いぶすき菜の花マラソンの疲労抜きと気分転換を兼ねて大阪から24kmに初参加でした。期待以上の南伊勢町の雄大な景色と親切な皆様のおもてなしを受けて楽しい時間を過ごさせていただきました。(一枚目の写真はロングコースでのみ行ける切原峠の先から望んだ五ヶ所湾です。3時間13分台でした。)
白滝エイドでは三種類のスープ(じゃがバター、ごぼう、玉葱)、ハッピーターン、チョコにみかんを食べまくる等楽しくて長居しましたが、それ以外のエイドでも南伊勢町の特産品であるみかんが必ず提供され、大量にごちそうになってしまいました。
気持ちよく走れるトレイルあり、歩かざるをえない急坂あり、かなりの集中力と的確な判断力が求められる下りあり(個人的にはトレイルシューズがおすすめです)と、トレイルの魅力、必要な要素を十全に備えた好大会です。制限時間はあるものの、本人に走る意思があればできるだけサポートするという緩さ、是非一人でも多くの参加者に笑顔で戻ってきてほしいという心意気が優しいですね。
その日のうちに大阪に帰れる距離ですし、関西圏在住でトレイルに出てみたいという方にはおすすめです。今回、景色も人も素晴らしい南伊勢町を訪れることができてよかったです。参加賞の鰹生節も最高です。南伊勢町の皆様、素敵な大会で歓迎していただきありがとうございました!
2020年の初走りとなったいぶすき菜の花マラソンも楽しい大会でしたので、ご覧いただけると嬉しいです。
前日(鵜方泊、横山展望台)
前日に受付を済ませておきたい気持ちもあったものの、バスの待ち時間等を考慮して断念、散髪、買い物、洗濯を優先させました。特にこの大会で記録を残すぞというつもりもありませんので、朝練、朝食、捕食も普通にこなします。普段馴染みのない近鉄特急に揺られて車窓からの眺めを楽しんだり、本を読んだりします。名張は意外と近いのかとか、多度山トレイルやみえ松阪マラソンにはここで乗り換えるのか、といった気付きがありました。
無事に今日のお宿に到着です。ステーションホテル鵜方さんは駅徒歩一分で必要なものも揃っています。一泊6050円はお得感があります。従業員さんも親切な方でした。ご家族で経営されているのかもしれません。これからもお元気でいて下さい。
折角ですので横山展望台までジョグで往復し、あご湾を一望してきました。夕暮れの限られた時間に訪れることができてよかったです。眼下に広がる眺望を前に翌日の伊勢志摩トレイルの無事を願いつつ深呼吸してきました。なお、ビジターセンターの上の坂はきつかったので上りは歩きです。(54分で7.7km程でした)
帰りは一気に日が暮れてしまい、山独特の怖さがありましたので、そそくさと下りました。足下が見えにくいとか気温が低いといった問題ではなく、闇自体への恐れといいますか、都会生活で鈍った野性では対処できない何かを感じませんか。私はこの手の暗さが苦手なのです。
18時過ぎにはおかやま食堂さんへ。若鳥ステーキ定食はジューシーな肉にデミグラスソースがよく合い、おいしかったです。選べるおかずはだし巻き玉子にしましたが、こちらもまたいい味でした。ボリュームも聞いていたとおりなかなかのもので嬉しいですね。ごちそうさまでした。お店は20時までですが、ラストオーダーは19時20分ですので注意が必要です。食器はカウンターに返却すると喜んでいただけます。(喫煙者不在でラッキーでした。)
デザートにチーズ三枚、地元三重県の大内山牛乳250ml程とメロンパンアイス、ナッツも数十g食べておきます。いくら頑張らないとはいえ一応大会に出て3時間くらいは動き続けるので、これくらいはいいでしょう。おいしくいただきました。
レース
レース前
装備は隠岐の島ウルトラTシャツ、能登和倉万葉の里マラソンキャップにアームスリーブ、武庫川ユリカモメウルトラリュック、神戸マラソン手袋、スポーツデポの短パン、いつのものか分からないミズノのタイツ、穴の空いたザムストソックスです。テーピングはニチバンです。シューズはミズノのダイチです、と言いますか、トレランシューズはこれしか持っていません。コースはかなり急な下りもありますので、トレランシューズが正解だったと思います。(ロード用のシューズを履いている方もおられましたが)
