ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第11回飛騨高山ウルトラマラソン(2023/6/11) 完成度高過ぎのウルトラと天下の観光地巡り!飛騨高山でとびきりの思い出を!

初参加でしたが、あまりに素晴らしいコース、運営、そして応援の力を借りて、気が付いたら無事に完走していたというくらいでした。手厚い歓迎を一身に受けながら江戸時代の風情が残る一大観光地からスタートし、悠久の時が形成した大自然の中を走り、おもてなし給食も堪能できるという贅沢な大会ですからリピーターが多いのも納得です。そりゃ何回も走りたくなりますよ。

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おもてなし給食は勿論完食でした。よもぎうどんに火畑そば、トマトジュース、リンゴジュースにりんごげんこつ、さるぼぼクッキー、しそジュース、トマト素麺、みたらし団子、飛騨牛、イノシシ冷しゃぶ、なつめに筍、飛騨とらふぐの唐揚げ、梨打ち汁、清見サイダー、どぶ汁、プチトマトと地元特産品が目白押しです。

スポンサーのバックアップも手厚く、モルテンやクエン酸コンク、青柳ういろうforアスリート、サンキストオレンジといった給水・給食も頼りになります。

コースはアップダウンが多いので、どちらかというとハードな部類に入ると思います。少なくとも隠岐の島やえちご・くびき野よりはきついはずです。私は野辺山や村岡のような本当に厳しいウルトラに出たことはないので何とも言えない部分がありますが。コース云々より暑さのせいで恐ろしく辛かったのは2019年の白山白川郷ウルトラマラソンですし、気象条件次第で厳しさは大きく左右されると思います。

そしてやはり応援が多く、あちこちから「頑張れ~」と声を掛けていただいたり、鳴り物で応援していただけたりしますので、辛さを感じている暇がないくらいです。翌日も行く先々で「昨日はお疲れ様でした」「雨で大変だったでしょう」と労っていただき、どれだけランナーを大切にして下さるのかと驚きました。

高山は天下の観光名所、見どころも沢山です。古い町並、城山公園、陣屋朝市、宮川朝市、高山陣屋、飛騨高山まちの博物館、桜山八幡、高山別院など、限られた時間で回りましたが、深堀するには無理がありました。勿論飛騨牛朴葉味噌焼や五平餅、飛騨高山牛乳といった名物も外せませんので、とにかくやるべきことが多過ぎます。

走りは特に目標も無く、速くない有酸素ジョグの時間を単に延ばしただけという感覚で走り切り、大したダメージもなく終われました。雨で涼しく楽ちんでしたが、暑いと大変な目に遭っただろうと思います。ズームフライ5は大変ウルトラ向きで、膝から下にさしたる疲労を感じないのがすごいです。(9時間44分台、135bpm, 171spm, ストライド1.02m, 上下動比6.4%, 上下動6.7cm, 左右接地時間バランス49.5%:50.5%。エイド休憩と歩き区間を抜きにしてもピッチは180台前半で普段より低かったです。)

11回を数えるこの大会は、厳しい自然環境の中にありながら、古くから旅人を温かく迎えてこられた高山の皆様ならではの素晴らしいウルトラだと思います。これからも全国のランナーを惹きつけることは間違いありません。私もまた、観光に行かせていただければと思います。

素敵な大会を開催していただいた高山の皆様に改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

続きのページはコースやエイド、観光など思い切り書いていますので、写真だけでもご覧いただけると嬉しいです。高山の魅力の一端が垣間見えると思います。ご感想などいただけるととても喜びます。

↓をクリックしていただくと他の方の視認率が上がるっぽいので、よろしければ是非。

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私のように“タイムは知らん、とにかく食うぞ”というスタイルの方にはえちご・くびき野100kmがおすすめです。

savarun.hatenablog.com

“多少遠かろうと観光地なら行くぞ”という方には奥熊野いだ天ウルトラでしょう。正しく那智の滝からスタートです。名物もたっぷり。

savarun.hatenablog.com

追記ふるさと納税はトリデンテのリコッタチーズ。久々にこんなによいリコッタを食べたのですが、ミルクの濃厚な味わいがたまらなかったです。大容量で幸せな日々がもたらされました。

サラダに使っても、勿論そのままでも。

前日(高山へ)

7時過ぎ起床で力を貯めます。ガーミンさんによると(この時期にしては過去に例がない程)調整が上手くいっているらしいですが、特に頑張るつもりもありません。折角ですので軽くパン活に出掛けます。おされなgoutさんでピロシキと黒豆パンを買ってきました。100kmに限らず、普段から食べていれば前日は普通+αで十分なのでパン以外はいつも通りの朝食です。豚肩ロース、なす、ピーマン、人参のオリーブオイル炒め、キャベツと青梗菜のレンジ蒸しチーズ、卵をおいしくいただきました。他にプロテインバーを食べたくらいで出発です。

種類が多いので毎回迷います。

大阪駅10:30発の新快速は意外なことに5分前に並んだだけで座れてラッキーでした。切符は前日のうちに買っておいたのでスムーズです(自由席で7,360円)。米原、大垣、岐阜で次々に乗り換えて高山を目指します。岐阜駅では71kmに出場される方が話しかけて下さったので、しばし各地の大会のことなど伺ったりしました。飛騨高山ウルトラは6回目というのもすごいですし、富士山マラソンや湘南国際といった私が出たことのない大会に出ておられるのも羨ましいです。

岐阜駅からは特急ひだで約2時間です。富山まで行く前方車両ではなく、高山止まりの後方車両の自由席を狙い難なく座れました。右側を選びましたが、序盤は犬山城木曽川が眺められてよかったです。伊那川沿いになると左側からの景色もきれいでした。どちらに座ってもいいことがあります。車内では岐阜高校英会話部?の生徒さんのアナウンスもあり、とても流暢な発音に感心していました。観光情報も得られていいことづくめです。

