ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

【番外編】2023年振り返り―24本のレースと日々の練習、走ること、書くことの意味―

今年も一年間お世話になりました。フルは18本、100kmは3本、10km2本に富士登山競走山頂コースと合計24本ものレースに参加することができました。元日に金沢マラソンのコース終盤をジョグしながら、“今年はマラソンで自分の期待すら上回るような結果を出すつもり”と宣言していましたが、多くの面でその言葉が実現できた一年間でした。

そして、最後の方にも書きましたが、数字だけでなく、これまでとは違う形で人と喜びを分かち合うことのできた特別な一年でもありました。

29日は4年ぶりの大学時代の友人との忘年会でした。朝は閾値走5kmで短く切り上げ、夕方は学生時代住んでいた高野から三条まで散歩してみました。もうすぐ建て替えられる古い下宿から、懐かしい道を辿ってみようと思い立ったので。京都は観光地ではなく、住む所です。それもできれば若いうちに。

日が沈み、街の灯りが姿を見せる夕暮れでした。

卒業からもう20年弱経っているのに、皆割と変わっておらず、不思議な感覚でした。ちなみに私程趣味に生きているメンバーはおらず、自分はこれでいいのかという気がしなくもなかったです。なお、フルマラソンサブスリー)や100km(9時間台)のレア度は伝わりにくく(ランナー・非ランナーあるある)、富士登山競走の方がインパクトがあったようです。

今朝は5時半起床でスロージョグ。これも楽しい一年を締めくくる、なくてはならない時間です。午後に金沢に帰省し、明日有酸素ジョグをして今年は終わり。元日は朝から無料開放の兼六園を散策し、金沢マラソンコースの終盤を走って気持ちよくスタートするつもりです。

ガーミンさんの予想タイムはネタですが、継続して練習が積めていることは客観的にも確かなので、励ましと受け止めて頑張ります。

そんなに速くは走れませんけどね。

2024年は別大で通算100本目のフルマラソン完走自己ベストの更新を目指します。富士登山競走も何とか出たいと願っています。他も(たとえ後泊が無理だろうと、いかなる手段を用いてでも)可能な限りレースに出て、生きているうちに体験できるだけの喜びを味わいたいです。この渇望は、走っていない人には絶対にわからないものです。

来年が皆様にとっても私にとってもよい一年になりますように。一緒に、それぞれの願いを叶える年にしましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

つらつらと書いているとやはり長くなってしまいましたので、レース結果や練習、ブログへの思いなどは続きのページに移しました。

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レース結果

フルマラソン

サブスリー

別大、大阪、神戸の3本でした。別大は人生初のサブスリー、一生忘れられない光景です。大阪は京都との連戦でお菓子や写真三昧なのに謎の快走、神戸は実は精神的に落ち込んでいたのですが、奮い立つ理由もあり、共に過去の自分を超えて一区切りをつけることができました。

シューズは全てヴェイパーNEXT%2コバルト(27.5cm)です。

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3時間一桁前半

絶対に笑顔で走る(食べまっしステーションも完食)生まれ故郷金沢、絶好調だった瀬戸内海タートルフルマラソン(宿は衝撃のカードキャプタープリキュアおじさん)のみです。

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3時間10分以内

様々な思い出が脳内と街中を駆け巡る京都、最後ダッシュを決めた国宝松江城、7年ぶり参加でマスカットも堪能した長井、最後の清流を久々の薄底(エンペラージャパン初代)で走ってみた四万十川桜になります。

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3時間10分台

やはり坂がきつい(だがかつおはゲットした)いぶすき、坂と暑さに歯が立たなかった(しかし最後のちくわまでゲットした)下関海響、結局2018年の記録すら上回れなかった(それでもエイドでは食べまくった)加賀温泉郷、塩ソフトも最高な黒部名水、長閑な風景に癒されたくすのきカントリー、スマホも持たずに走ったのに暑さで撃沈した道マラ、1kmごとのエイドで食べに食べたはが路ふれあいですね。

