大会のない日々にもすっかり慣れました。どんどん振り返っていきたいと思います。とくしまマラソンも2017年が初参加でした。この年は気温がいい具合に低く走り易かっただけでなく、一番いい時期の鳴門の渦潮まで楽しめ、観光込みで大満足の二泊三日になりました。
■応援・エイドが充実
阿波踊り、オカリナ、フルート、太鼓等々が要所要所で力づけて下さり、気持ちよく走れました。エイドでOS-1が提供されたのは本当に助かりました(全部いただきました)。流石は大塚製薬さんのお膝元です。すだちジュースやキウイドリンクもおいしかったですし、野口みずきさんとのハイタッチも嬉しかったです。
■イベントも趣向を凝らしている
ゴール後も、クルーズでの後夜祭会場への移動、タイム入りストラップや写真の提供、そして間近での阿波踊り演舞等、他ではない試みが多く、面白かったです。最後は巻き込まれて一緒に踊りましたし、写真以外の思い出も持ち帰れました。
■走り易いコース
単調といえばそうなのでしょうが、平坦ですので記録を狙うにはもってこいだと思います。走った後は眉山から吉野川を眺めて、感謝の気持ちでレースを振り返れます。
この大会では目標としていた3時間15分を初めて切れましたし、旅行としても大満足です。徳島の皆さん、素敵な大会を作り上げていただきありがとうございました!また走らせていただける日を楽しみにしています!
前日
当時は前日でも軽く身体を動かすことにしていました。今は基本休みにしていますが。内容的にはウィンドスプリント少しでした(0:27'10",5.54 km,4'53" /km)。上げた時こそ脚の力を使わず腰高で体重を利用して走る感覚を確認しようとしていたようです。
徳島は大阪から近く、大阪から三時間以内で三千円切る交通の便が魅力です。お、着いた着いたくらいの軽いノリです。
卵が食べたかったので駅近くの洋食屋はなや食堂さんでオムレツ定食をチョイスします。しっかり食べられて満足です。こちらは人気のお店で、味とボリュームに定評があります。
駅前の宿は取れなかったため、鴨島まで電車(汽車?)で移動です。“去年の今頃は四万十川桜マラソン前夜祭と旅館の夕食で死ぬほど食べさせていただいたな。鰹のたたきを連日食べまくった三日間だった。今年も盛り上がってるかなあ”等と、ガタゴト揺られながら一年前のことを思いだしていました。四万十川桜マラソンも旅ランナー的には外せない素敵な大会ですので、是非走ってみていただきたいと思います。
鴨島に到着後、宿へと向かいます。これは寂しいと思いましたが、少し行ったらスナックがあってほっとしました。
三笠屋旅館さん、相部屋覚悟でしたが個室という奇跡です。3800円で泊めていただけるだけでもありがたいのに。遥々鴨島まで来てよかったです。少々離れてはいますが、スタート会場の阿波富田まで一本で行けるので結果的にはよかったです。
レース
レース前
5時半起床です。静かだったので割と眠れました。前日買った菓子パンとおにぎりを食べ、経口補水液を準備します。熱めのシャワーで目を覚まし、絆創膏とワセリン、日焼け止めを済ませます。当時のシューズとフォームだと小指が擦れてしまうことが多かったので、絆創膏で補強していました。
テーピングはニューハレの自作Xテープです。今も愛用しています。貼り方が少々上手くいかず、やや浮いたが問題はありませんでした。(終了後擦れたのは左足裏と右足甲でしたので、足裏にワセリンを塗ったらどうなるだろうと考えていました。)
7時前に出発です。無事に座れたので20分程眠りました。到着後ヴァーム粉とゼリーを摂取します。靴の履き替えは慎重に、甲はしっかりめに締め、端は少し余裕を持たせました。靴下とテーピングのバランスが気になりましたが、大抵気のせいですので過敏になってはいけません。
到着後にトイレに行く時間はありませんでしたが、普通に走れば問題ないので気にしないことにします。荷物預かりは混むので位置によっては辛そうです。
少し迷ったものの途中で休憩する展開になるかもと考え、スマホも持参しました。結果的にはガチレースになってしまったため、使う場面はありませんでしたが。当時は、ポーチにスマホを挿していましたし、スクイズボトルも携行していたはずです。
レース
スタートはロス1分弱でした。普通の混み具合で入りは4'47"/kmと上々の滑り出しです。吉野川大橋を渡って吉野川沿いのコースへと突入です。
次はフォームのきれいな年配ランナーにしばらく付きましたが、4'30"/km台前半を見たので、やや速いと判断して離れました。15km辺りで自己ベスト狙いを決め、手堅く4'35"/kmで15kmを刻みました。
気温は低かったものの、スポーツドリンクと水は積極的に取りました。15kmを過ぎた辺りですだちジュースをいただきました。当時の技量では食べ物は難しかったため、おにぎりは見送りました。大音量でTRAIN-TRAINを演奏しているおっちゃんに力をいただき、中間点過ぎでは憧れの野口みずきさんとハイタッチもできたので今日は頑張ろうと改めて思いました。