途中下呂温泉にも停車しました。

ところで今回は“時期的にも地理的にも比較的近い大会のTシャツにしよう”とみえ松阪マラソンTシャツを着て行ったのですが、飛騨牛の総本山に松阪牛を思わせる出で立ちで乗り込むとは、今思えば危険な行為でしたね。しかも三重県でもなく大阪から来ていて訳わかりませんし。それでもみえ松阪マラソン関係者の方に話しかけていただけることもあり、着て行った甲斐はありました。お肉の祭典衝撃の第一回大会の記事もありますので、よろしければ是非。

savarun.hatenablog.com

高山駅に到着後、まずは二日間お世話になるホテル花さんへ。分不相応に部屋が広いです。国分寺の真横というロケーションも素敵です。

注目の連結切り離し作業の瞬間です。

駅前から観光地としての力の入れ具合が違います。

この立地で二泊13,000円はかなりお手頃です。

まだ夕食を食べられるお店が開いていなかったこともあり、とりあえずパン活をしつつ街中を歩いてみました。飛騨牛にしてもスイーツにしても溢れる程お店があり、古い町並みは観光客が大量に行き来する様子を目の当たりにして、“ウルトラマラソンなんかやらなくても観光で潤っているのでは?”と思いました。

風情が至る所に。一部は金沢より混んでいたと思います。

駅からすぐのこまやパンさんではゴーダチーズクリームのみで我慢しました。他にも巡りたかったので。期待通りのチーズとパン生地のコラボで乙でした。

看板商品のミルクボールは売り切れっぽかったです。

ハイジさんでは飛騨ほうば味噌パンを選択。ピザパン仕立てですが、軽く温めていただいたところ、“これが朴葉味噌か!”という喜びがありました。葱やチーズとよく合っていて、人気なのも納得です。

今回のイチ押しです。顔嵌めパネルにかぶせてみました。

Monbilleさんではスイーツも気になるところですが、パン・オ・フリュイにしました。思ったよりドライフルーツがしっかり入っていてぺろりと食べてしまいました。朝まで取っておくことができませんでした。

ケーキも食べたいところです。

Bremenさんではカマンベールチーズのパン。ハムも入っていて塩味がよかったです。

地元のお客さんも予約したパンを取りに来られていました。

勿論飛騨高山らしくみたらし団子(みだらし団子)も売られていますので、おいしくいただきます。世間一般の甘辛たれではなく、醤油の香ばしさが特徴的でおいしいのです。

これはいっとかんと。

七色食堂さんは通常17:30開店ですが、この日はウルトラ参加者のために16:30から開けて下さっていたらしく、17時過ぎに入ることができました。こちらではチキン南蛮定食をチョイスしました。ボリュームもあり、素直においしいメニューでした。これで880円は安過ぎます。

次もここに来ようと思います。

ヤクルト村神様のサインまで。

驚いたことに、話しかけて下さった隣の席の男性が金沢から来られていたということで、大いに金沢の地元ネタや石川の大会の話で盛り上がりました。今年古稀、飛騨高山ウルトラは10回目、普段の工夫された練習等々何かとすご過ぎて、自分は30年後にはこんなに頑張れないと思いました。明日の健闘を誓って別れましたが、またどこかでお会いできるといいですね。まあ金沢の練習場所はよく分かる所なので、後は記憶が薄れさえしなければこちらで見つけられると思います。

さとう国分寺店などで牛乳、卵、チーズを仕入れて帰還。アミノ酸を飲んで20:30には消灯です。今回は走り自体に全くやる気がなかったので、動画や過去大会のブログをチェックすることすらなく、高低図とエイド一覧を印刷しておもてなし給食のメニューを書き込んで記憶したくらいです。大体15km, 40km, 50km, 60km, 90km辺りで上りそうだということと、おもてなし給食エイドが26km以降10kmごとにあるということだけインプットしておきました。

地元の牛乳は欠かさず買っておきます。

レース当日

レース前(ギリギリまで寝ても困らない完璧な運営)

あろうことか室温の設定をミスって夜中なかなか眠れず(暑かった)、更に早起きのプレッシャーから眠りも浅かったため、心拍数がいつもより高い数字でちょっと凹みます。それよりもこの数日痰が絡み易く、もしや例のあれかと心配したのですが(メンタル弱すぎ)、体温や倦怠感、寒気、咳、鼻水、味覚、嗅覚いずれも異常なしで練習もむしろ調子がいいので、問題のない可能性が相当高いと考えました。走っている時に痰が絡んでも、その辺に吐き捨てる野蛮な行為は絶対にしたくないので、とにかく込み上げて来ないかだけが不安でした。先に書いておくと、走っていてそのような状況に陥ることはなく、終わってもピンピンしていて翌日以降も何ら異常なしと、杞憂で済んでくれました。

それはさておき今回はギリギリまで寝てやろうという算段でしたので、3時起床です。多分4:30スタート組ではここまで寝ている人はあまりいないと思います。朝食は軽くでいいですし、装備も一式揃えてあって順番に身につけるだけですから、脳を休めた方がいいはずです。何が何でもトイレに行く必要がある身体でもないので、そっちも大丈夫です(最後まで異常なしでした)。更に高山駅からの距離とバスの充実ぶりを勘案して、“ギリギリに行って荷物を置いたら即スタートでよし”という作戦を採りました。

