ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

第40回カーター記念黒部名水マラソン(2023/5/28) 大統領も市民ランナーも!誰もが感激する殿堂入りレベルの大会!

初参加時に仰天して以来、黒部の回し者かと思われるくらいの勢いで毎回絶賛していますが、6回連続となる今回も圧倒され通しでした。ここまですごいと迂闊な記事を書くのも憚られる気すらします。非の打ちどころが無さ過ぎて、どこの大統領でも市民ランナーでも大満足で帰路に就くこと間違いなしです。

www.kurobe-taikyo.jp

今年は曇りで、唯一の文句の付け所だった暑さ(自明や。ただのいちゃもん。)もない上に、全方位からの名水の救援がこれ以上ないくらいに身体を快適に保ってくれました。そこに立山連峰黒部川富山湾の絶景も待ち構えてくれるのがもう最高過ぎでして。多分天国に一番近い大会ではないかと思いました。

豊富な給水に加え給食も充実しまくりで嬉しいです。今年は10km付近の私設エイドも戻って来られ、その先の温泉饅頭梅干し、更に押し寿司も勧められるままに二種類、黒部産コシヒカリとろろ昆布おにぎりも白いがと黒いがの両方、復活した米粉ラーメン、とどめの塩ソフトまでいただき、もうどれだけもてなしていただけるのかと。いつしか「おもてなし」という言葉が人口に膾炙するようになりましたが、そういうとりあえず言っとけばいいかという次元ではなく、やり過ぎではというくらいの徹底した大歓迎が展開されます。

そして大会運営に関わって下さる方も、応援で旗を振って下さる方もとにかく沢山おられ、地域に本当に愛されている大会だと毎回実感します。序盤の街中から声援、ハイタッチ、放水が続き、後半の河川敷でもよさこいやオカリナ、終盤も沢山の方がランナーにエールを送るというこの優しさに、終始笑顔で苦しくなることもなく走れてしまいます。

アフターも充実し過ぎで、名水鍋のカニの味はもう胃袋から全身に染み渡るうまさでしたし、ます寿司に加え、アルペンチーズケーキのアイスヤギミルクソフト名水ポークのフランクフルト唐揚げ等々出店も存分に楽しめます。お土産にはりんごジュレもいいですね。

宇奈月温泉までシャトルバスで送っていただけ、今年も喜泉さんの温泉で風と緑に身を委ねてリフレッシュできました。やまびこ遊歩道、宇奈月ダム、やまびこ展望台からの眺めも恒例で、今年もここに来られて本当によかったなと改めて思います。勿論スイーツも楽しみです。

走りは全く無理せずただただ楽に、練習ジョグくらいの感覚で走れました。急な上りもないため苦しくなることもありませんでしたし、筋疲労も感じず当日も翌日もピンピンしています。前半抑えて後半大体2分30秒程上げ、精神的にも楽ちんそのものです。新品のズームフライ5が合っていたのかもしれませんし、最近始めたトレッドミルでの健康ウォーキング(6km/hで60分など。ただし斜度15%)のお陰で健康になってきたのかもしれません(3時間16分, 156bpm, 190spm, ストライド1.15m, 上下動比5.3%, 上下動6.3cm, 左右接地時間バランス50.4%:49.6%, 平均接地時間239ms)。

黒部名水マラソン規格外で、他所も参考にはできても到底実現はできないレベルだと思います。もう殿堂入りクラス、相撲なら横綱でしょう。黒部の皆様、今年も温かく迎えていただき本当にありがとうございました!

続きのページはより詳しくコースやエイドについて写真たっぷりで書いています。関わって下さった方の記憶喚起に役立ったり、大会に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。コメントなどでリアクションをいただけますと更に喜びます。

昨年の記事もあります。コロナ禍で開催が難しい中でも変わらず迎えていただき感謝です。あの日、故障からの復活の手応えを掴んで以来、怪我無く走れています。

savarun.hatenablog.com

北陸の大会は素晴らしいものばかりですが、金沢マラソンも2023年で7回目の参加となる程惹かれています。笹寿しもカレーもふるまわれます。

savarun.hatenablog.com

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前日(金沢でパン活)

前日は例によって金沢で過ごし、この機会を逃すまいとパン活に励みます。金沢(鶴来も)は本当においしいベーカリーが多く、正直大都会より充実しているとすら思っています。

