蜃気楼の発生確率が高いとされる4月下旬に開催して下さる老舗大会ですので、気にならないわけがありません。“蜃気楼を見せるぞ”という魚津の皆様の呼びかけに応えてほいほいやってきました。ミラたんも元気よく走っていますし。
www.uozu-shinkirou-marathon.jp
肝心の蜃気楼ですが、残念ながら出現しませんでした。春の蜃気楼は、晴れ、気温上昇、穏やかな風という条件が揃っていると生じやすいとのことで、当日の出現確率は40%と表示されていましたが、そう思う通りにはいかないものです。これでこそ希少価値があり、出会えた時の喜びも一層増すというものでしょう。
コースは基本フラットで走り易いですし、何と言ってもしんきろうロードからの富山湾の眺めと立山連峰の迫力が素晴らしいです。「海と山しかないです」という自虐とも自信とも取れるキャッチコピー(※この後に「だから美味しい」、「だから美しい」と続きます)が冴えますが、ハーフのコースもこの両雄に挟まれた魚津ならではの道のりです。予想通り日陰はほぼありませんので暑さは感じますが、風はまだ心地よく、給水も多いので大丈夫だと思います。
走りは何故か調子が上がらなかったため(ヒント:ここ二週間の出来事)、ある程度流れに任せて走り、疲れたらジョグにするくらいのつもりで臨み、現にそうなりました。ハーフに適した動きが全然できません(面白いくらい何もできないので、ご興味のある方はお試し下さい)。そんな中でも、温かな応援の声をいただき、本当にありがとうございました。
(1時間31分台、164bpm, 194spm, ストライド1.19m, 上下動比4.9%, 上下動6.1cm, 左右接地時間バランス49.1%:50.9%, 接地時間244ms)
楽しみにしていた魚津名物バイ飯を食べ損ないましたが、レンタサイクル(みらくる)でしんきろうロードと立山連峰を楽しむという、魚津でしかできない極上の体験もできました。魚津埋没林博物館では、自然の驚異と地球の歴史の長さを感じられます。蜃気楼こそ見えませんでしたが、ミラたんには何度も遭遇しましたし、大会役員さんやお店の方ともお話しできたりと楽しい時間を過ごさせていただきました。
魚津の皆様、昭和56年から続くこの大会を支えていただき、また、魚津の自然も楽しませていただきありがとうございました!他にも名所を回りたいですし、一度は蜃気楼を見ないと悔いが残りますので、またこの魚津の地を楽しみにきたいと思います。
プログラムの作りといい、コースや会場の空気といい、黒部名水マラソンと似ていることも多いと感じました(お隣なのでそりゃそうですよね)。絶対的な存在ですので、今年も迷わず参加します。
富山マラソンにもエントリー済みです。昨年はどうしても下関海響に参加したくて一服しましたが、2021年、2022年とお世話になっています。
続きのページには、レースの話を少々と魚津観光の話をもりもりと綴っています。コメント、スター、↓のバナーなど、何でもよいので反応をいただけることを、埋没した原生林の根のようにじっと待っています。何年後でも大歓迎です。
次回予告は、“貴方のメガネもこの街で”です。
前日(金沢に宿泊)
金沢への移動
ハーフはそんなに長い時間ではありませんし、タイムを狙う気も無いので、朝食は普段通りです。卵、豚肩ロース、ごぼう、人参、しめじ、小松菜を炒めてオイスターソースを絡めました。
大阪に居る時間は限られているので、Yシャツ他をクリーニングに出し、ゼビオでソックスと特売のナイキフリーを買い(更にふくい桜マラソンでもらった10%割引券発動)、普段やらない排水パイプやベランダもいくらか掃除するなど、慌ただしく過ごします。
17:40大阪発→19:00敦賀着(サンダーバード)、19:09敦賀発→19:52金沢着(北陸新幹線)で移動です。ゴールデンウィークのはぴらいんは絶対に回避したかったので、このルートにしました。Web早得14なら7,980円なので許容範囲です。
北陸新幹線を使ってはぴらいんを回避するのは、マリオで言えば土管をくぐってワープしたり、笛を吹いて雲に乗ったりするようなものです。パックンフラワーの上を走るような面は何機あっても足りません。次は別の乗り換えも試してみます。
