47都道府県フルマラソン完走のためにハードルが高いのが大都市の大会です。大会数が限られていますので、他の予定と重なるとアウトです。埼玉県も、唯一の大規模大会だったさいたま国際が終了し、もうだめかと思ったこともありました。
しかし今年はさいたまマラソンとして、新たなコンセプトのもと市民ランナー向けに生まれ変わって再始動。期待以上の楽しい大会となっていました。Tシャツも色彩豊かでカッコいいですし、埼玉の魅力が随所に光っていますよね。
流石は埼玉、人口が多いこともあり、沿道も沢山の方が埋め尽くして下さります。太鼓、サンバ、吹奏楽など沿道応援のバリエーションも多く、遠くから聞こえてくる音に、“次は何かな”と楽しみが尽きません。給水テーブルもとても長く、学生さんも声援を送ってくれますので、笑顔で走れます。
スタートはさいたまスーパーアリーナですから、言うまでもなく大都会です。そして沢山の応援に包まれてしばらく行けば、いつしか長閑な北関東の風景に。新見沼大橋を渡り、さいたまスタジアム2002などのランドマークを巡って、新浦和橋を越えてまた帰ってくるという、かなり欲張りなコース設定となっていました。幹線道路貸し切りとか、とてつもなく贅沢ですよね。ご協力いただいた地域の皆様に感謝です。
直前までエイドの内容がベールに包まれており、“エイドがしょぼかったら真面目に走るしかないか……。”と思っていたのですが、実際はこの規模の都会の大会では珍しく地元銘菓や特産物がふるまわれ、埼玉の本気度を思い知ることになりました。後半はずっと何かを食べながら走っているという有様で(褒めています)、40km以降上げようと思ったもののさしこみが来て上げられないという珍しい経験もしました。
走り自体は別大との連戦ということもあり、身体の状態を確認しながらの距離走という感じでした。グロスで3時間9分を少し切るくらいで終わり、次につながるかなという感じです。別大も既に過去のことですので、今の自分の実力はこれくらいです(食べまくっていることも含めて)。
(160bpm, 193bpm, ストライド1.17m, 上下動比5.1%, 上下動6.2cm, 左右接地時間バランス48.9%:51.1%, 平均接地時間235ms)
埼玉の皆様、埼玉ならではの、市民ランナーのための素敵な大会を開催していただきありがとうございました!これからも楽しみにしています!
大都市といえば東京マラソンですね。抽選もあるので、もう出られることもないでしょう。
大好きな金沢マラソンもエイドが素晴らしいのですが、さしこみが来るまで食べたことはありません。関東の方も北陸新幹線で是非。
北関東では、はが路ふれあいマラソンもおすすめです。
続きのページでは、“我ながらよくこんなに食べたものだ”と思う程の食レポとコースの写真が沢山ですので、写真をスクロールするだけで走った気分になれると思います。楽しさが伝わると嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリックでも何でも何らかの反応をいただけますと、“こんなブログが表示されたのにブラウザを閉じなかった方がいるのか……。”と私が密かに思います。
次回予告は“まさかの遠征、五島列島”です。実に遠いです。
前日
まずは埼玉へ
全く気負いもないので普通に7時前くらいに起きました。別府大分での暴飲暴食がありながらも体重は65.7kgまで落ちてくれました。特に目立った痛みや疲労もなく、お腹の調子も上々です。
時間があるので朝食も普通に作ります。能登ふぐジャーキーはしっとり柔らかく、いしるの味も利いています。蒸し野菜は奥能登ごまみそであえました。卵には能登海塩です。おいしいものを食べてこちらも力をいただくのです。
東京までは、色々迷った挙句に結局ぷらっとこだまにしました。8:54新大阪→12:48東京です。座席数の都合上1,200円足してグリーン車となりましたが、12,300円はお得です(乗車時間が延びれば延びるほど元が取れますし。我ながらせこい)。足元も広く、フットレストも気が利いています。
