ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

加賀温泉郷マラソン2023 (2023/4/16) エイドも坂も全てが貴方を大歓迎!きまっしきまっし加賀の町!

実はこのブログで最初の記事は加賀温泉郷マラソン2019だったのですが、当時、“まずどの大会の魅力を伝えたいか”を考えて選んだのを覚えています。昨年もコロナ禍の中でも工夫して何とか開催して下さったことが今年にもつながり、ついに本来の力を存分に発揮して下さりました。旅ランの楽しみがこれでもかと詰まった好大会なのです。

とても残念なことに2024年以降は中止となってしまいましたが、沢山の方の温かな応援、コースや観光であの日見た景色、エイドや温泉街でいただいたスイーツなど、全てが素敵な思い出です。大会を開催していただき、本当にありがとうございました。

kagaonsenkyoumarathon.com

まず、温泉地ということで歓迎ムードがすごく、本当に応援の方が多いです。予想しているよりも遥かに沢山の笑顔に出会えます。こちらも笑顔で会釈し過ぎて首が痛いです。

そしてエイドの気合いの入り具合も半端ないです。一大観光地の底力を思い知らされる多彩な和菓子やカニご飯が、溢れんばかりの圧で押し寄せます。都会のマンモス大会ではお目にかかれない地元の銘菓が並ぶのは嬉し過ぎですね。

勿論景色もダイナミックに移り変わり、前半から枯れることを知らずに湧き上がる豊富なアップダウンが温かく迎えてくれますし、27km過ぎには例の坂が、40km過ぎてからはとどめの坂が待ち構えており、シリアスランナーも追い込み放題です。

そして終了後の立ち寄り湯も尋常ではない豪華さで、こんなことでもない限り足を踏み入れることすらできない旅館のお風呂で生命を入れ換えることまでできます。

2018年は3時間10分ちょいで走っており、コースベストを出したいという気持ちもありながら、誘惑が多過ぎて以後どうしても真面目に走ることができず褒めています)、今回も3時間14分台でした。まあ来週の奥熊野いだ天ウルトラ100kmに向けて怪我もなく、坂を上るという行為には独特の興奮があることも思い出しましたから、収穫もたっぷりです。(173bpm※誤作動。まず無理。体感的には163bpmくらい。191spm, ストライド1.14m, 上下動比5.2%, 上下動6.2cm, 左右接地時間バランス49.4:50.6)

地域の皆様、温泉、食べ物、雄大な景色、そして坂まで全てにおいて大歓迎のこの大会、本当にオススメです。素敵過ぎる大会にご協力いただいた加賀の皆様、本当にありがとうございました!

2019年、2022年の記事もあります。すっかりリピーターです。

savarun.hatenablog.com

savarun.hatenablog.com

金沢マラソン能登和倉万葉の里マラソンと来て石川県三大会の最後の砦になるのですが、この大会を完走すると賞状と記念品がもらえます。今年は山中漆器のお盆で、やり過ぎではと心配になるくらいでした。

savarun.hatenablog.com

savarun.hatenablog.com

追記ふるさと納税では常温保存可能で結構長持ちする温泉卵を選択しました。貴重なたんぱく源ですし、何よりおいしいのが嬉しいです。加賀温泉郷にまた行かなくては。

山中温泉のお土産なのですね。

続きのページにはコースやエイドの写真、移動などについて詳しく書いていますので、是非走った気分を味わっていただければと思います。ご感想などいただけるととても嬉しいです。

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前日(金沢でパン屋さん巡り)

6:30には起きましたが、雨予報でしたので本を読んだり翌日のテーピングの準備をしたりで静かに過ごします。散歩がてらニュー三久で食料を仕入れると共にたねさんマロンデニッシュ木の実のパンを買い、遅めの朝食としておいしくいただきました。

何度も書きますが名店です。

坂の上ベーカリーさんが新竪町に姉妹店のSHINTATE BAKE STOREをオープンされたとのことで、こちらも行くしかありません。お洒落なお店に並ぶお馴染みのパン。佐渡ソーセージボストックにしましたが、これからも両方のお店に通いたいところです。新竪町エリアにパン屋さんが増えるのは嬉しいことです。

