ちょっと長すぎる旅ランブログ

百聞は一走に如かず。きっと貴方が好きな大会が見つかります。

下関海響マラソン2023(2023/11/5) 相手がいるから響き合う!難コースでも幸ふくいっぱいの大会!

あらゆる方面からの評価が高く大人気のこの大会、長年気になっていましたが漸く初参加が叶いました。普段あまり考えないことですが、「響く」ためには、一方がどんなに強く力を振り絞っても駄目で、媒介するものとその振動をしっかり感じ取れる対象が必要ですよね。そしてその響きはまた反響し、続いていくものです。今回走ってみて、この大会はそのことを体現している素晴らしい大会だとよくわかりました。

kaikyomarathon.jp

まず下関の皆様の応援の多さと歓迎ぶりがすごいです。前日の城下町長府観光の無料バスに加え、下関くじら祭、三つの日本一ふく・くじら・あんこう祭りの初日とぶつけてくるところから始まり、折りたためて携帯しやすいコースマップや快適な動線など洗練された運営どこよりも盛り上がっているのではないかと思う開会式、沿道の演奏や苦しい坂での大声での応援、沢山の給水に名物エイドと至れり尽くせり、レース後も翌日もあちこちで“昨日走られたんですか?お疲れ様です”と労っていただき、これ以上望むべくもないほどの歓待ぶりを思い知ります。

コースがまた関門海峡を真横に見ながら走ったかと思えば、その道中には歴史的建造物や観覧車があったり、彦島大橋から目の前に伸びていく雄大な景色が美しかったりと、下関ならではの特別な空間を堪能できるもので、その土地の魅力を伝えるというマラソン大会の意義を明確に示していると感じました。

その分坂が多くて(しかも今年は暑かったです)難コースなのは間違いない(ここで3時間5分以内なら別大やさが桜でサブスリーは余裕なはず)のですが、走っておられる皆さんが、辛そうでありながらも楽しそうで、この大会が大好きだということが伝わってきました。いや、実際は体力的に楽しいとまでは言えないかもしれませんが、少なくとも好きな気持ちが満ち満ちていたように思います。だからこそ、下関の皆様の熱い思いをしっかり受け取り、それが連鎖しているのだと思います。

響くといえば、前々からブログ上のやり取りでお世話になっていたはてなブロガーのスイミーさん( id:suimie-suimie )にお会いすることができ、色々なことをお話しすると共に刺激も受け、本当に嬉しかったです。走りのみならず、目標とすべきランナーさんだと思いました。こんなおかしなブログでも続けてきたからこそ、そして走ってきたからこそのご縁で、お互い響くものがあったことに感謝しています。

走りの方は(いつも通り)全く太刀打ちできないと早々に悟ったためタイムは度外視し、“見せ場はエイド完食と観光”と割り切って思い切り楽しませていただきました。おかき、ちくわ、長州の女、菊川そうめんなど、完食を果たし、観光も前日の長府観光、レース後の下関→門司の関門トンネル(人道)、翌日の赤間神宮亀山八幡宮巌流島海響館(フグにフィーチャーしている展示やイルカ・アシカショーの演出が抜群に楽しい)、海峡ゆめタワー展望台など巡りに巡らせていただきました。ご当地グルメも、はりはり鍋ふぐの天ぷら小野茶ソフト鯨カツロケットパン、唐戸市場でのふく定食等などたっぷり食べて大満足です。

(3時間13分台, 163bpm, 192spm, ストライド1.19m, 上下動比5.1%, 上下動6.4cm, 左右接地時間バランス49.3:50.7, 接地時間244ms)

下関の皆様、この度は大会の開催・応援ありがとうございました!いつまでも響き続ける海響のドラマを、これからも楽しみにしています!