しかし冷静に考えると2時間12分はかなり早いですね。マラソンだとかなりのトップ選手です。かつてのサンダーバード直通は2時間40分弱がベストで、それでもとてつもないレベルの市民ランナーだと思ったものです。なお、今回のサンダーバードはガラガラで快適でした。
サンダーバードは6号車がエスカレーターに一番近いようです。乗り換え9分は普通に行けば問題ありませんが、駅の隅にあるきれいなトイレを利用しているとギリギリになりそうです。
移動中の読書は、ブルーバックスの『フォッサマグナ』でした(再読)。地学も面白いのですが、すぐに忘れるので。日本列島の真ん中を貫く大地溝帯の謎を考察する内容で、とても読み易いのもありがたいです。
金沢にて
とりあえず駅の100番マート(20:30閉店)でご当地牛乳とヨーグルトを調達します。そして、折角なので誰もが気になる金沢カレーを食べることにします。住んでいると自炊してしまって外食の機会はほとんどないので、このチャンスを活用するとしましょう。
というわけで駅(あんと)のゴーゴーカレーさんへ。定番のロースカツカレーにしました。金属のお皿とフォーク、そしてこの濃厚なルーにキャベツ。これでこそ金沢カレーです。金沢名物は多々あり、観光客も半金沢民もどれにしようか迷い所です。
更に&sandさんのカツタマサンドも思い切りいただき満足です。カツもさることながら卵が分厚くて素晴らしいです。お店にも行ってみたくなりました。これだけ食べられればフルだって走れます。
バスで移動し、銭湯で疲れを取り、明日の準備をしてから0時過ぎ頃に消灯です。
レース当日
レース前
金沢から魚津まで
5:45起床です。普通に眠れました。やはり夜は静かですし、レースに対するプレッシャーも全くないのが大きいのでしょう。
朝食は、ジャーマンベーカリーさんのスイートチョコロール。ジュワッと甘みが滲み出ます。おかずは卵とチーズ、牛乳の定番メニューです。
到着後に慌てるのは嫌なので、いつも通り着替えも済ませておきます。振り返ってみるとそれなりに余裕のあるスケジュールでしたので、現地でも大抵のことはできます。男性更衣室のスペースは不足している気がしましたが、私が見つけられなかっただけかもしれません。
ふくい桜マラソンの朝はバスのダイヤ変更に冷や汗をかきましたが、今日は6:40発のバスでよいので余裕があります。富山方面への移動はこれまでのノウハウを信じてよいようなので、黒部や富山など他の大会も安心です。
7:16金沢発→8:47魚津着の在来線に乗ります。余裕で座れて快適です。津幡から高岡まではほとんど寝ていました。その先は本を読んだりぼんやりしているうちに到着しました。
魚津到着後
実は魚津に来るのは人生二度目です。2016年に黒部名水マラソンに参加した際、宿をどこに取るべきかわからずとりあえず宿泊したのが魚津でした。しかしただ泊まっただけですので、観光などは一切できず、実際初上陸と言っても過言ではありません。
魚津駅から会場のありそドームまでは直線距離ならすぐのはずですが、線路を潜る必要があり、一筋縄ではいきません。近いと見せかけて遠い、蜃気楼みたいなものなのでしょう。周囲の流れに乗っていけば迷わないので大丈夫です。
ありそドームは立派です。やはり黒部と通じるものがあります。ハーフは9:50スタートなのでのんびりしたものです。二階席に荷物を置き、シューズを履き替えて準備します。後で思い知ったのですが、ここで胸にワセリンをたっぷり塗っておくべきでした。
貴重品も預かってもらえて助かります。観客席の荷物は、後で見つけやすいよう、目立つ袋に入れておくとよいでしょう。
スタートへと向かう途中にも給水があり、暑さ対策に力を入れておられるのが分かります。陸連登録をしているというだけで?Aブロックです。ものすごく前の方です。整列も余裕があるので、美しく透き通る富山湾を前に動的ストレッチを行うという恩恵に浴します。今日は波も穏やかです。
少し後ろには1時間30分のぺーサーさんがおられたので、“流れに任せつつも、できれば追いつかれずに済ませたいな”と考えていました。