お店の方もとても親切です。こちらもおすすめ。

更に香林坊パンブラザーズアベさんではビターショコラクリームパイチーズドッグで懐かしい味を楽しみます。好きなだけ食べて満足したところでユニクロとうつのみやでもお買い物です。

トトロやネコバスのキャラパンも数量限定で作っておられます。

書店を応援し続けます。

折角なのであわづ湯さんまで歩き、熱湯風呂(とにかく熱い)と水風呂の温度差を体感し、銭湯の明るいおばあちゃんとにこやかに話し、アピタで諸々調達して帰宅しました。

金沢おふろ旅マイスターとして外せません。

前日の食事は大体パン6つを夕方までに食べ、夕食は気持ち軽めに19時くらいに食べるのがよさそうです。早く眠れるのと、翌日の腸の活動時間の関係で。

夕食も軽くでよいのです。豚肉でビタミンB1が摂れればなおよし。

当日

レース前(完全復活した大会に笑顔)

22:30消灯5:30起床です。4:30頃に覚醒しましたが、二度寝も決まりまずまず眠れて満足です。体重は66.0kgでした。

朝食は毎度軽くなっています。塩フォカッチャは特に味付けもせずです。

不安から食べ過ぎてもよいことはありません。

毎度テーピングなども全て済ませておきます。着いたら脱いで荷物を預けるだけです。ソックスも丸めて指を通してから伸ばすことでテーピングが巻き込まれません。流石にこれだけ頻繁にやっていると慣れてきました。

バスで移動し、この時間なら金沢駅のトイレが空いていることに感謝しつつ(体調の良さを確認)7:02発福井行きでしばし眠ります。6:52発大聖寺行きなら到着後に更なる余裕がありますが、トイレを取るのはよい選択肢だと思います。なお、トイレが長引いても7:15のサンダーバードに乗ればそれらの鈍行より先に着くので、選択肢は多いです。

全然余裕でした。

加賀温泉駅に着くとすぐに送迎バスに乗ることができ、そこからわずか10分で会場到着です。今年は休憩テントもキッチンカーも復活しており、かつてと変わらない姿に嬉しくなります。

流石は観光地、バスもスムーズです。

八重桜も嬉しそうです。

いつも通り更衣室で着替え、といっても上着を脱いでシューズを履き替えるだけの儀式を済ませ(儀式ではない)、抽選券を箱に入れ、たまには二階観覧席でも行ってみるかと上ってみました。何か荷物を置いておいても誰も盗らなそうな気がしたので、京都マラソンのでかい荷物袋に包んで座席に置いておきました。手荷物預けの袋は預り所で買えるので、心配な方(と終わった後の階段が不安な方)は、是非とも利用するといいでしょう。

ちゃんと預かっていただけます。袋は200円(大)がおすすめです。

まだ時間もあったので、気休めにプロテインバーを一本食べてから、おなじみかかとタフ(それは商品名であって正しくはランライフさん)のおっちゃんおばちゃん(例年大阪から遠征してはる)にご挨拶し、四万十川桜マラソンのお礼など、楽しく話しました。あめちゃんまでもらってしまい、いつもの大会が戻ったと思う瞬間でもありました。

ほんま身体に気ぃつけてや。

整列も緩やかで、8:50まででよいので気楽です。何かでかい人が前の方にいるなと思ったら、馳浩知事でした。やはりでかいです。そりゃ巨漢レスラー相手にノーザンライトスープレックスとか決めてたもんな……。そして増田明美さんの「そんな所にいたら3,000人くらいに抜かれますよ!」というコメントで笑いに包まれます。

増田明美さんが毎回来て下さるのも嬉しいです。

今回は走行距離ゼロ、おニューのズームフライ4を投入しました。履き慣れているので試走不要、アウトソールの耐久性の無さを考慮して本番のみ使います。

値下げした時にあと二足くらい買っておけばよかったです。

前日から明け方までの雨で涼しかったですし、曇りがほとんどと見て久々のキャップなしです。日が照りつける場面はなかったですし、水もかぶり易いですから、結果的に正解でした。