続きのページには、大会情報は勿論のこと、観光についてもこれ以上ないくらい詳しく書いていますので、“下関海響マラソンに出るとこんなにいいことがある”ということが伝わるかと思います。長過ぎてよほどのことがない限り通読は困難ですが、写真をスクロールするだけでも是非。次回予告は、“最後の戦い、神戸マラソン”です。

2023年は山口県でもう一本、くすのきカントリーマラソンにも参加させていただきました。こちらも長閑な景色と会場の出店の多さが光る、素敵な大会です。

savarun.hatenablog.com

橋を渡るといえば富山マラソンです。新湊大橋からの絶景は空を飛んでいるかのようです。

savarun.hatenablog.com

片岡市長も今回ファンランに参加されておられましたが、提携大会のそうじゃ吉備路マラソンも変則周回コースが面白い大会です。トングウさんの油パンと8番らーめんを是非。

savarun.hatenablog.com

コメントやスター、↓のバナークリックでも何でも反応があると嬉しいです。無反応でも気が済むまで書き続けますが、折角なので何か響くものがあったと分かれば幸ふく度が増します

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追記ふるさと納税もやっぱりふくだろうとふぐジャーキーを選びました。ジャーキーなのにソフトな食感で、使いやすいです。

味も勿論折り紙付きです。

前日(城下町長府観光とくじら祭)

久しぶりに新幹線で西へ

前日は会場と長府の間で無料バスを運行していただけるとのことだったので、下関まで行かずに長府観光から始めることにします。大阪→新下関で一旦下りて荷物だけ預け、新下関→長府と移動するプランです。帰りは下関→大阪で、JR西日本株主優待券4,500円×2+13,890円(ケチって往復自由席ですが余裕で座れました。長府は戻るので190円)=22,890円。正規であれば13,540+190+13,870=27,600円ですから、かなりお得です。山口くらいの距離だと株主優待の効きが大きいですね。

朝は軽く走り、朝食もがっつり食べておきます。金沢マラソン完走賞のまつやとり野菜みそ、石川のソウルフードです。誰でも簡単に作れて味も栄養も満点という優れものですので是非。

全体でたんぱく質50gくらい?

新大阪09:20-新下関11:34のさくらで移動します。新大阪始発ということで自由席でもうまいこと北側の眩しくない席を確保できました。景色はそれ程目新しくないので絶好の読書チャンスです。

姫路城の御姿もちらりと見えます。しろまる姫

城下町長府観光

新下関に到着し、まずはチェックイン予定のビジネスホテルはやしさんに荷物を預けます。11:46の長府行きを逃すと一時間待ちですのでかなり急がなくてはと思っていたのですが、駅の目の前でしたし受付の方の対応も大変速かったため、あっという間に事が運んで助かりました。しかし新下関駅の中は結構歩くので、油断していると焦る展開になります。

駅近にも程があります。

空港みたいになってます。

新下関から長府はわずか一駅、5分です。長府駅前で少しぼけーっとしていましたが、よく見ると長府駅前C乗り場まで移動しなくてはならないとのことで、ジョイフルの前まで歩きました。やはり焦る展開になったのですが、間に合ったので何の問題もありません。サンデン交通の準急12:07-12:12(190円)で城下町長府まで移動しましたが、後から考えると新下関駅からバスにした方が楽でしたね。18分早く着いたからよしとしましょう。

駅前で間抜けな顔をして突っ立ていました。

長府観光会館は目の前で、後でここに戻ってくることになります(コインロッカーもあるので、ここに預けるのも可。200円)。檀具川の風情溢れる佇まいを見ながら歩き、金沢とはまた異なる歴史を感じます。

風情ある流れです。

そのまま観光に行くかと見せかけて、まずはパン活ということで欧風パンメルシーさんを目指します。割と近いなと思って店内に入ったところ、驚いたことにパンは一つを残して完売していました。何という盛況ぶりでしょうか。街のパン屋さんでお客さんが多いというのは嬉しいことです。アップルカスタードパイは程よいサイズに懐かしい味で、これはまた食べたくなるものでした。

何かの日だったのでしょうか。

とりあえず歴史のある街並みを散策してみます。あまりに瞳の輝いたフグがいたり、マンホールもかわいかったり、レトロな館があったりと少し歩いただけでも楽しめる場所です。

この目力よ。

ご当地マンホールも楽しいです。

これまた振り切った外観で。

本命と言いますか絶対に外せないであろう長府毛利邸は、1898年に起工して1919年まで長府毛利家の邸宅として使われた場所で、武家屋敷の重厚さが直に感じられます。週末は市民有志のガイドさんがおられ、色々と教えていただけるのですが(あちこちにおられ、すごいことです)、下関の方は空襲に遭ってしまったものの、長府の方は標的にならなかったため、このような歴史的建造物も残っているとのことでした。