加賀温泉郷マラソンは2023年4月大会で、くすのきカントリーマラソンは2024年3月大会で最終回となってしまうのが惜しくてなりません。やはり出られる時に出るしかありません。

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3時間20分台

最早この人は何をしに来たのかというくらいの勢いで止まっています。牡蠣の入ったマ丼など地域の味を楽しむ能登和倉万葉の里、日本一過酷なファンランの看板通りの函館マラソンですね。

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こうして並べてみると、体力的にあまり無理のない範囲で、うまくコントロールできたのだと思います。加齢で段々ボケてきたのか、“そういや最近マラソン走ってないなぁ”とかしょっちゅう思っていました(“おじいちゃん、マラソンは先週走ったでしょう”、“そうだったかいなあ”)。数年前までは“マラソンに出る=それなりの覚悟+ダメージ+興奮”という図式が成り立っていたのですが、今はそこまで疲れなくなったこともあり、平常心でまとまった一日になっています。

ヴェイパー以外では、ズームフライ4、5かマジックスピード初代を起用しています。

100km

3回全て9時間台で、ベストは奥熊野いだ天の9時間18分台でした。ウルトラはできるだけエイド完食と交流を目指すスタンスですので、10時間以内に収まりさえすればよいかなというところです。経験の無い方にはイメージしにくいかもしれませんが、サブ3レベルなら100kmの10時間切りは容易いです。途中それなりに歩いても間に合いますから。

ウルトラは普段目にすることのできないような景色の中を走れるのも魅力です。時には是非、スケールの大きな旅ランを楽しんでいただきたいと思います。感覚的には、遅めのジョグで進めばまず走り切れます。

シューズはズームフライ4とズームフライ5でした。

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10km

最早勝負にならず平気で42分を要した五木ひろしラソンと、やはり40分を切れないこまつマラソン勧進帳の二本でした。皆さん10kmは本当に速くてついていけません。どちらも100kmの次に入れて身体が動かなかったということもあるかもしれませんが、私は本来的にゼーハーなったら勝ち目がないのです。

シューズはHanzo R白でした。

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富士登山競走

一年で最も真剣かつ気分も重い一日です。そこに至るまでの練習が特殊過ぎて大変です。当日も、途中で動けなくなっては大迷惑をおかけしてしまうという恐怖との戦いです(最悪の場合でもバスが収容してくれるロードの大会とは異なります)。

しかし今年は手応え通りの結果(4時間10分台)を残せましたし、自分がやるべきトレーニングの方法も分かったので、満足感は途方もないものでした。またあの舞台に挑みたいと思います。

シューズはターサーRP3でした。一発でアウトソールがボロボロに。

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練習・食事など

これだけ大会に出ている人がどんな練習などをしているのか、私だったら知りたいので、一応書いておきます。

練習全般

ここ1年8か月程は怪我無く走れています。若干の違和感が出た時には上手く休めているのもありますが、最大の要因は、ジョグの質が上がったことだと思います。

2022年前半まではスロージョグが多く(二部練までこなし)、月間走行距離も500kmに到達し、練習時間も長かったです。その割に怪我もしていますしレース後のダメージも今より強かったので、今思えば自分に合った練習ができていなかったのだと思います。

2023年はジョグは心拍数140bpm付近(冬ならキロ5分くらい)とそこそこ速いペースにして、一度に走る時間を長くする半面、基本は一日一度しか走らず、トータルの走行距離、時間は削減しました。

本気のレースがある月は休みも増えるので月間300km程、30時間未満ということもあります。普通の月は多くて400km強で、40時間に到達している月も二回です。ただし、5月から7月は富士登山競走対策でトレッドミル歩きと非常階段の上りに時間を割いているので、全体として練習時間が激減したわけではありません。

練習メニュー

有酸素ジョグ

一番大事にしている練習は、心拍数140bpm付近給水もなく2時間以上走り続けるものです。これをやると、30分間単位で何の疑問もなく走れるように脳がカスタマイズされますし、一気に脚が強くなります。考え方は勿論リディアード的なものです。

