とか肉ポエムの一つでも詠みたいところですが、とにかく肉で更に元気になり、橋を渡って進んだことははっきり覚えています。あと、短めの上りの途中に25kmのマットがあったことも。中部台運動公園の辺りも応援が多く、笑顔で応えながら走りました。エイドばかりではなく応援の方をこそ撮らねばと気付いたのもこの頃です。この寒さの中で待っていて下さる皆様には本当に感謝です。エイド手前にはコーラを用意して下さる女性もおられ、持ったまま立つのは辛いのにと恐縮します。

もうホント寒かったのでご無理だけはなされませんように。

28kmエイドではミニトマトトマトジュースオレンジジュースを全ていただきました。新鮮な農産物はやはり違います。28kmで2時間13分程。途中色々あり過ぎてペースがどうなのかさっぱりわかりません。

ここのミニトマトはとても新鮮でした。

あとしばらく脚を回せば終わる距離です。
後半~終盤(プロジェクションマッピングとデザート)

工業団地は目新しさもあり、何となくいわきサンシャインマラソンを思い出します。たしか29km付近に長めの坂があり、しっかり逆風が吹いていたと思います。あそこは心拍数がやや上がりました。そうは言っても30kmにはちゃちゃも汁(牛汁)が待っていますし、29kmという数字も暗に“肉を励みに走れ”というメッセージでしょうから減速している場合ではありません。

30kmエイドでは温かい牛汁をわざわざよそって下さります。肉は味が強いものだというイメージを持ってすすったところ、とてもあっさりしていて肉の懐の深さを感じます。そして噛めば噛むほど味が滲み出てきますので、ゆっくり食べねば勿体ないのです。他のランナーさんとも“これはタイム出ないっすね”“タイムなんてどうでもいいわ”などと意気投合します。

ベビースターの袋は流石に取れませんでした。

温かな牛汁をフルマラソンの30kmでいただける日が来るとは……。

牛汁を堪能して右折すると短いトンネルがあります。ここは上りなのですが、そこまで急でもない印象です。出口からは下りになり、ウルトラマラソンのような景色が広がります。ここは颯爽と下ればいいと思います。

アドベンチャー気分も味わえます。

そして二つ目の長いトンネルは下りで助かるなと思って進むと、何やら内部は七色にライトアップされているようです。何だろうと思って進むと、プロジェクションマッピングということが分かります。もうこの演出が素晴らしくて、松阪の観光PRだけでも面白いのに、幼稚園や中学、高校の学生さんからの応援メッセージ動画まであって胸に響きます。自分は初めてトンネル内のこういう仕掛けに出会ったのですが、もしかすると他の大会でもやっているのでしょうか。とにかく、松阪市のこの大会に懸ける情熱をたっぷりと感じ取りました。

走っていて震えるくらいでした。

トンネルを出るとまた応援が多くなります。給水を取って左折、順風でとにかく楽です。ガーミンをちらっと見ると4分20秒で、大分調子が出てきたなと思いますが、そうは問屋(肉問屋)が卸さないのがみえ松阪マラソン、35kmには鶏焼肉エイドが待ち構えておりあえなく減速、停止です(予定通り)。味噌だれが松阪鶏にばっちり合ってたまりません。よく噛んで味わいました。

よりおいしそうに写る角度を探求します。

軽く上って堤防に出て、清流櫛田川に沿って下って行きます。黒部名水マラソンを思い出す眺めです。ここも風に乗ってピッチも上げ、疲れも感じずに大分抜きました。しかしそれも束の間のことです。何故なら37kmにはスイーツエイドが関所のごとく立ちはだかっているからです。よもや素通りなどできようはずもなく御用となり、撮影とデザートタイムに専念します。HANADAMAは真珠のデザインというのがまた三重らしくていいですね。タルトケーキとチョコクランチはポケットにねじ込んで進むことにします。サイコロステーキ→トマトジュース→牛汁→鶏焼肉→デザートという心憎いばかりのコースに魅了されながらしっかり堪能しました。

余力を残していれば爽快なエリアです。

ここに来て歓喜のデザート食べ放題です。

この地点にはメッセージボードが設置されていますが、その数が多いことにも驚きます。こんなに沢山!と。37kmでこれは勇気づけられます。ありがとうございます。

終盤にこの応援は力になります。

随分大勢のランナーに抜かれることを何度も重ねつつまた走り出します。“右が海ではなく川なのが違うけど、いぶすきの終盤と似ているな”と思いつつ軽い上りから下りに転じ、少し行くと40kmです。流石に最後くらいはと思いフォームに気をつけながらフルマラソンのペースに上げます(一応今回も距離はフルマラソンですが内容はマラニックなので)。キロ4分13秒、心拍数も160台まで上がりました。大体フルの平均心拍数は160台前半くらいなので、まだ余裕です。本当はもっと上げたかったのですが、もう今日はこのまま有酸素ジョグの延長で行くと身体が思い込んでいたのか今一つ上がり切りません。