かつては更に広大な面積だったとのことです。

建物の中はとてもきれいに保存されており、(どこに行ってもそうですが)歩くのも緊張します。欄間、釘隠し、付書院といった建物の中も勿論ですが、庭園がまた美しく、静かな時間がそこにあるように思いました。落ち葉を掃いておられる方の存在がまたいい空間を作っておられ、流れる小滝の音と、これからすぐに色づくであろう緑の葉も揃って得難い一時を過ごせました。帰りがけに“マラソン頑張ってください”と応援していただけたのも嬉しかったです。

この庭園は必見かと思います。

続いて歩いてすぐの場所にある功山寺へ。山門、仏殿、高杉晋作銅像を拝見します。山門は扉がない分解放感が特別とのことで、確かにその通りだと感じました。特に山門の方から見ると、“紅葉の時期になるとどんなに美しい世界が広がるのだろうか”と想像せずにはいられないものがありました。仏殿もガイドさんがおられ、他の方に解説しておられたので、少し横で聞いて勉強させていただきました。あまり明治維新も得意ではないのですが、高杉晋作が挙兵したのがここだったのかといったことには素直に感心しました。ミーハーといえばそれで片づけられそうですが。

書院の見学は時間的に見送りました。

笑山寺は時間がなかったので、下から拝むだけになりましたが、古江小路横枕小路の練塀も見られたので満足です。車が結構多く、生活の一部なのだなと感じるところでもありました。面白かったのは、練塀の中に普通の家が建っていて時代の移り変わりを感じたことです。横枕小路の方は車は通れませんので、何にも妨げられることなく、過去の時代を独り占めできました。

地元の方が休んでおられました。

意外と車が多くて笑います。

タイムスリップした気分になれます。

商店街もレトロでいい味が出まくっています。にぎわっている出雲屋さんが気になったので入ってみました。バターどら焼きが週末限定とのことだったので選んだのですが、バターも餡もたっぷりな上に生地がしっとり柔らかく、“これはドラえもんに食べさせたい”と考えずにはいられませんでした。とってもおいしかったです。

生活感あふれるよき商店街です。

ソフトクリームも気になる存在です。

長府観光会館ではふぐバーガーが買えそうで買えない状態だった(その時お店の方が不在だった)ため、中で垢田のトマト外郎ふぐ煎餅を買っておきました。会場へのバスに乗る時にはわざわざクリアファイルと記念の証書を手渡して下さり、やはり力の入った大会なのだとよくわかります。

串崎城がお城マラソンの対象となります。

バスからは明日のコースの一部を眺められましたので、最初の折り返しからすぐに関門橋が見えるということと、見えたからといって直ちにたどり着くわけではないということを確認できました。別大や神戸とイメージは被る、シーサイドコースです。

単に観光しているだけという説あり。

会場ではお菓子屋さんの作った牛じゃがコロッケをおいしくいただき、明日のスタートの位置も確認できたところで、竹崎公園の下関くじら祭へ。こちらではくじら鍋と鯨あばら肉バーベキューの無料配布があるため、是が非でも行かねばなりません。

お団子も沢山ありました。前日も当日も。

大行列でしたが並び、無事に下関はりはり鍋をゲット。醤油ベースのスープに、“鯨を鍋にするとこんな味、食感なのか”という驚きも混じり、また新たな喜びを知ることができました。流石は下関です。「三つの日本一 ふく・くじら・あんこう祭り」も始まりましたので、この先もどんなにうまいものが待っているのかと思うとたまりません。

列が長い分、高揚感があります。

無料ふるまいとは思えない程しっかりと具が入っていました。

まだ16時くらいでしたのでどうするか迷いましたが、とりあえず大丸の地下で魚や和菓子を見て感心しながら過ごし、16:40発の電車で新下関まで戻ります。もう少しパンを食べたかったので、ドロシーさんへ。かなり売り切れていて人気ぶりが窺えます。牛肉たっぷりカレーパンブルーベリー&クリームチーズクルミクランベリーを購入します。カレーパンはパン生地とカレーの相性がよく、ブルーベリー&クリームチーズクリームチーズたっぷりでいうことなしです。