こだまでは別府トキハで買った『日本史サイエンス弐』(播田安弘著 ブルーバックス)を読みました。少し前に『古代日本の超技術〈新装改訂版〉』を読んでいたこともあり、たたら製鉄の話がつながったりで一段と面白く読めました。
宿のある浦和までは東京からわずか25分。とてつもなく都会です。13時台にもかかわらず宿にチェックインさせていただき助かりました。荷物を確認してから観光に旅立ちます。
大宮観光
大宮から氷川神社までは2kmもないので、歩いてみることにしました。参道も整備されており、正に「大きなお宮さん」の由来が目の前に広がっていました。
氷川神社は創立が2,000年以上前、日本武尊のいわれもあり、武家時代も幾度も再建や造営がなされ、歴代の天皇も行幸されているという格式のある神社です。
大宮公園は正に、都会に貴重な家族の憩いの場という感じで、木々や日本庭園も整備されており、遊具もあります。
入場無料の小動物園もあり、こちらでは尻尾で枝を掴んだりできるブラウンケナガクモザルや、眼光鋭過ぎるハイエナ、動物園のアイドルカピバラさんまで、とても幅広く飼育されていました。
個人的には、ツキノワグマ、フラミンゴという最近ちょっと話題の動物たちがいて、笑ったりしましたが。
パン活&スイーツ
浦和
- 金谷ホテルベーカリーさん(※栃木フェア)
人気のKU~NERUbakeryさんが日曜お休みということでありつけずに終わりかけましたが、駅でこちらのピーナッツフィンガーをいただきました。ピーナッツクリームまで歯応えがあるのが嬉しいです。昨年末の栃木遠征の際にも気になっていたので、ラッキーでした。
大宮
- パネスさん
あの高島屋の地下ということでおいしそうなパンが並んでいます。白いとろ~りチーズフォンデュパンは驚きのボリュームと濃厚なチーズの味が素晴らしかったです。そしてチョコくるみデニッシュ?もこれまた甘さとパン生地が絶妙のおいしさで、盤石のおいしさでした。
- kicoさん
氷川神社参道の右手にある建物(の奥の方)で少し見つけにくいですが、とにかくお洒落な空間です。こちらにはながさわくんなるパンが。ドーナツ生地の中には上品な味わいのチョコカスタードクリームとオーガニックチェリーがたっぷり入っていて、もうたまらんの一言です。ながさわくんは販売日が月1?くらいのレア商品だったらしく、運に恵まれました。
- 氷川だんご
常に行列ができているため、立ち寄らないという選択肢はありません。醤油の香ばしさと海苔の風味にこの柔らかいお餅が揃っており、周囲のお客さんからも喜びの声が上がっていました。どんなに情報が簡単に手に入る時代になったとしても、現地で食べる体験は代替不可だと再認識する瞬間です。是非。
お宿
浦和ワシントンホテルさんです。浦和駅からすぐで当日も余裕がありますし、部屋もきれいでありがたいことです。トイレの段差がない親切設計も地味に嬉しいところです。お陰様で快適に過ごすことができました。
夕食
浦和在住の友人夫妻が誘ってくれたので、佐渡廻転寿司弁慶さんへ。佐渡のお寿司はこんなにおいしいのかと驚く程、トロは消えるように溶けていき、アジもヒラメも全てがおいしかったです。正直”パンと団子をちょっと食べすぎたかな……。”と思っていたのですが、おいしいお寿司は別腹でした。17時過ぎだったのでスムーズに入れましたが、出る頃には沢山の方がお店の前で待っていました。
大学時代を京都で過ごした友人(学部は別)と、こうして年を重ねてから埼玉で一緒に食事ができるということは本当に嬉しいことです。彼は描いた道のり通りに大学の先生に、私は予想外に変なブログを書く市民ランナーになっていますが、やっぱ昔と変わらないなと思うことばかりでした。
大分同様、楽し過ぎると写真を撮るのを忘れるのですが、記憶には染み込んでいるので十分です。明日応援してくれるとのことですので、Google Mapとコース動画で位置を予習し、服装含めて確認し合っておきます。手土産は金沢の名店、中田屋のきんつばと佃の佃煮(能登牡蠣匠)にしました。石川・金沢の味を好きになってもらえるといいなと。
ヤオコーでご当地牛乳とチーズを仕入れ、プロテインバーを食べてから23時30分頃に就寝です。
