ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第24回奥熊野いだ天ウルトラマラソン(2024/4/21) 雨でも最高の奥熊野!この歓びを知らずには生きられない!

この大会はやっぱり何度出ても心に沁みますね。今年は雨の大会となり(何と14年ぶりとのことです)、いつも以上に那智勝浦の皆様のご負担は大きかったことと思います。それでもあれだけの方が長時間、心のこもった応援・エイド・運営で支えて下さることには、感謝してもし切れません。皆様の応援にどれ程力をいただいたことか。

okukumano.com

私もこれまで以上に皆様との交流を重視し、エイドでも沢山写真を撮ったり、長居して前回大会のことも含めて色々とお話ししたり(ナンバーカードのメッセージを前に着けることでブログをアピールしたり)、胃袋で応えたりと、楽しい時間を過ごさせていただきました。ああして直接お話ししたことで、ランナーの歓びが少しでも伝わっていたら嬉しいです。

エイドの充実ぶりも名高いのが奥熊野いだ天。雨で涼しかったこともあり、後半まで内臓が持つと確信しましたので、素麺2杯(往路と復路)、めはり2つ、おにぎり1つ、茶粥3杯(イタドリ、タケノコ、梅干し入り)、梅ゼリー、鹿肉に猪肉、梅ドリンク、色川茶、ブルーベリーヨーグルト2杯(往路と復路)、苺沢山、オレンジ複数回、生絞りオレンジジュース、甘夏、豆腐、バナナ、チョコ、手作り楊枝付きの中標津羊羹等々最終盤まで食べ続けました。なお、ビールは辞退しております。ウルトラの楽しみ方はフル以上に人それぞれ。私は最も得意な“食べて盛り上げる”ことで歓びを表現しました。

走りは正直前半から調子がいまいちで、昨年とのギャップに悩みました。しかしよかった時の自分と比べたところで辛いだけなので、現実を冷静に受け止め、涼しさを味方に大崩れせず最低限キリのいい数字だけは守りました。悪いなりに何とかできたぞと思っていたのですが、昨年の総移動時間は8時間46分27秒(停止時間31分32秒)、今年は8時間47分30秒(停止時間41分)とのことで、主な差はエイドでの交流時間だったようです。(9時間28分台, 141bpm, 171spm, ストライド1.01m, 上下動比6.7%, 上下動6.9cm, 左右接地時間バランス48.4%:51.6%。接地時間252ms)

悪いなりにと書いておきながら何ですが、今年から部門別表彰ができたのか(前からありましたっけ?)、20歳以上50歳未満で密かに8位に入り、お土産までいただきました。こういう経験は初めてですので、正直嬉しかったです。やはり上りで滑りまくったのは自分だけではなかったのでしょうか。

土曜から月曜まではマグロづくしという天国ぶり。an寿anさんや福助堂さんのスイーツパン活もできておいしいものも沢山いただきました。勿論レース翌日は例年通り弁天島を眺め、大門坂から熊野古道を上って那智大社にお参りしました。

那智の滝から送り出されて、奥熊野の自然の中を駆け巡り、最後は補陀落山寺に迎えられるという設定に、人生を感じずにはいられません。それだけでも参加する理由としては十分です。更に、関西からは意外と安く参加できる(エントリーフィー、交通費、宿代の合計が5万円を切ります。離島だと10万円に迫るので結構辛いです)のもポイントです。気になってしまった方は、来年ご一緒しませんか?

那智勝浦の皆様、今回も雨の中、大会を支えていただくと共に温かく応援していただきありがとうございました!今回の完走木札に書かれた「」の文字は、この大会に参加できたからこそ出会えた思いです。これからもよろしくお願いいたします!

続きのページにはコースエイドは勿論のこと、タイムも細かく書いています。ウルトラは感覚がよく分からないと思いますし。奥熊野いだ天ファンの方は記憶が重なり、応援していただいた方にはランナーの気持ちが伝わって“やってよかった”と感じていただけると最高です。

2023年も走らせていただきました。今年より10分以上速いのは、ズームフライ4と体重、エイドでの滞在時間の差かと思います。

savarun.hatenablog.com

昨年初参加だった秋田内陸リゾートカップ100kmも素晴らしい大会でしたので、超おすすめです。継続して下さっていますので、また行かねば。

savarun.hatenablog.com

えちご・くびき野100kmマラソンには今年もエントリ-しています。これまた盛り上がりぶりがすごいので、とても楽しみです。

savarun.hatenablog.com

コメント、スター、↓のバナークリックなど何でもいいので反応をいただけますと、“こんな長い文章の一部でも気にかけて下さる方がいるとは……。”と私が浄土へ旅立ちます。“エイドで食べまくっていたあの人ですか?”というものは勿論、“私も腹筋痛いです”とか“一文字も読んでいませんが来年は出ます”とかでも喜びます。

次回予告は、“出るか?ミラージュダイブ!”です。いや瀕死でも絶対無理やろ。

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前日

遠くの大阪駅から遠くの那智勝浦へ

可能な限り眠ることにして、8時台後半に起きました。体重は66.7kg。この一週間ではあまり減りませんでした。朝食はしっかりめに、豚バラ、人参、しめじ、ほうれん草、生麩の水炊きです。ポン酢をかけるだけでごちそうです。

ライフのお高いヨーグルトを愛用しています。

滅多に大阪にいないので、ブーランジェリータカギさんへ行ってきました。11時過ぎはお客さんも多くて大繁盛でした。くるみとスチームベーグルを買ったつもりがレシートを見るとパストラミになっていたので、そういうものかもしれません。フリュイフロマージュクリームチーズが入っていますのでおいしいに決まっています。

移動中にいただくことで旅行気分を更に高めます。

12:18大阪発→16:16紀伊勝浦着のくろしおで移動です。関西のはずなのに遠いのはともかく、大阪駅の中でも乗り場が大変遠いのです。西口に至るまでに細かなアップダウンがあり(地下水くみ上げによる地盤沈下の産物)、更に西口で安心してはならずまた大きく下って上って最後に下るというトレイル並みのコースになっています。北側から回ったらましなのかしら。

入口からがまた遠かったです。

ともかく、昨年の教訓を踏まえて余裕をもって時間前に到着しましたので問題ありません。今年も眩しいのを承知の上で窓側の席を選び、海が見えてくると喜ぶという変わらない時間を確かめます。

白浜まではパンダ推しです。その先は鯨。

この乗車時間で片道5960円(14日前までにネット予約)はお得です。大阪金沢が最安8,000円弱へと値上がりし、ますますくろしおのありがたみを感じるところです。移動中はユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons』を再読していました。核、気候変動、破壊的技術の進歩という難題を前にしてグローバルな協力は不可欠ということや、各々が主張する都合のいい物語は、歴史学を踏まえると何と身勝手なものかということなどが、鋭くかつエスプリを利かせて書かれていて、とても面白いのです。

景色の移り変わりも電車旅行の楽しみです。

那智勝浦にて

マグロ

竹原さんにやって来ました。これまでは17時の開店前に行列ができていることから敬遠していましたが、17時40分頃は第1陣が終わった後のタイミングだったため、少し待っただけで席に着けました。第1ウェーブではなく第2ウェーブにエントリーすることで快適なスタートを切れるという、どこかで聞いたような展開です。