普段の遠征に輪をかけて簡素な朝食です。

期待通り4時過ぎに出たバスはものの10分で会場に着き完璧な導線に従って荷物を預けます。飛騨高山ビッグアリーナは立派ですね。スタート前にはエイドがあり、早くもモルテンやクエン酸コンクをボトルに詰められますし、カリフォルニアレーズンやパンまで用意されています。今回は練習のようなものですし、エネルギー切れなんてあり得ないのであまり食べなくていいやというくらいの軽い気持ちでした。

あっという間に会場着です。

全て準備してあれば荷物を置くだけです。

朝食はここで食べてもいいくらいです。

シューズはズームフライ5を選択しました。黒部名水マラソンで(タイムはともかく)あまりに全身へのダメージが少なかったので、“これはジョグペースで走るウルトラには持ってこいに違いない”と確信しました。結果として、脚や全身への負担の軽さは驚くべきもので、ウルトラとの相性は素晴らしいと思いました。予想外にアウトソールが削れてしまい、今後の起用法に迷いはしますが、まだいけるはずです。

使用前の御姿。

使用後の御姿。

持ち物は必携のマイカップとボトル以外は、アミノ酸粉を三つと、余っていたアミノバイタル赤、スポーツ羊羹くらいです。エイドも多いですし補給もできますので沢山持つ必要はありません。結局使いどころのないまま、何となく過去に買ったジェルが家に溜まっていきます。

やはりジェルは買わないようにします。余るので。

基本一日雨ですのでサンシェードはなし、キャップのみです。それ以外はいつものウルトラと同じです。タイツは日焼けが無くとも疲労軽減のために必ず履きます。ポンチョの類いはすぐに暑くなるので、豪雨か酷寒でない限りは私は使いません。スタート時には既に明るかったので、ヘッドライトは要らないと思います。

既にかなり明るくなっていました。

レース

序盤~前半
  • 序盤(古い町並みの風情を堪能)

まずは軽く上ってから下ります。最初は渋滞しますが、100kmで焦っても疲れるだけなのでピッチだけ気をつけて進みます。それでも1kmは6分くらいだったようですので、それなりに流れは速いものなんですね。

段々郊外の商業施設が増えてきたなと思っているうちにアンダーパスを潜って駅の東側に出ます。ここは中央の商店街になり、ああ昨日来た所だと分かります。こんなに早い時間なのに沢山の方が応援に駆けつけて下さり、嬉しい限りです。しかし光が十分でないのと雨できれいに撮れず悔やまれます。

まだ5時前ですよ。信じ難いくらい応援の方が沢山。

高山でも随一の観光地たる古い町並を走らせていただき、“こんな時間にこんな大勢でこんな観光名所を走らせていただいてよいのだろうか”と例によって心配していました。ご協力いただきありがとうございます。ここはもっと渋滞するものと思っていましたが、普通に流れていて少々意外に感じました。

もう完全に観光客です。

少し街中の坂道を上り、“市街地を離れると後は山だろうな”と思っていましたが、そこまでいきなり山奥に連れ去られるわけではなく、少し上ればすぐ休みという時間が続きます。

スタートから33分程で最初のエイドに着きました。マイカップ給水は、自分のように元々ウルトラで大いに止まるランナーなら全然問題ないなと確認します。急ぐ人は直進できるコース設計も親切です。折角なのでミニかすてらをいただきました。

エイドは最初から最後まで充実していました。

途中は歩道を通ることもそれなりにあり、特に前半は若干混むため、足元が見えにくく気を遣います。でもまあそういうものですので、とにかく気を付けるべきことは気を付けるというだけの話です。後はスピードが出にくかろうと他の人が不思議なフォームで走っていようと一向構わず、淡々と進むのがコツなのでしょう。

焦ってもいいことなんて何もないのがウルトラです。

10.6kmのエイドではブルーベリーをわざわざスプーンで適量取って下さり、衛生面や精神面でとても助かります。ここら辺から上りらしくなってきたと思います。10kmで57分4秒。まあこんなものでしょう。

ブルーベリーはこの先も度々いただきました。食べ易いので。
  • 前半①(15kmまで長めの坂)

この後、大体15kmくらいまでそれなりに長い上りが続きます。まだ始まったばかりなので全身の疲労もありませんし、息が乱れない程度の負荷で肘から先をやや鋭く、後ろに大きめに振ってピッチを維持します。そろそろ休みたいなと思う頃には下りに切り替わってくれました。ガーミンでは上りの最後の方で1km6分8秒の区間がありました。

騒ぐほどの長さではありません。

少し行けば広めのエイドがあります。ここは美女高原だったらしく、言われてみれば美女が多かった気がします(今の世の中ですので断っておきますが、勿論男性スタッフさんもおられました。美男美女高原でした)。今日はあまり食べ過ぎないようにと決めていたので、パンやローソンの袋菓子はスルーし、バナナをいただきました。食べやすくカットしていただいて感謝です。また、ここでは早くもコーラが登場しました(自らキャップを外して注ぐのは手間と判断して見送りましたが)。この1kmは6分47秒だったらしく(ガーミン調べ)、段々観光ランナーとして調子が出てきました。

下りなので多少休んでもタイムの辻褄が合います。

このエイドの後はしばらく下りのお休みタイムです。普通に下れば大体キロ5を切るくらいになると思います。余裕があるので写真でも撮りたいのですが、やはり画面に水滴が付くと操作が上手くいかなかったりしますし、水没して故障するリスクも考えるとチャレンジの回数は絞らざるを得ません。その分しっかり見ておくことにします。

かなり勢いよく下ることになります。

雨がまたいい雰囲気を醸し出します。

20.3kmのエイドでも余裕の給水です。ここはほぼ下っているだけなので何もしていないのにご褒美がもらえるラッキー区間といってよいでしょう。ラッキーついでにバウムクーヘンをいただいたと思います。

手厚い、ひたすら手厚いです。

20kmで1時間51分55秒。まあいつも通りです。それにしても雨で涼しくて楽です。

  • 前半②(よもぎうどんに火畑そば)