心拍ベルトは誤作動で終わってしまい、まともなデータは取れずでした。どんな頑張っても173bpmでフルの時間動けるわけないやろ……。

持ち物はアミノ酸経口補水液を溶かしたジェルフラスコ二つです。特にやる気のない時の定番ですが、アミノ酸は実際効果があると思います。と言うかこれだけエイドが充実していれば、補給食なんて持参しても余るに決まっています。スタート直前にアミノ酸を一袋飲み、あめちゃんを口に放り込んでスタートです。

レース

序盤~前半(片山津温泉往復と梨ゼリー)

まずは加賀高校の生徒さんの力強い太鼓演奏で送り出されます。最初は下りなので接触と足元に気をつけながらピッチを高く保つことを心がけます。開始2分かそこらでサブスリーのぺーサーに抜かれましたが、割と近くにはいたので今日は調子がいいかもと思いました。

かがやきの大地を駆け抜けてきます。

最初から応援の方が多く、やっぱりこうしてのびのびとイベントが開催できる空気はいいなと喜びを感じます。なお、あめちゃんは2kmを通過してもまだ溶け切らず、長持ちするなと思いました。

両サイドの家も近くて応援がすぐに届きます。

3kmくらいでは急に雨が強く降り、“応援の方が大変そうだな。後ろの方の人も辛いだろうな”と考えつつも、雨と寒さに強い自分的には、序盤で熱を溜めずに済んで助かるなと、世間とのずれを発揮していました。

最初のエイドで水分を取りつつ、コップのサイズ感や、大体最後のゴミ箱までにどれくらい飲めるかの目安を量ります。概ねコップ二つであれば身体にかける分も含めて飲みきれると見ました。

5kmの計測地点も少し上っていたり、前半から割と豊富なアップダウンが現れ、知らず知らずのうちにランナーの体力を削っていくので、ある程度真面目に走るなら前半は抑えた方がよさそうです。この辺りも蛙がゲコゲコ言っていて長閑です。

雄大です。

片山津温泉が近づいてきた頃には早くもトップの岡山晴紀選手(100km世界歴代3位、6:12:10の超人)が。“コモディ来た!”と思って急いで撮りましたが、速すぎたのかピントが合わずすみません。

弾丸のように走り去っていかれました。

帰りの梨ゼリーの場所を把握しつつ、片山津温泉への坂を下ります。何となく奈良マラソンの天理折り返しを思い出す傾斜です。折り返し手前では柴山潟が奥の方にちらっとだけ見える(ここを見逃すともうチャンスはない)ことは分かっていますので、写真を軽く撮った以外にもこの目で凝視しておきました。

カボチャ村が気になります。

刮目せよ!奥の方に見えてるで。

坂を上って戻ると待望の加賀しずくの梨ゼリーです。初登場のメニューですから、ここは減速して確実にゲットします。食べやすく袋が切ってある心遣いに感じ入ります。序盤から美味しいお菓子に元気いっぱいです。

目立っていました。中盤にもおられたと思います。

旬の季節に加賀しずくを食べようと思いました。

7kmの通過は30分50秒くらいだったと思います。えらい速いなと思ったのは覚えています。

行きは下り基調なので帰りは当然上り基調です。途中の田んぼに映る空がまたきれいです。いつも8.8kmのエイドで左折していくシーンが何故か印象的です。

自然の豊かさも楽しめます。

10kmを過ぎて駅が近づいてくると、あのユートピア加賀の郷の名残たる巨大な観音像もまた近づいてきます。いやまあこちらから向かっているのですが。今となってはあのバブリーな時代の記憶が残っていないことが惜しまれます。そして写真では遠くに見えますが、実際は不自然なくらいでかいです。あんなものを建立してよいのでしょうか。