スタート前の注意事項は、頻りにナンバーカードがよく見えるようにと注意を促す内容が印象に残っています。ここまで徹底してナンバーカードのことを伝える大会はあまり思い浮かびません。真面目な大会なのだと思いました。
【ちょっと真面目な話】
練習・回復具合
旅行記と共に“どれくらい詰め込んだらパフォーマンスがどうなるのか”を若手芸人並みに身体を張って試すおじさんですので、書いておきます。奥熊野いだ天100kmの後は、次の通りでした。
月曜:観光スロージョグ、熊野詣(歩き)
火水:オフ(火曜には腹筋が概ね癒え、水曜には腿前以外気にならず)
木曜:スロージョグ38分(5.1km)、途中懸垂逆上がり3本(この日にはグッと力を入れられるようになる)
金曜:朝有酸素ジョグ63分(12km)、夜健康ウォーキング60分(15%, 6km/h 前回よりきつい印象)
土曜:スロージョグ60分(8km)、途中懸垂逆上がり5本+懸垂少し
ハーフを走ってみた実感としては、やはり自覚できない疲労が心身にあると認めざるをえませんでした。フル、100kmとの連戦というのもありますが、100kmの翌週に速い動きはできません。2019年(白山白川郷ウルトラの翌週)は朝倉トレイルのショートだったので歩き放題でしたが。
ハーフを走るという短期的な視点でいうと、金曜はレース直前としては量が多過ぎますし、土曜の鉄棒は腹筋と広背筋に筋肉痛を残す結果となったので、ダメダメなメニューです。しかし長期的にはこれでよいのです。
装備
シューズは、お正月に買ったタクミセン9です。青学カラーです。初めてのシューズで一度の試走もせずに(言うまでもなく下ろし立て)起用するのもどうかと思いましたが、どうせ速く走る体力もないので、フィッティングのチャンスということにしました。本当はタビオの五本指ソックスも試したかったのですが、ゼビオには丁度よいサイズが見当たらずでした。
上はふくい桜マラソンTシャツにしました。シューズの緑と合うのか少し迷いましたが、葉桜ということにして自分を納得させます。これで大迫傑選手気分です(勘違いも甚だしい)。
他はいつも通りの白キャップ、TIGORAマルチポケットパンツ、ザムストソックスです。テーピングはケチってニチバンです。補給食は不要なので、終了直後の回復用粉末以外は手ぶらです。
レース
序盤~前半
とりあえず周囲の流れに合わせて進んでいきます。入りは4分3秒で、感覚的にも“閾値走よりは楽だがフルマラソンよりは速い”という具合だったので、この感覚で行けるところまで行こうと考えました。
しんきろうロードはとても気持ちのよい景色が広がっており、“蜃気楼が見えないかな”と左手をちらちら見ながら走っていきます。当然日陰などあるわけないのですが、穏やかな向かい風はまだ涼しい空気も含んでいて、身体を冷やしてくれました。
実は細かな窪みがあったりして、あまりぼんやりしているとバランスを崩します。
漁港を過ぎて3kmで右折すると、向かう先には立山連峰が。流石は富山県東部です。普段どんなに写真や動画を見たところで絶対に感じ取れないものに出会えるのが地方遠征の醍醐味です。スケールも違えば色も空気も何もかも段違いです。
最初の給水の後のゴミ箱は、歩道の上にあったと思うのですが、道路端の傾斜があるため近づくと捻挫の危険を感じました。少し離れたところから走る速度と風を念頭にシュートし、うまく収めることができました。
更に右折してから第一折り返し地点を目指します。途中辻わくわくランドもあり、“後でどの温泉に行こうかな”と考えながら走っていきます。6.9kmの折り返しまでは緩やか~に上っていたようです。ラップもやや落ち気味です。7kmで29分程。まあ悪くありません。
中盤
折り返してから緩やか~に下っていたためか、ラップも少し盛り返しています。
中間点では44分02秒だったようで、状態の割には悪くありません。残りをマラソンペースで行っても1時間半には収まるのだと思いましたが、どうもこの辺りではきつさを感じました。呼吸も浅いですし、このまま続けるのは難しい気もしました。
左折してしんきろうロードを進みつつ、“確かに落ちてはいるけど、まあ周囲とそれ程離されているわけでもないし、14kmあるいは60分を目安にそこそこのスピードで走れれば負荷として十分だな”と考えていました。