美しき朝の犀川です。

バラ園の球技場ではモルックの大会が開催されていました。
  • ピストリーナエイスキー

金沢のパン活で外せない石引のベーカリー。塩鯖のタルティーししとうも黒オリーブも酸味を添えるレモンも相性抜群。うず潮はただでさえもっちり生地が魅力のうず潮パンにぎゅうひも入って一層もちもちに。たまらん。

他にもクリームパンが絶品ですし、パニーニも好きです。
  • 別所文玉堂

こちらも石引。創業明治10年の老舗カステラ屋さん。新商品の小豆かすていらは、より和菓子感が増した新食感がよかったのでリピーターに。カジマートでも買えます。ブランデーかすていらは抹茶やチーズもあっていつも迷いますが、結局どれを選んでも正解しかありません。金沢のお土産に是非。

ブランデーかすていらは冷やすとまた一段とうまいです。
  • GOOGOO BAKERY

オープン以来ずっと気になっていたのですが、ようやく行けました。開店と同時に一番乗り。卵とベーコンにマスタードがよく合うベーコンエッグマフィンに、甘みと柔らかい生地が“これ!”という感じのくるみレーズンをいただきました。またよきパン屋さんが加わり嬉しいことです。

開店直後に列ができていました。地元では人気ですね。
  • ぱん焼きばみきんち

有松の先、和菓子村上さんのすぐそば。あんバターくんが可愛いことで有名ですが、惣菜パンもかなりおいしい。迷った末に(餡は朝食べたからと)ゴルゴンゾーラと蜂蜜のハニゴンをチョイス。くるみの香ばしさも加わり納得のおいしさ。次はあんバターくんも狙いたいところです。

フォトジェニックなパンも揃っています。

この組み合わせを考えた人は偉いです。
  • アリスファームキッチン

言わずと知れた老舗ベーカリー。食パンは売り切れ必至なので手に入れたければ予約推奨。キプフェルは少し温めると柔らかさと塩味がグッと引き立ちます。低温長時間発酵のフリュイはナッツとフルーツが9種も入って見事な密度。味も食感も身体と心に優しい名店です。

クリームチーズクランベリーを使ったパンもおすすめです。

一つ一つの主張が強過ぎず、優しく食べられます。
  • たね

大会直前には毎回のように通っていると思いますが、ここに来ておけば間違いありません。時間をかけてよく味わいたくなる、雑に食べるには惜しいパンが揃っています。抹茶黒豆も生地がきれいに馴染んでいて、完成度の高さを感じます。

そんじょそこらでは食べられないおいしさです。

ちなみに昼には豚肩ロース、なすとトマトのカレー炒めも付けました。糖質といえばビタミンB1ビタミンB1といえば豚肉です。

カレー炒めは塩胡椒と小麦粉の塩梅にかかっています。

軽く掃除をしてから満天の湯にて交代浴とジェットバス。筋肉をほぐしまくり、アピタ笹寿司などを買って帰宅です。メインは豚肩ロースと小松菜、人参の塩麹鍋。山代温泉のゆせん卵も付けて満足です。フル前日の夜は比較的軽めにしています。

大体夕方までに存分に食べればそれでよさそうです。

レース当日

レース前(あまりにストレスのない移動)

22:30頃入眠、5:20頃起床。安静時心拍数も低くよく眠れています。やはり金沢の夜は静かでいいです。家ではフリュイ半分、ゆせん卵、チーズ二つに牛乳のみです。

遠征先だと軽くしか食べられないことも多いですし。

移動は時間に余裕があるので、北陸新幹線駅のきれいなトイレにも寄れました。テーピングも駅のベンチで落ち着いて済ませます。新幹線では遠足気分で小豆かすていらを食べました。やはりうまいです。

緊張感ゼロです。

黒部宇奈月温泉駅からはシャトルバスがどんどん運んでくれるのでスムーズに会場入りできます。体調チェックシートもすぐ出せるように準備して流れるように準備が済みます。ゼッケンが事前送付になったのが本当に便利です。家で装着して行けるので、会場ではシューズを替えて持ち物を確認することと、温泉入浴券を買うことくらいしかやるべきことがありません。ランライフさんにご挨拶してからアミノ酸を摂取し、スタートブロックでのんびり整列です。