当時誰か止めなかったのでしょうか。

住宅街では家の前で応援して下さるご家族も多く、犬も無理矢理前肢を持ち上げられて応援に駆り出されていました。おそらく本人(犬)にとっては迷惑だったでしょうが、和みました。ありがとうございます。

中央公園入口の近くは応援が更に多くて楽しいエリアです。ありがとうと言ったり手を振ったり会釈をしたりしながら進みます。今回は増田明美さんがおられる時間ではなかったので一抹の寂しさはありつつも、様々な被り物で視覚的にも楽しませて下さる方が多かったです。

もしや能登和倉万葉の里マラソンでもおられた方々では。

その先は帰りに40km過ぎで急坂として牙をむくあの長い坂を下りつつ、下から見てどの辺りを目標にすればいいかなと考えていました。とりあえずフェンスではまだ許してもらえないことだけは覚えて、後は目の前の白山連峰を眺めつつ、気持ちよく下っていきました。晴れるとここからの眺めは最高です。

行きはよいよい帰りは白目!

14kmで確か7kmから32分くらいで、全体としてはいいけど、あんまり速く走れないかもと思いました。この先何度も足を止めることになりますし。

中盤(山代温泉カニご飯、山中温泉と例の坂)

おそらくキロ4分30秒を目指して走っているであろう方々に抜かれつつも、自分は時計を見るでもなく、“皆頑張り過ぎやろ”と気楽に進みます。天神橋を渡る景色も、八重桜も、JRのアンダーパスも何もかもが一年前も見ることができたあの姿で、ああ戻ってきたなあと感じます。

この橋も何故か気に入っています。

村田機械の前の通りを快適に走り、17km辺りでは熊の着ぐるみさんも。イオンの近くで右折する所ではいつも応援の方が沢山です。

ホント応援が多くて感謝です。

万代書店裏のエイドでは毎回何かしら軽食があるので、何だろうと思ったらミニあんパンでした。ありがたくいただきアンダーパスを通り、工場の間をくねくねと通って右折すると急に視界が開けます。ここは何回来ても好きなシーンです。少し強めの向かい風も体を冷ましてくれて気持ちいいです。

遠くまで見渡せて爽快です。

山代温泉の案内が出現し、いよいよ温泉街が近づいてきたことが分かる頃、うっすらと上りますがどうということはありません。左折して折り返してくるランナーとすれ違い、神社の前を左折して山代温泉総湯へ。大変映えるあの場所です。

もう完全に温泉旅行です。

まずは総湯を写真に収め、近づいて行くと旅館の麗しき女将さん達が応援して下さっているではありませんか。応援制限があった時期は控えめにせざるをえなかったものの、今こうして歓迎していただける日々が戻ったことに改めて感謝しつつ笑顔で応えます。去年あの大変な中でも開催して下さったことが、今につながっています。

笑顔がはじけるおもてなしです。

そして毎年全国屈指の難所というかどうしても真面目に走ることができない豪華エイドにて足を止めて光輝く和菓子陣を端から物色します。おすすめを伺うとやはり六方焼きとのことでこちらは今年もいただきつつ(藤沢菓子店さんありがとうございます)、迷いながらも昨年とは異なるものを中心に選りすぐります。邪魔にならない場所でゆっくり食べたいのでコースアウトして並べて撮影していると、そのタイムを度外視する潔さが受けたのか、男性スタッフの皆様に「優勝!」とか喜んでいただけました。

甘党にはたまらない光景です。めっちゃ豪華。

音羽堂さんの加賀樹庵と丸福菓子店さんの温泉万頭を食べ、残りを握りしめて旅立ちます。しかし次のカニご飯まで2.5kmしかないため、あまり悠長に食べていられないという恵まれ過ぎな悩みです。横谷菓子店さんのお万頭もめでたいです。

沿道にアピールするのも私の務めです。

中間点は3時間10分はまず無理だなと思ったくらいで、タイムもあまり覚えていません。食べるのに夢中です。

カニご飯の前は軽い上りですが、少しで待望のエイドですので気楽なものです。沿道の声援に応えながら到着し、完全に止まっていただきます。写真を撮ったりしている間には、スタッフさん「あら~忙しいね!笑」私「そうなんですよ、忙しくて」といったやり取りがありました。四年前に初登場して以来の復活、そのカニと酢飯の織り成すハーモニーが流石加賀の国とため息すら漏れます。今回は容器にスプーンというスタイルになっており、どちらも食べやすいので、色々と工夫されているなと感心します。

あちこちで応援していただけるのでずっと笑顔です。

しっかりカニが入っています。うまい!