西条大橋前の折り返しまでに阿波踊りを見つつ、上りも難なく過ぎます。橋を渡り左折して少しで25kmと分かっていたので、ここから12km強で右に折れるまで淡々と行くと決めました。弱い追い風も楽で20kmから30kmは4'32"/kmでした。この辺りからエイドでOS-1が提供され、物凄く助かりました。
30km過ぎ辺りでゴミをポイ捨てする陸連ランナーに「ゴミ捨てんな!」と怒号を飛ばして抜き去ります。地域の厚意で走らせてもらっているのに失礼極まりないです。だめなのはいつもおっさんですね……。頭に来た結果、この5kmは4'28"/kmに上がっていましたが……。
35km過ぎからは、タイムのコントロールから追い抜きにゲームを変えたので、時計を見ていません。ペースが落ちようと上がろうと、自分にできることは腕を振って姿勢を崩さずゴールを目指すことのみです。この場面で時計を見ても萎えるか不安になるだけでいいことがないという判断で、これは正解だったと思います。(今なら、腕を大きく振るというよりは、リズムの維持のために小刻みに振ると思います。)
両腕も痺れラーメンを食べる余裕はありませんでしたが、リンゴジュースや水等は最後のエイドまで欠かさず取り続けました。スパートも時計は見ず、腕を振って進め、競技場直前で二人は抜けると判断して捕らえました。あと一人は距離があったので届きませんでしたが、あと50mあれば差せたかなあと思います。ラストは4'19"/kmでした。(当時としては頑張った方だと思います。今でもミスるとこれくらいになってしまうことはザラですし……。)
二週間前の能登和倉万葉の里マラソンが前半アップダウンの多いコースだったので、それに比べれば脚が残っているのは実感として分かっていましたが、腕がかなり疲れていましたし、あの時点では精一杯やったと思います。狙い通りに自己ベストを約3分更新(その前の自己ベストは一月前の姫路城マラソン2017の3時間17分台でした)し、シーズンの目標を達成できたのは素直に嬉しかったです。また頑張ろうという気持ちになります。
アフター
レース後(眉山~阿波おどり)
フィニッシュ会場からイベント会場のランナーズ・オアシスまでは、無料送迎バスも出ているのですが、水路をランナーズクルーズで進むこともできます。多少並んでもそりゃ船に乗りますよね。爽快でしたし、揺れも楽しかったです。こういう催しは記憶にも残りますのでいいですね。
走った後は存分に食べるのです。おっさん味噌バーガーという徳島バーガーとすだちビール。ビールとすだちは合うもんなんだなーと新たな発見がありました。旅先ではどんどん知らないことに出会うものです。
写真では伝わらないかもしれませんが、この唐揚げはかなりでかかったです。あと店員のお姉さんが可愛らしい方でした。
先ほどのビールにも使われていましたが、徳島といえばすだちが名産ですね。すだち君もおられましたし、すだち君パンも購入しました。
タイム入りのストラップを作ってもらえたり、レース中に撮影していただいた写真をもらえたり(自分の写真を探すのが、小学校の遠足の後のような気分でした)、ステージやゆず足湯があったりでかなり充実したイベント会場です。ストラップはその後ちぎれるまで愛用しました。
後夜祭も入れるとまだまだ続きそうでしたし、一旦離脱して眉山に向かうこととします。街中ではオタクに優しい光景が見られて安らぎます。
今日のお宿はホテルアヴァンティさんです。完璧な個室で3900円でした(日曜は安いです)。“二日連続で4000円切ってるんだけど、いいのかな……。”という気持ちになります。阿波踊り会館のすぐ傍ですし、コインランドリーも近所にあって何かと便利です。
眉山へは阿波踊り会館からロープウェーで上れます。ロープウェー大好きおじさんなので各地へ赴くとついつい乗ってしまいます。札幌の藻岩山、函館山、箱根、石川の獅子吼高原等々、次々と思い出が浮かんできます。
眉山から今日走らせていただいた吉野川を望みます。ゆったり走れて贅沢な時間だったなあと。しかし歴史的には日本三大暴れ川とのことで、この川が運んできた肥沃な土壌で藍の栽培が発展を遂げたところもありつつ、治水の努力も並大抵のものではなかっただろうと思いを馳せます。
眉山は万葉集にも読まれた由緒ある山で、頂上には万葉の歌人船王の歌碑もあります。
この日は雨で寒かったため、あまりゆっくりはできませんでしたが、少し辺りを散策できました。
阿波踊り会館では“これ絶対楽しいだろ”というようなパネルがありました。この笑顔です。阿波おどり無敵説が浮上します。
阿波おどり会館ではショッピングも楽しめます。すだち入りアイスキャンディー、すだちぽん酢、すだち酒、お土産のマンマローザ等を購入しました。お土産も充実しており、徳島の楽しさを肌で感じます。
ランナーズオアシスの方へ向かって歩く途中野上彰氏の詩碑がありました。一部プロレスファンのために断っておきますと、ムササビボディプレスではありません。
