ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

能登和倉万葉の里マラソン2019(2019/3/10)牡蠣が好きならここを選ぼう!朝から晩まで旅ランの醍醐味!

この大会もすっかり気に入ってしまい3年連続の参加になります。エイドでは能登マ丼「マラソン」の「マ」です)がふるまわれ、フィニッシュ後は焼き牡蠣を自らコンロで焼いて堪能できます。そのうまさたるや。2023年はウェルカムブースということで従来とは方式が変わるようですが、キッチンカーや地元食材が楽しめるようですので、いつもと違う形も楽しみです。

会場が和倉温泉ですので、勿論温泉も楽しめますし、能登島大橋ツインブリッジのとからの眺めもよく、その地方の魅力を存分に活かしています。地方でマラソン大会を開催する意義の一つには、土地の魅力を発信してリピーターを増やすこともあるので、こうして温泉や景色や食べ物をこれでもかと見せて下さる大会に出会うと嬉しくなります。旅ラン好きとしては、願ったりかなったりの展開です。

notowakura-marathon.jp

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同じく石川三大会の一角をなす加賀温泉郷マラソンのブログはこちらです。よろしければ是非。

savarun.hatenablog.com

savarun.hatenablog.com

金沢マラソンに至ってはもう6回も走っています。どれだけ好きなのかと。

savarun.hatenablog.com

能登トレジャートレイルでは和倉温泉に前泊し、豪奢な総湯にも浸かることができました。

savarun.hatenablog.com

お世話になった七尾市にちょっとでも恩返しができればと2020年はふるさと納税枠でエントリーするも、あえなくコロナで中止に。代わりにいただいた佃煮は職場で配ったところ好評でした。2023年は4年ぶりの参加になりますのでとても楽しみです。

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コースやエイドの様子は続きに詳しく書いています。写真だけでも是非ご覧ください。

 前日(金沢観光 ハントンライス室生犀星記念館

例によって金沢宿泊ですので、7時大阪発のバスで出発です。何と言っても3,560円という安さとバス遠足の高揚感があります。

最初のSAにはいきなりステーキがありました。

お馴染み南条SAにてご休憩です。前回通った際は河川敷でイベントが開催されていましたが、この日はありませんでした。羽二重ぱんけーきは行くしかないでしょう。買い食いイベントこそバス遠足の柱といっても過言ではありません。

福井といえば羽二重餅

12時前には金沢駅に到着です。やはり京都駅を経由しない便はスムーズで、予定通りのサブ5。毎回無事に送り届けて下さる運転手さんに感謝です。金沢とは思えない快晴ぶりには戸惑いつつ、まずはひゃくまんさんにご挨拶することから始めます。

でかい。

今回何故にこんな早い時間の移動を選択したかといいますと、ハントンライスを食べてみたいという気持ちが抑えられなかったからです。食欲をそそるお店が沢山あるので迷うところですが、ホーム・くっくわかばやしさんで豚カツハントンライスをいただきました。“これがハントンライスか……。今まで食べずに何をしていたのか……。”と思うほど美味しくいただきました。お肉屋さんが営む老舗の定食屋さんで、ご覧の通り肉のうまさが溢れてきます。卵もたっぷりで、ケチャップライスにハムと玉ねぎが入っているのも一層うまさを引き出します。これで750円は脅威です。常連さんとのやり取りも温かく、超おすすめです。

端的に言って夢があります。

桜橋を渡り犀川を下ります。もう春ですね。晴れると山が本当にきれいで、何度見ても“この姿を眺めることができてよかった”と思うことの繰り返しです。

ここには一生お世話になります。

そしてしばし歩いた後、室生犀星記念館にやって来ました。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」というフレーズはご存知の方も多いかと思いますが、「そして悲しくうたふもの」と続くことは案外知られていないかもしれません。大き過ぎない展示スペースに集められた自筆の原稿や往時の本等ゆっくりと見学できてよかったです。金沢大学等の校歌も作詞しておられたとは知りませんでした。本人の朗読は、“え、そんなリズムで読むの?”と意外な印象でしたが、自分でも詩集を声に出して読みたくなります。勿論記念に本も買いました。因みに雨宝院もすぐ側にあるので見逃せませんね。