しばらくは雨と霧が醸し出すオーラを楽しみながら、概ねフラットな道を進みます。道の駅ひだ朝日村の前で少し信号待ちを挟み、エイド間は33分程でした。このエイドはおもてなし給食一発目ですから楽しみにしていました。

所々に寺社仏閣があるので、予習しておくべきでした。

まずはさくらんと食べ易いサイズのおにぎりをいただき、談笑してからよもぎうどん火畑そばを次々といただきます。高山に来たからにはお蕎麦をいただかなくてはなりません。麺のコシに香ばしさ、だしのうまみですっかり笑顔です。おとりよせも可能とのことで、蕎麦クラスタにはたまらないことでしょう。リアクションも見せ所なので、目を見開いて「めっちゃおいしいです!」と喜ぶなど思いの丈をぶつけます。

早くも天国のようなエイドに迎えられます。

全然尿意を感じていないものの、先を見越してここで常設トイレを使いました。大は数名並んでいましたが、小は待ち無しで快適でした。やはり常設は使い易いです。この1kmは8分40秒でした。意外と短かったなと思います。

エイドを出て少しの所でも甲冑で応援して下さる方がおられ、力をいただきます。遠くからも声援が聞こえてきますので、カメラを準備する余裕もあります。

あの声量を長時間維持するのは並大抵のことではありません。

この先また少し上りで、15分程で下りに切り替わります。このエリアでは朝日村の皆様のメッセージボードあちこちにあり、読んでいると結構面白いです。きれいには撮りにくかったのですが、大竹しのぶさんがロケで来たとか、ウルトラマンソン!といったやや謎のメッセージまで両サイドにちりばめられていて笑ったりします。

どれだけあるのかと思うくらい沢山でした。

30kmで2時間49分13秒と特に何事もなく、30.7km桑野ふれあい公園横エイドでもオレンジなどをいただきます。そのまま走り出そうかと思ったものの、ここに次来られるのはいつになるかも分からないなという気持ちに駆られ、立ち止まって(邪魔にならないようコースアウトして)風景を写真に収めていました。

エネルギー切れなどありえないでしょう。

一つ一つの景色が一生ものです。

この先はしばらく下り、スピードも出ます。雨の山は何とも言えない風情があります。手元33.33kmで3時間6分程。まあ普通です。

特に思う所はありません。
中盤
  • 中盤①(最高点へ)

全体の1/3くらい来た辺りからいよいよ最高点へと上り始めます。上り始めて程ないくらいで前から大量のランナーがやって来て何事かと思ったのですが、今見てみると一部71kmのランナーさんとすれ違うエリアがあったのですね。走っているとさっぱり分かりませんが、ついさっき通った道なのです。

大して困る程の上りではありません。

とりあえず上りがなかなか終わらんぞと思いつつもピッチを維持してえっちらおっちら上り(キロ5分30秒くらいは出ていたようです)、14分程で35.6kmの走り乃神社エイドに至りました。ここはおもてなし給食第2弾、地元の濃厚なトマトジュースリンゴジュースが食欲を刺激します。りんごげんこつも普通のお菓子かのような顔をして並んでいますが、がめつい私の目はごまかせません。地元の伝統的な駄菓子をここぞと味わいました。

お蕎麦に続いて果物というメニューがよいですね。

この先も上りが少し続きますが、15分も経たないうちにコース最高点の看板が見えてきますので、もうしばらくの辛抱です。斜度8%くらいなので、奈良マラソンでも登場するレベルだと思います。それでも上り切ると下りになるのでホッとします。

まあ走れる傾斜ですのでご安心ください。

下りはただただ休憩タイムです。

下りに切り替わって41.1kmのエイドでもしっかり給水して進みます。エイドを挟んでいることもあって下りでは心拍数も120台前半まで落ち、お休みモードです。40kmで3時間44分51秒。特に42.195kmの表示は無かったと思いますが、手元で大体3時間55分くらいでした。平常運転です。

お菓子も果物も必ず用意していただいています。
  • 中盤②(中間点からもいくらか上り)

これは晴れていたら絶景なんだろうなと思うような雄大な山々と、それを覆い隠す霧雨を前に下っていきます。

初見のコースですので写真も忘れてきょろきょろしていました。

しょっちゅう休んでいる気がしますが、おもてなし給食第3弾の岩滝公民館エイド(45.5km)にやって来ました。青柳ういろうforアスリートは白と桜の二種類あるのですが、いずれも食べ易く包装をはがして下さったので、映える写真を撮るべく努めます。端にあったさるぼぼクッキーも見落とすはずなく、地元のキャラクター(と軽々しく呼ぶにはあまりに伝統のある存在)にほっこりします。「大阪から来ました」とか「疲れるから拍手なんていいですよ、休んで休んで」とかだべってなかなか再出発しないので1kmに7分53秒かかっていたらしいですが、それがどうしたというのでしょう。

さるぼぼクッキーは一番奥です。

その後15分程はやや上ったと思います。上根方のバス停から下根方のバス停までは結構な下りでしたから、その前には当然相応に上っているはずです。下りに限りませんが、溝の金属蓋は滑るので、できるだけステップを合わせて踏まないように努力しました。ズームフライ5はグリップがいい方だと思うものの、それでもどうしてもツルっといきそうになり、ドキドキものです。注意したお陰で最後まで転倒や捻挫は無くてよかったです。

民家からの応援も多くて嬉しかったです。

50kmで4時間38分51秒。余力もあるので10時間は確実に切れると分かりました。実は50kmを過ぎてからもそれなりに長めの上りがあります。岩滝住民の皆様の横断幕を抜けて10分いかないくらいなので、まあ耐えられる長さと傾斜です。ビニールハウスが見えれば下りになります。時々「団地」という看板を見て、“この団地はいわゆるマンションが複数建っているあの団地のことではなく、ひょっとすると畑を指すのだろうか”などと考えていました。