駅の時点で並々ならぬ意気込みに満ちています。

売り切れる前に買えてラッキーでした。

今日のシューズは約9,000円で購入できたズームフライ5。色は全く好みではありませんが、履いたら一緒(料理の盛り付けに失敗しても食べたら一緒と同じようなもん)なので気にしません。事前に2分オン1分オフで試した感じでは“スピードが出にくそう。これは4の方がよかったのでは”と低評価だったのですが、結論を先に書いておくと、ほぼノーダメージで走れてしまう素晴らしいシューズでした。かなり頑丈そうですし、飛騨高山ウルトラや函館マラソンで起用してもいいかもしれません。

レース前の御姿。

レース後の御姿。かなりの頑丈さと接地範囲の広さを感じます。

ウェアはアンダーアーマー水色とミズノマルチポケットパンツ、ザムストソックスにニューハレです。曇りなのでキャップのみでいけると判断しました。持ち物はアミノ酸経口補水液を入れたジェルフラスコを一つのみ。7kmごとに少し飲んだくらいです。エイドが多いので余計な物を持つ必要はありません。

スタート前には磯野あずささんも富山のランナーさんとにこやかに話しておられました。軽く動的ストレッチをこなしてから、高橋尚子さんの“暑くなったら立山連峰を見て”“ゴールしたら一人一人が主役”といった数々のお言葉を胸に、この先の時間にワクワクしながらスタートを待ちます。

鯉のぼりもいつもの姿です。

普通に和気あいあいと盛り上がっておられました。

レース

序盤~前半(街中の応援と給水・シャワーで大歓迎)

まずは混むので、歩いているうちに台上の偉人のお姿を撮影させていただきます(この先もですが、足元や周囲との距離確認といった差し迫った課題があり画面は見ていられないので、ミスショット前提で適当に撮りまくります。写真は記憶喚起のためのおまけです。)

毎回この超豪華メンバーが定着しているすごみよ。

まずはフラットな道を行き、“最後の最後にここを帰って来るのだな”と記憶を確認します。六度目にしてようやく明確に分かるようになりました。それにしても毎回ながらいきなり応援が多いです。1kmちょいで左折して視界が開けると共に、道の駅生地では応援の太鼓が待っていて下さります。最初のエイドが2.3km辺りにあり、早々においしいお水をいただきます。

どこまでも応援して下さるという気迫がこもっています。

4km程行くと、帰りに塩ソフトと米粉ラーメンがふるまわれるあのエイドに至ります。ここは左右に沢山給水があり取り易いですね。

レースはここで実質終了です。

あいの風とやま鉄道の高架をくぐり、線路沿いを進みます。基本日陰ゼロと思っておいて間違いのないコースですので、いつもならこの直線で照り付ける太陽と地面に浮かぶ自らの濃い影に“左の溝に入って水浴びをしたい”と感じるものですが、今日は5年に1度くらいの曇り、黒部とは思えない涼しさです。写真では分かりにくいですが、左手には立山連峰がくっきりと見えてきれいです。道路も改修されていたと思います。

黒部にあるまじき涼しさです。

生地駅では電車の中から手を振って応援して下さる方もおられ、あちらから見た我々の姿を想像して楽しい気分にもなりました。

電車からこちらを見たらどんな感じでしょうか。

高架の近くは日陰ということもあって応援の方も多いです。二回くぐってから少しくねくねと進み、黒部駅の方へやって来ます。ここからの中心部では応援が更に増え、シャワーもしょっちゅう登場します。スマホの水没リスクが高く、撮るか否かの見極めはなかなか難儀するくらいです。生命活動維持のために実にありがたい限りです。

駅前に限らず沿道がにぎやかなこと。

10km付近では2019年以来の私設エイドが復活していて、お団子をいただきました。あまりに嬉しかったのでコースアウトして止まって撮影しています。ごちそうさまでした。

ずっと楽しみにしていました!

少し行って右折すれば11.2kmのエイドで温泉万頭がふるまわれますので、ここも外せません。机の裏側に回って撮影に勤しみます。あまりゆっくりし過ぎるとあれなので、走りながらいただきましたが、前半から甘いものが続き元気百倍です。

街中も信じられないくらいシャワーだらけです。

しかしまだ温泉街ではないのですね。

ただ一心に前に向かいます(※もぐもぐ食べています)。

1kmくらい行くと前沢地区へと向かうアンダーパスですが、毎回このエリアも放水が多くて身体を冷やすことができます。写真が少ないのは豊富なシャワーの存在を示す事実ともいえます。ここをくぐるとグッと山が近く感じられる、好きなポイントです。