楽ではありませんでしたが、富山湾の景色に加え、沿道の声も励みになりました。こういうところも、黒部を思い出す場面です。笑顔での応援は本当に嬉しいものです。ありがとうございます。
後半~終盤
左折してありそドーム前で14km、あと30分くらいですが、粘れる気がしません。右折して少し行ったところで1時間30分のペーサーさんに追いつかれ、もういいかなという感じになりました。
実際はお二人おられるペーサーさんのうち前の方はかなり貯金を作っておられ、後ろの方が割とギリギリのラインを走っていたのだと思います。後ろの方は、何度も“まだ30秒程余裕あります!90分切れますよ!”と励まして下さったのですが、申し訳ないことに諸事情で全く粘れる気がしませんので、その声にお応えすることもできず離れていきました。
百戦錬磨で今更負け星が増えようがどうということのない私ですから、(野心的な選手のように)“ここから何らかの手立てを打ってタイムを戻そう”とは考えず、“ジョグで心拍数を落として安全に終わろう”というモードに入っていました。ガーミンさんのペースも15km以降、4:28, 4:24, 4:33,4:55, 4:53, 4:50と推移しており、心拍数も170, 168, 166, 163, 161, 163となっています。
ハーフは(多分)この9年で10本しか出ておらず、100km超より本数が少ない上に疎らなので、“このペースで行ったら数分後にはどうなるか”が体感として全然わかりません。“フルより遅いのに何かしんどい”という状態で、珍しく、“早く終わってほしい”という思いも去来しました。
そこまで暑くはないはずですが、何せ身体が動かないのでなす術がありません。言い訳が頭に浮かんだ時点で負けです。行ける時は不安など一切湧きませんから。でもまあ、スロースターターの自分としては、体調に合わないペースで入り、潰れつつ走るという久々の経験も今後に活きそうです。
ミラージュランドの大観覧車を見ながら折り返し、無理のない範囲でジョグをしていると、沿道から“ふくいマラソン頑張れ!”という声援もいただき、この目立つTシャツでよかったと思いました。
この大会は最後まで給水が多くて助かります。全部で6か所あったと思います。毎回ありがたくいただき、お陰で回復できました。
フルの半分ですから、最後くらいは上げればよさそうなものですが、人間の脳の中には仕切りや引き出しがたっぷりついていて、この展開だとニューロンがつながりません。フルなら“2.195kmを9分切るくらいで”と加速できるのですが、今日は同じ距離に大サービスで10分以上かかっています。1kmだけはわずかにリズムを戻して4:27になったのと最後20mくらいダッシュに付き合ったくらいで終わりです。
アフター
会場
よく冷えたパウチのアクエリアスをいただき、すぐに飲み干します。回復のためアミノプロテインとアミノバイタル粉も摂取しておきます。
着替えの際に気づいたのですが、乳首が擦れて出血、大切なふくい桜マラソンTシャツが汚れてしまいました。急いで可能な限り拭き取りましたが、どれくらい落ちましたかね。元がピンクなので、目立ちにくいとは思いますが。Tシャツで長時間走るのはせいぜいジョグペースなので、新たな教訓を得ました。ちなみに着替えのスペースはあまりないので、下はトイレで着替えました。
タクミセン9さんはハーフを走っただけなので特に削れてはいません。踵部が一部減っているのは、おそらく窪みに脚を取られかけた際のものかと思います。ピッチは出そうかつレスポンスもよいので自分好みのはずですが、相性はこれから見ていきたいところです。現在多用しているマジックスピードさんも、最初に閾値走に使った時はうまく走れませんでしたし。
ありそドームには展望タワーがありますので、上らない手はありません。何とかと煙は高い所が好きなのです(高所恐怖症ですが、足元がしっかりしていれば大丈夫です)。三階までエレベーターで一気に運ばれ、フロアへ出ると右に立山連峰、左に富山湾という絶景が。これまた魚津のすごさを見せつけられました。