さて、とくしまマラソンは制限時間が長いこともあり、ランナーズオアシスは遅くまで開催してくれています。そして終盤には阿波踊りの演舞が目の前で見られるのですが、これがもう大っ迫力でした。緩急はすごいしキレッキレの動きです。途中は収拾がつかなくなったかのような弾けぶりで、阿波おどりは生で見るしかない!と心底思い知りました。
女踊りもずいずいと前進してきます。指先までシュッとしていてきれいな動きです。編み笠が迫って来るのもなかなか壮観ですね。
速い動きがあったかと思えば腰を落としてにじり寄る動作もあり、相当の修練を積んでおられることが見て取れます。いきなりやろうと思っても身体への負担が大きすぎて真似できません。
様々な陣形が現れては崩され、笛の音も緩急をつけて演者と観客の心を盛り上げます。
途中あまりに盛り上がり過ぎて、収拾がつかなくなりました。ご覧ください、このダイナミックな動きを。見ている方はもう笑顔笑顔、大喜びです。
しかし最後はビシッと決めるのです。か、かっこいいと思いました。
そして、ただ見るだけで終わるはずがありません。会場のアナウンスは「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿保なら踊らにゃ損々」と参加を促します。当然、私も巻き込まれて一緒に踊っていました。手と足を上手く運ぶのは難しいのですが、下手でも何でもよいのです。とにかく踊ればそれでよいのです。
阿波踊りに満足した後は、少し夜の徳島を散歩してみました。スタート地点に戻ってきて、今日の始まりを思い出したりもしました。
翌日(鳴門の渦潮)
6時過ぎ起床です。まずまず眠れました。回復と観光のゆっくりジョグへと出かけます。イベント会場もすっかりきれいに片付いており、スタッフ、ボランティアの皆さんに感謝です。
徳島城跡は駅のすぐ傍にあり、朝早く行くにはもってこいの場所です。
折角ですので本丸跡まで上ってみました。高くはないのですが、流石に疲れがあるのできつかったです。当時はまだまだフルマラソンのダメージに身体が慣れておらず、翌日だと回復が間に合っていませんね。それはさておき、気持ちいい眺めです。
城山公園もぐるっと回ってみました。花も石も多く、目に楽しい場所です。
新町川の方へと戻り、散策していると「手をあげて 足をはこべば 阿波踊」という石碑が。昨日の阿波踊りは衝撃的な体験でしたので、この言葉も心に響きます。
川沿いは腰くらいまで水が流れていて、まるで水中を進んでいるかのような珍しい気分が味わえます。これぞ水の都だなあと感心していました。ここも昨日のランナーズクルーズを思い出して悦に入ります。
ただでさえ宿代が安くて恐縮しているところに朝食まで付けていただきました。ありがたいことです。
阿波踊り会館の真横にある天神社で昨日走らせていただいたことのお礼を伝えつつ、知恵の牛もさすってきました。そしてラジオ体操の像が存在感を放っています。
名残惜しい気持ちもありつつ、徳島市街に別れを告げ、次なる目的地の鳴門へと向かいます。たしか徳島駅から鳴門公園行きのバスに乗ったはずです。
アクセスは良く、早速うずしお観潮船に乗り込みます。予約不要のわんだーなると号に乗ったと思います。考えてみると、小豆島や松島、那智勝浦、隠岐の島等、船も結構乗っていますね。
大鳴門橋がどんどん近づいて参りました。橋の先には……待望の渦潮です!
ダイナミックに形成されるうずしおの迫力に、童心に帰って大喜びです。船が揺れるのも更に興奮度を高めてくれます。こんなに間近で見られるのかあ!という感慨が得られることを保証します。
丁度大潮の時期でしたので、チャンスは何度も訪れます。写真を撮ったり凝視したりと大忙しです。
観潮船に大満足したところで、渦の道で上から渦潮を眺めておさらいできます。ガラスもしっかりしていますので、高い所が苦手な私でも大丈夫です。天気がよかったお陰でとてもはっきりと見え、更に印象に残ることとなりました。
最後まで観光の手を緩めないスタイルです。バス待ちの時間でうず芋を買いました。
乗り継ぎは上手くきましたし、今回はラッキーが多い旅でした。バスで二時間の大阪へと向かいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。気付けばマラソン以外の部分が大半になってしまった気がしますが、それだけ阿波踊りと渦潮が凄くてですね……。こんなに楽しい場所が近くにあったなんて、また気軽に遊びにいきたいなという発見がありました。
とくしまマラソン自体も自分の中では非常に高評価でして、また是非走らせていただきた大会の一つです。ただ、記録を狙って真面目に走るか、38kmの徳島ラーメンエイドで食べまくる路線で行くかはとても悩ましいですね。様々な楽しみ方のできるとくしまマラソン、未体験の方に出てみたいなと思っていただけたり、関わられた方にああそういえばそうだったなあと思い出していただけると嬉しいです。
徳島の皆様、素敵な大会を長年続けていただきありがとうございます!これからも楽しみにしています!
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。