第1ウェーブ号砲前の様子です。

名物まぐろ定食を注文したのですが、ご覧くださいこの見事なまぐろを。こんなに色鮮やかなまぐろは初めて見ました。トロは消えるように溶けていきますし、やはり和歌山のまぐろは最高だと思う瞬間でした。あぶりまぐろもあさりの味噌汁も全てがうまいです。

これは信じがたいくらいうまそうですね。

更にゼッケン提示でランナーサービスも受けられ、これまた豪気なまぐろの真子をいただきました。そりゃ行列できますよ。ここまでしていただいたからには、明日は終始笑顔でいい走りをして、応援にお応えするぞと思いました。

超豪華な食卓に。
パン活
  • ホームベーカリー コッペさん  

日月休みで営業時間も08:00-18:00ですので、まずはこちらに向かいました。16時過ぎですからほぼ完売状態で、よかったです。ドライフルーツたっぷりライ麦パンはレース前の朝食にしました。ウルトラの応援もしていただけました。

もう少し早い時間にも行ってみたいですね。
  • パン処 龍の麦さん

じゃばらあんパンがあったので迷わず購入。じゃばらの風味がよく、那智勝浦に来たんだという実感が湧きます(北山村ならなおよし)。こちらでもレースの応援をしていただき、嬉しかったです。

あんの種類は沢山あり、他も気になりました。
  • きむらやさん

昨年に引き続き訪問しました。訪問時間的に大分品数は少なくなっていましたが、見るからにそそる目玉焼きトーストを買えました。目玉焼きの硬さが絶妙で、とてもおいしかったです。

黄身の具合いがとてつもなくよかったのですが。

焼きたてのパンサンタさんはこの時間に行けたことはないですね。ピーターパンさんは昨年も閉まっていました。

お宿

ビジネスホテル ブルーハーバーさんです。二泊11,300円と良心的な価格設定で助かります。完全個室で冷蔵庫もあり、スタッフさんも明るく親切と完璧です。

期待以上に快適そのものでした。

エバグリーンさんとセイムスさんを巡り、牛乳、チーズ、ゆで卵等を仕入れて帰還。セイムスさんにはマジックパールがあるのが大変ありがたいです。

翌日の荷物を分け、昨年に続いてゼッケンブログのPRを書きます。今年はエイドで止まった時に見えやすいよう、こちらのゼッケンを前にしました。チップ付きが背中でもよいというのは珍しいですね。私は走って終わりではなく、記憶の中で再会できてこそだと思っています。

セイムスさんで買ったプロテインバーです。

護摩に思いを込めて準備完了です。『参加者顔ぶれ』には各エイドのテーマも記載されており、事前にチェックしておくことで当日の楽しみも増幅されます。

この大会は生きることについて考える機会でもあります。

アミノ酸を飲み、歯をよく磨いて就寝です。フロア全体が静かでしたので耳栓は使う必要なしと判断しましたが、冷蔵庫がいきなり大きな音を立てることがあったので、使った方がよかった気がします。20:40には消灯です。

レース当日

レース前(那智の滝への移動と準備)

3:05起床です。夜中に辛い夢を見て目覚めた以外にも細かく覚醒してしまいましたが、前日たっぷり寝ているので問題ないということにします。安静時心拍48は慣れない時間に寝た割にはまずまずかと。

とりあえず朝食です。エイドが充実していますし、前日沢山食べていますので、おそらくほとんど食べなくてもいけると思います。ホームベーカリーコッペさんのドライフルーツたっぷりライ麦パンは、買ってよかったと思わせる納得の味わいでした。ライ麦パンは噛み応えも好きです。金沢の味別所のかすていらは定番です。

ご当地牛乳には巡り合えず、北海道のものを。

部屋で手早く装備と用意を整えて出発です。3時台はまだ雨も降っていませんでしたが、どうせ濡れることを見越してズームフライ5も装備していきました。少し迷いかけましたが、ファミマの前のバス(3:54発)に乗れました。

初参加時からわくわくしたことを覚えています。

車内で添乗員さんさながらにスタートまでの流れや65kmの方が乗っておられないことを確認する流れもいつも通りで帰って来たという実感が湧きます。この大会の安定感は、長年の工夫と伝承の賜物です。

ウルトラマラソンらしい光景です。

荷物を預けて那智の滝口へと移動する前に、バス停のトイレに寄っておきました。まだ時間もありましたので。特に成果はなかったものの確認できたことはよかったですし、4:30にもトイレに行ったということは、レース中は中間点過ぎの円満地公園で一度行くだけで十分ということですから、仮設の階段を上る必要もありません。小はほとんど並んでもいなかったので、来年からはスタート前にも寄っておこうと思いました。

こちらを上るのは明日の観光パートです。

例年なら4月のこの時期・この時間の那智の滝は正直寒さを感じる(そのため、護摩木焚き上げの炎で暖を取る)のですが、今年は“これから雨が降るぞ”感に満ちていると言いますか、そもそもの最低気温が高めでした。身体が冷えないのはよいのですが、ちょっと違うなという感じはありました。

計測マットの上を通過してエントリー完了。捻挫が怖いので階段を慎重に下りていきます。ライトアップされた那智の滝、希望と不安を胸にスタートを待ちわびるランナー、鳴り響く太鼓がここにしかない空気を生んでいます。

この境界を越える者は100kmの旅へと向かうのです。

ランニングイベントとは思えない光景です。

この響きに奮い立たない者などいないでしょう。

那智の滝を近くから仰ぎ“今日もきっと大丈夫、いってきます”と言い聞かせ、護摩木を奉納していよいよ100kmの旅路が始まります。

見ていて下さい。

届きますように。

【ちょっと真面目な話】

シューズ

新品のズームフライ5です。28.0cmはどうかと思ったのですが、ズームフライ4は28.0cmでしたので、まあいけるかなと。セールで9,889円の魅力には抗えません。昨年フル1本と100km2本で履いたズームフライ5黄緑(27.5cm)は案外アウトソールが減ってしまったため、安全策として新品を投入しました。金曜日に60分ジョグで慣らし、問題なさそうだったので実戦起用です。

重いですけど身体には優しいという。
装備

アンダーアーマー半袖(愛用しているノースリーブの袖ありバージョン)、キャップ、サンシェード(序盤は不要なので長井集会所行の袋へ投入。雨なので結局不要)、白アームスリーブ、ミズノバイオギア、TIGORAマルチポケットパンツ、ザムストソックス、ニューハレ踵二重です。

雨だったのでアームスリーブも不要でしたね。

さいたまマラソン丹波篠山ABCマラソンのゼッケン留めです。

持ち物・荷物預け

手ぶらでもいけそうですが、例によって一応ジェルフラスコを一つ(アミノ酸を溶かして持ち運ぶため)とアミノ酸を4つ携帯します。長井集会所行きの袋に予備のアミノ酸と日焼け止めを入れ、袋を小分けにして取り出し易いようにするのもいつも通りです。