金沢では室生犀星泉鏡花徳田秋声の存在が大きいです。

折角ですのでにし茶屋街も見学し、資料館では、金沢弁を受け継いできた歴史への貢献も大きいと学びます。四十萬谷本舗さんにも寄って加賀金城味噌と加賀片瓜粕漬のジェラートもいただきます。味噌って色々なものに合うのがすごいですね。かぶら寿司は代表的な冬の金沢の味覚です。

甘納豆のかわむらさんのお店は、にし茶屋街のみです。

石川の風物詩です。

レース当日

レース前

23時消灯5時20分起床でした。10時スタートですので沢山食べてもOKです。(6時前にパン2つ半、デコポン半分)。テーピングとソックスを含む装備を整え、6時58分金沢発(肉と水購入)七尾駅8時30分のバス(360円)で移動です。金沢から七尾への移動は、一本逃すとアウトですが、間に合うことは間に合います。七尾から一気に温泉会館まで行けますので、別に和倉温泉駅で降車してシャトルバスに乗り換える必要はありません。

パンはアンデルセンのものでした。

バスは電車の到着に合わせて待っていますが、油断すると逃します。

会場到着後は列に並んででも確実に温泉入浴券を買いましょう。これが無くては寂し過ぎます。参加賞を受取りテントへ。わくたまくん(@wakutamakun )がいっぱいです。宝浪漫マラソンTシャツと2年前の参加賞のアームスリーブで能登愛をアピールします。貴重品を預け、回転の速い観光会館のトイレに寄っておきます。スタートまで温泉街を少し歩き、給水でボディメンテをいただきました。

イベント会場方面の温泉を選べるとスムーズかと。

キャップはお気に入りで愛用しています。

ゆったり歩きます。

七尾港開港120周年を記念して総合120位には副賞がある、昨年は3時間12分くらいと聞き、これは丁度狙えるのではと思いました。結果としては3時間14分台でしたし、普通に走ればいい線いっていたと思います。大きな目安はキロ4分35秒。いぶすき・勝田の経験からさが桜で3時間一桁前半を出すにはこれくらいかなと考えていました。

こんなに持たなくてもいいです。余りますよ。

レース

序盤~前半(早速の能登島大橋

特にピリピリした空気でもなく和やかにスタートです。スタートロスもわずか20秒でした。まずはすぐに左折して能登島大橋に向かいます。高階くれない太鼓の応援に力をもらって早速上り始めます。

元気なうちにいい景色を見せようという心意気が感じられます。

少し長く感じますが、その分、橋の上からの眺めは抜群です。“ああ今年も七尾に来たのだなあ”と実感する瞬間です。天気も晴天ではないものの大丈夫そうです。前年は確か終盤冷たい雪が舞いました。

おお、こんな景色なのかと目を丸くすること請け合いです。

3kmで早々にスポーツ羊羹あずきを半分程たべます。元気で手が動くうちにという判断です。当時は流石に早過ぎたかもと思ってもいましたが、実際は早目に食べる方が燃料にはなってくれるはずです。

その後は少し山の中を走り、続いて海が望めるコースを進むことになります。終盤は忘れがちなので8kmで塩熱サプリを摂りました。

左の苺牛乳ジャージの方、もしやえちご・くびき野におられた方では……。

一旦木々に囲まれますが、また海が望めるコースに復帰します。

9kmの折り返し前は意外としんどい坂ではあります。この坂の少し前でトップとすれ違うのは昨年と同じです。今年は南砺100kmTシャツの精鋭が沢山おられました。折り返して海を臨み、左に入り再度折り返し。給水の後には向田雨乞太鼓保存会さんが待っています。太鼓だけでなく竹や鐘のリズムがランナーを盛り立てて下さり、元気が出ます。

下りに切り替わると急に楽になり希望が見えます。

10km辺りだと思います。海沿いの景色が美しいです。

一つ一つの坂はそれ程長くないのですが、数が多くスピードや心拍が安定しないので脚に力が要るなと思いつつ進みました。呼吸が苦しいわけではないし、前日の食事からガス欠もありえません。それなりに疲れも感じるのですが、集落ではおばあちゃん達が声援を送って下さりますので頑張れます。気候や植生は全く異なるものの、坂の数という点では瀬戸内海タートルフルマラソン全国大会が近いかと思います。

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入りはネットで23分30秒程。その先はマ丼まで22分25秒~44秒。すごく適当です。

中盤(ツインブリッジのと、マ丼で実質終了)