初めて来た時から”富山!”というイメージです。

ここからはしばし上るのですが、そこまで長いわけではありません。リズムに気を付けて走っていればやがて終わるかなくらいです。ただ、上り始めて少しくらいの所で光の都合か視認しにくいくぼみがあり、前を走っていた方が足を取られかけていました。彼は終盤でも見かけたので、大事には至らなかったようで何よりですが、要注意です。

大体の場所は安全なのですが。

こんな具合に左折したら一休みです。

上って左折すれば一瞬下ってしばらく眺めのよい直線です。こういう景色がまた、流石は黒部と唸るところです。山も田んぼもきれいですし、また応援して下さる方も多くて心が温かくなります。

おばあちゃん、ありがとう。すごく嬉しいです。

確か14kmで1時間5分かそこらでした。全然しんどくないので十分でしょう。

中盤(次々現れる給食、立山連峰、名水シャワー)

15kmの手前で左折するとお馴染みの明峰中学校の吹奏楽ハイタッチです。今年もスキマスイッチ全力少年』でしたね。おじさん世代向けの選曲が光ります。暑いのにランナーを鼓舞して下さりありがとうございます。左側にはピンクの怪獣さんも。おそらく能登和倉万葉の里マラソン加賀温泉郷マラソンでも数か所で登場して下さった方だと思います。北陸のあちこちの大会で見かけますので明るい気持ちになります。

中年でも全力なら結構楽しいですよ。

序盤にもおられたので本日二度目のお目見えになります。

右折して富山地方鉄道跨線橋へと向かう先には、高橋尚子さんがいて下さりました。いつもここですね。昨年はエアハイタッチでしたが、今年はハイタッチ解禁ということでこちらもテンションが上がりまくりです。しかし決してご負担をかけてはなりませんので、力はこめずにすっと触れさせていただくようにしています。ありがとうございます。

本当に光り輝いています。いつも。

跨線橋は少々上るのですが、丁度いいタイミングで電車も通ってくれたので記念撮影しておきました。下りの写真は眼前のパノラマの力でものすごくスピードが出そうな感じですが、実際はすぐに終わります。

初めてタイミングが合いました。

写真のトリックでは身体まではだませません。

下った先にエイドがあるのも熟知しています。手作り梅干しは事前に予習していたので取ることに決めていました。小さなカップを素早く取って塩分補給です。唾液もどんどん湧き上がり、生命の神秘を感じます。種は次のエイド(すぐそこ。北陸新幹線の高架も見えるので気楽なもの)で捨てればよいので構わず口に含んで進みます。

手作りと聞かばスルーできましょうか。

ここを抜ければオアシスです。

全身濡れていますので涼しいです。

高架下では23.9℃黒部とは思えないマイルドな表示で安心します。ここを抜けるとまた豪華なエイドですので、真面目に走っている場合ではありません。毎度のことながら、“押し寿司をいただこうと思っていたところそこに辿り着く前の苺で捕獲される”パターンでしっかり止まっていただきます。苺との相性など一切気にせず押し寿司をいただくのですが、一つ手に取ったところ、“こっちは海老だから!”ともう一つ渡されて“流石は黒部のおもてなしぶりよ”と喜んでいただきます。

サービス精神旺盛といいますか、これぞ本物です。

押し寿司を咥えたり手に持ったりしながら進む全力中年の視界です。

この先も声援に笑顔と「ありがとう」で応えたり、シャワーをありがたく浴びながら快適に進んでいきます。この辺りも確か昨年足を取られかけた記憶があるので、多少注意しました。大阪屋ショップの横を曲がると一気に立山連峰が開けて爽快です。中間点でグロス1時間39分28秒、まあこんなもんだろうというところです。

さて、この時点でズームフライ5のパワーか脚の重さも全身の疲労も感じなかったため、スピードを上げたいところですが、折り返し直前にはとろろ昆布おにぎりが待っていますので、タイムのことは忘れるしかありません。黒部峡谷鉄道さんのトロッコ列車は帰路の方が近くで撮れるのですが、ここではとろろ昆布おにぎりで両手が塞がっていることを見越して往路で撮っておきます。そんなことばかりしているので結構忙しいです。