この横断幕から少々上ります。

団地まで来ればこっちのものです。

53.4kmの農道途中空き地エイド(ストレートなお名前です)ではスプライトカップに注いでいただけたので、ビールでも飲むかのように「うまいっ!」とリアクションして笑っていただけました。ゼリーもいただけるとのことで、日本化学界の燦然たる歴史の申し子アリナミンゼリーをいただき、一気に飲み干します(ゴミをすぐに捨てたかったため)。チャージして元気に下ります。

若者の応援に未来を感じます。

数分行くとコース内唯一のトンネルらしいトンネルが。ここは涼しくて楽です。抜けてからは農道の途中にいくつも私設エイドを用意して下さっており、折角ですのでコーラをいただきました。地元のランクラの方々だと思いますが、見ず知らずのおじさんにもご親切にしていただきありがとうございます。

暑い日だったらここしか涼める場所はなさそうです。

しかしカメラに水滴が……。

おもてなし給食第4弾、目玉の丹生川支所は、その姿が見えてから地下道を潜り、Uターンして、奥の入口までこれでもかと焦らされます。金属蓋に注意するよう呼び掛けていただき、心を落ち着けてピットイン。トイレは入口側なので行きたい方は先に行くとよいでしょうね。私は食い意地が張っているので給水テント直行でしたが。

まずは水分を摂取しますが、しそジュースの甘さと微炭酸に元気が出ます。とにかく沢山用意して下さっているので、遠慮なくドーナツクリームパンもいただき、トマト素麺もがっつりいただきます。温かい素麺も用意できるとのことで、何と細やかなく配りかと感じ入ります。

一つでも逃そうものなら後悔に苛まれること間違いなしです。

更に醤油の香ばしいみたらし団子もおいしくいただいて、いよいよ飛騨牛との邂逅を果たします。ピントが合わないことも想定して何枚もその御姿を撮影してから口に含むと、蕩けるように消えていきました。脳も一緒に蕩けるかと思います。遥々走ってきてよかったと心から思う瞬間です。

香ばしくて最高でした。

こちらが夢にまで見た飛騨牛様です。

このエイドは本当に応援も多く、名前も読んでいただけたりしますので、ついつい長居してしまいます。ガーミンさん曰く10分29秒。これでも心を鬼にして急ぎで立ち去ったのですが。

入り浸ってしまいそうです。

60km手前くらいの、この視界が開ける景色は、この先も覚えていたいと感じたので、雨の中写真を撮りました。60kmで5時間39分31秒。なにもかもが余裕です。

すーっと下っていく先に広がる景色に心奪われました。

60km過ぎで着ぐるみの方もおられたのですが、カメラが上手く作動せず撮影は失敗に終わりました。無念。

温かい応援ありがとうございます。

少し行くと71kmは左折、100kmは右折の表示があり、右に進むとグッと傾斜がきつくなります。そこで“ここが千光寺か!エイドから意外に近いな”とようやく気付き、最初の方のコーナーは走ってみたものの、途中でこれは本番でも走らない傾斜だと判断し、歩きに切り替えました。ここは金沢で言えば野田山の一番急な部分を上回っていたと思います。

暇なので写真を撮る余裕もあります。

ここの歩きは日頃鍛えたトレッドミルでの健康ウォーキング(6km/hながら斜度15%)の力を見せつける場面です。実際明らかに周囲よりピッチが高く、テンポよく上っていけましたし、走れると判断した場面でもスムーズに切り替えられました。パワーウォークには角度が無さ過ぎるので、膝に手を置いても効果はないと思います。腕が邪魔なときは腰に手を当てる方法もありますが、これくらいの短時間なら腕を後ろの方で鋭く振ってピッチを上げた方が進むはずです。

歩きは歩きで面白かったです。奥が深いので。

歩きに切り替えて一つ発見したのは、やはりズームフライ5はとても柔らかいということでした。だからと言って歩きの邪魔になるわけではないのですが、“そりゃ足裏が痛くなったりしないわな”と感心しながら歩いていました。

歩きの時間は案外短く(ガーミンさんでは6分54秒、8分30秒、8分37秒の区間があり、階段やエイドを合わせてもそれ程長い時間ではないようです)、いきなり門が現れた感じです。それも横からなので“ん?”というような。

そして他の方々よろしく記念撮影をし、階段を上ります。階段段差もマイルドですし、段数自体がわずかですので、あっさり終わります那智大社のようなものを覚悟していた分、ここで終わりと知ってホッとしました。ここまで来たからには地元の方の定番遠足スポットの境内を撮影し、ドリンクやちいさなかすていらをいただき、また回復します。

ここまで来れば終わったようなものです。

階段の先には応援の皆様が。ありがとうございます。

下界の様子も想像します。

ドリンクもいただいて再出発です。

その先の林道は走れない程の下りではなく、ただ重力に任せて落ちていけば問題ないレベルでした。奥熊野いだ天ウルトラのように、“下りなのにふくらはぎや臀部が痛い”ということはありません。キロ4分50秒前後で快適に休めます。

走れる下りですので書き入れ時です(タイムの)。

65.8km下柏林道終点エイドでもレーズンをいただいたりとダラダラ過ごしました。「雨で大変ですね」「いえ涼しいので楽々です」という定番のやり取りで和みます。空いていたのでもう一回行っておくかと仮設のトイレを使い、やっぱり段差があると後半は難易度が上がるななどと考えていました。真面目に走るなら中盤に常設で一度だけにした方がよさそうです。この1kmで8分43秒かかっています。100kmなのでこんなものです。

