初参加のこの大会、楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました!この時期の開催は関係各所とのご調整も間違いなく大変なのですが、無事に走らせていただき本当に感謝しきりです。参加賞とふるまいも充実しており、コースも絶景あり走れるトレイルあり山ありロストあり笑で、皆さん笑顔で走っていました。累積標高915mとそこまで険しい山ではなく、歩きで通しても制限時間内に終われるのではないでしょうか。
例年であれば8月終わりに道マラを走った後、9月は田沢湖マラソンや榛名湖マラソンで地獄を見たり(コースがきつい)、白山白川郷ウルトラマラソンで意識が飛んだり(フェーン現象で暑い)、朝倉トレイルや宝浪漫マラソンで名所を巡り特産品をいただいたりと個性溢れる大会で忙しく過ごさせていただくバラエティーに富んだ月なのですが、何も遠くに行くばかりがランニングの楽しみ方ではありません。地元でもいい大会や景色が沢山あるという発見がある、そんな年になっています。
大会を開催して下さった皆様、トレイルですれ違う際にご挨拶していただいた皆様、一緒に走って下さった皆様、本当にどうもありがとうございました。
レース前
朝食は運動していなくても普通に食べます。キャベツ、小松菜、アボカド、人参、サンマ蒲焼き缶、チーズ三枚、オリーブオイル、胡麻きな粉のサラダ、卵とピーナッツ、豆乳黒酢きな粉です。10時スタートだから沢山食べても問題なしと判断しました。ごちそうさまでした。
更衣室はないので、家で装備を整えてから向かいます。いつもの白キャップ、青アンダーアーマー長袖、武庫川ユリカモメウルトラリュック、ミズノのタイツ、360度ポケットのランパン、ザムストソックス、ニチバンテーピング2.5重、ミズノダイチです。補給食は経口補水液500ml、塩熱サプリ3つ、ジェル一つのみです。反省としてはもう少し気分転換のための食べ物と、エイドの少なさを考慮した水分があればよかったですね。
天下茶屋から南海電車のサザン(和歌山行き)に乗ります。一部指定席でどうしようか迷ったのですが、自由席でも余裕で座れました。折角ですので30分程眠ります。
9:30にみさき公園駅到着です。小学校の社会で大阪の南の端といえば岬町だと習って幾星霜、ついにこの地を訪れました。こんなことでもない限り来ることはなかったでしょうから、ご縁に感謝です。改札の先には象のオブジェがあります(トイレはここにしかないので一旦西側へ行きました)。
東側改札を出て受付です。非接触の検温も問題なしで一安心です。ペットボトルはお茶と水の二本もいただけて驚きます。お茶に至っては凍らせていただくお心遣い。背中を冷やすべくリュックに収納しました(なお、あまり考えずに開栓すると弾けます)。参加賞のノースリーブTシャツは珍しいので、早速着用して近所の公園で見せびらかしていきたいと思います。
荷物を預けて開会式です。代表者の方のご挨拶で、本来予定していた前回大会が中止になったこと、それでも今日はやっと開催できたので、皆さん今だけは暗いニュースは忘れて存分に走ってくださいという言葉を聞き、改めて今日ここにいられることに感謝します。
レース
飯盛山~札立山
タイムを狙う人から先にスタートしてくださいというゆるいウェーブスタートでした。そんなに頑張る気もなくお互い牽制し合ったものの、5番か6番くらいで出発します。右折してとりあえず上り、階段を過ぎてから飯盛山登山道に突入です。この辺りはスタッフさんが多く、送り出して下さることに嬉しさを感じます。
最初の方は階段で、上って下って高架を潜ってまた上ってという感じで、正に序の口という感じでした。特に頑張るでもなく進んでいきます。登山道に入って10分くらいでしょうか、早くも少し見晴らしのいい場所があります。
この頃はまずまず元気だったのですが、その割に速くもなくただ漫然と進んでいったと思います。シングルトラックなので、何か後ろから 速い人が来たなと思ったら早めに道を譲りました。先ほどの地点から30分程歩き続け、上りにも飽きてきた頃に急に視界が開けます。
こちらでお茶を飲んだり塩熱サプリを摂取したりと休んでいる間に結構抜かれます。この先ちょっと走れそうな所もあったのですが、草が深くて視界が悪い割に足元に結構段差があるようだったので、無理せず歩いていきます。
山に行って分かったのですが、9月の頭だとまだ蝉が結構鳴いているのですね。最近朝は木々の少ない街中をスロージョグすることが増えていたので、その声を耳にすることもなく、すっかり姿を消したものだとばかり思っていました。
ところで個人的な感想で、トレイルでそんなことを言うこと自体馬鹿げていると百も承知で言うのですが、妙に蜘蛛の巣が多くありませんでした?自分の上体が伸び切って重心が高かったからガンガン捕まってしまったのかもしれませんが。あと、やたら虻か何かと並走(歩いていましたが)することも多かった気が。速く走れば振り切れるのでしょうが……。