次の山中温泉へと向かう道も旅人感が好きなのですが、“ああここで橋を渡るのだな、どうりできれいな景色だと思った。あの先には鶴仙渓か”と思えるくらい体力的な余裕とリピーターとしての土地勘があり、何度も来るといいことあるなと思いました。

山中温泉と言えば鶴仙渓やあやとり橋ですね。

お店が増え始める前のエイドではコーラがご登場。ありがたく飲み干し(しかし水と違ってこぼすわけにはいかない)、帰りで通る例の坂を右手にチラ見し、マルエーの前で右に折れてお土産物屋さんや和菓子屋さんの間を抜けて観光気分に浸ります。

26kmの看板が見えます。両サイドのお店も見所です。

菊の湯写真に収めるためには大回りが必要なので、計算ずくで距離を取りながら回ります。そしてここでは椿寿司娘々饅頭!ということで今回もありがたく堪能させていただきました。昨年は怪我で辛かった分、喜びも一入です。

初参加時からこのエイドもとても好きです。

娘々饅頭は走りながら食べて血糖値を上げます。そうこうしているうちに27kmの看板が目に飛び込んできます。多分ほとんどの方がまだ心の準備ができていないままに左折して例の坂に直面してびっくりすると思います。というか、折り返してから意外とすぐなのです。

多くの方は、この先で事件が起こることをまだ知りません。

27kmが見えたらすぐに大変なことになります。

ご親切にも坂が379mあると教えていただき、意を決して左折して上り始めます。足元の溝がその角度を物語ります。一段目は割とすぐで、これは大丈夫かなと思ってからの二段目が長いこと。もう腕をブンブン後ろに飛ばし、身体が「く」の字に折れ曲がらないように意識するしかありません。呼吸も自分なら練習ではまずお目にかかれない程ゼーハーします。それでもここで結構な人数を抜かし、上りきった先では割と早く呼吸も落ち着いたので、やはり昨年の富士登山競走へ向けた野田山での練習が効いているなと思いました。

この彫りがないと車が上れないやつやん。

毎回書きますが、角度が急と言っても金沢最強の御参詣坂(もはや壁)程ではないですし、長いと言っても富士山よりは短いのです(当たり前や)。それでも不老坂よりは厳しいので、金沢で修行されるの方は野田山の上の方がよさそうです。

給食センターまで来ればもう大丈夫です。

とにかくここが中盤最大の難所ですので、当面休める展開に気は楽です。ガーミンさんによるとこの1kmは4分40秒台だったらしいので、意外と落ちていないなと少し調子に乗ります。前回前々回と見落とした28kmもこんな所にあったのかと見届けます。2時間9分ですからかなり遅くなってるなあというところです。

住宅地の中だったんですね。
後半~終盤(意外と遅い下りと止めの上り)

左折して早速のエイドでは、もう出会えないと思っていた梨ゼリーが再登板しましたので、ありがたくいただきます。29km辺りで橋を渡るこの景色も好きだと、毎回書いていると思います。この2kmくらいはほぼ下りなので楽にスピードが出ます。

景色がいい分、時々急な下りもあります。

30kmのエイドでもコーラをいただき、少し行って大きな通りから外れて民家の間を行くとエイドで給水、左折して河南トンネルですが、ここは久しぶりに上るので幾分堪えます。そして忘れていましたがトンネルの中も上っていました。まあ入る前から出口見えてますけどね。