ガーミンで4分一桁まで上がったからまあいいかと考えつつターンするとかなりの横風で煽られます。“ま、まああと1kmだしネット3時間20分は切れそうだな”となめた頭で右折すると、待ってましたと言わんばかりの逆風が。更に上り坂になってしまい全然進みません。坂自体は加賀温泉郷や佐倉朝日健康、掛川新茶と比べると緩やかなのですが、風が強くて笑うしかありません。最後どこまで行くのだろうか、1kmにしては長いぞと坂の上を見上げるとフィニッシュゲートが。“そうか、坂を上り切った瞬間終了か、その発想はなかった”と、ろくに進まないながらも何人かを抜いて終了。あれだけ余力がありながら40kmから9分39秒もかかるとは……。

お疲れ様でした!

アフター

当日(充実の屋台と鈴の湯)

止まりまくった割にはピッチは191spm出ており、心拍数は153bpmですので、普段より質の高い有酸素ジョグをしたくらいの感覚でした。

ズームフライ4もそれ程減らずに済んだようです。

フルマラソンを走り切ったぞという興奮も疲れも痛みもなく、普通に歩いてタオル、完走メダル、ドリンクなどをありがたく受け取ります。手提げ袋を用意してくれているなんてどこまで気が利いているのでしょう。ペットボトルも二本で水分はバッチリですし、またしてもアミノバイタルが配布されてありがたい限りです。ミーノと共に即摂取しました。

上り切った先の芝生は目に優しいです。

完走メダル松阪木綿と御城番屋敷周辺の石畳に松阪牛の蹄、松阪白の桜、市鳥の鶯といった松阪の魅力ががギューッと詰まった松阪ならではのもので素敵です。(※「ギューッ」「モー」といった表現は街中で度々見たと記憶しています。)

最後まで細かな気配りがなされた大会です。

手荷物を受け取り、更衣室で手早く着替え、プロテインプロテインバーも摂取してからイベント会場に繰り出します。嬉しいのは、ここでも出店の数が本当に多いことです。コロナ前はこういう感じの大会が多かったので、懐かしさすら感じます。三重県各地のブースもあり、いわきサンシャインマラソンと重なります。

肉エリアを取り囲むキッチンカーというすごい構図です。

霜降りクッションに霜降りタオル。天才です。

まずは500円の金券を如何に使うか吟味を重ねて牛すじカレーを選択します。何せカレーが食べたくて。続けざまにみのり大福オレンジ生チョコケーキ、そして松阪牛の牛串をいただきこの世の春を謳歌します。松阪牛コーナーには500円でキリのいいたこ焼き的なブースなどに大行列ができていましたが、私は焼き立ての肉を直に楽しみたかったので、これでよいのです。エイドでいただいた鶏焼肉もありましたので、レース中に泣く泣くスルーした方はここで挽回するしかないでしょう。

こういう時間を待ち望んでいました。

表彰式や子供から高校生のキレのあるダンスパフォーマンス(あんな動きは生涯できない)などを見て会場の空気に浸ってから、バスで松阪駅まで送っていただきました。松阪駅行きのバス待ち列は長く見えますが、案外待ち時間は短かったと思います。

バスは駅のJR側に到着するので少し迷いますが、すぐ側に地下道があり反対側に出られます。出た先に公衆トイレもあるので、会場で行き忘れた方も安心です。丁度15時頃にエースイン松阪さんにチェックインしました。例のあれが適用される前の予約でも4000円で朝食付きですからタダ同然です。

何かもうすみませんくらいの勢いです。

荷物の整理と振り返りを終えてからスロージョグで鈴の湯さんへと向かいます。片道4km程度でした。鈴の湯さんはランナーに割引券を配布していた(土日祝750円→500円)ため混んでおり、少し待つことになると番号札を渡されてどうなることかと思ったものの、10分もしないうちに入れてしまいました。水風呂があるので執拗に交代浴を繰り返して回復を図ります。露天風呂も寒い季節はなおよしです。

コースを思い出しつつ夕暮れの街を行きました。

帰りもスロージョグで、クーポンを使うべくぎゅーとらさんに寄ってお惣菜などを調達しました。流石に昼にあれだけお肉を食べていますので、日常に戻らねばという自浄作用(?)が働きました。ホテルのコインランドリーも大助かりで、諸々終えて睡眠に移行します。

これくらいが分相応なのです。

翌日(松阪城跡、ベルファーム、豪商宅見学)

観光に手頃な日の出に合わせて6:30頃起床です。まずは三井家発祥の地を訪れ、今の自分が生きている日本の礎のいくらかがここにあるのかと何とも言い難い気持ちになります。

奇しくも三井高利というお名前がまたすごいです。

月曜日は本居宣長記念館や歴史民俗資料館が休館なので、朝のうちに松阪城跡を見学しておくことにします。石垣が見事で百名城にも選ばれている蒲生氏の城からは、朝日に染まる松阪の街並みや山々を望めて、よいものを見たという気持ちになります。ただ、梶井基次郎の碑もあり、悲しいくらいに晴れた空、という言葉も頭の中でちらつきます。自分の生き方にも疑問を抱く時間です。