イートインスペースもあって便利です。

夕食は駅前のキッチンなごみさんへ。日替わり定食はチキン南蛮とのことだったので、こちらを注文し、おいしくいただきました。メインのチキン南蛮はタルタルソースと絶妙のハーモニーを醸し出しているのですが、脇役と見せかけて豚汁がゴボウやこんにゃくの味も利いていて、一口目から“これは!”と思いました。鯖もお米も全てがよかったです。こちらでもマラソンの応援をしていただきました。

こちらは駅徒歩0分ですし、おすすめです。

18時前には食べ終えてから、ご当地牛乳と朝食の卵、チーズを求めてコープ(ここと)と、コンビニを経由します。フードロスの削減にご協力してきました(ケチなだけやないか)。宿に帰り、一日目は終了です。

駅でもふぐ煎餅が前面に出ています。

部屋は十分でよく眠れました。

やまぐちきらら牛乳、飲みやすいお味でした。

レース当日

レース前

驚くほど洗練された運営

前日は移動中もやけに眠く、夜も22時20分くらいには力尽きて就寝し、朝は5時50分まで寝ていました。前日で下関駅からの動線も確認でき、かなり近いということが分かっていたので、強気に7時15分新下関発の列車で行くことにしました。余裕があるのでシャワーを浴びたりもできます。

例によって食べ過ぎない程度の朝食です。クルミクランベリーは前日に半分食べてしまい(忍耐力のなさよ)、あまり残っていません。金沢マラソンの際に買った別所のかすていら(小豆)で幸福度を上げます。これ以外に7時50分頃に腹持ちのよいプロテインバーを一本と、スタート直前にアミノ酸を一袋摂取しています。

時間もかからず何かとスムーズです。

着替えと携帯品の準備はホテルで済ませて、新下関駅へ。同じ目的の方もかなりいて、これなら大丈夫そうだと安心します。下関駅では改札の数が少ないため少々詰まりますが、全く問題のないレベルで、その後の更衣室への誘導もスムーズで、その洗練ぶりに感心します。

駅二階から直結です。神戸のような大都会感。

今回特にありがたかったのは、Sブロック専用の更衣室・貴重品預かりの建物が割り当てられていたことです。これは本当に便利でした。自分は脱ぐだけなので一瞬ですが、トイレも使い易そうでしたし、給水もあって困ることが一切ありません。貴重品袋は「開封厳禁」のシールで留めるのも初めて見ましたが、実に配慮が行き届いています。

待ちわびた出会い

Sブロックのゲートに入場し、結構人がいるなあと思いつつも目を凝らして見ていくと、事前に確認してあったナンバーカードを背負った背中が見つかりました。はてなブロガーのスイミーさん、堅実な練習と勝負強さが光るサブスリーランナーさんです。人見知りのくせに馴れ馴れしくもある私は、こういう時には行くしかないと決めているので、お声がけさせていただくと、とてもにこやかに受け入れて下さりました。

普段の記事からも伝わってくるイメージ通り、実直かつ柔軟なお方でした。私の珍妙なブログにもとても肯定的なお言葉をいただいたりと勿体ない限りです。黒部名水マラソンの思い出や道マラの暑さ、別大に向けてのことなど、話は尽きませんが、開会式も始まります。

Sブロックでも結構な人数でした。

ここでも下関海響マラソンの面白さを教えていただいたり(“道下美里さんと猫ひろしさんがふざける”など)、とにかく楽しかったです。そして開会式はフルマラソンに参加する前田市長や村岡知事を始めとして、走る服装で登場される方の多いこと(2kmに出場される総社市の片岡市長も)。村岡知事は参加人数数百人のくすのきカントリーマラソンにもスターターとして来られていましたし、(人気取りで走っているその辺のよくわからん政治家風情とは異なり、)継続的に走っておられるのがすごいです。

豪華ゲスト陣の皆様が盛り上げます。

そして道下さんと猫ひろしさんが更に笑いを取り、いよいよスタートです。ここまで盛り上がる開会式は久しぶりといいますか、もしかするとこれまで走ってきたどの大会よりも盛り上がっていたかもしれません。下関海響マラソンが長年大人気な理由が、ここだけでも伝わってきました。

世界記録保持者の道下さんも筋肉スーツで笑いを取ります。
装備

シューズは長井マラソンでお世話になったマジックスピードさんです。カーボンが前の方にしか入っていない、何となくエコな感じの漂うシューズですが、ダメージが少なく快適に走れるので重宝します。