このストレートの先に広がる景色も大好きです。

距離表示に描かれたイラストやメッセージも楽しみです。

大分暑くなってきたようですが、2019年は34℃でしたから。

待望の23.1kmのエイドでは、黒部産コシヒカリとろろ昆布おにぎりがいただけます。昨年白昆布のみ取ったところ“黒いがもあるで!”とご推奨いただいたにもかかわらず一つに止めたことを深く悔やんだため、今年は自ら積極的に“白いがも黒いが両方!”とリクエストして(なんと厚かましい)いただくことに成功しました。大願成就です。

これは両方いただくしかありません。

それにしても両手がおにぎりで塞がってしまうとコップを取ることもできず、更に走りながらの撮影時にはジッパー付袋の操作や指先のべたつきへの配慮など、かなりやることが多いです。皆さん一体どうやって対処しているのでしょうか。

折り返しの風景を楽しみつつ、食事も欠かしません。

折り返してしまえば下りになり、もうこっちのものですので、おにぎりを噛みしめながらのびのびと走ります。しばらく往路のランナーさんとすれ違う時間が続くのもいいですね。エイドの給水、左手の清々しい水田の景色もいつもの黒部で、また一年経ってここに来られたことに感謝します。

折り返すと本当に急に楽になります。前半は温存が吉かと。

高架を潜ると堤防に上って左に進路を取るのですが、ここで右手には立山連峰が聳えていますので、ターンする前に写真を撮っておきました。昨年まではいつも気が緩んでいてタイミングを逃し、とても後ろは向けまいと泣く泣く諦めていたのですが、今年はばっちりでした。快晴ではない分、その勇壮な姿は幾分控えめですが。右手の黒部川も左手の田畑もまた気持ちよく、とにかく楽に下っていきます。

このパネルは目立ちますし励みになります。

ここで撮影するには準備が必要です。やりました。

右も左も楽しみ尽くしましょう。

27.7kmではあの名水シャワー(送風機付き)ですので、何とか少しでも近くで写真をと思いましたが、給水テーブルを考えると手前200mまでが妥当な線でした。このシャワーは看板の一つでもあり、眼鏡もぐっしょりですがとにかく気持ちいい、生きていることを確かに感じ取れる瞬間です。

名水シャワーと応援の力でどんどん進みます。

28kmで2時間12分かそこらだと思います。折り返してからはキロ4分30秒台が出るようになりました。

後半~終盤(黒部川からの塩ソフト街道、そして富山湾

橋を渡る、少し下る、高架を潜る、この流れも知り尽くしています。29km過ぎの給水からは少し丈の長い草花を両手にどんどん進みます。例年この辺りでは快調に走れます。黒部川河川公園では最初に黒部川が見えてからすぐに草で隠れて“ああ”と思いますが、二度目三度目の方が長く安定して見られますので心配無用です。晴れの日は緑に輝くのですが、珍しく光の少な目な姿もまたよいものです。

あの先を抜ければ給水です。

景色が変わるので飽きずに走れます。

明るい時より気持ち遠くに見えました。

マニアの間では知らぬ人はいないであろう「30m先急な下り坂」の看板も復活していましたので、嬉しく思うと共に忠告を胸にそっと下りました。よさこいのメンバーも笑顔で迎えて下さり、あと少しの道のりを進めるよう後押ししてくれます。ただ、今年はいつものバンドメンバーの生演奏がなかったようで、それは寂しい気はしました。「走る走る俺達~」は流れていましたが。

分かる人には分かる。はず。

ずらーっと並んでいただき壮観です。暑さにはお気をつけ下さい。

31.8kmのエイドは速く走りたい人は真っ直ぐ、休みたい人はピットインの親切設計。勿論テーブルの間に収まってオレンジをいただいたりします。ここは出がけにひしゃくでの被り水もありますし、果てしなく歓迎とサポートしていただけることに毎回驚きます。

パンもありますよ。

オカリナの柔らかな音に癒され、堤防をキュッと上ってしまうと黒部川とはお別れ、少し下ってからは塩ソフト街道を邁進します。今年は本当に余裕があったので、この辺りでもピッチを高く保てました。35kmでグロス2時間43分36秒、この区間はタイム的にもよかったです。

ありがとう黒部川

うむ、余裕がある。

そしてコーラのエイドの後では二度目の高橋尚子さんが。丁度前に少し間が空いていたため、高橋さんが一旦手を洗っていたタイミングだったので、わざわざ準備していただいたような形になってしまい恐縮です。最早推しの握手会に臨む古参くらいの意気込みで、失礼の無いようにソフトなハイタッチを心掛けました。