基本粉だけで足ります。

フィニッシュ会場へは着替え、洗濯ネット、洗剤(昨年利用したコインランドリーは自動投入なので不要なはずだけど念のため)、お風呂用のタオルとプロテインプロテインバーを入れます。雨対策として京都マラソンのでかいビニールの手荷物袋の中にリュックを入れる方法を取りました。15時頃は雨が強くなったため、これは正解でした。

レース

序盤~前半
  • 序盤(7km上って13km下り)

昨年GPSが間に合わなかったことを踏まえ、4:52には位置測定をオンにします。スタート前に間に合ってくれました。

まずは階段を歩いて上ります。“歩くように”と案内がありますが、指示がなくとも暗いので怖くて走れません。鳥居から出て左折し、少し下ってすぐに折り返しです。ここで那智の滝がよく見えますので、その姿を目に焼き付けておきます。

スマホカメラの限界を見るがよい。中央奥に確かに那智の滝が。

あまり嬉しくないことに、序盤で既に、足元が随分滑る感じがありました。“でもまあ、ズームフライ5は雨の飛騨高山でもちゃんと走れたし、大丈夫だろう”と思い直して進んでいきます。

晴れていてもまだ暗い時間ですけどね。

24分台で見晴台エイドに到着です。今年も勿論お立ち台の上に立ち、しっかりと写真を撮っておきます。ただでさえ光が足りずブレがちですので、堂々と止まって撮影できるチャンスを逃すわけにはいきません。

まずは水分補給です。

あまり遠くは見えませんが十分です。

再び坂へと戻ります。

この先は7km程の上りのうち残り2kmかそこらのはず(「上りあと2km」といった親切な看板も設置されています)ですが、記憶よりも長く感じられました。少し気温が高いくらいで影響があるとは思えないのですが。左手の景色も晴れている日よりは見えにくく、やや気分が乗ってきません。とは言え最後の幾分急な上りも無難にこなし、頂上には40分台で到着です。

写真もぶれていて残念です。晴れていれば朝陽が見られます。

この上りで一区切りです。しかしそこそこ急です。

序盤の上りはこれでおしまい。次は中盤までお預けです。

下りに切り替わった瞬間、身体が弾き出されるように加速します。心肺的に休めるのはありがたいのですが、記憶よりスピードが出にくく、調子が今一つ疑惑が強まってきます。しかも妙に眠いのです。ウルトラは終盤まで気負わず気楽に走るのがコツなのですが、それにしても頭が冴えません。まあウルトラは復活があるので、どこかで調子が上向くかもしれません。駄目なら駄目でいいですし、鷹揚に構えることが大事かと。

下り始めはスピードが出ますが、少し行くとスピードが鈍ります。

10km過ぎで次のエイドです。

53分台で那智高原エイドに到着します。ドリンクをいただき、“三回連続の参加です”などと言いながら笑顔で下りへと突入します。忘れていましたが、この下りはかなり急なのでした。ただ、舗装はされているので危険ではありません。めっちゃ下ってるな~と思いながら進み、56km以降でまた通るルートに合流します。最初はどこを走っているのか分かりませんでしたが、3度目ともなれば、“後であっちに行って折り返してくるのだな”、“次に来るときはあの道から上ってくるのだな”ということが分かるようになります。

まだ6時前です。早朝からありがとうございます。

伝わるかは分かりませんが、結構な角度です。

平野バス停エイドは後で来るのが楽しみです。

13.9km南平野三差路エイドではコーラバナナをいただきました。到着時で1時間12分台です。ここに帰って来るのは、91.5km、最後の上りに挑んだ先にあるエイドなのです。

ひまわり娘の皆様が、行きも帰りも応援して下さります。

南平野の辺りも下りですが、路面が凸凹しているので、怖くて写真を撮る余裕がほとんどありません。どうせ木々が茂っていて光も足りずうまく撮れないでしょうから、割り切ります。下りの間は、主に帰り道のシミュレーションをしていました。それにしてもあまりスピードが出ません。 

たまに撮ってみると集中線とかつきそうな画像に。

新停車場線エイドも終盤の頼みの綱です。復路ではもう一か所、新停車場線エイド②が増えており、実にありがたいです。往路ではチョコレートもいただきました。今日は前半からコーラも大分飲んでいます。到着時1時間34分台です。20km地点では1時間42分台でした。

「また来ます!」と約束して走り出しました。

帰りに撮る余裕があるかは分からないので、一応撮っておきます。
  • 前半(苺にめはりに甘夏に)

“上りあと7km看板に至るまでもそれなりに上るよなあ”と思いながら下っていくと、スタート直後に上らされるという修行中にもかかわらず、80kmのランナーさんがエールを送って下さり、嬉しく思います。

21.7kmの井鹿(いじし)会館には1時間50分台で到着です。早くもが登場するのでおいしくいただきます。豆腐も定番メニューですので外せませんね。お醤油をかけていただきます。

苺と豆腐が待っていてくれます。

今年も両サイドに応援の方が。ありがとうございます。

ここから先はようやく基本フラットなコースとなります。いつものジョグ気分で走っていてもキロ5を切ったりと、ズームフライ5のことがまだよくわかりません。しかし全体を通じてピッチがやや出にくいのは確かで、平地でも185~188spm辺りが多かったようです。190spmは安定して出したい気はします。

気持ちの良い直線です。

24.2kmのゴルフ練習場エイドでは今年もめはりずしが登場し、いよいよ和歌山の本領発揮です。高菜の塩気と歯ざわりがたまりません。搾りたてのみかんジュースがいただけるのもこのエイドの魅力です。今年も昨年同様、カラマンダリンだったのでしょうか。

私も百歳まで走れるのでしょうか。

和歌山と言えばめはりです。皆様是非。

こんなに濃いみかんジュースにはそうそう出会えません。

26.9km中里会館(到着時2時間17分台)では甘夏をいただきました。一つ一つ皮を剥いて下さり感謝です。鈴焼きもおすすめされたのでありがたく頂戴しました。この頃からエイドの方と話す時間が長くなってきました。

長閑な風景の中を行くのもご褒美です。

コーラからの甘夏!

からの鈴焼き!