使用前の御姿。まだ全然減っていません。

走った後もさしたる損傷はなしです。まだフル3本ですしね。

上はアンダーアーマーのノースリーブ(水色、黒)、ランパンはTIGORA(スポーツデポ)のマルチポケット(丈長めなので、濡れるとくっつく)、ニューハレかかと二重にザムストソックス(親指は穴開いてますけど、サポートはまだ大丈夫なレベル)です。TIGORAの白キャップも装着します。

持ち物はジェルフラスコ二つで、経口補水液1/2ずつ、アミノ酸1袋ずつにメダリストのクエン酸を1/4ずつくらい入れて水に溶かしました。味は良かったと思いますし、疲労を和らげる効果もあった気がします。これらを30分に一度くらいのペースでちびちび飲んでいきます。

摂取し易いものを、摂取し易い形で。
練習

金沢からの連戦ですので、前回上手くいった京都→大阪の連戦を参考に、以下の簡単なメニューのみとしました。

月:スロージョグ、火水:オフ、木金:スロージョグ、土:フリー(ごく短い距離をHanzo Rで気持ちよく)

レース

序盤~前半
  • 序盤:フラットコースを長府まで

スタート時点で20℃程あったらしく、今日は良くて3時間10分、駄目でも3時間15分くらいでは収めたいと考えていました。スロースターターが売り(遅いだけ)の私とは違い、立ち上げもスムーズなスイミーさんの背中がどんどん遠ざかっていきます。わずかな時間でも、後ろから見ていると気づくことが沢山あります。上半身が明らかに普通の人より強い(鍛えられている)、非常にすいすいと安定して進んでいく、ピッチも高めということで、タイプ的には私が目標とするべきランナーだということで間違いありません。

しかし今日の私は真面目に張り合うにはあまりにも力不足ですので、序盤から終盤まで絶え間なく写真を撮ることと、エイドは完食、特に40.3kmでちくわを取ってみせることを心に決め、地味な走りに徹します。事前の予習で覚えていたことは、“13km台でおかき、16km台でちくわ、20km台で長州の女(ひと)、30km台でそうめん、32km台でアミノバイタルとみかん、36kmでチョコパン、40km台でちくわ”です。コースは“後半しんどそう、なんか4回くらい大きなアップダウンがあるし”くらいのもんです。

まずは沢山の応援を受けてフラットな道を進みます。

走っていくと応援と観光名所が次々と押し寄せてきますので、周囲との距離ができたところを見計らって撮影していきます。名所が多すぎて対応しきれず、“赤間神宮は復路で撮ることにしよう”、“火の山公園はもうちょっと近くで撮るべきだったか、これは復路では見えにくい”といった迷いとともに走っていきます。その中でも、やはり関門橋が見えてくると、“おお、これぞ”という喜びがあり、近づいていくにつれてそればかり見てしまう時間でした。

確かに「山」の所にボールが挟まっています。

これぞ関門海峡です。

次の機会にはロープウェイを。

壇ノ浦古戦場跡も視界に捉えて歴史に思いを馳せた所から少し行くと5km、長府の折り返しが7km台だったはずですので、もう少しです。ということはトップ選手の姿を見られる、とここは準備万端待ち構えることができましたが、前方からものすごい速さで走ってくる猫ひろしさんにはスマホが間に合わず、撮影どころではありませんでした。

速い、速過ぎる……。

そして折り返して来られたスイミーさんには手を振って応えていただけました。一緒に走っているランナーがいない私にとっては滅多にない貴重な機会で、勇気もいただけました。多分、大阪マラソンで(バリバリの大阪人の)同級生とすれ違って以来ではないかと思います。

折り返しで励まし合えるコースもいいですね。

7kmで31分30秒くらいだったと思います。まだ雲も出ていて大丈夫そうですが、吹いてくる風は明らかに金沢のものより温かいです。当然、雨で涼しかった長井とは比べ物になりません。