レース当日
レース前
6時30分頃起床です。7時間程横になっていたので十分休めましたし、心拍数もいつも通りです。館内空調は程よく調整されていたため、長袖Tシャツに短パンで快適に眠れました。
朝食は、卵、牛乳、チーズに加え、ベーグル小春日和さんのいちごクリームチーズベーグルをいただきました。大宮の高島屋地下のわくわく広場で購入しました。生地がしつこくないのと、苺ジャムの味にこだわりを感じる逸品です。なお、エイドで食べまくるのでプロテインバーは食べませんでした。他には8時10分頃にアミノ酸を飲んだくらいです。
浦和からさいたま新都心までの電車は激混みではないかと懸念していたのですが、杞憂に終わってくれました。地方民は、“首都圏=常時ラッシュ”と思っているので、現実を学ぶ機会にもなりました。
さいたま新都心からスーパーアリーナまでは数分、というかつながっていてアクセスは最高です。大都会の大会ですので、東京マラソンに参加した日のことを思い出します。入場口はブロックごとに分けられていて、スムーズです。
宿で着替えてあるので、到着後は服を脱いで荷物を預けるだけです。若干列が長い気もしましたが、そこまで待たずに預けられたので気になりませんでした。階段を下りる際は足元をよく見るようにしています。
それにしてもスーパーアリーナは大きくて立派ですね。こういう場所でのイベントに参加する機会はないので、“テレビで見たことのある名古屋ウィメンズの会場みたいだ……。”と呆然としていました。
8:35頃にはスタートブロックに入りましたが、予想通り日陰ですし、風もあるので結構寒いです。埼玉は最低気温は割と低いので、防寒のためのタイツとアームスリーブは役立ちました。しかしレース後半は少々暑く感じるので、どちらを取るかは悩ましいところです。東京のような大規模大会は待ち時間が長く、ミスるとスタート前に失神寸前になりますよね。さいたまマラソンは待ち時間が短めで、良心的です。
スタートセレモニーも比較的穏やかで好感が持てます。大規模大会だと(妙にドラマ仕立てにしようと)おかしな方向に行くこともありますが、割と落ち着いていたのがよかったです。私自身も、101回目のフルマラソンだろうと、“僕は死にまっしぇ~ん!”(古い、古すぎる)みたいなメロドラマ的なノリを持ち込む気もなく、“体調に合わせて今日できることをやろう”以上のことはありません。
装備
今回は石川県コーディネートです。目立つイエローの金沢マラソンTシャツを選びました。最低気温1℃でスタート前待機が長いと冷えることから、能登和倉万葉マラソンアームスリーブも着用しました。キャップも同大会のものとして、思いを込めます。
手袋は復興の縁でいわきサンシャイン2020にしました。グリップ付きの軍手も用意しましたが、カメラの操作時に外す際、手こずりそうな気がしたので、今回は試さずです。
ランパンはTIGORAマルチポケットパンツMです。ニューハレ踵二重とザムストソックスはいつも通りです。ここ数年フルで着用しておらず勘が鈍っているのではと思ったことから、ミズノバイオギアも装備しました。ただでさえ少ないダメージがより少なくなるのかを試そうそうという魂胆です。
シューズは信頼と実績のマジックスピードさんです。走行距離270km程ですが、まだまだいけそうです。身体にあまりダメージを受けずに走れるということは、私の走り方に合っているのだろうと思います。
持ち物は、アミノ酸を溶かしただけのジェルフラスコが一つと余っていたアミノショットです。リカバリー用にアミノ酸とアミノプロテインを持参するのもいつも通りです。
準備
別大後は月曜から水曜オフ、木曜スロージョグ38分、金曜土曜有酸素ジョグ(51分, 10km, 125bpm、70分, 14.2km, 133bpm)、日曜オフでした。
今回は中7日ですので、中6日の連戦よりオフを一日長く取り、後ろにずらしました。別大まではさいたまマラソンのことは全く考えておらず、終わってから体調を見ながら合わせる感じにしました。ピッチは出ているし怪我もなさそうなので、普通に走れるだろうという自信はありました。