週末はレースで距離を稼いでいる面もありますが、レース以外の週末でも、調子が悪くない限りはこれを入れます。土日連続も厭いません。夏場は早朝にやるしかないのですが、遅くてもよいから二時間走っておくと、秋冬や翌年につながりそうです。

ペースはキロ5くらいで十分です。秋冬になると何も考えなくても勝手にキロ4分50秒を切るくらいになってきます。これがごく自然に続くと、“今ならサブスリー行けそう”のサインです。レースペースより大分遅いのに不思議なものです。

平日も、できれば朝60分をベースにします。早起きできればもっと長いこともありますし、50分しか取れなければ最後の方はビルドアップ気味にして終わります。

多分ですが、(自分くらいのレベルの)フルマラソンに関して言えば、ゼーハーに耐える能力よりも脚が強いかが一番大事で、そのためには地道なジョグが遠回りのように見えて一番の近道なのだと思います。

エボライド2、ハイパースピード2のようなそこそこ厚いシューズや、ライトレーサー4、ターサーRP3のような薄底を好んで使っています。

閾値走5km

苦手なメニューです。あまり長いとだれるので、(20分継続してないのでダニエルズに怒られそうなのは無視して)5kmをその日の主観的に程よい強度で走っています。レースがあるとやらなくなるため、そこまで沢山やったわけではありませんが。走り易い平地(大阪城公園の中)で、一定のリズムを刻みます。結果的に19分10秒台で終わることもあれば、20分を超えてしまう場合もあります。

好みの問題でほとんどの場合はHanzo Rやエンペラー2などの薄底で走っています。憧れのソーティーマジックRP6で走ってみたところ、19分16秒でそれ程無理もなく走れ、シューズの性能の高さを思い知りました。前への反発の強さと横の安定感が好印象です。

接地の感触も最高です。やはり名作は違います。
2分オン1分オフ

速い動きを思い出すためやレース前の調整目的で時々やっています。金沢だと競技場以外では長い距離が取りにくいというのもあります。

本数は10~15本程度です。これだけ聞くとものすごい速さで走っていそうですが、実際は480m~510m辺りが多いです。つまりキロ4くらいまでしか上げません。インターバル走的な体力の向上を目的としているわけではありませんので。

シューズは大体閾値走と同じ薄底でやっています。たまにズームフライを履くかなくらいで。

トレッドミル

今までは“ロードと違い過ぎる”と見くびっていましたが、実は結構使えることに気づきました。傾斜1%で60分、10kmをリカバリー目的で補助的に使うことが多いです。着地衝撃なしでリズム感も鍛えられますし、冬でも汗をかける点も、ちょっと気温が高い日に当たった際の対策として役立ちます。

なお、富士登山競走特訓(歩き)の強い味方であることは論を俟ちません。

シューズは行きがかり上エボライドスピードを使っています。あまりすり減ったシューズだと怪我をしそうな気がしたため奮発しました。

スロージョグ

心身の回復や観光のためのメニューです。キロ8分でもよいので、とにかく気楽に走ります。ピッチは180spm以上は維持するよう心掛けます。シューズは何でもよく、500kmくらい走ってボロボロになったものも使っています。

やったことのないメニュー

ザ・定番メニューと言えば1000mインターバルレースペースでの30km走だと思いますし、それで強くなっている方が沢山いることも重々承知しているのですが、とても自分には耐えられないので、今年も一度もやりませんでした。自分に合っているメニューができればそれでよいのです。マラソン本にある数値は“どこかの誰か(自分ではない誰か)のための練習”だと割り切って、大まかな方針の参考にとどめています。

ダニエルズのVDOTも、“目標タイム→練習ペース”という使い方をしている方が多いとは思いますが、おそらく本来は、“現実に記録したタイム→練習ペース”という見方をするものだろうと思います。私は、“練習ペース(無理なくできるようになってきた)→目標タイム(目安として本番これくらいできるのかな)”といった更にマイナーな使い方をしています。

