ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

【思い出】世界遺産姫路城マラソン2017(2017/2/26) 見えない城を見ようとして……?いえいえ姫路城は見守ってくれています!

誰ですか“姫路城見えないマラソン”とかツッコミめいたことを言う人は。実際走っていて姫路城が見える場面もほとんど無いのですが(無いんかい)、姫路城はちゃんと見守っていてくれたと走り終わった時に分かるようになっています。心憎いまでの演出です。

元々評判のいい大会で、実際に走ってみてよく分かったのですが、何と言っても応援がランナーの心に響きます。特にFMゲンキの応援メッセージは力になりました。サイクリングロードではすぐ近くで応援してもらえますし、頭上にもメッセージがあるので、すごく傍で応援されている感覚になります。全体にブラスバンドも太鼓も多くて疲れを感じずに走れました。かりんとうドーナツもむせながらいただきました。この頃から勇敢に給食を狙うスタイルの萌芽が見られます。

折り返してからは緩やかな下りで、ここでスピードに乗って最後まで行けるコース設定もいいです。後半は素晴らしい応援の力を借りて4'30"/km以内で押し切れて当時の自己ベストも更新しましたし(前半大混雑で体力を温存できたことも大きいのですが)、帰り道までおもてなしがあり、すごく支えていただいた大会だったなあとしみじみ感じました。しろまるひめにも会えましたし、また遊びに行きたいと思います。

大会を走らせていただいたことで、それ程遠くないのに何故か縁の無かった姫路で楽しい思い出ができ、身近に感じられるようにもなりました。大会に関わってくださった姫路の皆様、本当にありがとうございました!

himeji-marathon.jp

続きのページは写真もあまりありませんが、その分コンパクトになっています。

前日(受付と加古川宿泊)

まずは前日受付会場に向かいます。姫路駅から受付まで歩く間にも沢山の応援メッセージがあります。どこに行ってもこうして歓迎していただけることに毎回感謝し、力をいただいています。

あれが世界遺産姫路城かと感慨に浸ります。

この歓迎ムードが遠征気分を盛り上げます。嬉しい。

駅前が随分洗練されていて、今自分がどこにいるのかしばし分からなくなったりもします。

姫路ってこんなに都会的な建物がある街だったのか……。

お菓子と一緒に一枚一枚手書きのメッセージが添えられていて重ねてありがたいものだと感謝すると共に明日は頑張ろうという思いを新たにします。何もここまでしていただかなくとも。恐縮です。

お菓子との組み合わせだったはずです。

姫路市内で宿が取れなかった場合は加古川駅ホテルアゼリアが安くてお勧めです。加古川駅すぐで五千円禁煙朝食付とかもう言うことなしです(なお、加古川ラソンの時も可能であれば泊まりたいところですが、予約できた例が無いのでいつも大阪から当日移動です)。

ビジネスホテル大好きおじさんです。

せっかく加古川に来たからには加古川名物かつめしを食べなくてはなりません。時間が遅かったこともありなかなか丁度良いお店にたどり着けなかったのですが、駅近くのぷちとまとさんで念願のビーフかつめしを堪能しました。初めてでしたが、ソースとカツの味でごはんも進み、こんなに合うのかという発見がありました。お店の方も和やかな上禁煙なので美味しく食べられます。

駅前からしてこんな感じですので期待しかありません。

高級かつめしもあります。

探し求めたかつめしとの邂逅です。

当日

レース前(姫路城の写真を撮るなら今)

夜中に目が覚めて腹痛の上に変な汗をかき“これは数年ぶりに風邪を引いたか”と思ったものの、気にしても始まらないので強引に寝ました。ここ数日最近早く寝られていなかったのと、調子に乗って脂っこいものを食べ過ぎたのが響いた感じです。朝は熱めのシャワーで身体を目覚めさせてから7時半頃に出発しました。加古川から姫路は近いのです。

当日の食事としてはパン多目で、ヴァームを飲み忘れた以外は問題なしです。前日からカフェインも断っていましたが、当時はカフェイン入りジェルを携帯していたわけではなく、主に脱水対策です。

結構充実の朝食です。マラソンさえなければ大量に食べますが。

手荷物預かりと男子更衣室が地下駐車場で、スペースに余裕があるのと寒さから身を守ってくれるのが助かります。あまりにスムーズな流れで、スタート前に写真を撮るのを忘れました

スタートブロックがABCの三つしかなく、嫌な予感がしていたので珍しく8時半前には並ぶも時すでに遅し、人多過ぎでした。ブロック内でタイム毎に分けるということもなく、もう雑多な状態でスタートすることになりますので、速く走りたい方は8時15分にダッシュをかけて少しでも前に並ぶことをお勧めします。

この日のスタート前はそれなりに寒かったです。寒さに強い自分(この日は無策)でもそう感じるくらいですから、寒さ対策を講じておいた方がいいかもしれません(雨は降らないらしい。予報も外れず泣き出しそうになることもなし)。なお、大袈裟な荷物までは背負っていませんが、ゼリーなどは無駄に沢山携帯していたはずです。

レース

序盤~前半(姫路城に別れを告げての大渋滞)

姫路城に背中を向けてスタートです。早くも姫路城は見えなくなりました。今日は3時間15分を狙うぞと息巻いていましたが、スタートは大混雑でした。スタートラインまで1分10秒以上かかったのは仕方ないとして、その後も明らかに絞れていないランナーに道を遮られたり給水で止まられて追突したりしつつ最初の5kmで28分以上、平均5'20" /km、今日はもう駄目だと思いました。コース自体は記録を狙えそうなものなのに勿体ないなと思いました。