29.3km長井集会所エイドでは預けた荷物を受け取れるので、いつもなら日焼け止めを塗り直すのですが、今日は曇りから雨なので不要と判断しました。アミノ酸を入れ替えます。更にいつも通り素麺をいただきます。“おかわりあるよ!”と勧めていただいたので、復路でいただくことを約束して再出発です。ガーミンさんによるとこの1kmは7分1秒かかっているらしいです(昨年は到着時2時間27分台、今年は苺のテーブルで2時間31分台ですので、少し遅かったようです)。

通過チェックの係員さんも笑顔です。名前を呼んで下さります。

ここで素麺を食べない理由はありません。

個人的に気に入っている橋からの眺めを経てからも、淡々と進んでいきます。途中、沿道のおっちゃんから「大変やの~」というお言葉もいただき、笑いながら“確かにそうっすねぇ”とか言いながら走ったのもいい思い出です。

31.5kmの出合橋はいつもにぎやかで楽しいです。今年は昨年の巫女さんが(多分)おられませんでしたが。私のナンバーカードをご覧になって“ブログに書いてもらえるように頑張らなきゃ”と仰っていただけましたが、ご安心ください。私は全てのエイドについて記述するのがライフワークです(到着時2時間43分台でした)。

この橋は気分的に一つのアクセントになります。

名前も調べて下さり、親戚くらいの勢いでした。

メッセージ横断幕もいつもの場所に。ありがとう。

このエリアの景色も大好きです。

橋が見えれば西中野川トンネルです。

“短いトンネルを抜けると、そこはエイドであった”でおなじみです。
中盤
  • 中盤①実は難関の茶畑(の先)

西中野川トンネルを抜けるとスタート前の65kmランナーさんに歓迎していただけて嬉しいです。今年は雨ということもあって、エイドの場所が少し変わっていました。ここでは勿論みかんをいただきます。昨年までは隠しビールという位置づけだった気がするのですが、今日は前半から“ビールありますよ”という景気の良い声が飛んでいて笑いました。到着は、昨年は2時間59分台、今年は3時間2分台ですので、やはり遅いです。右足小指も、止まる度に痛みが気になりました。

早めに来ると褒めて?いただけます。

柑橘類が出たら必ず食べましょう。次のエイドはやや遠めです。

熊瀬川沿いの景色は、初めて見た時から、心を洗われるようなその姿に惹かれていますし、来る度にその時のことを思い出します。こんな風景に溶け込みながら静かに走れる人生が、どれほど素晴らしいものかといつも思います。

川の水が、緑の木々が。

たまに通る橋からの眺めもまた、心地よいのです。

熊瀬川エイドまではそれなりに距離がありますが、今年も「自分に負けるな」の応援メッセージとスネアで応援していただいたり、“熊瀬川エイドもうすぐ”といった表示が現れれるので、楽しみに進むことができます。

こういう応援がどれだけ力になるかは、走って初めて分かるものです。

茶粥のことで頭がいっぱいです。

熊瀬川エイドに到着すると、まず今年もあのお犬様が来ておられて和みます。このエイドといえば茶粥ですので、絶対に食べなくてはなりません。“おっ、イタドリありますね”とリピーターぶりを見せつつ、タケノコ梅干しもトッピングしておいしくいただきます。食べっぷりがいいと喜んでいただけるのがいいですね。

最早名物応援の一つです。冠もかわいい。

地元の味が選び放題です。感謝。

和歌山に来てよかったです。紀州口熊野もまた出たいですね。

再出発直後にもエールを送って下さる方々がおられ、こちらも満面の笑みで応えます。

素敵な笑顔です。撮っていると喜んでいただけました。

40km地点で3時間30分台は悪くはありませんが、この次の久保宅エイドまでの上りが地味に長くてきついのです。似非最終コーナー地獄とまでは言いませんが、視界が開けてからもなかなか終わってくれません。そろそろきつくなってきた頃に絶妙のタイミングでエイドが設置されており、毎回感心します。

この先で左折してからがね……。

あの先には間違いなく上りが続いている展開です。希望などない。

思ったより長く、期待よりブレていました。

こちらでは色川茶が必須です。昨年も書きましたが、“ここが産地”ですので、これをいただかずして帰ることなどできません。毎年ご協力いただきありがとうございます。

ここに来たからには色川茶も味わいましょう。

しかし目の前には坂(最早テンプレ)。

いつもなら日当たりが強くて苦しい茶畑ですが、今日は雨ですのでそういった苦しさはありません。茶畑の眺めはよいですし、それなりに上れてしまうので油断しがちですが、実は茶畑があまり見えなくなってからが長く、似非最終コーナー地獄が待ち構えています(「頂上まであと2km」が出てからが長い)。こんなに長かったかいなと思いながら、何とか腕を強めに振って上りましたが、全然スピードが出ている感じがありません(GPSの42.2kmは3時間49分41秒と、やはり昨年より3分程遅かったようです)。

この辺りはまだ景色を楽しむ余裕があるのですが。

この頃になると根性を発動させる展開になります。

どうにか坂を上り切り田垣内三差路エイドに至ります。ここでも茶粥がいただけますので、遠慮することなどご法度です。山形なら芋煮、和歌山なら茶粥でしょう。食べることで魅せるのが私にできる唯一のことです(到着時3時間56分台)。

こちらもにぎやかで、応援の声が嬉しいです。

色川茶もふるまわれます。

おにぎりもおいしかったです。

茶粥を食べてこそ正義。

私のようなお子様にはまだちょっと早いですね。

この先の下りも素晴らしい眺めが広がるので、是非直に見ていただきたいですね。上りからの解放感もあって一段と美しく映ります。激しく下っていますのでダメージがすごいですけど。

毎回書いていますが、飛び出していきそうです。

またもかなりの角度で体幹に来ます。

口色川三差路エイド辺りになると、もう補給する前に記念撮影になっていますね。今年も待望の梅ゼリーをおいしくいただき、人気のぜんざいもさらりといただきます。ゼリーを作って下さった方のお名前も伺うなど、今思い返してもエイドでは楽しく過ごさせていただきました(到着時点で4時間18分台です。昨年より6分遅れですので下りも駄目ですね)。

エイドが楽しみで楽しみで。

ぜんざいは人気とのことでした。ゼリーの作者はまゆみさん?

この先の棚田も美しいですね。言葉がありません。過ぎ去っていく景色を惜しみながら進みます。下っていくと小さな子供達が応援してくれましたので、ここぞと写真を撮ってみました。ブレていてごめんよ。

意外とすぐに過ぎてしまいます。刮目せよ。

君たちの声はしっかり受け取りました。ありがとう。

少し下ると左手に川が見えるようになり、50kmの看板で4時間28分台でした(昨年4時間23分台)。流石にこの辺りで、調子がよろしくないという事実を直視せざるをえないと考えました。後で振り返ると、大体ここから5時間くらいで収まるようです。

どこを走っていても心が解放される感じがします。
  • 中盤②(坂の上で折り返してからのエール)

円満地公園エイドでは、今年もジビエメニューがランナーを待っています。鹿肉猪肉を好みのお塩でいただけるという厚遇ぶりです。ゆっくり食べているからか、係の女の子には“本当にいいんですか?”と聞かれましたが、“それはこっちのセリフで、こんなにいいものを二つもいただいて本当にいいんですか?”といったやり取りもありました。梅ジュースもいただき盤石です。

エイドで働いて下さる子供達に感謝感謝です。

こんなによいものをいただけるとは。ありがたや。

梅ジュースもマストアイテムですね。やはり特産物は味が違います。

そしてここでは今回唯一のトイレ休憩を入れることにしました。常設で数も多く、快適です。アミノ酸の詰め替えなどもやっていましたので、いつまでもいるおじさん(“まだおるで”)になっていました。ガーミンさん曰くこの区間は8分47秒だそうです。

