ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

【思い出】淀川寛平マラソン2015(2015/3/1) 沼地の戦い!実はここから始まった

記念すべき人生初のフルマラソンは、金沢マラソンでも大阪マラソンでもなく、実はこの大会でした。当日の写真がこの一枚しかないという事実が悲惨極まりないコンディションを雄弁に物語ります。希望に胸を膨らませて買った初めてのランニングシューズらしいランニングシューズ(エアロ13)も、見るも無残に泥まみれです。中もみっちり泥が詰まっています。満腔の泥です。特に打ち上げで何か食べることもなく、震えながら帰ったと思います。地獄めぐりカテゴリーを作成したら沼地獄としてその一員に加えたいところです。

言うこと、何もないわ。

続きのページもすぐ終わります。初の短編になりました。

天気は数日前から雨予報。好転することを祈りつつ何度天気予報を見ても、ただの一度すら希望の光が射すこともなく当日を迎えます。「雨時々やむ」という救いようのない予報通りの空模様で、会場に着く前からザーザー降りでした。

それでも街中であればまだ何とか話が成立したのでしょうが、何と言ってもコースは淀川河川敷、半分以上は水たまりと沼地と化しており目も当てられない状態に。いや、目を当てようとしたところで水たまりは底が見えず、深さも凹凸具合も分かるはずがありません。捻挫するかもと怯えながら冷たい水の中に何度も飛び込むことに一体どんな喜びがあるというのでしょう。シューズはどんどん重くなり、沼や池に引っ張られて脱げることも。救いようがありません。

ランナーのことを特に考えていたとは思えない場所に設置されたエイドに辿り着くには沼地を進まなければならず、あの泥の中を行くくらいなら多少なりとも進める舗装路を選択した方がまだましだと給水を諦めることもざら。道中のコーンも申し訳程度の存在感で自由にショートカットしている人もいましたが、あんな所を律儀に走る方がどうかしている気すらしました。

コースに関しては、今思い出しても褒めるところが一つもありません。ダニエルズなら「もし、この大会の目的が痛みやケガを引き起こすことであるならば、まさに正しい方法だ」とでも言いそうなものです。

スタートラインまでは大渋滞で8分を超えたこと、寒さに強い自分でも途中までゴミ袋ポンチョをかぶり指先も冷たくて震えながら走ったこと、32kmくらいで指がかじかんでペットボトルのふたを落として拾いに引き返したこと、ほぼそんな記憶しか残っていませんが、水たまりの水を元気よくかきだそうとしてくれるスタッフさんの心意気はありがたく、この大会で唯一よかったなと思えた場面でした。まあかきだしたところで焼け石に水、というかすぐに窪地に水が流入してきてサステイナブルかつデベロップメントな湖沼がそこに出現するシジフォス状態なわけですが、それはさておき、あの厳しいコンディションの中で何時間も大会を運営することは並大抵のことではありません。どんなに大変なことでしょう。ご尽力いただき本当にありがとうございました(当時自分が書いたものを読み返してみても、この感謝の気持ちだけはしっかりと綴っていてホッとしました)。

タイムはネットで3時間53分32秒だったと思います。丁度ハーフでネット2時間数秒だったので、4時間は切れるとわかりました。終わった時に得られるであろう達成感“どうだ俺はやったぞ”という感慨も無く、走っている最中から、沼地で全く練習の成果を出せないままやめてしまうのだけは嫌だ……。と思っていたことが後の旅ラン人生につながった部分もありますので、そういう意味では大きな転機になりました。

前日はいいお天気で、数日間このくらいの天気が続けばきっとそこそこ楽しく走れたのだと思います。季節的に週に一日でも降ったらおしまいでしょうけどね。その後大会はハーフに縮小され、フルでリベンジするチャンスは無くなりましたが、仮にチャンスがあっても出ないと思います。

前日は平和な光景でしたけどね。

多少脚色してでも何とか美しい思い出だったことにできないものかと長いこと下書きのまま温められていましたが、まあストレートに書いても笑い話になる(どう頑張っても短編にしかならないことも含めて)気もしたので、フルデビュー8周年を記念してそっと残しておこうと思います。これからもよろしくお願いいたします。