レース
序盤~前半
- 序盤(大都会からのスタート)
スタートから数百m程は狭いですが、割とすぐに広がるので慌てなくてよいかと思います。頭の上で画面も見ずに一枚だけ撮影を試みたところ、割と上手く撮れていました。大抵は失敗するのですが、こういうこともあります。
右折する頃にはそれなりに周囲との距離も保てるようになり、“大都会やなあ”と思いながらフラットな道を行きます。スーパーアリーナの周りをぐるっと回って、いよいよ遠くへと旅立ちます。
1.8kmではあづま太鼓&北袋鼓友組の応援があります。遠くからでも聞こえてくるので、心とスマホ、位置取りの準備ができます。JRのアンダーパスの手前で、ばっちり力をいただくことができました。
右折して応援の多い道を行きます。2.6kmではサンバ(ブロコ大宮さん)が見られます。考えてみるとサンバを見られる大会はそう多くない気がします。やはり人口が多いと色々な趣味がつながる土壌がありますね。ファンランの時こそ大会前にプログラムを読んで予習していくのですが、各団体の紹介も書いてあるのがとてもよかったです。覚えやすいですし、楽しみに走れます。
冬の大会ということもあり、20kmまでは給水が5km毎です。慣れていないとちょっと辛いかもしれませんが、個人的にはこれで十分です。何よりも、テーブルが長いことに加えて全部で何台あるかも表示されていますので、後ろの方で落ち着いて確実に補給することができます。ここは非常によく考えていただいており、感謝です。
北浦和駅の周辺も応援が多く、本当に昔からサッカーの応援が根付いている土地だから、こうしてランナーのことも応援して下さるのだなと感じ入っていました。
7kmで手元31分くらいだったと思います。体感で走っていますが、思ったよりは30秒くらい早いかなくらいです。
前半(新見沼大橋からの眺望)
「産業道路」というこれ以上ないくらい直球ど真ん中の名称の道を進んでいきます。この直線も、市立浦和高等学校吹奏楽部の皆さんの演奏(7.2km)、本太お囃子連さんの獅子舞(7.4km)など、にぎやかで楽しめます。
8kmの参加者は途中で左折して駒場公園に入らなくてはいけないのですが、どうやらそれに気づかずに直進した方がいたようで、スタッフの男性が「8kmの方~!!8kmの方~!!」と何度も叫びながらしばらく並走するというアクシデントがありました。曲がらなかった人は気の毒ですが、大会を成功させようというスタッフさんの心遣いと熱意には打たれました。ナイスランです。
左折してしばらく行った所で友人夫妻が待っていてくれるとのことだったので、後続のランナーにも早くから合図を出して先行していただき、コースアウトして記念撮影できました。やっぱりカープのユニフォームは目立ちますし、あの赤はいいですね。わずか20秒くらいだと思いますが、遠征先でこういう形で会える幸せはなかなかありませんので、嬉しかったです。
中尾陸橋は大したことなくすいすい進み、下った先にも応援の方が沢山待っていてくださります。
ここで大体10km程で、そのまま進むと視界がまた開けてすっきりします。“ここが一番景色のいい新見沼大橋か”と思いながら、橋の上でも応援して下さる皆様に感謝します。12kmで有料通行道路の料金所です。こういう非日常感もマラソンの魅力です。
下り坂を進むと、12.4kmでは浦和大学エイサークルさんの沖縄伝統舞踊が見られます。やはり多種多様な文化との接点があるのだと感じます。
14kmで手元1時間2分30秒くらい。まあこんなもんでしょう。
中盤
- 中盤①(意外と遠い折り返し)
対岸からも太鼓の応援が響いてきます。左折してさいたまスタジアム2002の先にある第1折り返しを目指します。ここは確か逆風だったのですが、そこまで強くはなかったので、深く考えずにリズムだけ刻んでいました。スタジアムは非常に立派で、遠くから見ても存在感がありました。折り返しは予想よりは遠く感じ、CAINZまで行くことになります。そのCAINZもでかいのですが。