皆様のお陰でまだまだ元気です。
後半~終盤
  • 後半①ボーナスステージ(国府B&G海洋センター)

しばし水田とごつめの山々を視界に進む気持ちのいいエリアです。この辺りは心拍数も120台ですから下りメインだったと思いますが、エイドではしっかり油を売っていますので全体のペースは速くありません。あんぱんやオレンジをいただきます。70kmで6時間46分4秒。特に深く考えていませんが、あと3時間くらいで終わるのか、楽だなというところです。

写真ではあまり伝わりませんので、是非現地へ。

心強い程のエイドです。

10kmごとの計測は贅沢ですね。

体感だけを頼りに進みます。

心拍数130前後、キロ5分10秒くらいで雨の中フラットな歩道を淡々と進むと、74.1kmの国府B&G海洋センター、すなわちおもてなし給食第5弾です。ここからは100kmランナーだけのボーナスのようなものですから、当然勧められるままに端から端までいただくことにします。まずはパインスティックをいただき、トロピカルな甘みにフレッシュな感覚を得ます。続いてジビエイノシシ冷しゃぶへ。こちらはくさみも硬さもなく、大変食べ易い逸品で大満足です。

さっぱりしたポン酢がまたよかったです。

更にはをいただき、山の幸に癒されたところで、山間部では貴重ではないかと思われる海の幸、飛騨とらふぐ唐揚げもいただきます。更に梨打ち汁(豚汁)は、程よい温度に調整していただいており、どこまで気が利いているのかと驚きます。熱いと火傷しますからね。大喜びでいただき、手を振って再出発です。

地元の名産品をいただけるのが嬉し過ぎです。

全てにおいて洗練されています。

ここも去るのが大変名残惜しいエイドです。

線路沿いを進んでいる辺りから微妙に上っている気がします。77kmかそこらで12時になり、町内放送で時刻を知ります。“そういえば隠岐の島ウルトラマラソンでもこうして途中でチャイムを聞いたなあ”と思い出していたりしました。ここで右折してから一度信号待ちがあり、他のランナーさんが“85km以降に二段階の上りがある”ということを仰っていて、なるほどそうなのかと貴重な情報をいただきました。

全体に、長時間の信号待ちはなかったと思います。

沿道の声援に「まだまだ余裕です~」などと応えながら77.9kmの村山公民館エイドへ。しっかり休んでさくらんをいただいたりします。当然ちゃんと走っている方に何度も置き去りにされますが、特に気にしません。

エイドでは交流を楽しむスタイルです。
  • 後半②じわじわ上る感じ

80kmで7時間46分23秒。遅いジョグをあと30分×4セットこなすだけで終わります。82.8kmのグリーン薬局前辺りでは、71mコースのフィニッシュが近いことを告げる距離表示が現れ、自分もあともうしばらくすれば終わりだなと思います。こちらでもオレンジを美味しくいただき、笑顔でお礼を言います。皆さん本当に一日応援して下さり感謝です。

どうやら終わりが

一度高架下で信号待ちを挟みます。歩道や農道を通る時間もほんの少し上っているのでしょうが、これくらいで終わるわけはありません。87.4kmのエイドからが本番です。ここで余っていたアミノバイタル粉も摂取しておきます。給水はガンガン飲み、レモネードパウンドケーキもいただきます。「サブ10いけるよ!」「まあいけるでしょうね」という緩いやり取りをしつつ出発です。

くっ、視界が。

この先を考えると、ここではしっかり休んだ方がいいと思います。
  • 終盤(最後の長い上り)

エイドを出て少し行くと、おそらく88.5kmくらいからだと思いますが、上りが続きます。いわて銀河のなめとこ山を思わせる光景ですが、終盤にある分こちらの方がきつく感じるかと思います。そしてある程度上ったなと思うところで応援があり、“そろそろ上り切ったかな”と右折するもまだ上りは終わりません。

確かに長く感じます。

採石場か埋め立て地かは分かりませんが、その手の景色になってようやく一瞬終わったかのように見せかけて90kmのマットを踏んでからもう一段上ります。90kmまでと90kmからの二段階と考えていいと思いますが、終盤ということもあってコース高低図以上にきつく感じると思います。90kmで8時間47分36秒でした。

90kmを過ぎてからが勝負です。

ここでも迷わず、走り続ける選択肢を採りました。だって富士登山競走の馬返しまでで歩けるわけなんてありませんから。ここまでそれなりに筋疲労が蓄積した状態で走ってきて、そこから更に走り続けてこそ練習の効果もあるはずです。そう、全ては富士登山競走のために。別に10時間切るだけなら歩いても間に合いますが、それでは目指すところには届かないのです。

キロ7かキロ8かも分からず、歩きと変わらないくらいの速度でも、どんなに遅かろうとも粘ると決めて腕を振ります。奥熊野いだ天の終盤で減速しながらも走り切った経験もあるので、この体感なら必ず終盤の余力を残して上り切れると分かりました。ここだけ妙にシリアスなことを書きましたが、どこかにそういう気持ちがあるから、まだやめられないのです。

ようやく上りも終了し、後はほぼ下るのみです。何となく頑張ったつもりでいましたが、90kmを過ぎてから最後の上りは5分程度ですので、冷静に考えれば大した長さではないのですね。まあ人間の記憶なんていい加減なものです。ガーミンさんでは6分16秒、6分33秒、6分55秒の区間がそれだと思います(6分55秒はエイド休憩込みのはずです)。