15kmを過ぎ下りに入ったのでザバスピットインを食べます。思ったより固まっていて食べやすく、後のために半分残しておきました。

半浦で右に折れて往路からは外れます。少し行くと遠くにツインブリッジらしきものが見え、“え~あそこまで走るのかよ”と思いますが、そのうち辿り着きます。能登のイメージ通りの家々の間を駆け抜け細かな坂を上ります。中間点が近づくと寿老園長寿太鼓さんの応援があり、次のエイドの給食を楽しみに進みます。

能登はやさしや土までもという言葉が響きます。

いよいよツインブリッジのとにやって来ました。橋の手前でブリフレークおにぎりがふるまわれますので確実にゲットしましょう。酢飯がまたうまいのです。手がべたついて撮影に支障が、などと考える暇はありません。写真よりも食い意地優先です(写真機は要らないわ、五感を持ってお出で(by 東京事変))。橋の上ではしっかりと景色を楽しみます。橋の先能登祭太鼓連合さんを始め応援が多いエリアなので、笑顔でお礼を言いながら走ります。

22km辺りで心の準備を。

眺めのよさの割に上りの苦しみがない素敵スポットです。

この後26km付近で一番きつい坂が待ち構えます。坂の下に到達するまでに木々の間の道を下るエリアがありますが、焦らず力を蓄えておくことが大事かと思います。エイドで給水するといよいよ上りです。ここさえやり過ごせば伝説の能登マ丼が食べられますから、ここで果てるくらいのつもりでもいいかもしれません。坂を上り切った後で息を整えつつ、ご褒美としてザバスピットインの残りを食べました。この先はエイドで食べまくるので残しておく必要はありません。今日はもう終わったも同然です。

もう上りはないかな~と思ったら大間違いです。

そして、待ちに待って待ち焦がれた能登マ丼エイドに到着です。28kmが近づくにつれ、もうすぐだとテンションも上がり、到着した際はやったぞと言いながら休憩です。もう今日はこれを食べに来たと言っても過言ではないでしょう。全国には様々な大会があって給食も充実していますが、能登マ丼はトップクラスのうまさです。このプリプリの牡蠣に能登白葱、あんかけとお米の織り成す奇跡は、走らないと一生知ることのできないアートです。七尾湾とマ丼の記念撮影後、大喜びで食べ、米粒一つも残さず完食です。

神々しいまでの輝きを放ちます。

七尾湾と収めるべく何枚も撮りました。

ごちそうさまでしたぁ!

この時点でアベレージはキロ4分31秒か32秒くらいだったようですが、タイムなど狙っている場合ではありません。折角なのでオレンジもいただき、水を摂って再出発です。毎年思うのですが、止まってしまっても意外と走れるものです。アベレージは2秒は落ちましたが、もうどうでもいいです。

フルーツまであります。スルーする人の気が知れません。
後半~終盤(七尾湾を感じつつ温泉街へ)

マ丼エイドの後はすぐに(高低図にはない)上りに突入します。マ丼をスルーしてまで頑張って走って来たランナーの多くは、距離と時間から来る疲れに加え、“高低図にはないのに!”というショックと”どうせ減速するなら割り切ってマ丼を食べておくべきだった!”という後悔のダブルパンチで心折られてしまうリスクがありますので、結論としてはやはり、「マ丼は食べておくべし」ということになろうかと思います。

30kmの能登中島大橋は、平地しかないと思っていると地味に堪えます。曇りではあったものの、雪の立山連峰(多分)が見えたので写真を撮ってみました。

大きく上るわけではないのですが。

(なお、この辺りからか足裏が熱く感じました。当時寒さ対策として試していたタプソールの影響かとも思ったのですが、効きが遅過ぎるので違うはずです。指先に塗るか等塗り方も考えようと思っていたものの2019年頃には何となく使わなくなっていました。好みの問題ですが、熱い時は熱過ぎる印象です。でも足指に関しては冷たすぎるよりはいい気もしてきました。)

その後も七尾湾を眺めながら進みますが、メインはエイドでの休憩です。給食は本当に嬉しいものばかりです。33.4km中島菜のお粥も止まって食べました。35.2kmの香り箱は受け取る際に撮影し、喜んで食べると笑っていただけました。細巻きは昨年回避して後悔していたため、ここは迷わず食べます。温かい能登のま菜茶もいただき再々々出発。能登はおいしやです。