割とガチめの大会ということもあって出店は多くはありませんでしたが、それでもかき氷や唐揚げ、白エビのどんどん焼きなどは揃っていて、ご家族連れでも楽しめそうです。
会場からの移動中、コースの撤収をされている役員さんにご挨拶をすると、“色々な大会に出ておられるんですか?”とご質問いただいたので、ここぞとばかりに“先週100kmでその前はフルでした”、“昨年はフル18本でした”といったお話をさせていただき、面白がっていただけました。“来月は黒部です”ともお伝えし、応援の言葉もいただきましたので、何とかもう少しくらいは良い走りをしたいところです(しかし日程的にはまたも過密……。)
魚津観光
海の駅しんきろう
喜見城(きけんじょう)さんにてバイ飯を!と意気込んだのですが、地震の影響でバイ貝の収穫量が落ちているため、現在バイ飯はお休み中とのことでした。
泣いてもバイ飯にありつける訳でもなし、ここは冷静にしんきろうソフトを購入して、蜃気楼展望スポットから海の向こうを見ながらいただきました。蜃気楼は見えていないのですが、想像力を思い切り羽ばたかせれば、あるいは見えたのかもしれません。
売店で申し込み、レンタサイクル(みらくる)をお借りします。電動アシスト付きながら4時間以内は300円、ただ同然です。
サイクリング
まずはしんきろうロードを自転車でのんびり走ります。左手に広がる富山湾があまりに美しく、吹いてくる風も心地よいので、写真を撮ることもなくただ喜びながら走行していました。
この後も走っている中で、立山連峰に圧倒される時間が続きました。自転車は目的地までの移動手段に過ぎないと軽視してしまいがちですが、ここ富山ではサイクリング自体がとてつもなく楽しいイベントになるのです。そういうことにも、現地に来てみて初めて気づいたりします。
パン活:L'arbreさん
昔の人は言いました。“バイ飯がなければパンを食べればいいじゃない”と(何もかもが間違っています)。日曜営業のお店が少ないというトラップがありながらも、お洒落なL'arbre(ラルブル)さんに辿り着けてよかったです。
ベーコンエッグパンは見た目と栄養に惹かれて見逃せず、彩り野菜ボロネーゼはアスパラの風味がよかったです。カマンベールは割ってみるとたっぷりのチーズが入っていて大満足です。スイーツもおいしそうで、一度では味わい尽くせません。
金太郎温泉さん(カルナの館)
参加者特典で割引券(3時間で1,100円→600円)が付いていたので、少し遠いものの行ってきました。お風呂の種類が多く、大露天風呂、ジェットバス、打たせ湯、健康道場、水風呂と入れるだけ入ってきました。硫黄の香りも強めで、その場では“今温泉にいるぞ”という気持ちが強まり、後では“さっき温泉に行ったんだ”という実感が湧きます。
魚津市埋没林博物館
あまり時間はなかったのですが、こちらも入館料が半額(640円→320円)ということでお邪魔しました。その土地の成り立ちや自然を知ることのできる展示は、たとえ短い時間でも訪れる価値があります。都会でスマホの画面を見ているより、悠久の時の生き証人を目の当たりにする方が感じるものと残るものは多いです。
この埋没林は、河川氾濫と海面上昇が合わさり埋没したスギ原生林の跡なのですが、原生林は2,000年以上前に存在していたとのことです。出土した状態そのままに、地下水を満たして保存されており、地下の窓からは全反射による逆さ根っこが見られます。
乾燥展示もあり、ものによっては触ってもよいとのことでしたが、ビビりの私は何か間違いがあってはいけないからと触れることはせず、凝視に止めました。倒れた幹の上に根っこができたことで残ったものもありました。とにかくでかく、自然の驚異に圧倒されます。
展望台からの立山連峰と富山湾はまた美しく、今日何度目かと思う“うわぁ……。”という声も漏れました。
帰路
海の駅しんきろうで自転車をお返しし、おなじみのこしひかり最中や、魚津の名産であるリンゴのドライフルーツなどを買って駅まで歩きます。遠回りする必要があり、結構時間がかかりますので、電車の時間は要注意です。