そんなことを考えていると札立山に到着です。こちらでも展望が開けていますので、写真を撮って休憩します。11時19分でした。
札立山~井関峠
札立山で左に進み、4分程行くとまたしても眺望の良い展望台があります。天気もよくて素晴らしいですね。
ここで要注意なのですが、この先真っ直ぐ行くと道が無くなります。さてどうしたものかと引き返してみると先行していたランナーさんも道が分からず何名か困っていました。コースのマーキングは数がそれなりに多く、洗濯ばさみで留めてあるため目立っていたのですが、ここでは周囲に見当たらず、しばし地図を見て相談しました。
結局勇気のある方が左の道を下りて行き、その先にあったマーキングを発見して事なきをえました。助けていただきありがとうございました。
ここで人数も増えてパーティーを形成したような状態になったため、このまま引っ張ってもらえるかなと思っていたのですが、自分は今日も下りが遅く、上りも頑張れないということで、どんどん差が開いていきます。この辺りで「今日は俺の日じゃない」と潔く負けを認めてガンガン歩くことにしました。トレイルとピクニックを合わせたコンセプトなのだから、これでいいやと割り切りました。
今後の為に真面目なことも書いておきますと、前半で早々にバテて上りは休み休み、平地もかなり歩いてしまったのはよろしくないですね。走れるトレイルはスロージョグの方が楽かつ涼しいと頭では分かっているのですが、サボってしまいます。上りのバテっぷりについては、コンディショニング一切なしだとこんなものかもしれません。
普段と全く同じ朝食を食べると少々重い気もしました。いつもならその後は涼しい部屋でデスクワークだけですし、ほぼ日陰とはいえ気温30度の中で動き続けることは身体には落差が大きかったのかもしれません。あと、前日も少しは糖質を増やしておいてもいいかもしれません。レースとして出るなら前日普通に練習するのも避けた方がよさそうです(フルなら前日は基本的にノーランにしています)。
上りは上に持ち上げるのではなく、前に進む力を意識しました。これ自体は無駄な力を使わずに動ける感覚があり、改善できた点だと思います。スクワット的な尻の使い方ともつながりそうです。この辺りの動作の意識は、日常の駅の階段でも試せそうです。
24時間後の疲労度もそれ程ではなく、強い筋肉痛もないまま48時間も経過しました。上りは呼吸の乱れと心拍数がそこまで直結しておらず、全体に心拍数は低めでした。負荷はもっとかけてもいいようです。
トレイルはどんなに適当にやってもそれなりのトレーニング効果が得られるはずと思っていることもあって、簡単に歩いてしまいますし、何かと頑張れないのです。いっぱい出ていればそのうち速くなるというわけでもなさそうですので、もう少し頭を使って取り組まなくてはなりませんね。
さて、何やかんやで大福山までは到達しました。階段の上ではハイキングを楽しんでおられる団体さんがお昼ごはんの時間だったのか談笑されていました。平和な光景に和やかな気持ちになります。
もうエイドは近いはずだと思いながら坂を下っていくと、何やら怪しげな案内が現れます。こういう遊び心に触れられると元気が出ます。
井関峠目前の道は狭く、左に倒れると滑落するリスクがあります。一度バランスを崩した際、踏ん張れそうだけど二歩目で引っかかると危ないなと思って緩やかに右にこけておきました。腕に土が付いていたため、エイドで恥ずかしい思いをしましたが、大過なければそれで十分です。ようやく井関峠エイドに到着です。12時32分です。
フィニッシュまで
井関峠エイドではよく冷えたコーラもいただけて回復します。マイボトルへの給水もできました。あそこまで水を運ぶのは大変だろうなとそのお力に感謝します。後の人のことも考えるとあまり大量にはいただけませんので、やはり水は多めに持って行った方がいいです。1.5lあると大丈夫かなと思います。
「残りあと9.5km、最初は上るけど後は基本下りだよ」と励ましていただき、なるほどそうなのかとまた歩き始めます。少し上りが続きますが、この辺りはトレイルの不思議さといいますか、ある程度復活してきましたので、歩く速度も上がり、時々はジョグを交えたりしました。何名かパスすることもできました。
雲山峰までの道は一度間違えはしたものの、基本的に走れるトレイルですので、タイムロスはあまりなく、かつ回復も期待できるエリアだったと思います。13時1分着です。
風もありそこまで暑くはないものの、やはりそれなりの気温ですので、適当に言い訳しながら歩いていきます。途中で景色のいい場所に出ると立ち止まって写真を撮り給水して一服といった様ですので、同じ方に何度も抜かれました。
16km辺りでもう残りも見えてきたのでハニーアクションのジェルを食べます。甘くて元気が出ましたが、虫が寄ってきたらどうしようとかしょうもないことも考えていました。
山中渓駅までの分岐は一度間違えて、四ノ谷山の方に行ってしまいました。素直に標識に従えばよいものを……。まあ、何か違いそうだと地図を開いて引き返したので数分のロスで済みましたし問題ありません。それも含めてトレニックの楽しみです。