ここで後半戦の準備を整えるのがよいでしょう。

次の巨岩が聳えるエリアは、記憶よりも上りが長く感じられました。それでも昨年の写真で景色は覚えていますので、減速しながらも上り切ります。その先の下りも記憶より長く、例の富士急ハイランドナガシマスパーランド看板の坂も覚悟していた以上の負荷で、やはり調子がよくないなと感じていました。

思ったよりも長かったですが、まあ凌げるレベルです。

上りが一区切りつく頃には結構しんどくなっていましたが。

何やら不穏なものが見えてきました。

この坂はこういうネタでもないとやっていられません。

思ったよりもきつかったです。もう少しスピードが出るはずだったのに。

小阪下三差路エイドの少し下ではトップの選手とすれ違いました。いつもこの辺りでギリギリすれ違える感じです。どうやったらあんなに速く走れるのでしょうか。住む世界が違い過ぎますので憧れるのも憚られますが、私はだけでなくオレンジもいただき、食い意地を見せつけて存在感を放ちます(到着は4時間54分台。昨年4時間45分台)。

かっこよ過ぎるでしょう。シューズはメタスピードスカイでしょうか。

走りは他の方に任せて、食事専門の道を行きます。

このエイドはランナーの憩いの場です。

この先の上りはそこまで急な印象はなく、むしろ途中では短い下りも挟んでいたと思います。そのせいか復路でもあまりスピードが出ないのですが、景色の割には上っていないのだと思います。「折り返しまであと3km」看板を見てから1kmも行かないうちに平野バス停エイドで休憩できます(昨年5時間1分台に対して5時間11分台ですので、ここに至るまでの上りでも差が付いたようです)。

奥の方で右上に伸びている坂を上っていきます。

そこまでの角度ではありませんが、路面は滑りますね。

こちらでは毎回ブルーベリーヨーグルトが提供されます。例によっておかわりを勧められ、とてもお断りできる空気ではなかったことから、復路でもいただくことにして旅立ちます。バナナも久しぶりにいただきました。

上ってくる途中で、名前を呼んでいただけます。そして長居します。

私ヨーグルト大好きなんですよ。ブルーベリーも。

バナナもエイドの王道ですね。

尚も大体2.5km先の折り返しを目指して進みますが、序盤で通過したこともよくわかっていますので、つながりを楽しめました。ここからの棚田は晴れると特に絶景なのですが、今日は眼鏡が水滴だらけでほとんど見えません。写真はそれなりに撮れていてラッキーでした。これはこれで神々しさがあってよいものです。

ここもまた神話の世界ですよ。

折り返し地点までは基本上りですが、微妙にフラットや下りもあります。近づくと随分と大きな声で応援していただけ、元気が出ます。コーンでターンしてから、水分をいただきます。到着時5時間26分台と過去ワースト(昨年5時間15分台、2019年5時間24分台)ですが、逆にこの先は過去最長のエイド滞在時間を誇っていますので、走りは相対的にはよかったことになります。

毎年このエイドで俄然やる気が回復します。

折り返してからようやく、ズームフライ5が足に馴染んできたような感覚がありました。これで涼しいことを思えば結構挽回できるのではないかと、ランナー特有のポジティブシンキングも降臨します。もう58kmまで来たわけですから、あとたったのフルマラソン1本です。それもジョグペースですから恐れることはありません。

ウルトラは時に復活があり得ます。

折り返してからはすれ違うランナーさんにエールを送りながら走っていきます。この時間はとても好きな時間です。これだけ長い時間満面の笑顔で走り続けられることはそうそうありません。この時のために遠征前にはポリリンキューブで歯の美白に努めてきました(そんなところまで見る人おらんわ)。

帰って来た平野バス停エイドでは約束のブルーベリーヨーグルトをいただきます。さっき来たばかりですので、覚えていて下さりました。ゼッケンから名前を呼んで下さることもあり、ついついのんびりしてしまいます。雨の中ありがとうございます。

約束のおかわりをいただきました。

「ありがたや~」のショートカットはあの先です。

上ってくるランナーさんに応援の声をかけ、また言葉をいただき、こちらも元気になります。景色を楽しみながら小阪下三差路に戻り、またもをいただきます。鯉登応援も立ち止まって撮影しました。ランナーの交差点ということに加えて音楽もかかっていて、毎年盛り上がっています(到着時5時間53分台)。

この時間になるとランナーも増えて一層盛況でした。

鯉のぼりを見ていた貧弱な子供は、今や健やかなおじさんに育ちました。

この先、往路と分岐してからの下りは急で、昨年は疲労を感じたことから今日は頑張ろうと思っていました。急な上に足元の凸凹が見えにくいので、怪我をするならここだと思います。途中短いトンネルがありますが、それらを撮る余裕もありませんでした。濡れた葉っぱが靴底に付着し、二度スリップしかけました。危なかったです。

下りですが一切油断できません。覚悟が要ります。

65km地点で6時間でした。
後半~終盤
  • 後半(熊瀬川を経て井鹿へ)

小さな橋を渡って再びの熊瀬川エイドに到着です。昨年は食欲に若干の陰りが見えましたが、涼しい今年は内臓に余裕がありますので迷わず茶粥をいただきます。往路の食べっぷりと寛ぎっぷりを覚えていて下さり、喜んでいただけました。“ブログをやっておられるんですか”とお尋ねいただきましたので、“長すぎるので読まなくていいですよ”というお馴染みのやりとりも発生しました。ここではアミノ酸も詰め替えました(到着時6時間5分台)。

多分ですが食事量はトップクラスです。

人気の羊羹もいただきました。デザートに甘味。

熊瀬川エイドから西中野川トンネルエイドに向かう道では、例年最後尾のランナーが走ってくる姿と出会うことになります。“少しでも長く走れますように”と思っていると、逆に応援の声もいただき、力をいただきました。

ようやく調子が出て来たので、気持ち速く走ります。手元66.66km(大体橋の辺り)で6時間16分15秒でした。上りを思うと9時間半も微妙ですが、看板はGPSより短いので多分届くと考えました。この区間は5分5秒、4秒、5秒、4分59秒と安定していました。70kmの看板(6時間28分)を見るとエイドです。

自信を持って走れました。涼しいですから。

この表示のすぐ先にエイドが見えています。

西中野川エイドでは、往路と同じくビールを勧められますが、とてもいただく度胸がありません。手堅くオレンジで回復します。ここでは今年も美しい字の色紙が掲げられており、また帰って来られたことへの感謝と、被災された方への思いが胸に浮かびます。昨年と同じく、奥熊野の空気をいっぱい吸うことと共に。

いよいよ終盤の実感が湧いてくる場所です。

この優しい言葉は必ず胸に抱いて走りたいですね。

エイドの区間は7分1秒を要していますが、余力もあるので普通にキロ5分台一桁が出ます。往路でも書きましたが、ここも好きな景色ですので、雨の中でも気持ちよく走れます。応援横断幕も見届けられました。

温かな心遣いが嬉しいです。

出合橋エイドでは皆様の楽しい笑顔を撮影させていただきました。折角ですのでパンもおいしくいただきます。食べやすいサイズに切っていただき助かります(でかくても食べますが)。雨の中、ずっとここで応援して下さることに感謝です(到着時6時間49分台。この1kmは6分14秒です)。