単独での練習

誰かに教えるときを除き、練習は常に一人でやっています。単純に人見知りというのもありますが、体調に合わせてメニューやペースを調整できるので、怪我や体調不良を回避しやすいというのも好みです。

性格的にどうしても人と張り合ったり、“レースより練習日誌に何を書くかを楽しみにしている”状態に陥ったりしかねませんので、一人淡々とガーミンの非公開の記録をつけていくことにしています。

食生活

ご存じの通りかなりしっかり食べています。米やパンはレース直前以外食べず、基本は卵、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)、肉、魚、野菜、納豆でたんぱく質とビタミンを摂るスタイルです。お酒は特に好きでもないので飲みません。睡眠に影響しそうですし。

食事は朝夕の二回で、昼休みはお昼寝タイムです。デスクでの間食はせず、水だけを飲んでいます。仕事はとにかく集中して少しでも早く終わらせたいので、血糖値の乱高下で消耗している暇などありません。

今年の変化

冒頭にも書きましたが、今年はこれまでとは違う形で、人と喜びを分かち合うことができた一年でした。これまでは自分一人で遠征して、運が良ければその日に少し仲良くなれる方と出会えるというくらいでしたが、今年はもっと長い期間に渡って縁のある方々と大会でご一緒でき、新たな喜びを知りました。

大阪マラソンでは15年来のつきあいがある友人(アイアンマン)とお互い快走して笑顔で再会できました。コロナ禍があろうとも走り続けていることが嬉しく、それはきっとこれからも変わらないだろうと思います。

京都マラソンでは仕事も指導している後輩が参加し、完走はできなかったものの次世代に何かを伝えたいという気持ちになりました。彼女が金沢マラソンで見事に完走してくれたことには、表現しきれない感慨があります。

そして下関海響マラソンでは、予てよりブログ上で交流のあったスイミーさんにお会いでき、ブログをやっていてよかったなと心から思いました。“こんな変な長文ブログを見て下さっているお方が現実に存在するとは……。”という不思議な気持ちもありつつ、その背中を追い続けたいと思いました。

走ることと書くこと

ラソンをやっていると、思いはとめどなく湧いてきますし喜びも溢れるのですが、それを熱をこめて語れる機会はなかなかありません。仮にそんな機会があっても、口下手なのであれもこれもと話そうとして上手くいきません。そうこうしているうちに時は過ぎ、あれだけはっきりしていた記憶も薄れていきます。

何もかもが自分の中で消えてしまうのは寂しいので、少しでも自分があの瞬間のことを思い出すための縁(よすが)を残しておきたいのです。文章であればある程度落ち着いて自分の感じたことを書けますし、目の前にいる相手をうんざりさせることもありません(読まなければそれで済みますので)。そういう面でも、ブログは自分の趣向に合っていると思います。

少し大げさな書き方になっていますが、単純に、自分が書いたものを自分で久々に読み返すと元気が出るのです。読むだけで、またそこを走っているようにすら思えます。“今は思うようにいかないけれども、あんなに楽しい時間があったんだ。きっとこの先にも素敵な瞬間が待っているのだ”という希望も芽生えます。その場には行けなくても、書く度に、読む度に記憶と向き合うことが、出会い続けることができるのです。だから、これからも時間の許す限り、走って書きたいと願っています。

色々と環境の変化があり岐路に立たされてはいますが、自分が本当に望むものは恐らく見誤らない気がします。そう思えるようになったのは、マラソンを続けられたからです。走らなくなった時、書かなくなった時に自分がどうなっているのかはわかりませんが、それはまたその時に考えることにします。先のことより、今を全力で生きなくてはなりません。

今年も沢山の勇気や喜びをいただき、本当にありがとうございました。来年も皆様にとっても私にとってもよい一年になりますように。力強く走り切り、笑顔でお会いしましょう。

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