  • 前半:追い風を受けておかきの元へ

折り返してからは昨日城下町長府観光から下関に向かうバスで見たコースです。医療センターの前も応援がとにかく多いです。ランナーが減速するため、知っている人を応援するにはよいスポットだと思います。しかしここでも準備が足りず、せっかく和太鼓で盛大に応援していただいたのに撮影できずに通過してしまいました。金沢、黒部、いぶすきのように繰り返し出場している大会とは違い、次に何が待ち受けているのかがわかっていませんので、何度も応援の吹奏楽や太鼓を撮り逃してしまい唇を嚙みます。

朝早くからこんなにようさん駆けつけていただいて。

前日見た通り、ここから既に、遠いながらも関門橋の姿が見えます。それだけ巨大ということです。ここからのシーサイドコースは、別大のようでもあり、神戸や函館のようでもあり、これまでの数々の風景が頭に浮かぶ時間でした。そしてしばらく個人的なことを考える時間でもありました。

風に運ばれながら徐々に近づいていきます。

砲台もしっかり見ておきます。

橋の傍の応援もすごかったです。笑顔が光ります。

赤間神宮は絶対に撮ると決めていたので、皆さんが左の方を走っている中、一人右側に進路を取り、これでもかとバシバシ撮っていきます。いや撮影したから何がどうなるというわけでもないのですが、やると決めたらやるのです。

まるで止まって撮影したかのようなナイスショットです。

息つく間もなく13.1kmのエイドが迫ります。ここでおかきを取れないと全ての計画が狂ってしまい、肩を落として残りの2/3の道のりをとぼとぼと行くことになるので、何があろうと外せません。とにかく周囲の方を先に行かせてエイドには合図を送り、しっかりゲットできました。いざ食べんと開封すると、力を入れ過ぎたのか割れています。落とさないように慎重に、しかし味わいながらいただきました。

地元銘菓を食べてなんぼ。

おかきを食べながら観覧車の横を通っているうちに往路とは異なるルートに入り、ここでは吹奏楽の音が聞こえて来ましたので、しっかり準備して笑顔でお応えできました。長府中学校の皆様、応援ありがとうございました。

唐戸だけにからっと横丁という遊園地です。

着ぐるみさんもありがとうございます。

この区間は基本順風になっていて、楽に走れたこともあり、14kmで1時間3分くらいでした。エイドの水たまりでちょいちょいマジックスピードが滑っている感覚がありましたが、それなら雨の長井は何だったのかということになりますので、あまり気にしないことにしました。

中盤
  • 中盤①:上りの前に憩いのちくわタイム

駅前の巨大ビル群の間を抜け、カクカク曲がりながら旅路を行くと、下関港です。こんな所を走らせていただけるとは、粋なコース設定です。

大都会から国際ターミナルへ。

息つく間もなく港が広がります。

そして右折すると16.8kmのちくわですので、ここも散々アピールを繰り返して無事に捕獲できました。地域の味を楽しむまたとないチャンスですので、確実にクリアしていきたいところです。“俺は取ったぞ”ということが分かるように見せつけながら走っていますが、沿道の方からどれくらい視認できたかは未知数です。かぐや姫というブランドで、何か謂れがあるのだろうかと考えていました。

復路も応援ありがとうございました。

噛むことで頭が冴えるという効果もあります。

高架を潜ると何か人が頭の上を通っていく姿が見えます。関彦橋というんですね。“これ地味に堪えるやつだ”と思いながらも上り始め、案の定地味に堪えましたがまだ前半ですので元気です。この後のトンネルに入る前の学生さんの応援が(声を張り上げていて)すごかったです。もっと適当でもいいんですよ。恐縮です。

最初の上りらしい上りです。

絶叫するくらいの勢いでした。感謝感謝。

トンネルの中は日差しがないので助かります。上っているのか下っているのかもよくわかりませんが、行きも帰りも何故か走り易く感じました。

写真を撮るには光が足りません。こんなもんです。

よくわかっていませんでしたが、このトンネルを抜けると上りが始まり、20km地点まで来ていることに気づきます。つまり、この上りの途中で長州の女エイドがあるわけです。この辺りではまだ周囲に比べて減速の度合いが小さかったので、逆に取りにくかったのですが、コースアウト(※テーブルの間に入ることを言います)して止まることでどうにかゲットです。甘い和菓子はここだけなので、何が何でも取らねばなりません。