皆さんにとってもいい記念になりますように。

応援の声と豊富な給食は活力の源です。

75kmを6時間56分で通過し、橋の上でチェック係の方の声援を受ける頃に町内放送が正午を告げます。キロ6分で9時間半は切れますが、後はエイドと上りの減速次第です。この頃になってようやく腰に差していたキャップを被ったところ、水滴がましになり視界が劇的に改善しました。もっと早く使用しておけばよかったです。

雨も大分強くなり、カメラが上手く作動しないこともちらほら。

76.1kmの長井集会所エイドに戻り、約束の素麺おかわりをいただきます。勿論目の前にあるも。本当にふんだんに用意していただき、嬉しい限りです。残り25km近くあると聞くと走っていない方は怯むかもしれませんが、自信満々に“大丈夫です”と言い切り、少しいい所を見せられました。めっちゃ食べていてなかなか再出発しないくせに口だけは達者です(到着時7時間3分。この1kmは7分28秒です)。

約束は果たされました。

預けていた荷物からはアミノ酸粉を取り出し、再出発。次は78.5kmの中里会館エイドですからもうすぐです。到着前から大声で応援していただき、しっかりと甘夏をいただきました。三回連続の参加だとお伝えすると喜んでいただけることもあり、話にも花が咲きます(到着時7時間17分台、この1km6分2秒)。

この辺りになると、応援も「温」から「熱」の要素が強まります。

この甘夏も絶対に食べておいた方がよいです。

田んぼの中の直線も撮っておきます。蛙のゲコゲコいう声が聞こえて来て長閑です。80kmは7時間25分台で通過し、すぐに橋を上って左折。いよいよ帰って来た感が強まってきます。この頃でもキロ5分一桁は出ていましたので、自信も深まります。

いつもよりどん欲に撮影に挑みました。

看板を見ながら軽く橋を上ります。

81.2kmゴルフ練習場横エイドでは、久しぶりのめはりずし搾りたてみかんジュースをいただきます。ここでめはりの塩気はいいですね。みかんジュースは目の前で絞って下さりますので、引力がすごいです。地元の食材に勝るものなどありません(7時間32分台に到着、この1km6分13秒)。

この雨の中、本当にありがとうございます。

めはりの味と香りは今でも思い出せます。

命が回復する音がします。

いよいよ井鹿会館へと向かいます。例年なら暑いエリアですが、今年は雨のお陰で暑さへの怖さはありません。それでもスピードは落ちて来て、キロ5分21秒の区間がありました。

この涼しさなら大丈夫。上り切れます。
  • 終盤(最後の上りと厳しい下り)

83.7km井鹿会館エイドでは、今年は星型坊主頭の少年の姿を目にすることはありませんでした。あの取り組みは一旦終わりを告げたのかもしれません。ここでは最後の準備ということでコーラをいただき、アミノ酸も詰め替えます(到着7時間47分台。この1km6分53秒)。

さながらボス戦の前のセーブポイントです。

貴方たちはこんなクレージーなランナーにならなくていいですよ。

いよいよ最大の見せ場、ラストの上りです。誰も見ていなくとも自分にとっての見せ場であることに間違いはありません。昨年走り切った自信もありますので、今年も絶対に歩かないと心に決めます。たとえキロ7分以上かかろうと、やってやるしかないのです。

「頂上まであと7km」看板が脳裏に焼き付いている方が大半だと思うのですが、実はその結構下から上りに突入しています。看板までは、明らかに上りに入ってから3分以上はかかります。この看板到着時は7時間54分台でした。その1分後には85kmの看板に出会うことになります。

この時点で結構上っています。

ここは始まりではなく通過点です。

あと7km看板のすぐ先にあります。

記憶よりも急ではないことに励まされながら、3分に一度くらい開ける景色の写真を撮っておきます。新停車場線エイド到着は8時間8分台。なかなか辿り着かず、目印も鳴り物もないので挫けそうにもなりますが、いつかは着きます。

数少ないシャッターチャンスです。

時に訪れる展望タイムを楽しみましょう。

心の支えと言えるエイドです。あと二つ。

次の新停車場線エイド②までは2.8kmですが、比較的緩やかな坂ですので、無茶なペースにならない限りは難なく走れると思います。足元要注意ではありますが。エイド到着は8時間26分台。雨も強まってくる中、ここで待っていて下さるとはどれだけ大変なことか。ランナーなんて走っているだけですから、何かに文句を言ったりできる立場になどありません。本当にありがとうございます。

割といけそうな坂ですよね。

途中左手に赤い花が咲いているのですが、今年も撮れませんでした。

素敵なお兄さんが応援して下さりました。ありがとうございます。

そこから1.9km先の南平野三差路エイドまでは、90km看板と「のぼりあと1km」看板を過ぎてからが最もきつかったはずです。この看板からエイドまで7分を要していますが、腕振りを大きくしつつピッチも維持するよう頑張るしかありません。それでも最後の方は、“序盤に通ったあのエイドだ”という確信が、勇気づけてくれます。

自分で決めたので、走るしかありません。

もうあとほんの少しです。今の自分ならできる。

エイドで止まった時間を除けば、そこまできつくないと分かるかと。

8時間39分で南平野三差路エイドに到着し、これで上りはないと安堵します。このエイドは例年明るく迎えて下さり、ホッとすると共に元気が出る場所なのです。“去年はめはりをいただきました”“向日葵エイドですよね”と溢れ出る確かな記憶をお伝えすると、“よく覚えていますね”と喜んでいただけました。何度も参加してつながりが生まれたからこその楽しい時間です。

このエイドにたどり着いた時の嬉しさといったらそれはもう。

ここのおばちゃんがまた明るくて楽しいお方で。羊羹も感謝です。

もう後は下るだけ、しかし下りのはずなのにスピードが出ないことで知られるこの最終区間です。今年は涼しいのでいけるかと思ったのですが、そんなに甘くはなかったですね。右足に少し痙攣の気配を感じるのと(金曜にジョグ中に捻ったせいかもしれません)、ズームフライがベコベコ鳴っている気がするのはまだよいとして、とにかく腹筋がすごく疲れているのです。攣るとか以前に、こんなにダメージがあるなんてと思うこと間違いなしです。スピードもスタミナも無い代わりに防御力だけは定評のある私でも、ここまで消耗しています。

かなり下っているはずなのに、スピードが全く出ません。

これは練習やフルマラソンでは私が経験することのない感覚です。普段から、怪我と疲労が怖すぎて下りではスピードを出さないのですが、下りの衝撃につぶれないためには相当強い体幹が必要なのだと思い知りました。しかしこんなに下る局面はフルマラソンではありませんので、この能力を伸ばすのも違うかなと思いました。

タイム的にはギリギリですが、細かな計算などできるわけもありませんし、やっても無駄なので、キロ5分10秒台ならよしとしました。本人はもっと頑張っているつもりなのですが、とにかくスピードが出ません。