いやもう本当エアハイタッチで十分ですよ。

後はそれ程遠くない位置に見える線路を目標に、その先の塩ソフトを夢想しながら進むばかりです。いつもは暑さでだれてくるのですが、この辺りも余力があったので、ピンクの怪獣さんを撮ったり(「撮れた?」「撮れました!ありがとう!」といったやりとりもあり)、目に映る花の色を記憶しながら走っていました。

ここまで来たら終わったようなもんです。

ついに塩ソフトエイドに帰って来ました。高架をくぐると二代目山の神柏原竜二さんが待っておられることもよく分かっていますので、ここ数年の失敗を乗り越えて写真撮影とハイタッチを交わします。「頑張って!」とお声がけいただけるといくつになっても嬉しいですね。

声もカッコいいですよね。

そしてここが最大の見せ場ですので、いそいそと米粉ラーメン塩ソフトへと歩を進めます。「二つでも三つでも!」と次々と勧めて下さりますし、その気持ちもよくわかるのですが、ここは紳士として「いえいえ、後の方こそ楽しみにされていますから」と一つずつに止めて一年分の想いをこめて味わいました。米粉ラーメンは2019年以来だと思いますが、胡椒が効いていて発奮しますね。塩ソフトはもうこんなにうまいものはないのではと毎回思います。だって気温30℃の中を36kmも走ってきて食べるんですよ。全細胞が欲しているに決まっているじゃありませんか。最高です。

いやもう何度も角度を変えて収めるしかないでしょう。

そうだ、この味だった!

嗚呼、塩ソフトよ。この幸せよ。

ここでは思い切り放水を浴びるのも定番で、最早シューズがどうのなんて気にしていられません。これだけ水に恵まれた時間もなかなかありませんので。後は残り5kmといった表示を見て、左折して給水、右折して富山湾へと向かいます。最後のご褒美です。毎回書きますが、山、川と来て海も迎えてくれるのですから、どれだけ贅沢なコース設定なのかと思います。

予告までして下さる親切ぶりです。

この直線ではひたすら富山湾を拝みながら進み、暑さも、地面の硬さも、全て受け入れるばかりです。過去5回、ボロボロになって辿り着いた日もあれば快調に駆け抜けた日も、願いを込めて走った日もあります。それらが次々と心に浮かぶ時間です。一貫した存在である自分など、どこにも存在しないただの幻想に過ぎないのですが、それでもこれまでにあったこと、感じたことは事実なのです。

ここまで来た自分を、認めてあげてもいいと思いますよ。

小さくターンした先の給水では、昨年捻挫しかけた反省を下に斜めではなくテーブルと平行に入る慎重な走路を取りました。お陰で今年は無事です。後は港町を、応援に笑顔を返しながら行くのみです。ここに来ても本当に応援が多いです。小さな橋を渡ってラストの給水。ここはしっかり飲んで気持ちを入れ直します。と言いつつ撮影に励んでいますが。

海を感じながらゴールを目指します。

いよいよラスト1kmです(最後くらい真面目に走りなさい)

右折するとスタート直後に通った道に戻って来ます。昨年はここでも捻挫しかけたので、路面をよくよく見ながら走ります。まだまだ冷静です。何人か抜けそうだなと思ったので多少腕振りを大きくして気持ちよく上げ、名前を呼んでいただき、にこにこしながらフィニッシュです。2.195kmは9分22秒でした。

最後まで楽しんで走ることができました。ありがとうございます。

アフター

会場(ふるまいも出店も)

まずはコップを受取り、流れ出る名水を存分にいただきます。アミノ酸も即摂取です。タオル完走メダルドリンクもいただき、体組成測定で17歳を出して盛り上げるいつものネタをかまし、素早く着替えてプロテインプロテインバー二本で補給を済ませます。

参加賞の名水鍋カニの味はもう胃袋から全身に染み渡るうまさで。アルペンチーズケーキのアイス(レモン)もチーズ好きには最高ですし、ヤギミルクソフトを今年も食べられて満足です。黒部名水ポークのフランクフルトは弾けるジューシーぶりがたまらず、唐揚げも毎回ひたすらでかくてたんぱく質補給にうってつけです。心残りはくろべ牧場まきばの風さんの牛乳が完売だったことですが、それだけ沢山の方が喜んでイベントに参加できる日々が戻ったのだと思うと嬉しくなります。魚津のりんごジュレを買ってランライフさん(かかとタフ。大阪遠征組)へのお土産にお持ちし、近況や今後の予定、地方遠征の楽しみなどを楽しくお話しました。サンシェードインナーをもう一つ予備で購入したので、活用していきたいと思います。

最早説明など必要ないでしょう。食べにこられ!