指がベタつこうがコーラは欲しいです。

この先の道を少し行ってからエイドで左折です。

横から水が流れ出ていました。

すぐに次の日谷荒木トンネルに入りますが、ここが明らかに下っているのにスピードが出ない謎エリアです。今回もまた顎が上がる感じがあり、何度か修正しようとしましたがすぐに戻ってしまいます。今日はどう考えても会釈や首振りが多かったので、首に疲労があったのは否定できないところです。まあ涼しいからいいかと休みながら進みます。トンネル内には応援はないものの、出口で鳴り物を持っていて下さる方がいたので、聞こえてくる音は励みになりました。

魔法のようにスピードが出ません。

多分トンネルの終盤はフラットになっているのでしょう。何となく進みにくくなった気がします。そのままトンネルの外に出ると一回うねりますがここが意外と長く感じます。エイドの先の折り返しも上りで、京都マラソン今出川通よりは短いなと思いつつも、それより注目すべきは左手の森の深さです。なかなかの手付かず感です。迷い込んだら大変です。

左手に色濃い緑です。

折り返して下りで休んで35km、あと30数分で終わりです。向かいに城らしき屋根が見えることに初めて気づきました。帰路はそこまで上りが長く感じず、春の蛙の唄を聴きながら左折してエイド、後はフィニッシュへ向かって見通しのいい道を行きます。ここ二回は派手に失速しましたが、今回は元が大して速くない分、落ちは感じませんでした。

帰りは割と楽に感じるのですが。

あんな所(左の方)にお城っぽいものが。初めて気づきました。

37.9kmの片山津温泉塩饅頭は8号線の高架の先、昨年はここで確実にゲットしたぞと思いつつテーブルを見るも、無い、見開いた目を更に凝らして何度見ても無いという事実に膝から崩れ落ちそうになりつつも、すんでの所で立て直して駆け出します。多分もっとよく見れば見つかったのでしょうが、やはり動きながらでは限界がありました。

38km辺りで一瞬草が近い狭めの道をクランク気味に通るとまた住宅が増えて応援も受けられます。前半でお会いした熊の着ぐるみさんもおられました。往路に合流し、ここを通るのかと四度めにしての発見もありました。アンダーパスを抜け右に神社と八重桜、橋を渡ってもう帰ってきました。流石にこの辺りまで来るとピッチも上がりスピードも出ます。

今回は終盤の景色を確認する余裕がありました。

40kmの高架下でもありがたく給水をいただき、いよいよラストの坂へと向かいます。この道ではいつも元気な大学生?くらいの兄ちゃん達がめっちゃ応援してくれるので、声が聞こえてくるのを楽しみにしていて、今回はバシバシ写真も撮らせていただきました。余裕を見せると喜んでいただけます。

終盤のこのノリは最高ですので、是非受け継いでいって下さい!

そしてとどめの坂の手前にはこれから修羅場へと向かうランナーを勇気づけようと沢山の方が待ち受けます。“完走してもビールは飲まれへんけどな”と思いつつ笑顔で応えて“よっしゃ行くぞ!”と小さく呟き上りに突入します。

どんなに余力があっても苦しめる約束の坂です。

ここは長さもなかなかで、相当力を残していないときついです。私は強い上半身をフル活用して、腕を思い切り後ろに飛ばし、肩甲骨周りも全開でガシガシ上ります。周囲の落ちっぷりもすさまじく、二時間くらい前に往路で抜かれた人もここで逆転できました。取りあえずフェンスだかガードレールだかでは許してもらえないと知りつつも手近な目標物を一つずつクリアしていきます。

私にしては珍しく息が上がり、表情も険しくなりましたが、どうにか第一段は上りきり、呼吸は整わないながらも盛り上げなくてはならないので食パン被り物チームを撮影しました。この状況下で写真を撮っていると驚きの声が上がったりするのですが、実はそういう声が大きな力になります。

正念場での応援ありがとうございました!