上り坂はここぞとばかりに応援が多くて助かりました。

さっきから上り続けていますが、彦島大橋に突入する直前で中間点。確か21kmの通過が1時間35分くらいで、案外落ちていないなというところです。中間点は1時間35分34秒だったそうです。この先上がることはまずないでしょうから、2019年の大阪→奈良の連戦と同じくらいの、3時間15分で終われればよしと割り切ります。どちらも後半でそうめんがふるまわれますしね。この後の展開から読み取れるように、下関海響マラソンは奈良マラソンよりきついという印象です(気温が全然違うのもあります)。

奈良マラソンの記事もございますのでよろしければ是非。

savarun.hatenablog.com

  • 中盤②:いよいよコースも本領発揮

さて、長州の女を連れ出した(語弊がある?)まではよかったのですが、彦島大橋の上りが続いているため、なかなか撮影の余裕がありません。もう割り切って、昨年の富山マラソンでの新湊大橋とますずしのコラボを再現することにして、彦島大橋を上ったところで撮影を果たします。餡の甘さにやる気も漲ってきます。しかしこの橋の上は風が強く、キャップが飛ばされそうになって押さえたり、スマホ保護の袋が風にさらわれないように咥えたりと、傍から見るとかなり間抜けな姿になっていたことでしょう。

一番高い所で、長州の女との一時です。高鳴る鼓動。

彦島大橋さえ渡ってしまえば当分は下りで休めますので、眼下に広がる響灘に目を奪われながら気持ちよく進みます。短いトンネルはかなり下っていて、復路では厳しそうだなと感じます。

心穏やかに海岸沿いを駆けることができます。

帰りは正直いややな……。

トンネルを出て橋の下を潜り、エイドではコーラをいただきました。そして少し行ったところで早くもトップの選手とすれ違い、異次元の走りに惚れ惚れします。大会記録2時間20分台が出たようなので、関門海峡の一番流れの速い所(約17.4km/h)より速いのです。ちなみにこの少し後でまたしても猫ひろしさんの接近に気づかず、撮影も未遂に終わりました。

写真は2番目くらいの方だと思います。速過ぎる……。

この先もまた上り始め、あまり休んでいる感じがしません。偉大なる弓削田眞理子さんは確かこの大会で初のサブスリーだったはずで、どんだけすごいんだと何度も思いました。まあ中間点から32分くらい行けば折り返しなので、それを励みに進むしかありません。沿道の中高生の「頑張ってください!」の声が大きく、そして沢山で、何度も力をいただきました。笑顔やリアクションで応えるのがせめてもの恩返しです。

両サイドの青い上着の学生さんに支えていただきました。

ピッチが全然出ていない感覚があったため、少し早く着地するようにもしますが、あまり改善した感もなく、ずるずると失速していきます。折り返して来られるサブスリーのペーサーのすぐ後ろにスイミーさんの姿を見て、“30kmを2時間7分くらいなのでプラン通り、流石です”と思います。流石にこちらに気づく余裕はなさそうでしたが、勝手に力をいただきました。

景色は抜群です。しかし周囲の皆様のようには頑張れません。

28kmで2時間7分は越えていたはずで、“おお、落ちとる落ちとる”という感想です。

後半~終盤
  • 後半:想像したよりきつくとも、そうめんはうまし

折り返したら順風になるはずなので、それを心待ちに進みます。まあ風が強めの大会にありがちなのですが、風向きがしょっちゅう変わるのは毎度のことですので、今日も“あ、順風だ”と思ったら“南無三逆風なり”ということもあり、いちいち気にしていたらきりがありません。そういうものだと思って進むしかないのですが、三回程キャップが完全に吹き飛ばされそうになって押さえたのはちょっと焦りました。もっと頭蓋骨が大きければ、キャップもしっかり張り付いていたかもしれません。頭はでかい方なんですけどね(どうでもいい情報)。

やれやれやっと折り返せるわい。

風はともかく30kmに向けて上っていく坂はかなりきつく感じました。周囲も軒並み苦しんでいたようです。何とか小刻みに動いて力の消費を抑えつつ、30kmを過ぎて下りに切り替わります。折り返した後割と近いところで3時間15分のペーサーを見てしまっており、心の余裕はあまりなかったのですが、エイドのそうめんを取らないわけにはいきません。ここは一度止まって確実に掌中に収めます。コップは小さく、顔にかかったりこぼしたりすることもなく安全においしく食べられました。