宇奈月温泉にお店があります。

山羊チーズはふるさと納税返礼品にもあります。

パリッとジューシー、買ってよかったです。

この唐揚げ、底の方にも巨大な肉が埋まっています。

参加賞のパックごはんまで。

ジュレはどう考えてもおいしいでしょう。

いつも楽しいお話をありがとうございます。

他にも薄底の掘り出し物シューズが無いかなと期待したものの見当たらずでしたので、富士登山競走は、ほぼ新品のHANZO Rか走行距離340kmのエンペラージャパンのどちらか速く走れそうな方に全てを賭けることになりそうです。

他には提携大会なのかみえ松阪マラソンブースがあったのでお礼を言いつつ絶賛してきました。スタッフさんにも喜んでいただけてよかったです。あの大会もとんでもない気合の入りようでした。

savarun.hatenablog.com

ふくい桜マラソンへの出場も約束し、富山マラソンブースでも二年間のお礼をお伝えできました。今年は下関海響マラソンを選択しましたが、本当にいい大会ですので、また出たいと思います。

savarun.hatenablog.com

活気の戻った芝生に、鯉のぼりも一層元気になったことでしょう。その姿を見届けて、シャトルバスで宇奈月温泉へと送り届けていただきました。

黒部に大会と笑顔が戻って来ました。

丁度5時間の皆さんを応援していました。お疲れ様でした。

また来たいです。何度でも。

宇奈月温泉雄大な自然の中へ)

今年も喜泉さんの温泉で風と緑に身を委ねてリフレッシュできました。昨年はこの景色を忘れるまいと力んでしまったこともあったので、今年は記憶することすら考えずに、ただただ自分の感覚に集中していました。まあすぐに雑念が心を乱すのですが。冷水シャワーで軽い交代浴もでき、一層回復も早まりました。

空気も少しだけ涼しく感じられます。

露天風呂では、風に揺れる枝を見ていました。

あまり時間がなかったのですが、恒例のやまびこ遊歩道を通って宇奈月ダムに行くルートは是非もう一度と思っていたので、こちらも行けてよかったです。山が急で深い、この地形の雄大さには何度訪れてもすごみを感じます。やまびこ展望台からトロッコの線路を見下ろすのも、“ああそうだったな”と。今年もここに来られて本当によかったなと改めて思いました。

足元には恐怖しかない例の儀式です。

深く、鋭い。大地の成り立ちは想像を超えます。

トンネルを抜けて宇奈月ダムを目指します。

どうしても近くまで行きたくなります。

やまびこ展望台より。ヤッホーと叫ぶ度胸無し。

折角の温泉街ですので、名水ポーク角煮入りのライスコロッケも、レアチーズとうふプリンも大変おいしくいただきました。こういうメニューに巡り会えるのも温泉街そぞろ歩きの魅力ですね。

名物を食べてこその旅行です。

いつも通り中島商店さんでお土産を買い(サービスしていただき感謝です)、17時10分発の最終便で黒部宇奈月温泉駅まで送っていただきます。案内のスタッフさんも手を振って下さったり、運転手さんも優しく言葉をかけて下さったりと最後まで皆さん温かいです。

ラソン以外で普通に旅行に来たいと思いながらも幾星霜。

黒部多様性一家にご挨拶し、駅でこしひかり最中(こめ粒入り)を食べるのも黒部名水マラソンの定番です。17時43分発のはくたかに乗車し、今年も元気に生きていられること、またもこうして強く胸の奥に残り続けるであろう思い出を与えていただいたことに感謝しつつ、西へと向かいます。

改めて、また会う日まで。

最後に

出る毎にその素晴らしさに驚くばかりのこの大会、今年も圧倒され通しでした。書き連ねるといくらでも続いてしまうので、どこまで書くか悩むくらいです。

走ることも含めて自分の中で人生を一つ一つ終わらせていくようにしているのですが、黒部名水マラソンはあまりに魅力的過ぎ、何回でも黒部に来たくなってしまうので、なかなか完結させることができません。まだしばらくは、走ることの喜びに浸らせていただきたいと思います。

黒部の皆様、今年もとびきりの大会を開催していただきありがとうございました!

ここまでご覧いただきありがとうございます。

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