リュックのサイドポケット左側にはジップロックに入れた地図とスマホを押し込みましたが、嵩張ったため若干課題が残った感じです。右のファスナー付きポケットにはお菓子を入れました。落とさないようにとの考えです。また、今回は初めてゼッケンを胸ではなくリュックに付けてみましたが、これはこれでありだと思いました。ゼッケンピンが無くなるのではという懸念もなく、汗だくにもならないのはいい点です。脚に貼っている方もおられましたが、気になるのではと思ったためやめておきました。腰に留める形もいいのかもしれません。
持ち物もこんな具合で、完全なるピクニック気分です。超気楽。楽しみです。
鵜方駅7:11発→志摩磯部バスセンター7:44発→南勢小学校前で8:30の受付も余裕です。バスは交通系ICカードが使えて便利です。志摩磯部バスセンターにはファミマもあるので食料の調達もできます。
会場に着くや否や早速みかんや温かいお茶、フルグラ等をおいしくいただきました。みかんは剥いていただいたものも用意してあったのですが、そのまま持って行って後ででも食べて、とサービス精神旺盛です。
出店と受付のテントが並んでいます。受付ではマイカップを持参しているかの確認があります。そして参加賞の鰹生節がめっちゃうまそうでうれしみがあります。
役場はトイレもきれいで快適です。荷物預かりもスムーズです。一切ストレスなくスタートを迎えられることでしょう。
レース
コース紹介は公式ページが詳しいため、こちらもご覧いただけるとよいかと思います。
ロング24kmは獲得標高1024mとのことですので、大体 中能登トレジャートレイルの25kmと同じくらいです。こちらも記事を書いていますので、ご覧いただけると嬉しいです。タイムも大体似通ったものでした。ただし順位は今回の方が遅かったです。参加者全体のレベルが少し高いのかもしれません。
さて、無事にスタートして右折するといきなり走るには厳しい坂が待ち構えます。しかも渋滞しますので、早くも歩くことになります。まずは馬山を上ります。標高198mですのでそこまで辛いことはありません。上った先には早速五ヶ所湾の気持ちのいい姿が待ち受けます。
馬山の何が難しいかと言いますと、上りよりも下りでして、重心は前に置こうと意識したにも関わらずあえなく尻もちを着く形で転倒しました。こういう時に手袋をしておくと身を守ってくれますので、やはり装備は大事だなと実感します。トレイルは転倒してはならないというものではなく、転倒前提で準備しておくものだと思っています。次の切原浅間山(230m)は、石段の一段一段が大きく、脚の負担が大きいです。両手押しも使って歩いていましたが、途中で、「これは四つん這いでもよいのでは。富士登山競走でも終盤は四つん這いらしいし」と思ったため、腕も使って上ります。ここでも手袋をしていたお陰で躊躇いなくよじ登りを試すことができました。実際、脚を残せましたし、いい選択だったと思います。
石段もいつかは終わるので、楽しみつつ上ります。少し行くとようやく最初のエイド、浅間山エイドです。スタートから45分程かかりました。こちらで給水できますし、みかんが用意されていましたのでおいしくいただきました。シリアスランナーが多いのか、上りの遅れを取り戻すべくゼーゼー言いながらスルーしていく方も結構おられ、ゆっくりしていけばいいのに等と言いながら長居しました。ここにはまた戻ってきますので、お礼を言って再出発です。
この後は滑落しないよう身体を傾けながら進み、ショートコースとの分岐を過ぎると大広山です。エイドからは15分ほどでした。青空の下に広がる絶景を見られるのがトレイルの大きな楽しみの一つです。
この先は確か下りの舗装路がそれなりに続いたと思います。林道の下りは真ん中を通るという鏑木メソッドを思い出しながら、大股にならずに転がるようなイメージで進んでいきます。そこまで速く走る必要もないため、ダメージを最小限にできそうな走りを心がけます。フォアフットは変えずに、気持ちピッチ高めで細かく刻みます。