94.5kmには井関手前エイドが待っていてくれます。タイム的にはギリギリということは頭にありましたが、お菓子も色々と用意して下さっているのでいただかないわけにはいきません。写真は珈琲クリームのクッキーサンドだったと思います。更に手作りの楊枝(その場で木を削ったとのこと)が刺さった羊羹中標津のもの(何故に中標津?)で、砂糖大根を使っているそうです。色々と知識を授かっているうちにキロ6分44秒を要しましたが、時にはタイムより大事なものがあります。

この期に及んでついつい長話を楽しんでしまいます。

洋菓子もまたうまし。

95kmは9時間で通過。やはりギリギリです。採石場のような景色になってもスピードは出ず、腹筋は悲鳴を上げるばかりです。たまにショートカットの選手を抜く際に、応援していただけたりして力になります。

ここを颯爽と下れるランナーになりたいです。

この景色になってからも意外と長いです。それだけ弱っています。

指もスマホも濡れているので撮影に失敗することを繰り返しつつ、ようやく応援の声が聞こえて来て、ラストの97.2km井関三差路エイドに到着です。ゆっくりドリンクをいただきました。一日の中で何度も“雨で寒くないですか”とお気遣いいただきましたが、皆様の応援のお陰で私たちは元気です(到着時9時間12分台。この1km6分20秒)。

この安堵感と充実感。一日ありがとうございました。

道路の向こうからも子供たちの応援が。ブレていてすみません。

最後にお礼を言って旅立ちます。

皆様にとっても素敵な一日でありますように。私は幸せです。

残りは歩道を進みますが、歩行者用押ボタン信号の待ち時間もあります。タイムを真剣に狙うと焦りそうですが、何となく間に合いそうな感覚はあったので、それよりもここまで走って来られた喜びと、またこれまでの人生をぼんやりと思い出していました。ラストスパートが決まらないのも(自分的には)この大会の特徴なのですが、それも受け入れて、最後の、あるいは最期の道を行きます。

2kmの看板を過ぎ、那智川沿いを進みます。

大きな高架を過ぎた先では横断の誘導が。ありがとうございます。

熊瀬川エイドの傍におられた皆様も来て下さりました。

補陀落山寺の前では、ダッシュすることもなく、一輪挿しのお花を受け取り、“この段差(※ケーブルのカバー)危ないもんな”とリピーターならではの応答をし、場内アナウンスのメッセージを聞き届け、水たまりは少し減速して、ゴールテープを切らせていただきました。全て味わってのフィニッシュでした。

とうとう今年の旅路も終わりです。

お花も心を優しく癒してくれます。

仏に迎えられて、喜びを静かに胸に刻みます。ありがとう。

アフター

レース後

会場・温泉(充実のふるまいと那智勝浦の湯)

完走木札を掛けていただけるとまた嬉しさが増します。この「」の言葉は、正にこの大会でしか見つからないものだと思いました。早くもチップを回収していただき、記録証も持ってきていただけました。20歳以上50歳未満の部では8位だったとのことで、入賞を祝福されました。こんなことは一生ないだろうと思っていましたので、素直に嬉しかったです。

副賞は那智ねぼけ堂さんの薄皮まんじゅうでした。

今年も素晴らしきふるまいタイムでは、うどんぜんざいアイスプリン発泡酒をいただき、満足感に浸ります。タイムは昨年より10分以上遅くなったけど、それ以上に達成できたことも多かったなと。毎年福助堂さんの和菓子(今年は最中と福助まんじゅう(さくらあん)でした)までいただけるのも感謝です。

終わった後でも存分に食べられます。ごちそうさまでした。

ふるまいテントの温かな空気、これぞマラソン大会です。

走り終わった後は身体が冷えてきますが、すぐに去るのも寂しいので、あっちへ行ったりこっちへ行ったりしながらお礼を言って回りました。トイレは一応行っておきましたが、特に強い尿意に襲われたわけでもありませんので、4:30と中間点過ぎで行っておけば問題なさそうです。

お寺の方にも労っていただけました。皆様優しいです。

あのテープを切る瞬間は最高の気分です。雨の中ありがとうございました。

持参していたアミノ酸は摂取しましたが、雨が強かったため、荷物を外で開くことは難しいと判断して、温泉行のシャトルバスに乗車しました。今年は丹敷の湯さん(経営を継続するかで議論があったそうです)ではなく、少し離れた一の滝さんへとバスで移動するスタイルになりました。正直身体が冷えて寒かったのですが、20分ごとに運ばれることで人が分散し、ごった返すことはなくてよかったかもしれません。お湯は源泉かけ流しで、しっかり温まることができました。

ロビーからの眺めもよかったです。

ズームフライ5は、思った以上に無傷でした。あれだけスリップしたからなのかは分かりませんが、昨年のズームフライ4と比べるとすり減っていないに等しいくらいです。途中痛みを感じた右足小指は意外と平気でしたが、珍しく右足中指が膨れていました。やはり28.0cmだと中で動いてしまうようです。

私は体重がありピッチも高いので、シューズが減り易いのですが。
マグロ

昨年に引き続き山賀さんに訪問です。新鮮なマグロが溢れているミックス丼はお店の一押しです。多彩な海の幸を堪能できますし、ご飯もたっぷり食べられて満足です。ランナーサービスで割引までしていただき、恐縮です。

走った後には特に効きます。ごちそうさまでした。
デザート

an寿anさんにて昨年に続いてロールケーキをいただきました。生クリームもスポンジも至福ですね。チョコレートカステラも後日食べるべく購入。ランナーサービスでクッキーも付けていただきありがたい限りです。翌日はお休みだったため、日曜の夕方に間に合ってよかったです。

萌え路線とおいしいお菓子のコラボです。

当日中においしくいただきました。次回は是非苺ロールを。

コインランドリーで洗濯しつつ(洗濯400円、乾燥機12分100円)一日の振り返りを行い、明日は雨が止むことを祈りつつ23時に消灯です。一日お疲れ様でした。

翌日

朝は弁天島から

この大会の後は独特の解放感があるのか、あるいは極度に疲労してしまうからなのか、レース後の興奮で眠れないということはなく、ぐっすり眠れてしまうのです。今年もよく眠れましたが、トイレに起きるにしても腹筋が痛いという有様で、ダメージの大きさを思い知ることとなりました。

6時過ぎに起きてみると雨が小降りになっていたので、荷造りを済ませてからスロージョグ開始です。昨年のような腸脛やふくらはぎのダメージはなく、ズームフライ5ならではなのかなと思います。腿前は走っていて痛いというよりは、日常生活で大きく曲げたりかがんだりする時にきついという感じです。

距離も時間もこだわりませんので、いつも通り漁港を見つつ、弁天島の方を回ってきました。やはり波の音は力強いのですが、海は透き通っていて、まだ人類に汚されていない自然も残っているのだと思いました。この大きな自然の中で、人ひとりにできることなど限られているので、各人それをやるしかないのだとも(キロ8分44秒で35分でした)。