ここまで腕を使ったのは久しぶりだったので、41.4kmエイド前では“腕と背中が売り切れた”というあまりマラソンっぽくないパワーワードが去来します。右利きだから仕方がないのかもしれませんが、左右差がかなりあるようで、右ばかりが疲れました。2018年と2019年はここで給水の余裕はなかったはずと思い出しつつ、今年はスポドリをいただき、左折してダメ押しの坂へと突入です。

背中の右側の疲労感がすごいです。もっと左右対称に振らねば。

ここは競技場へと向かう道ですし、植え込みがあったりもするので、もう平地くらいのつもりで攻めます。10kmのランナーに混じって捕らえられそうなフルのランナーが何人もいますので、目に映る方は極力抜きます。トラックに入る所では苦しみながらもこの八重桜を撮るのだと決意して写真を残そうとシャッターを押しましたが、音がしなかった気がしたので駄目かもと思いました(そして撮れていませんでした……。)。走っている時には基本画面は見ずに指先の感覚と音が頼みなのですが、42km手前では尚のことどうしようもないので考えないことにします。

呼吸はとんでもなく荒いのですが、写真に記録していきます。

とにかく昨年とは違い怪我なく無事にトラックに戻ってきたことに喜びつつ、残り半周くらいで弱っている方を二人くらい抜き、ダッシュで、そして笑顔でフィニッシュしました。

(しかし9分54秒もかかっており、全然速くありませんでした。一度ジェルフラスコを落として拾いに戻ったのもありますが、もしやアップダウンの多いコースではタイツが脚を残すのに有効で、かつ上りに限れば薄底の方が速いのかもしれません。それでも2.195kmで10人抜いているのは悪くありません。)

アフター

会場(ふるまい鍋も出店も復活)

時計を見ると3時間14分台、コースベストより4分以上遅くて何でだろうと思いつつも、それ以上に幸福感がありました。給水は自分でガンガン飲んでアミノ酸粉も即摂取します。これで石川県三大会を完走したので記念品を受け取りに行くのですが、今回は自分で記録をスマホで表示しなくてはならないので、事前にナンバーを入れてワンクリックで出せるようにしておきスムーズでした。いただいた山中漆器のお盆はやり過ぎなのではと思うくらい良いもので、正に記念に残るものになりました。

これはいい思い出になります。

ふるまい鍋も蟹や海老、貝といった海の幸に牛蒡等の野菜も入って栄養満点かつおいしくて嬉しい限りです。

いらっしいらっしかがやきまっし

スポーツセンター二階の荷物をピックアップしてプロテインプロテインバー二本でたんぱく質を補充し、Eペース上限の距離走の長い版であればこれで大体足りたかなというところです。

ズームフライ4は一発でこんなに減ってしまって勿体ないのですが、やはりダメージが少なく、左右接地時間バランスもマイルドでしたので、新品の威力を思い知ります。そして四万十川桜マラソンの薄底と比べて圧倒的にふくらはぎのダメージが少なくて技術の進歩に驚きます。夜もぐっすり眠れて、腿よりも更に上の臀部中心の重さがメインで、筋肉痛でギシギシという感じでもありませんでした。

大事に、ケチりながら履いていきたいと思います。

増田明美さんのサイン会があったり、抽選発表があったりといつもの盛り上がりを取り戻し、やはりこうでなくてはと笑顔になります。

イベント感が溢れています。

サンドイッチは売り切れで他はそこまで食べたいものがなかったのでまあいいかと物販ブースに向かいます。雨が降ったり止んだりだったこともあり、かかとタフのランライフさんのテントであれこれ話ながら楽しく過ごし、折角なのでインナータイプのサンシェードを買いました。日差し対策にはよさそうです。次は黒部でお会いしましょう。

珈琲までいただいてしまいました。ありがとうございます。

今回は結構シューズが充実していて、懐かしのミズノのエアロ16もあったりしておおと思いました。それ以上に、エボライドスピードやマジックスピード2が結構お買い得になっており、かなり迷いましたが、荷物が既に多かったこともあり見送りました。ニュウスポーツさんは大阪のお店のようなので、今度行ってみようと思います。