紅葉に朝日が加わり綺麗です。遠くの山も望めます。

石垣は普通にかなり怖いです。酔ってたら落ちます。

休館日なので仕方なしです。

裏門側から下り、御城番屋敷土蔵にそのまま残されている歴史を感じ、折角なのでスタートのクラギ文化ホールの方も回って宿に戻りました。動いていたのは60分程ですが、外にいたのは90分程でした。

観光は人の少ない朝がよいのですが、朝日が直撃してまぶしかったりもします。

ここに泊まることなど絶対にできません。

昨日のスタートが嘘のように静かな朝です。

先ほども書きましたが朝食が付いているのでがっつりいただきました。鯖が脂が乗ってうまいですし、鶏胸肉も片栗粉を軽くまぶしてあるのがまたよかったです。勿論カレーも底までかき混ぜて具を狙いました。掛川新茶マラソンの際も宿泊した呉竹チェーンのホテルということで、充実の朝食です。なお、私は忘れていてスルーしましたが、夜はワンドリンクサービスまであり、ちょっとやり過ぎなのではと心配になるくらいです。

おかわりもしています。ごちそうさまでした。

いただいた新聞にもみえ松阪マラソンの記事が。

シャワーを浴びアンケートでべた褒めしてお礼を言ってからチェックアウトです。荷物も預かっていただき身軽です。さてどこに行こうかと迷いながら適当に出発、旧街道の歴史建造物に後で来ようと思いつつ何となく足が向いたので結局ベルファームまで行ってしまいました。昨日と同じく猛然と吹き荒れる風、後で聞いたのですが松阪の冬はこれがデフォルトらしいです。今日はニットだったので帽子が吹っ飛ばされる心配もなく難なく到着しました。

ポケットパーク辺りで引き返せばよかったかもしれません。

今日もビュービューと吹いています。

園内をぐるりと回り、昨日行けなかったエリアには池があることなどを知ります。イングリッシュガーデンは、薔薇の一番の季節は過ぎていたものの花も香り残っていますし、温室も懐かしさを感じられてよかったです。

ぐるりと巡ると素敵な景色が待っています。

子供の頃から花のことをもっとよく知っておけばよかったと思います。

ここまで来たからには最高級抹茶ジェラートをいただき、お見事なお茶の味と香ばしさに満足します。寒いとまたアイスがうまいです。

ここでも選択肢が多過ぎて迷いました。

地元農産物や工芸品などを物色し、記念に松阪もめんのブックカバーを買いました。いきです。九鬼周造です。

車があればあれもこれも買ってしまいそうな充実ぶりです。

突風に運ばれて市街地に戻ります。

最後の時間を振り絞って旧長谷川治郎兵衛家旧小津清左衛門家を見学します。どちらも親切かつ丁寧に係りのおじさまが案内して下さり、前提知識が無くともしっかり楽しめて記憶にも残ります。

どちらも三百年以上前の建物が見事に保存されており、逞しい梁や天井の造り、直に見ていいのかなと思う程美しい屏風や掛軸などを存分に観賞します。金沢の老舗記念館と通じるものがありますが、何せ豪商ぶりを全国に轟かせる松阪商人の家ですから更に規模が大きかったです。思えば大阪や近江の商家を訪ねたことはないので、それらも直接見てみたいと思いました。

一つ一つがすごくきれいに感じました。

蔵や中庭は一部入れませんでしたが、紅葉と空が美しかったです。

初心を忘れぬようにと簀子の天井にしたそうです。

畳や扇もこんなにじっくり見る機会はあまりありません。

三井家と小津家の貴重な資料も多数。

200kg以上ある万両箱は、お金ではなく証文を入れて地下で保管するものらしいです。

結局14km程のスロージョグになりましたが、荷物を受け取り駅のまつさか交流物産館さんでお土産を買って14:32に松阪を後にしました。老伴を食べて楽しい松阪の旅を締めくくりました。

かなり売り切れていた感もありましたが、何とか買えました。

初めての松阪、とっても楽しい時間になりました。感謝感謝です。

最後に

全国のマラソン大会を巡っていますが、松阪市の大会に懸ける思いは並々ならぬものがあり、エイドも応援もすご過ぎました。天晴れとしか言いようがないと思うのですが、これも脈々と受け継がれる松阪の豪商の血がなせる業でしょうか。大会慣れしていない方は、この大会が当たり前だと思ってはいけません。ここまでできる大会はほぼ無いので、他所でクラシカルな大会に出るとびっくりすると思います。“え?肉出ないの?”とか思ってしまうことでしょう。

走る前は肉を食うぞくらいの軽い気持ちでしたが、とにかくうまい肉、強くて冷たい風、そして松阪の皆様の歓迎ぶりに圧倒されっ放しの遠征でした。松阪の皆様、とんでもなく素晴らしい大会を開催していただき、ありがとうございました!

ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。

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