下った後は上りに切り替わり、ここで遠足気分で持参したスポーツ羊羹を食べました。カカオが濃い商品だったため、チョコ好きにはたまらない味でした。上りはジョグで上れる際はピッチを高めに保つこと、腿裏の力を使うことを意識します。歩きの際も一定のリズムを刻むように心掛けました。歩幅は狭くてもよいので、リズムリズムで上ってダメージを少なく済ませる作戦です。大股でのっしのっしと進むのは疲れが溜まります。
そうこうしているうちに浅間山エイドまで戻って来ることができました。またしてもみかんをおいしくいただきました。ありがとうございました。
休憩中に大量に抜かれましたが怯むことなくお礼を言って再度エイドを後にします。先ほど通った道を身体を傾けつつ進み、少し行くと分岐点です。こちらにもスタッフさんが立っていて下さるので迷うことはありません。ありがたいことです。
まずまずの下りでは、とにかく一歩一歩転倒しないように集中する必要があります。基本的にはへっぴり腰なのですが、重心は前にしつつのへっぴり腰で、かつピッチは高めに維持したフォアフットを心がけます。踵から行くと接地時間が長いため、足場が予想したものと異なった際にバランスを崩して怪我をするリスクが高いと思います。イメージ的にはスキーのような姿勢で、重心移動で下っていきます。走っていて、木の根が比較的多いコースだと感じました。足の置き場を選択するセンスが磨かれます。
一部はかなり急な下りでしたし、途中、滑りながらロープを掴む場面もありましたが、手袋のお陰でずるむけになることも避けられました。ただ、この日は鼻水が出ていた影響もあるのですが、涙もちょくちょく出ていて視界が悪かったため、なかなか思い切って踏み込めず、やや安全に蛇行しながら下る箇所も多かったです。やはりトレイルは目が大事と身を以て思い知りました。ともあれ、大きな怪我なく乗り切れたのはよかったです。
三分程下ると、おおよそ中間点の白滝エイドです。みかん以外の給食があるのはここだけです。こちらでは親切なエイドの皆様がしきりに勧めて下さりますので、みかんを皮きりに三種類のスープ(じゃがバター、ごぼう、玉葱)を全て味わい、「ハッピーターンあるよ!」「いや後で」というやりとりを数回繰り返したのちにハッピーターンをいただき、チョコ5つくらいを食べたにも関わらず更に「何個でも持って行って」と言われますので、ありがたく3つばかりリュックのポケットに入れました。楽しさに時を忘れ、少なくとも3分以上は滞在したようです。ごちそうさまでした。
この先でロードに出るのかと思いきや滝の方へとほんの少し下り、折り返してまた上るというある意味謎のコースとなっています。正解はおそらく、「コースアウトして白滝を見に行く」だったのでしょう。事前の調査が甘く、普通に折り返してしまいました……。しばしロードを進み、右折後一度軽く上ったらショートコースとの分岐点です。既に1時間54分ばかり経過していますので、一体自分は今日何時間かかってしまうのかと不安を感じながらも、いよいよコース最高点へと続く山道が始まるのかと少し気持ちも高まります。まずは切原登山口エイドにてみかんをいただきます。
ここから左手を上ります。この舗装路はまずまず急ですが、短いため走れる坂です。左に折れて階段を上るとトレイルに突入です。大体250m程上りますが、そこまで急ではありませんから、歩いている分には楽な部類です。ここではあまり手押しも使わなかったかと思います。できるだけピッチを維持することを意識して、疲れている方をパスしていきます。とはいえ、途中抜かれることもあり、まだまだだなと思い知る所もありました。
20分程歩き続けると切原峠CPです。おそらくここで振り返って写真を撮った方がよかったのでしょう。まだ先に少しの上りが続いたため、ここではゼッケンナンバーをコールして進みます。少し行った先に何となく頂上っぽい場所があったため写真を撮っておきましたが、ご覧の通り眺望は期待できません。