給食エイドが次々と現れ、走っている場合ではありません。

この写真は再々出発後34km付近の笠志保辺りかと思います。遠くの山々がきれいでしたので撮っておきました。

大体いい景色と思っておいて間違いはないでしょう。

地方大会ですので至る所に応援団が待ち構えているわけではありませんが、38.2kmのエイドでは、拡声器で応援して下さるおじさんが復活しており、ゼッケンから名前を調べた上で「〇〇選手!最終コーナーを曲がりました!」等と実況して下さりました。“最終コーナーは39km過ぎてからなんだよなあ”と思いもしたものの、楽しんで下さっていますし、本当に嬉しい応援でした。改めてお礼を言いたいです。

40km辺りで最後の上りを乗り切れば後は温泉街を駆け抜けてフィニッシュするのみです。流石にスパート時の写真はありませんが、苦しくも楽しい時間です。温泉旅行で訪れてゆったり歩くはずの場所をアドレナリン全開で駆け抜けるのですから、倍楽しめる時間です。

フィニッシュ後は手湯で温まれるのもありがたいです。手は流石に冷え切っていますので。足湯はシューズやソックスを脱ぐ必要があり、惹かれはするものの手間がかかりますが、その点手湯は即つっこめるので楽ですね。

お疲れ様でした!

アフター(充実のイベント会場)

普通の大会であれば完走しましためでたしめでたしで帰路に就くところですが、この大会はここからが本番とまでは言わないものの、お楽しみがまだまだ続きます

お楽しみはまだまだここからですよ。

この青いゲートが好きなのです。

まずは手湯で温まった後、貴重品を受取り更衣室へ。ここで乳首からの出血でシャツとゼッケンが汚れていたと知ります。アミノバイタル粉、プロテインプロテインバー2本、残りのゼリーを手早く摂取します。

着替えてから会館でわくたま焼き、セブンで能登ミルク焼き鳥唐揚げ計3本からスタートです。できたてのわくたま焼きは温かくて甘さがよりよい具合に。わくたまくんは今年も元気です。

わくたまくんがプリントされています。

能登ミルクも是非味わってください。

まずははまづるさんの温泉で汗を流すと共に全身をほぐします(ここではタオルを紛失しないように注意が必要です。なんせ皆同じ物を持っていますので、間違える可能性大です。ちなみに私のタオルは失われてしまいました……。)。寒い時期にフルマラソンを走った後の温泉は全身に染み渡ります。

撮影しておいてよかったです。

イベント会場に向かうまでにも色々食べられます。道すがらシャールベルベさんでロールケーキを食べました。珠洲のきな粉を使ったものでおいしかったです。金沢マラソン35km過ぎの食べまっしステーションにも毎年お菓子を提供して下さっており、今回ようやく来ることができた嬉しさがあります。

地元食材を使ったお菓子は外せませんね。

そして待望の焼き牡蠣タイムです。新鮮な牡蠣を焼いている間の時間はどんなにおいしいのだろうと期待で胸が膨らみます。もういけるだろうと口に運んだ時の喜びはとても大きなものですし、あの塩味も香りも、今思い出しても食欲をそそります。はじける汁も流れる煙も全てが一つの作品と言ってもいいでしょう。

こんな幸福が他にありますか?

ビールも揃って最強。

出店も多く、存分に食べられます。能登島バーガー能登島ふぐ汁ビールおやき(毎年出店されている長野県ブースがあります)もどれもおいしくて、来てよかったなあと実感できます。

かなり沢山で迷いますし食べ切れません。

際限なく食べたくなるくらいの顔ぶれです。

どうにか時間を捻出して5kmジョグをねじ込み、駅でわくたまくん関連のお土産を購入し、かがり火で和倉温泉を後にしました。人口も多くない地方でまだ寒い時期の大会運営は本当に大変なのですが、毎年こうして開催していただき感謝です。どうもありがとうございます。能登牡蠣の素晴らしさは世に伝えていきたいと思います。

楽しき湯ったりパークです。

だるい、のでしょうか。

お土産もしっかり。楽しさを持ち帰って配ります。

最後に

いかがでしたでしょうか。走りも景色も温泉も楽しんで、とどめに現地のおいしいものをたらふく食べるというのは旅ランの醍醐味だと思います。もしこの記事をご覧いただく中でちょっとでもいいなと思われた方がいて、現地で実際に能登の魅力を堪能していただくことがあったなら最高です。

七尾の皆様、今年も素晴らしい時間を作っていただきありがとうございました!