おまけの体組成測定は体脂肪率9.3%、基礎代謝1,672kcal、体内年齢17歳でした。あら、私もまだいけるのかしら。

三大会テントではまな茶を買いました。大会Tシャツもどうぞ。

競技場の八重桜に見送られて、会場を後にします。
山代温泉(森の栖リゾート&スパ)

会場にかなり長居してしまいましたが、14:40会場発の温泉バス山中温泉へ向かいます。とりあえず交代浴がてきそうな名前に惹かれて森の栖リゾート&スパさんへ向かったのですが、入口から格調が高過ぎて“ホンマにここに来てええのかな”と思いつつ、案内していただきお風呂へと向かいます。本気の温泉旅館には泊まったことがないのですが、”こんな世界があるものか”と驚愕するしかない高貴な空間の中を歩き、むしろ緊張しながらお風呂に入ると、これまた趣味のいい緑が目と心に安らぎをもたらしてくれます。天井高っ!とかもう貧乏人ならではの落差の大きさを遺憾無く発揮し、多分誰よりも楽しんだと思います。期待の交代浴も重ねて大満足です。

そしてこれだけでも満足なのですが、日本の旅館の懐は更に深く、もう一つのお風呂まで入らせていただけるという。最早迷路のような館内を歩かせていただき、露天風呂で風に吹かれて“もうこんな幸福は訪れることはないのでは”と思う時間でした。生命が裸になる場所で。

本当に極上の時間を体験させていただきました。

まだバスには時間があったので、真菰ヶ池や温泉街を散策します。

雪の季節も美しいことでしょう。

猫はどうも苦手です。

丸福さん栗もなかは中身もぎっしりで素晴らしかったです。しもつね菓子店さんのご主人はゼッケンを持っておられたのでお話ししたところ、残念ながら完走できなかったとのことですが、エイドのお礼もお伝えできたりと楽しい時間でした。おすすめを伺うと豆大福を押して下さったのでいただき、このたっぷりの豆と柔らかなお餅に舌も心も大喜びです。

どこからどう見ても栗!でした。

流石おすすめの逸品です。実にうまし。

時間的にまだ肉を提供するお店は開いていませんでしたが、温泉卵が買えるのでたんぱく質もばっちりです。出汁もおいしく、無敵の温泉卵でした。

白は90円、赤は100円です。折角なので赤がよいでしょう。

ラソンの喧騒が嘘のようにきれいに片付いていました。

17:00の最終便で加賀温泉駅まで送り届けていただき、アルプラザでお土産を選びます。エイドで名前を覚えた(そしてお菓子もいただいた)音羽堂さん加賀樹庵を選びました。この味は広めなくてはなりません。

職場でも大好評でした。

締めはやはりげんば堂さん川端御亭。最中が香り高く、餡もカステラも間違いありません。加賀便りにもほっこりします。来年は北陸新幹線が延伸しているのだなと思いながら、加賀温泉駅に別れを告げます。

駅前ですので是非ともご褒美に。

関東からも益々来やすくなりますね。

鈍行で金沢まで戻り、夕方の混むバスに乗るのも嫌だったので、アピタに寄ったりしつつ一時間程歩いて帰宅しました。夕食は〆鯖と簡単なサラダで、穏やかに一日を締めくくります。洗濯や片付けを終えて大体日付が変わる頃には眠りにつきました。

特にドカ食いもなしです。

最後に

今回はようやく本来の姿に戻ってくれたこともあり、やっぱりこの大会はものすごくおすすめで、一人でも多くの方に走って笑顔になっていただきたいなと強く思いました。

走りとしては、いつ以来かと思うくらい息を荒げながらも前を追う感覚を思い出し、眠っていた情熱が動いたように感じます。そして翌日迷いに迷った末に、富士登山競走の追加エントリーにも応募し、腹も決めました。自分の中で一つの節目になりつつも、最初から最後まで笑顔で声援に応えながら楽しく走れた一日になりました。また再出発できそうです。

大好きな加賀温泉郷マラソンにご協力いただいた加賀の皆様に心よりお礼を申し上げます。

ここまでご覧いただき本当にありがとうございます。

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