もうこの先いい景色には出会えないのかなと思いつつ尾根を進むと、急に視界が開ける場所が!スタッフさんも立っておられて、聞いてみるとここが最後の絶景スポットとのこと。迷わず止まって五ヶ所湾を眺め渡します。英虞湾はあの辺り、南伊勢は景色もいいが人もいい、といったことをお話ししながら、ゆったりとした時間を過ごします。トレイルは、自分がシリアスランナーでないこともありますが、こうした経験ができるのがたまらなく好きです。
少し行くと最高点の八大竜王、ここにもスタッフさんがおられ、ここからは下りですよと教えて下さります。鼻水を拭きながら自分としては悪くないスピードで下っていたのですが、やはり後ろから速い方が来られたので道を譲りました。少し前を先行させることで、その動きやステップの踏み方から自分が次に取るべき行動も予想できますし、コースの判断もしなくてよいため、トレイルではこの作戦はメリットが大きいと思いました。
途中ステップを誤り左足首を捻挫してもおかしくないような展開も二度ありましたが、そこはフォアフットの接地時間の短さとトレランシューズ、テーピングの力で無事に乗り切れました。少し前の自分であれば転倒して負傷していたことでしょう。
ともあれ、下りは終わりを告げ、再び切原峠登山口エイドでスタッフの男子高校生さんとみかんのお出迎えを受けます。焚火も暖かいです。
この先は来た道を戻るだけなので楽です。分岐点ではまたも応援していただけ、次のエイドまであと1kmくらいという情報を得ます。この区間は特に障害もないので軽く走って石標エイドに到着です。残り2km程度なので補給よりもタイムを重視して必死に駆けるシリアスランナーさんを尻目にガッツリ止まって補給です。先週はいぶすき菜の花マラソンでしたとお伝えすると驚いておられました。みかんは、剥いたものをいただいただけでなく、これ持って行ってと渡されたので、一つ丸々いただきました。
残りはロードが少し続くので、ビルドアップのイメージでレースペース少し手前くらいで走ります。これくらいのスピードでも疲れた周囲よりは速いので、その余力に沿道の方にも喜んでいただけました。このまま加速していこうと思ったところで最後に不整地と少しの階段があり、無事故を優先して安全走行を挟みます。
最後の最後は舗装路ですので、グッと下って左折、まだ先があるのかと右折したらもうゲートが見えておしまいで、もう少し加速したかったなあと思いつつキロ4くらいに上げて笑顔でフィニッシュです。
アフター
ふるまいではカルビーさんのフルグラは二袋、お味噌汁に伊勢茶、みかんもいただけてなかなかの嬉しさです。
テーピングは愛用のニューハレ、団子は初めて見たので買ってみました。どうせならわざわざ大会に協力して下さるお店で買いたいところです。多度山トレイルも実行委員会メンバーとのことですので、四月にもお会いできそうです。三重とこわか国体テントではバッジがもらえるため、手裏剣を選びました。
終了後はプロテイン、プロテインバー一本、ナッツを数つまみと、エイドでいただいたみかん、チョコを二つ食べきりました。着替え後、バスに乗るまでに先程のお味噌汁、豚カルビ串とシリアル試食、みかんジュース一本、水500ml、プロテインバーもう一本追加です。これで回復には丁度よいくらいかと思います。
帰りは南勢小学校前から13:39発志摩磯部行きに乗れば上本町に16:34には着けます。なお、志摩磯部駅でお土産を買うことは不可能ですので、会場でみかんやあおさ等を買い込んでおきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。こうして振り返っていて、普段なかなか過ごせない空気に浸れた喜びを再燃させている次第です。トレイルは大会に出るのが一番(コースも整備、マーキングされた上に、スタッフの皆様や他のランナーの力も借りられますので。)なのですが、こうして初めての土地と合わせての旅にできると楽しくて仕方ありませんね。まだまだいくらでも大会に出たいという意欲が止めどなく湧いてきます。
南伊勢町の皆様、寒い冬の日にも関わらず、温かい笑顔と食べ物、そして応援で歓迎していただきありがとうございました!