ここから少しジョグしたり歩いたりしますが、ゴールが近いということもあってか殆どマーキングがありません。本当に大丈夫かいなと思って10分程行った所で第一パノラマ展望台に到着しました。関空、六甲山、淡路島が全て望めて、紀南アルプスまで来た甲斐が大いにあったと実感する絶景です。最後にここを通れるとは粋な演出だと思います。ちなみにこの展望台もコースアウトして立ち寄った場所です。
既に13時50分となり、最早タイム気にするレベルでもありませんので、階段も下りもゆっくり歩いていきます。それなりにぶれていますが。車や電車の音が近くなってきましたので、道は合っているはずです。
下りは、この最終盤は仕方ないとは思いますが、それ以外でも今日も遅く、諦めて歩くことも多かったです。攻めのへっぴり腰で上体を地面に近付けつつ、接地時間を短くして細かくステップを刻む、と頭では考えていたものの実践できる場面は少なかったです。ついついビビってしまいます。スリップ上等でいくらか重心を前に出すことで安定することもあったので、そういう時間を増やしていきたいです。もっと積極的に下りを攻めねば、いつまで経っても上手くなりません。
全体のペース配分は、前回大会の記録が見当たらなかったので生駒くらいと想定して走り始めたのですが、歩く時間の長さと土地勘のなさからどんどん後ろ倒しになり、焦りも生じてしまった感じです。後半復活して平地は走れ、離されていた方々にも徐々に追い付けましたので、こういう日もあるのだといい経験が積めたと思います。景色のいい場所は全て止まったのもピクニック感があって楽しかったです。
もう順位の変動もないだろうと思っていたところ、一名結構軽やかに下って来られる男性がいたので道を譲ります。少し行くとようやく階段も終わり、高架を抜けます。その先にはゲートがあり、これで登山道はおしまいです。
民家のあるエリアに入り、急にゴールへの矢印が散りばめられるようになります。ああ終わりだなと思っていると踏切に捕まりました。長く感じますが今更数分ずれたところで痛くもかゆくもありませんのでご休憩ということにします。
踏切を渡って左折すると、スタッフのおじさんが手を振って迎えて下さります。こちらも手を振り、お礼を言います。「最後は100m上り!頑張って!」とエールを受け、最後くらいは走ろうと肘を思い切り飛ばして身体を浮かせるフォームでグッと上り、わんぱく王国に入り左折してフィニッシュです。
でかいゲートがあるわけではなく、計測用リストバンドを機器に当てて音を鳴らすのですが、迎えて下さった女性のスタッフさん達の笑顔と声援がとても嬉しかったです。
アフター
当然出店もないし水一本いただけたらいいなくらいの気持ちでいたのですが、いきなりよく冷えたコーラをなみなみとボトルに注いでいただきました。欲しかった水分が与えられたことでタガが外れてがぶ飲みです。
更にコーラのおかわりをいただき、おにぎりと発泡酒まで支給されます。糖質も補給しなくてはなりませんのでがつがつ食べました。発泡酒は人数分以上用意していただいていたようで、その後何度も「まだあるよ」「もうええの?」と大阪人のサービス精神を見せつけられます。残念ながら(ありがたいことに)お腹いっぱいでしたので、お礼を言いお断りしつつ笑っていました。
更衣室もなかろうとでかいタオルを持参し、適当な物陰を探そうとしたところ、何と個室のテントが用意されていましたので、ありがたく使用させていただきました。色々な所で気が利いていることに驚く一日でした。
トレニックということで各人思い思いのペースで帰って来ます。途中何度も上りで道を譲り合った方とも再開でき、笑顔でお疲れ様でしたと言い合います。小規模トレイルならではの和やかな時間です。こういうのも楽しいですね。
この後雨が降り出し、次第に強くなってきたこともあり、長居せずに駅の方へと向かいました。帰りにすれ違ったスタッフのおじさんには満面の笑みでお礼を言って喜びを伝えました。嬉しそうにして下さり、よかったです。
家に到着後、シャワー、ウェアの下洗い、シューズの泥落としを行います。と言っても、今日は泥や川に突っ込むシーンが一度もなかったので、シューズの掃除はほとんどいらなかったと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。参加された方はそうそうと思い出され、そうでない方にも魅力が伝わってくれればとても嬉しいです。絶景、走れるトレイル、山、ロスト、きっといくらかでも伝わっていますよね。皆さん笑顔で走っておられましたし、おそらくビギナーから上級者までそれぞれに楽しめる良きトレイル、良き大会だと思います。
思い入れのある大会、また出たい大会は全国に沢山ありますが、こうして、地元でもいい大会や景色が沢山あることに気付けたことは自分にとって大きな発見でした。
それもこれも大会を開催して下さった皆様、受け入れて下さった皆様のおかげです。本当にありがとうございました!