折り返してから17.4kmでは堀崎武州太鼓の皆さんが。ご当地キャラもいるのがいいですね。思っていた程順風になっていない気もしますが、よくある話です。
19kmでアミノショット青を飲んでおきました。21kmで手元1時間33分40秒くらいだったと思います。真面目に走ればともかく、後半はエイドが忙しいので3時間10分くらいで収まるかなくらいのイメージです。
- 中盤②(いよいよ地元銘菓のご登場)
コースのことはあまり予習できておらず、一番遠くの折り返しが23kmくらいということしか覚えていませんでした。コースがどうというより、22.5kmからは多彩な給食が待ち構えますので、そちらにどう対処するかが運命を決します。折角さいたまマラソンに参加するチャンスに恵まれたのですから、失敗は許されません。
エイドが見えて来た段階で周囲との距離を調整し、とにかく先行していただきつつ、まずは蒸しケーキ(イトウパン謹製)をいただきます。“で、でかい。これをどうすれば”と思っている間もなく十万石まんじゅうが現れます。「うまい、うますぎる」で有名なご当地銘菓とのことですので、私も掴む際にその台詞を唱えました(埼玉県民じゃないくせに)。更に彩果の宝石も逃せませんので、しっかり一つゲットします。これでこのエイドでの目標は達成しました。
ここからが腕の見せ所で、次の給水・ゴミ箱までの距離などを総合的に考慮して、食べる順番と撮影の手順を判断していきます。とは言え、どう考えても最も巨大な蒸しケーキから行くしかありませんので、他の二つは一旦腰のポケットに収納し、蒸しケーキとの対話に専念します。とてもふわふわしていて血糖値もよい具合に上がってくれます。紙が付いたままなので時折食べそうになったりもします。その点も要注意です。
十万石まんじゅうは、程よい甘さで心地よく、確かにうまかったです。こちらもフィルムで保護されており衛生的です。こういう細かいゴミもコース上に落とせませんし、手に直接ついてべたつくとスマホ操作に支障が出ますので、結構経験が必要です。
ずっと食べ続けており、そちらに体力を使っているのですが、彩果の宝石も何としても25kmの給水までに食べて袋をゴミ箱に託さなくてはなりません。ということで手持ち時間も限られる中開封し、噛み締めます。フルーツの甘さに加え、確かな噛み応えも、また意識をしっかりさせてくれます。これはお土産にもいいなと思いました。
24kmでも和太鼓龍虎流、越谷龍虎太鼓の皆様が応援して下さり、いただいた力には笑顔でお応えできました。しかし写真が撮れていない……。
26km過ぎでも少し上りますが、どうということはありません。上った後には必ず下りがあるので休めます。27.5kmエイドは、実際には28kmより先にあったと思います。28.1km 緑区PR隊の皆さんよりも後でしたので。
28kmで手元2時間5分台だったと思います。
後半~終盤
- 後半(あんぱんもでかい、でかすぎる)
まずはポンカンをいただき、続いてパンケーキも提供されます。こちらは半分に切ってあって食べやすそうです。危うく忘れるところでしたが、ちちぶまゆもありがたくいただきました。
さて、これらをどう食べるかですが、やはり大きいパンケーキから食べる選択をしました。はちみつとマーガリンの味が懐かしいなと思っている間もなく上り坂が始まり、もぐもぐいいながら上る展開に。そう長くはないのですが、ここが今回一番きつかったです(何やってんだか)。上った先には料金所があり、“そうか、戻ってきたのか”とようやく位置を認識します。
ちちぶまゆは、繭の形が秩父の養蚕の歴史を思わせる秀逸なデザインです。マシュマロを食べるのは久々なので、和菓子に慣れているととてつもなく甘く感じますね。走っている時ならではの楽しみです。
ポンカンもクエン酸が疲労回復に役立つので助かります。新見沼大橋の景色と共に楽しみました。
31kmで距離調整のために左折して第3折り返しへと向かいます。この直線は1kmもないので、割とすぐです。長井マラソンや国宝松江城マラソンを思い出します。埼玉らしくよく晴れていたため暑さを感じましたが、試練の下関海響よりは涼しく、長い坂もないためそう苦になりませんでした。