しかし、折角記録を狙おうと思って色々考えていたのに……としょげて帰っても仕方ないので、そこで“よし、今日は37kmのレースということにしよう。あわよくば後半で1時間35分を切ってやろう”と目標を再設定できたのはよかったです。3時間半のペースランナーを捕らえたのが16km付近でしかもこの期に及んで渋滞もありましたが、やや強引に前に出た後はほぼ問題なく進みました。気球の応援もあり、和みました。昼なのでほうき星は見えませんが、気球が観測できれば大満足でしょう。

中盤(姫路城の気配すら感じずもFMゲンキの応援に発奮)

折り返してからは下りになるので順調にペースも上がり、20kmを過ぎてからは4'30" /kmを切り始めました。このまま行くか少し迷いましたが、昨年の京都マラソン2016では25km以降4'35" /kmでしたので、一年前の自分を超えないと意味がないと判断し、このままのペースで押していくことにしました。

この間、FMゲンキの応援メッセージがあり(事前に送っておいたメッセージを読んでいただけるのです)、“皆いいこと言うなあ”と思いながら、文字通り元気をもらい気持ちよく走りました。途中かりんとうドーナツをむせながら食べる等、要所は抑えつつ、ポカリと水も積極的に取り脱水には注意しました。この下りは非常に緩やかで、最も走り易く疲れも感じない絶妙の塩梅だったと思います。

後半~終盤(サイクリングロードの応援と最後は見えない姫路城)

サイクリングロードは両側の応援、メッセージ、吹奏楽、どれもとてもよかったです。お陰様で25km~35kmまでは軽快に4'27" /kmで刻めました。過去の大会より速いペースに不安もありましたが、脚の残り具合を考えてもまだ戦えると思う時間が長かったです。走りながら同日の東京マラソンに出ておられる方、最近マラソンを引退した課長、応援してくれる母親のこと等を考えていました。

37kmで右に折れて川から離れた時点でかなり疲れを感じましたが、どうにか4'29" /kmは維持しました。広い道路を走っていると段々姫路城の気配を感じるようになります。ラストはいよいよその姿を追い求め続けた姫路城に帰って来ます。広場に入りこのまま終わるのかと思ったら最後はぐるりと回って姫路城が視界から消えた状態でフィニッシュです。見えている城を見落として、ではなく、見えている城を見ないように、です。要するにフィニッシュ写真が映えるようにという細やかな気配りのなせる業で、ランナーから姫路城が見えることよりも姫路城がランナーを見守っていてくれることが大切なコンセプトだったのだとここで気付きます。

完走メダルもユニークでいいですね。

スパートは腕を振って猛然と、と行く余力もなく、最後も狙った人を捕らえきれずでした。走っている間はラップ以外考えていなかったのですが、ゴール時点で自己ベスト更新を知った時も、とにかくペースを維持できてほっとしたという感じでした。

今回はかなり変則的な展開になりましたが、維持できる速さのレベルが一段階上がったことが大きな収穫でした。今までの大会の経験も役立ちました。コース全体はいびがわの緩い版、風はいわき、混雑と川沿いは京都というように。三月の能登和倉万葉の里マラソンからは気楽に走るつもりなので、今日は出し切りたいと考えており、それが達成できたのはよかったです。

この頃は靴擦れに悩んでいたようです。確か2016年の終わり頃から、ミズノのスペーサーを履くようになり、速いのはよいのですが左足小指が擦れたりしていました。いつもよりきつめに靴ひもを結んだもののあまり効果はなく、ソックスの履き方、靴への足の入れ方ももう少し丁寧にしなくてはといったことを書き留めています。シューズのサイズは永遠の課題ではあります。2023年現在の体感としては、27.5cmで足先にほんの少しだけ余裕があるシューズの方が中でずれず、うまく快適に走れるようです。

アフター

ゴール後、ポカリはもらえますが水はありませんでした。その中でチーかまドッグ甘酒のふるまいがあり、食欲的に少々うっとなるかもしれませんが、気合で食べておくとよいでしょう。荷物預かり所までが遠いと思うかもしれませんが、ここまでやっていただいているので受け入れましょう。姫路城動物園も行きたいなあと穏やかな気持ちで歩きます。

表彰式に間に合いました。しろくてまるいひとがいます。

一瞬のソロ。シャッターチャンス到来です。

まさかこんなに近くをお通りになろうとは。

たとえどんなに弱っていようともだし汁たこ焼き穴子茶漬けだけは食べます。実においしくいただきました。

屋台も多くて盛り上がっていました。選択が難しいです。

しろまるひめは最早カリスマ。

最後に

振り返ってみて、改めて応援も温かく、かつ後半非常に走り易いという魅力的な大会だったなと感じました。2023年はなかなかエントリーが伸びずに苦戦したようですが、走ってみれば間違いなく参加してよかったと思うはずです(2月末はそもそも他の大会と被っている上に、様々な制約を律儀に受け止めて控えめな応援・運営にしようとするとランナー的には他所に目移りしてしまう部分もあり、不運が重なったと思います。キットカットとドーナツだけというのも実直ですが、一方ではみえ松阪のように思う存分やって下さる所もありますので……。私も要項を細かく読み、「安心安全」「個包装を最小限のみ」「給水は蓋つきカップ」などとあったのを確認して2023年にこれはないと見送った大会があります)。

なかなかタイミングが合わず次の参加が実現するかはわかりませんが、写真もあまり撮れておらず記憶を確かめにいきたい気持ちもありますので、もう一度城を見ようとして、シューズの紐をまた結んで、前と同じ午前九時にスタートできたらと思います。あの日応援して下さった皆様には感謝しています。

ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。