下りのありがたさを実感する時間です。

下りは休みですし、急いでも仕方ないので91kmのエイドでも名物は無いかなと物色し、サイダーは次ですよねといったやり取りを楽しみます。

91km以降三か所もエイドがあり助かります。

ちょっと行けばようやく最終のおもてなし給食エイドということで清見サイダーどぶ汁プチトマトに謁見します。いずれもおいしくいただき、“大阪人やからもらえるもんはもらうで”と残り距離も大して無いのにクエン酸コンクも補充して、楽しく再出発です。ここに来て1kmに7分11秒を要しており、特に戦意も見えません。95kmで9時間18分くらいです。

愛され続けて20年です。

後はしばらく下りで、信号待ちがあってから最後のエイドで水分をいただき、“今日一日ありがとうございました!”とお礼を言って締めに入ります。「残り2km!」「頑張って下さい!」と最後まで行く先々で応援していただけて嬉しい限りです。多少上がってキロ5を切るくらいで悠々と走ります。

最後の最後までありがとうございます。

すれ違う方も応援して下さります。感謝です。

ラストスパートもそれ程上げるわけでもなく、“71kmの方がいっぱいいるな~”とか考えていました。最後軽く上って左折して、スマホを出すか迷っているうちに終わりそうになったので、とりあえず四万十川桜マラソンと同じくダブルピースで締めておきました。

アフター

レース後

会場(出店も沢山!)

重みのあるメダルをかけていただき、楽しかったですとお礼をお伝えできました。こうして無事に帰って来られるのも偏に応援して下さる皆様のお陰です。余力があるので計測チップも自ら手早く外してお返ししました。散々お膳立てしていただいた状態で100km走っても偉くもなんともなく、支えて下さる皆様の方が大変なのですから、レース後こそ丁寧に振舞いたいと常々思っています。

すぐ先には果物クエン酸コンクが自由にいただけるよう、沢山準備していただき、とても助かります。ボディメンテゼリーもいただきました。ここですぐに補給できると後々違います。ポケットのアミノ酸も即摂取しました。階段を上って建物内で荷物をピックアップし、更衣室で手早く着替えます。外に出てからプロテインプロテインバー二本を摂り、一段落です。

屋台も出ているので当然スルーなどありえません。何はなくとも飛騨牛飛騨牛コロッケを食べないと始まりません。ブルーベリーケーキもいただき、どんどん元気になっていきます。帰り際では入浴剤と一緒に小学生の書いてくれたお手紙までいただき、本当に地域の皆様で歓迎して下さっているのだと改めて感じました。

心行くまで食べるとよろし。

本当に完成度の高い大会です。
高山市街地(長山さんとたかの湯さん)

あまりにあっさり終わってしまい温度差を感じたので、余韻に浸ることもなく早めに会場を後にしました。バスで高山駅まで送り届けていただき、宿でシャワーを浴びて道具を片付けてから、混む前に全てを終えるべく出発します。一応完走したので飛騨牛朴葉味噌焼きをと何軒か彷徨うも条件に合うお店が見つからず、“何だかんだでエイドと出店で飛騨牛は食べたし、平日昼なら空いているだろうから明日の方がベター”と判断し、普通の定食屋さんを探します。

実は結構歩き回りました。

長山さんはどうかなとドアを開けると店内が狭くて一瞬怯みましたが、まあ何とかなるだろうと日替わり定食を注文します。物理的に目の前で作って下さるという人見知りには些か困難な状況ではありましたが、ハンバーグは大きく、副菜もたっぷりでもう大満足でした。これで700円は今時安過ぎます。ごちそうさまでした。

大正解でした。

続いて少し距離のあるたかの湯さんへ向かいます。こちらでも完走を称えていただきありがたいことです。更に嬉しいことにこちらは露天風呂水風呂熱いお風呂が揃っていて交代浴も心行くまでできるという完璧な(しかもボディソープも備え付けという)銭湯で、もうこれ以上望むものはありません。ご褒美に飛騨牛乳を買って19時過ぎに帰還。宿のコインランドリーと乾燥機で洗濯を終え、振り返りもある程度まで済ませてから22:00には就寝です。

全てが揃う銭湯でした。

気持ちよくそぞろ歩きです。

飛騨牛乳は外せませんね。

今回は特にテーマも無く練習の一環で参加したこともあり、観光としては突き抜ける程楽しかったものの、実は100kmを走ったこと自体の達成感はほとんど無く、その事について悶々としながら寝た部分があります。“そりゃこれくらいの体感で走ればこれくらいの結果は出るに決まっているだろう”という、正にその通りになっただけで、走り自体の満足度は普段の2時間走とあまり変わりませんでした(繰り返しますが観光としての喜びは桁違いです)。それでもダメージの少なさは予想以上でしたし、それだけ自分の感覚が正確になってきたのは大きな進歩ですので、そこは前向きに捉えています。

翌日

市内観光①(城山公園と朝市のはしご)

5:30には外が明るくなっていたので自然に起きました。奥熊野いだ天より明らかに筋肉痛が軽度で、観光への期待が高まります。幸い雨も小休止だったのでいそいそと超スロージョグで出掛けます。観光地巡りは早朝が鉄則ですので、まだ人のいない古い町並や、ストレッチし過ぎな神様(そうではない)も存分に観賞できます。

走っている方はあまり見かけませんでした。

なかなか高山まで来る機会もないので、ここは少し行きにくい城山公園を目指すことにします。坂は途中から歩き、トレイルもシューズを庇いながら慎重に進みといった具合です。本丸跡まで上って情景を記憶したお陰で、後でVRで在りし日の姿を見た時にイメージでき、楽しさ倍増でした。