折り返しから戻ってそれまでのルートに復帰した後に32.5kmのエイドだったはずです。こちらではトマトベリーが必須です。が、それ以上に巨大なあんぱんが目立っています。勇気の見せ所です。取らないという選択肢はありません。二つに切ってあるとはいえ、ずっしりした重さを感じます。それでもおいしく食べられてしまうのは有酸素運動たる所以であって、所謂運動会のパン食い競走のような無酸素運動であれば、とても咀嚼はできないことでしょう。
かなりの時間をかけてあんぱんを胃袋に収め、落ち着いてからトマトベリーを口に含みます。埼玉はトマトも有名だよなと思う味です。ちなみにトマト系は過去何度もむせた経験のある給食ですので、皮が喉に詰まらないように注意しています。
中尾陸橋を越えて戻ってきました。35kmでグロス2時間36分21秒。余程のことがなければ3時間10分は切れそうです。最後のエイドも安心して止まる計画を立てます。
- 終盤(さしこみ上等、最後まで手を緩めない給食)
軽い上り下りもあり、36kmを過ぎてから、勝負どころの新浦和橋です。しかし今日は勝負レースでも何でもなく、距離走の豪華版(エイド、コース、応援の全てが豪華)という位置づけですので気楽なものです。思っていた程苦しむこともなく、あっさりと下りに切り替わりました。一気に登るわけではなく、緩やかに上って二段目にちょっと急になる感じです。いぶすきで頻出する坂やにしおの終盤2本とは比べるべくもありません。
37kmは下りながらの通過です。残り5kmの表示もあり、もうすぐ終わるのだなという気持ちになります。
左折して、彩の国浦和ひびけ太鼓と浦和内谷太鼓のメンバーの熱いリズムと笑顔に力をいただき、進んでいきます。38kmという予告でしたが、実際はエイドと順番が前後していました。
そしてついに今回のエイド最終章、37.5km地点にやってきました。まずはうなぎの蒲焼きご飯です。こちらはカップに入っていてとても開けられないと思ったので、申し訳ないなと思いながらお願いして蓋だけ取っていただきました。無理を聞いていただきありがとうございます。テレビカメラもあったので“むっちゃおいしいですね~(関西弁のイントネーションで)”とリアクションを取っておきました。
隣のテーブルには奈良漬がありますので、しっかり塩分を補給します。更にアロニアムスビのクッキーもいただきます。盛岡の特産果実で、栄養価が高いとのことです。
真田栗むし饅頭も東日本連携給食ということで、やはり色々な地域で協力していくことが必要であり、また楽しいことでもあると思いました。舟和本店さんのあんこ玉・芋ようかんも握りしめ、再出発します。ガーミンさんによるとこの1kmに5分24秒を要していたようですが、ここで数十秒を短縮したところで今更何の意味があるのでしょう。
さて、残りは4km程しかないのですが、40km以降真面目に走るためには一刻も早く食べきらなくてはなりません。少なくとも(たとえ口が満タンでも)手ぶらにはしておきたいところです。やや急ぎ気味に栗の香りを味わい(結構なボリュームでした)、芋ようかんとあんこ玉を視覚でも楽しみながら(マスカットと見間違えなくもない)、都会の応援の只中を進んでいきます。
そしてお腹いっぱいになったところで40kmを通過。残り2.195kmはできれば9分を切りたいところです。いつも通り閾値走よりは楽だという感覚で適当に走っていきます。一応ガーミンさん的には4分8秒だったようで、最初の1kmは上がりました。
しかし41kmくらいからはさしこみの気配を感じ、“これは上げられない”と察知しました。食べてすぐに走ると脇腹が痛くなるという子供でも分かりそうなことを今更思い知ります。まあ先週の別大を真面目に走った疲れも、深いところにあったのでしょう。後半はピッチも上がらず、走りでは自分のよさを出せなかったと思います。
タイムは最早どうでもよくなったので、最後も頻繁に写真を撮りながら笑顔で走り、さいたまスーパーアリーナに戻ってきました。“名古屋ウィメンズっぽい!”というスタート前の感想再びのフィニッシュでした。最後2.195kmは9分20秒かかりましたが、そんな日もあります。