2019年はもっとダメージがありました。

朝の海を一人で歩くといいことがあります。

毎年「泥ダイアピル」という言葉だけを覚えて帰ってきます。

弁天島の奥には那智の滝が。心の目で見てください。

昨日お世話になった一の滝さんも意外と近くでした。

この辺りの風景もおなじみです。

サンタさんは開店直後でまだあまり商品がありませんでした。また次回。

フードロスの削減に貢献しています(ケチなだけ)。
今年も那智山

杉並木の熊野古道を歩き、那智大社にお参りし、宝物殿を見学して那智の滝を拝むという昨年の経験がとても印象に残っているので、今年も同じコースを選びました。8:25紀伊勝浦発のバスで大門坂まで移動します(480円。乗車時に両替しました)。雨はそのうち止むと信じることにします。

次は9時5分発。観光は何処も早めがおすすめです。

大門坂の下では杖が借りられます。上でお返しできるので、気分を盛り上げるためにも利用するとよいでしょう。主に体重を乗せるのではなく、重りになる腕を置くためのものとして使用します。雨で濡れる想定ですので、上は富士登山競走フィニッシャーTシャツ、下は短パン、後で冷えることも見越してパーカー持参です。

晴れていると杖の音もまたよいものです。力むと滑ります。

バス停から登山口まですぐです。

振ヶ瀬橋を渡り、樹齢約800年の夫婦杉に迎えられ、思い描いた通りの「熊野古道」の杉並木の中、石畳を進んでいきます。やってみると分かると思いますが、ウルトラで疲弊していても、使う筋肉が違うので意外と上れます。怪我をしたとか鋭い痛みが走るとかでなければ、一度トライしてみることをお勧めします。大門坂から先の参道も石段は473段あるらしいですが、折角ここまで来たのでいかがでしょうか。

ここから始まります。

雨の杉並木も特別なよさがあります。

途中にも名所があるので、休みながらでよいかと。

後もう少しありますが、ここまで来れば大丈夫です。

昨日無事に走らせていただいたことを感謝し、これからのことを願うのも昨年と同じです。護摩木には何も書かずに祈りを託し、ただ燃えていく姿を見守るのみです。

今年も100km守っていただきありがとうございました。

私もただ消えていくのですから。

今年も宝物殿那智の火祭りの扇神輿に使われる鏡や刀剣、経塚の埋蔵物など貴重な史料を見学します。御太刀騒動の牛王誓詞が印象に残りました。無実が証明されてよかったですね。撮影禁止ということもあって静かですので、じっくりと三周くらいできます。

昨年那智参詣曼荼羅比丘尼が布教のため持ち歩いた)から帰りのバスまで教えて下さった親切な係員さんとも再会できましたので、100kmマラソンのことを、木札、コース図から写真まで交えて事細かにお話しさせていただきました。ここまでお話を聞いて下さり、嬉しかったです。丹敷の湯のお話や太鼓のメンバーは三重から来られていることなども教えていただきました。また来年も来なくてはと決意を新たにしました。

こちらの係員さんは本当に親切で明るい方です。

雨と霧で那智大社からの眺望はもう一つ。しかし濃霧の別府ロープウェイよりはましでした。あれは駄目と知りつつネタで上ったのでよいのです。

全てよし。

少し行くと青岸渡寺。この時点で那智の滝の轟音が届いてきます。見た目には結構距離があるのに。

ここも定番の撮影スポットですね。

三重塔にも上って小雨の降る那智の滝を高い位置から眺めてきます。建物の中には千手観音像や阿弥陀如来像、壁画もあり、面積の割に凝縮されていると感じます。

撮影用にフェンスの一部に穴が空けられています。

続いて滝口へ向かいます。そこに至るまでの石段の下りが結構辛い(何故なら筋肉痛だから)ということを忘れていました。車道は車もそれなりに来ますし、何より風情があるので、正しい選択肢だとは思います。

決して万全の状態ではありませんので。

昨日送り出していただいた場所も、昼に見るとまた違った姿に見えます。拝所舞台から見上げるとこれまた大迫力で、滝の飛沫か雨かはわかりませんが、降ってくるものを受けながら、実現できなかった別の生き方について思いを馳せました。

完走の実感を噛み締めますね。

昨日送り出していただいたこの場所から。

拝所舞台に参拝するとお守りがいただけます。

滝に打たれる修行ができるような生易しい水量ではありません。

日本一のおみくじということで巨大な箱があるので、こちらで中吉を引き当て、先週の浅草寺の凶を一週間で払拭することに成功しました。

このサイズ。ウルトラ翌日の身体には重たかったです。

参道で何か食べられるものはあるかなと上まで歩いたものの、一人の食べ歩きに適したものはなく、結局那智山バス停に着きました。11:42発のバスでしたが、那智の滝前は観光客が列をなしていて下手をすると座れない可能性もあるため、体力があれば上まで行った方がよいでしょう。

井関三差路を見て最終盤を思い出すのも昨年と同じです。
マグロ

いちりんさんに伺いました。お店の前を通るとランナーサービスのポスターが。メニューも見るからにおいしそうだったので入店。まぐろお造り定食は色々な種類のまぐろがとことんおいしくて感銘を受けます。お味噌汁もお漬物も温泉卵も全てがおいしく、サービスの巻貝も贅沢な味わいでした。こんなに素晴らしいものを食べてしまっては、日常に戻れません。

お隣のお客さんも大喜びでした。
スイーツ

毎年完走賞としてお菓子を提供して下さる福助堂さんにも行かないわけにはいきません。今年も生クリーム滝一番のさくらあんをおいしくいただきました。ジェラートも気になるので来年は迷いますね。じゃばらマドレーヌも購入し、食べるのが楽しみです。

中のカフェもお洒落です。
お土産屋さん

今年も駅前の林土産物店さん小倉家さんに伺いました。お二方ともお元気そうで、お話しできて本当によかったです。また来年もと約束しましたので、是非とも遊びに来たいと思います。お元気でいて下さい。

こちらで完走のお礼をお伝えするのも大会の一部です。

13:46発のパンダくろしおに乗車し、海に別れを告げつつ帰路に就きます。締めは福助堂さんの最中とan寿anさんのクッキーでした。雨の中の奥熊野いだ天ウルトラマラソンも、この大会ならではの温かさが心に沁みる、素晴らしい大会でした。

左からパンダがやって来ました。車両はサンダーバードと同じものです。

また元気でお会いしましょう。よろしくお願いいたします。

お土産も結構買えました。

最後に

初めて参加した時は、”日程がよかった”とか、”関西だから”とか、そういう軽い気持ちだったと思います。しかしそこですっかり心を掴まれて以来、毎年出なくてはならない大会となりました。走る度に、自分の中で思い出すこと、新しく見つかるものがあります。

その中でも毎回、温かな笑顔と充実のエイドで迎えて下さる那智勝浦の皆様のお陰で、走ることの幸せを感じられることは間違いありません。護摩木には「生きる喜びを!!」と書きましたが、これは自然と出て来た言葉で、大会テーマが別のものであったとしてもおそらく変わらなかったと思います。

この大会の魅力は走ってこそ分かるもので、この大会を知らずして今の自分の幸せはなかったとすら思います。一人でも多くの方に、この歓びを知っていただきたいと思っています。

今年も大会を支えて下さった那智勝浦の皆様に重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

ここまでご覧いただきありがとうございます。

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