駅前のミラマルシェさんでもりんごの里とミラたんクリアファイルを買ったのですが、お店の方によると蜃気楼はそんなにうまいこと見えるものでもないとのことで、地元の方でもそうであればゲストの私が見えずとも仕方ないと得心しました。こちらでも色々お話しできて楽しかったです。
しんきろうが見えなかった代わりに、ミラたんは街中で見ることができたのでよかったです(かまぼこまで)。マラソン大会のプログラムでここまでご当地キャラが前面に出るのは、和倉温泉わくたまくんとミラたんくらいではないでしょうか。これからも頑張って下さい。
魚津水族館やミラージュランド、米騒動発祥の地など、まだまだ行くべき場所はあったのですが、どう考えても時間切れです。後泊すればいくらかは回れそうですが、魚津も広いですね。また次回のお楽しみにしましょう。
帰りは17:54魚津発→19:43金沢着の在来線でした。福井・石川間とは異なり、在来線が機能しているのがありがたいです。やはり4両編成の威力は違います。2両すし詰めで乗れない人すら出るはぴらいんも、そのうち何とかなりますように。
帰りに100番マートで買ったヒラメのお造り(富山産)と簡単な豚バラの水炊き、ひきわり納豆などを食べて一日を締め括ります。外にいる時間が長くて疲れたこともあり、夜はぐっすり眠れました。
翌日(能登物産展@金沢駅)
スロージョグで気分転換しつつ、金沢駅の能登物産展へ。能登和倉万葉の里マラソンTシャツとキャップを着用し、七尾や輪島朝市の出店者さんとお話ししつつ、能登の逸品を選びました。
粟津屋さんの能登塩豆大福は見るからに大きく、持つとずっしりしています。能登の塩が味を引き締めると共に甘みを強め、みっちり詰まった餡との相性が見事でした。
gyokatsu〇さんのたまごサンドは、惜しみなく卵を使った分厚いだし巻きが挟まれていて、こちらも大変おいしくいただきました。漁のできない時期は朝市でサンドイッチを販売しておられるとのことで、現地に行った際にはまたお邪魔したいと思いました。
東京八重洲では品切れだったわじまの塩も買えましたし、輪島塗のスプーンはヨーグルトを優雅に食べるために使います。いわずみワッフルは金沢でも人気のスイーツです。味も迷いましたが、柳田のブルーベリーにしました。
物を買って支援するのも大事ですが、それに加えて、実際に応援している人が目の前にいるということが力になるはずです。多分、他のお客さんもそう思っていたのでしょう、活気があり、会話も多かったです。できることを続けるのが大事です。
更にせせらぎ通りには能登ミルクジェラートさんが最近お店を出された(旧オヨヨ書店さんの場所)とのことで、こちらにも寄って能登ミルクと能登大納言のジェラートをおいしくいただきました。この日はウォークイベントも開催されており、街中に人が多く、お隣のひらみぱんさんと共に大盛況でした。
魚津での楽しい思い出に金沢での時間も合わせ、また次に向かって元気に進んでいこうと思います。
最後に
今年は日程が合ったこともあり(なお、体調のことは考えないものとします)、伝統の大会に参加してみたいという気持ちからエントリーを決めました。西に富山湾、東に立山連峰という二枚看板を有する独特の地形だからこそ紡がれてきた自然と、そこで44回も大会を続けて来られた魚津の皆様の誇りと優しさを感じられる素敵な機会となりました。
大規模フルマラソンのようにいかにも観光客を意識した大会も楽しいのですが、私はこうした地方の伝統的な大会に紛れ込んで、その土地の空気を楽しむのもまた好きです。ハーフマラソンはそういう良さを残しやすいのかもしれません。
大会参加はタイムを狙うのもよいですが、時には初めての土地を訪れること自体を最大の目的にするのも、旅ランの魅力の一つだなと改めて思いました。“見栄えを気にしたり変なプライドがあったりするせいで折角の大会を楽しめないのは惜しい”とわかったのは、魚津の皆様の温かな笑顔と“また来てね”という言葉のお陰だと思います。
魚津の皆様、この度は素敵な時間を過ごさせていただきありがとうございました!また蜃気楼とミラたんを見られる日が来るよう、元気に走っていきたいと思います。
ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。