ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

【思い出】いびがわマラソン2016(2016/11/13) 町を挙げての大歓迎!温かすぎる応援と紅葉に会いに行こう!

もう6年も前になるとは信じられませんが、書ける時に書いておきます。東海地区のランナーが殺到するこの大会、評判以上の温かすぎる応援紅葉を全身で感じられるスケールの大きなコースにすっかり魅了されました。

2016年時点で既に29回を重ねているこの大会、何がすごいかと言うと、やり過ぎではないかと思うくらいの大歓迎ぶりですね。「いびっ子からのお手紙集」には小中学生の応援メッセージや絵が掲載されており、今見返してみても心に響きます。掲載し切れない程大量に寄せられたお手紙や絵は会場に展示されるということで、どれだけ町を挙げて歓迎して下さるのかと恐縮します。

事前案内も、名物犬タロー、フライパン応援、横断幕、太鼓等々情報が満載で、当日もそれぞれのポイントに辿りつくまで楽しみにし、力ももらえました。終盤の苦しい時間の子供達の声援も嬉しかったです。終わった後も写真入りの記録証を送っていただけたりで、その日一日訪れて終わりというわけではなく、ずっと気持ちが繋がっていられるような、そんな大会です。

当時は中途半端に真剣に走っていたのであの素晴らしいコースの写真も撮れず惜しいことをしましたが、紅葉の山の中、風景と一体になって下っていく体験は、走ることの楽しさをまた教えてくれるものでした。

今の自分ならあの日堪能し切れなかったお味噌汁やスイーツも食べまくって笑顔で声援に応えながら走れると思いますので、来年以降どこかでまた是非参加させていただきたいと思います!揖斐川町の皆様、応援ありがとうございました!

ibigawa-marathon.jp

あまり詳しくないのですが、次のページにいくらか移動やコースについて書きました。

前日

前日は大垣に泊まるだけですので、自宅で散々だらだらしてから出発です。到着したのも17時過ぎでした。交通費も安く済み、遠征続きのお財布には優しいです。

前日観光も行く余裕がありませんでした。

宿の部屋が煙草臭くて失敗したなと思いました。当時はまだ旅慣れていなかったため、事前にきっちり調べていなかったこちらの落ち度です。

気を取り直して駅前の金蝶園総本家さんでお菓子を購入します。

マスカットが丸ごと入ってます。美味。 

カナート洛北五個分以上ではないかと思うショッピングモールで夕食にしました。前日の食事は人並み程度にしていました。当時は普段からシリアルやパンで糖質を大量に摂っていましたから、エネルギー不足はありませんでした。まあ空腹感に苛まれたり疲れやすかったりはしましたが。

かなり大きかったのを覚えています。

奥の細道のラストですから。

当日

レース前

6時半頃に朝食です。予想外に豪華な朝食でおいしかったです。おばちゃんたちがとても元気に働いておられて明るい気持ちになりました。感謝です。

ビュッフェ大好きですが、この頃はまだ控えめでしたね。

そこそこ早い時間に出たつもりでしたが、養老鉄道は大混雑で、小さなホームからは人が溢れ出ていました。そりゃそうですよね。次に来る時はもっと早く出なくてはと強く思いました。

揖斐駅からはシャトルバスで会場まで運んでいただきました。歩けない距離ではなく、現に歩いておられる方もいくらか見られましたが、やはり当日は力を温存したいところです。今でも迷わず乗車します。

9時には無事に会場に到着したもののあまり時間に余裕がなかったので、手早く準備しました。スタートが10時ですので気温の上昇が気になるところです。ちなみにこの日の目標は3時間20分切りでした。

いびがわマラソンとは思えない好天です。

ランナーの中にスタートブロックを理解していない人が割といた気もしますが、まあ元々は地方の緩やかな大会だったところ、ここ数年で一気に大人気になったわけですから、そういうものなんだろうなと思っていました。それよりもおじさん世代としてはゲストにあの西田ひかるさんが来られていることに喜びを感じます。昔(昭和から平成)は今よりもっとテレビの中の世界が遠かったので、雲の上の存在どころの話ではないわけです。

暑さは大丈夫でしょうか。

レース

序盤(いきなりの応援と応援犬タロー)

快晴の空の下スタートです。前年まで4年連続で雨だったにもかかわらず、この日は青空が広がっていました。最初の直線から沿道の両サイドに子供たちがずらーっと並んでランナーを送り出してくれます。初っ端から、“こ、これが噂のいびがわマラソンか……そこまでしなくても……。”と考えていました。

橋を渡って右折後、山の方へと揖斐川の右岸に沿って上っていきます。8km付近で応援犬タローが出迎えてくれました。2016年で何と19歳のご長寿です。直前まで体調が悪かったらしく、今年は会えないかなと思っていたのですが、この日に合わせて元気を取り戻してくれたのか、その姿を見ることができて嬉しかったです。タローは翌年にはその生涯を静かに終えてしまったので、この時は本当に最後の力を振り絞ってくれたのだと思います。