誰とも会いませんでしたが……。

中橋も堂々と渡れます。

高山に来たからには朝市を見逃す手はありません。まずは陣屋朝市に至り、あちこちから「昨日はお疲れ様でした」と優しい言葉をかけていただきます。こうしてお話ししながら買い物も楽しむのが伝統的な朝市の魅力だよなと思いながら、アップルパイえごまだれを買いました(漬物のように辛いものも、米や餅も食べる機会のない生活ですし、一人だと消費は困難なので正直買う物が無くて迷い所ですが)。井ノ口商店さんのおばあちゃんはとっても笑顔の素敵な方でした。

朝早くから楽しかったです。ありがとうございます。

高山にはもう一つ、宮川朝市もありますのでこちらも行くしかありません。高山でこれを食べずに帰る訳にはいかないあぶらえ五平餅もいただきました。朝には欠かせない牛乳も手に入り完璧です。お土産に塩こうじも買ったので、料理に活用したいです。朝市では「雨で大変だったでしょう」と皆様仰られ、それに「涼しくて助かるので、暑いより全然楽ですよ」と返すやり取りが常に発生しました。この辺りの感覚は走らないと分かりにくいかもしれません。

一般的には、参加者数や完走率、Tシャツのことを聞かれるということ、そのいずれも自分はよく知らない(前二者は調べてもおらず、Tシャツはあったか覚えていない)ということに思い至りましたが、時既に遅し。答えに詰まってしまいすみません。

こちらでも優しく声をかけていただき感謝です。

宿に戻ると朝食サービスがあったので、ゆで卵と牛乳にパンを追加していただきました。荷物をまとめて出発です。

卵があるのがありがたし。
市内観光②(高山陣屋、夢の飛騨牛朴葉味噌焼き)

9時過ぎに高山陣屋へ。全国に現存する唯一の郡代代官所とあらば歴史知識ゼロでも行くしかないでしょう。行けば何か確実に学べますし。役所・役宅、榑(くれ)板で葺かれた御蔵そのものが見ていて感心してばかりの歴史的建造物ですが、その中の展示も貴重な資料がめじろ押しで、なかなか出られませんでした。まだ静かな庭園に降り注ぐ細かな雨粒とその音が、とても印象に残っています。

どこまでも続くかと思うくらい見所だらけでした。

飛騨高山まちの博物館もどこまで続くのかと思う程の見所満載の展示で、今日一日で金森氏や高山の歴史について随分な教育を施されたと思います。館内は撮影禁止でしたが、集中して見ないと進みませんし、写真を撮っているのも馬鹿馬鹿しくなるくらいでした。円空の仏像を見るのは画像ではなくこの目です。というわけで、見られるだけ見て(ぶつぶつ言いながら)記憶したり、変わったところではVRで高山城を眺めたりして楽しみました。

全部回れば二時間コースとか。

11:20には遠征前から楽しみにしていた飛騨牛朴葉味噌焼きをいただこうと、みかどさんの前に立ちます。幸い行列ということもなく一番乗りでカウンターに通していただき、意気揚々と食い気味に注文します(もうちょい落ち着きなはれ)。少しして運ばれてきた飛騨牛の上には朴葉味噌が座を占めており、混ぜてから焼くように、焦げてきたら葉っぱごとお皿に下ろして、といった説明も真剣に聞きます。焼けるのを待っている時間も、香りを存分に吸い込んだり、お肉の様子をよく見たりと、大変幸せなものでした。

この時を待ちわびていました。

お味は言うまでもなく絶品で、こんなによいものをいただいてよいのだろうかと一枚ずつじっくりと噛み締めるばかりです。お肉そのものの味や柔らかさもさることながら、またこの朴葉味噌との相性が完璧で、これならご飯がいくらでも食べられます。高山に来てよかったです。

今写真を見ても、味も香りもありありと浮かんできます。

観光の手を緩める気はないので、まだまだ歩きます。櫻山八幡宮で昨日無事に完走させていただいたお礼をお伝えしたり、街中散策で高山祭りの屋台が収まっている建物に文化を感じ取ったりできました。真宗大谷派高山別院寺宝館の展示には、自分の生き方を省みるよう諭された気もします。

行くべき場所が多過ぎます。回り切れません。

お土産は丸愛さんで購入したところ、香ばしい椎茸茶を出していただいた上にランナーは一割引とのことで恐縮です。音羽堂さんでも味噌煎餅を一つ買っただけなのに飴までいただいてしまい、どれだけ皆様歓迎して下さるのかと思います。街歩き中も焼きたてのお煎餅(当然ながらあったかい)や豆乳プリン(豆乳!と分かるおいしさ)を食べ、これはどこまでも食べてしまう街だとよくわかりました。おいしいお店が次々に現れ、誘惑が強すぎますので。

びっくりするくらいの笑顔でご対応いただき恐縮です。

食べ歩きもキリがない程です。

飛騨国分寺とさるぼぼさんにもご挨拶です。

帰りは一日一便のみ高山から大阪直行の特急ひだ(15:34発)です。自由席7,920円乗り換えなしで楽々です。お土産と楽しい思い出を携え、飛騨牛乳シュークリームで遠征を締め括りました。

本当に来てよかったです。また来ます。

最後に

初めて参加させていただきましたが、“これぞ名高き飛騨高山ウルトラマラソン!”“これぞ天下の観光地飛騨高山!”と思い知ることばかりで、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。この日の為に準備を重ねていただき、当日も夜明け前から次の夜まで支えて下さる高山の皆様にはこの場を借りて改めてお礼をお伝えしたいと思います。

完成度が高く何ら不満も不安も感じない大会ですし、滞在中は街中で歓迎していただけますので、全国から何度も参加する人が続出するのも納得です。ここまでしていただかなくてもいいですよと何度思ったことか。それくらい素晴らしい街です。

今回の遠征で飛騨高山の魅力を全身で体感することができました。大会に関わって下さった皆様、素敵な時間を本当にありがとうございました!

ここまでご覧いただきありがとうございます。

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