アフター
会場
手荷物受取と着替え(立ち止まっている場合ではない)
フィニッシュ後、完走メダルとドリンク、またも巨大なコッペパン(あん&マーガリン)を笑顔で受け取ります。が、実はここからの素早い行動が大事なのです。会場に来ると何となくわかると思うのですが、ここで完走の喜びに浸っている場合ではありません。
まず階段を上らなくてはならず、フルマラソンを走った直後の身には(普通は)堪えます。
更にきついのが、この先の手荷物の受け取りが大行列で動けない時間が続くことです。立っているとどんどん疲労が蓄積していくので、動いた方がましなのですが、何故かブロック毎に返却するスタイルになっていたので当然進みません(だって皆似たような時間に帰ってきますよね)。まあそれでも10数分で受け取れましたし、雨でも全く困らないことを考えると、十分な待遇だと思います。重たい荷物を運んで下さった皆様に感謝です。お疲れさまでした。
エスカレーターで上の階の更衣スペースに行きますが、こちらもあまりのんびりしていると邪魔になってしまうので、程々に撤収しなくてはなりません。完走タオルもないので、着替えの際に周囲の方を不快にさせないためには、家からタオルなりを持参するべきだったのでしょうね。上着を腰に巻くことと立つ場所の工夫により、事なきをえたはずです。リカバリーのため、終了直後にアミノ酸とアミノプロテインを、更衣スペースでプロテインバーとプロテイン(シェイカー持参)を摂取しています。
着替えを終えて下に降りると、スムーズに出口へと誘導され、何も考えなければそのまま駅から電車に乗って立ち去ってしまいます。イベント会場はもう1フロア下ですので、どうにかして降りましょう。そのまま帰ってしまうのは惜しいです。
イベント会場
子供たちも色々なスポーツを体験できるコーナーがあったり、敦賀、福井、群馬、福島など、各地のブースがあり、にぎわっていました。折角なので記念に大会グッズのゼッケン留めを購入しました。マッサージコーナーもあり、手厚いサポートが受けられます(私は今まで一度もお願いしたことはありませんが)。
お土産に十万石まんじゅうを買おうとしたところ、「十万石」という文字が入っていないものしかなく、県外から来た身としてはそれ程嬉しくなかったため見送りました。芋羊羹も職場で配るにはちょっとという感じもしたため、まさかのお土産難民に。キッチンカーや出店も沢山ありましたが、“ザ・埼玉”なものが見つけられなかったため特に何も買いませんでした。
折角なのでさいたま新都心周辺を歩いてみるかと対岸のショッピングモールに行ってみたものの、ここでも手頃なお土産屋さんはなく、よくある大型ショッピングモールという印象でした。
こうなったら前泊で微かな土地勘のある浦和に行くしかありません。結果的に昨日お休みだったKU~NERU bakeryさんでクロックムッシュとクリームパンを買えたので、運に恵まれたと言えるでしょう。お土産は伊勢丹の地下で、彩果の宝石を買いました。
15:57東京→19:51新大阪のぷらっとこだま(グリーン車)で快適に帰りました。荷物を整理し、普通に牛肉野菜炒めを作り、洗濯を済ませて明日に向かいます。
最後に
意外と訪れる機会に恵まれず、あまり詳しいことを知らなかった埼玉県ですが、さいたまマラソンを開催していただいたお陰で、その魅力の一端を身を以て知ることができました。ランナーを続けているからこそのご縁ですし、沢山のランナーが走っている姿を見ることで、大会に関わって下さった方が少しでも元気が出たり、やってよかったと思っていただけると嬉しいです。
個人的にも、遠く離れた埼玉の地で大学時代の友人に応援してもらえるという得難い経験をでき、楽しい思い出にまた特別な彩りが添えられました。また埼玉に遊びに行きたいと思いますし、人生を振り返った時に、今日さいたまマラソンに参加させていただいたことは、間違いなく輝いているはずです。
大会に関わって下さった埼玉の皆様に、重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。