ハーフとの分岐点である揖斐峡大橋を渡ってから、いよいよ山登り感が強まってきます。“ハーフの人はここで帰れるのか、いいな……。”とちょっと思ってしまったことは否定しません。それでもこの橋を渡る際には、美しい紅葉に秋の深さを感じて、この先どんな素敵な景色が広がっているのだろうとドキドキしたことを覚えています。

中盤(折り返し後は紅葉を感じよう)

ここからは揖斐川の左岸を走ることになります。上りは飛ばし過ぎないようにとは思いつつも、今回は自己ベストを狙うと決めていたので、あまり落とし過ぎないように気をつけました。実際、そこまで息が上がる場面はなく、当時よかれと思ってやっていた生駒ボルダーの成果が実感できたように思います。でも肘は横に飛ばしていましたし、膝も伸ばそうとしていましたから、今思えば無駄も多くて故障リスクの高いフォームでしたね。

高低差は120m以上あるそうですが、前半も割と上り下りがあるので、うねってるなあと揺さぶられている間に中間点を過ぎ、あまり上った感じはしませんでした。いび川おばば太鼓保存会の皆様による力強い太鼓の音が響き、かなり元気づけていただきました。

中間点は1時間42分と少し。前半抑えるスタイルでしたので、上手くいけば3時間20分も可能かもしれません。後は下るだけだと気持ち的には楽でしたが、前半の疲労の蓄積もあり、思ったよりはスピードが出ませんでした。スピードが落ちていると、日陰は少し寒く感じるかもしれません。

タイムはともかく、渓流を覆う美しい紅葉の中を下っていく経験は得難いものでした。大きな風景の中にすっかり包まれて一体化し、遠くの木々との遠近感が普段とは全く違ったもののように感じられます。自分にこんな体験ができる日が訪れるとは、何とも不思議なような、それでいてこういう生き方を選択してよかったと思える時間でした。この体験は、その後のウルトラマラソンの喜びに通じる部分があります。

終盤(長い堤防にも温かな応援が)

33km付近では妙な疲れを感じて、上りも下りも相応に脚にダメージがあったのだと実感しました。未開封アミノバイタル赤をどこかで落としてしまい、コースに異物を残してしまった申し訳なさ、エネルギー面の不安(ビビり過ぎ)、そして金銭的なショック(せこい)が心を挫きます。そんな中、30kmと35kmのタイム的に3時間20分は厳しいと分かってしまった後も、まだベストは出せると信じて粘ったのはよかったです。しかしエイドのお味噌汁をいただく心身の余裕がなかったのは未熟過ぎますね。

どうにか揖斐峡大橋まで戻ってきて、川沿いに出るも当時の自分の走力(すぐ疲れる)と精神力(根性ゼロ)ではこの直線がえらく長いものに感じられました。スイーツエイドが待っていて下さるのに立ち寄る力すらなく、よれよれのおじさんとしてはもう子供たちの声援だけが頼りです。

ちなみに当時の自分くらいのタイムだと、丁度歩いているハーフ出場者が道を塞いでいて危ない時間帯になるのですが、”すみません、通ります”と声をかけながら穏やかに走れたのは今思い出してもよかったです。

ラストも数百mだけは思い切り腕を振って上げ、ゴール直前で5人くらいは捕らえるいつものスタイルを見せはしましたが、全体に勇気を出してもっと頑張るべきだったと思います。当時は今以上に必死こいて自分を鼓舞して上げていたつもりでしたが、記録を見てみると2.195kmに10分3秒もかかっていましたので、いかに力んでいたのかと我ながら感心します。

それでも、慣れないアップダウンのコースでの3時間21分31秒は、(目標には届かなかったものの)当時の自己ベストになりましたし、後半も1時間40分は切っていたので自信になりました。その経験値はとても大きく、翌月の防府では3時間17分台で走れました。

もう少し余裕があればブルーベリーや味噌汁、お茶、スイーツ等々、色々準備していただいたものを楽しめたのですが、暑さもあって結構不安が大きく、地道に走ることに徹しました。本当は「うめー!ありがとう!」と喜びを伝えたいところでしたので、走っている最中から心残りに思っていました。

アフター

出店も多かったので、バラ串、ビール、鮎茶漬け、生どら、コーヒー牛乳等を立て続けにいただきました。田中屋せんべいのおばちゃんと「すみません一万円札しかなくて」「一万円大好き!」というやりとりをしたことを覚えています。お土産で買ったいびがわマラソン公認お菓子「いびのおもてなし」は、職場で好評でした。

当時の自分、小食過ぎるやろ(現在比)。

ステージもあって和やかです。

大阪からは当日中に帰れてしまう距離なので、観光もせずに帰宅してしまいました。今考えても勿体ない限りです。折角揖斐川まで行ったのに。

次は粘って観光に勤しみたいです。

Tシャツのデザインは結構気に入っています。

最後に

自然に恵まれた小さな町で、それ程沢山の方が住んでいるわけではないのに、走り応えのあるコースとスムーズな運営、そして温かすぎる応援で歓迎して下さることに驚きました。応援犬タローやフライパン応援など、長年続いている大会が紡いできた物語があるので、走っていて感じるものも多いです。力をもらえて、頑張ろうと思える、本当にいい大会です。

揖斐川町の皆様、これからもこの素敵な大会を大切にして下さい。応援ありがとうございました!