思っていたより大分きつかったです。

お箸やフォークはなく、するっと飲むスタイルです。

横断幕は無くとも応援の方が沢山です。

32km台のエイドにはアミノバイタルがあるので、一番前で配っておられたあの千葉真子さんから受け取れて、嬉しかったです。これだけ大会に出場していながら、有森裕子さん、高橋尚子さん、野口みずきさんとはあちこちでお会いしている一方、千葉さんとこの距離でお会いできたのは初めてかもしれません。そして忘れていたのですが、みかんも取らなくてはならず、脚を止めていただきました。

そこから先しばらくは両手がふさがり、写真を撮るのも難しかったのですが、ここは曲芸師のごとく磨いたテクを駆使して何とか一枚は取ります。そして私は可能な限り次のエイドのゴミ箱までコップやごみを持って走る(少なくとも自らの意思で道端に投げ捨てることはしない)ので、なかなか風景を撮っている余裕もありません。しかも写真を撮り過ぎてスマホの容量も逼迫しているという難題も襲い掛かり、厳選しながら撮っていくことを余儀なくされます。

もうこの一枚に賭けるしかありません。

小さいトンネルの中では後ろから3時間15分のペーサーさんの声が響いてきます。なんぼなんでもここで追いつかれてはまずいのですが、さりとて特にできることもないので、何となく流れに任せて進むしかありません。35kmでグロス2時間40分48秒。そりゃ詰められますよ。簡単なコースで気温が低ければここから30分を切ることもできますが、今日は全くダメなのは自分が一番よくわかっています。

連戦の二本目はすぐに言い訳・諦めモードに入ってしまうので、できるだけイージーなコースを選びたいところです(ちなみに、来年1月のいぶすき→にしお、2月の別大→さいたまの流れはいいとして、3月の能登和倉万葉の里→鳥取のコンボはだれるのが目に見えています)。

それでも素敵な景色を、記録にも記憶にも残すのです。
  • 終盤:橋で魅せたらちくわを狙え!

いよいよ彦島大橋の上りに突入します。ここは間違いなく正念場ですので、“1,2,1,2”とペーサーさんが特に頑張って周囲を鼓舞しています。しかし徐々にその声も遠くなっていく気もします。周囲のことよりも自分の心拍数も上がっているのが分かりましたから、沿道の応援と上り切った後の景色を励みに淡々と進むしかありません。

正直こんなにきついとは思っていませんでした。牡蠣が自慢の能登和倉万葉の里マラソンも坂が多いものの、こんなに長い坂は無いので、やはりこの大会はかなりきつい部類だと思い知ります。

savarun.hatenablog.com

ここは見せ場だと思います。私はたれましたが。

何とかゼーハーには至らない程度の力で上り切り、前方が開けた時は本当に気持ちよかったです。ふと見ると、コースの反対側には往路の選手も走っています。それも楽しそうな顔で。“皆さんこの大会が大好きなのだな”と思いながら下りに入り、何とか3時間15分は切れそうだと分かります。

左を向くととても高い所まで上ったと実感しました。

この下りの途中ではパンが提供されるため、“ひょっとするとご当地パンが登場するのか”と期待して立ち止まったところ、そういうわけではありませんでした。しかし普通のパンではあるものの、マラソン大会でのいわゆる例のパン(何それ)よりは明らかにグレードが高かったので、ありがたく受け取りました。手元の操作に自信がなかったため、腰のポケットにねじ込んで再出発です。

個包装のおいしさありがたや。

トンネルの前で残り5km。多少リズムも戻ってきた感じもあるので、最後まで無理なく走れそうです。ここで休んでからトンネルの先で水を取り、関彦橋を上ります。39kmでこの仕打ち、割と堪えますが、“終盤の流れが函館マラソンと似てるなあ”と上り、残り少ないメモリーを気にしつつ写真も撮っておきます。

はるばる来たぜ下関!

高架を抜けてもうすぐ40km、最後の最後でちくわを逃すと全てが水泡に帰すので失敗は許されません。まずは右手の関平家踊保存会さん和太鼓を撮影し、スマホを腰に収めてから、ちくわへと左手を伸ばします。そして“たとえ壇ノ浦に沈むこととなろうともこのちくわだけは”という一念でしっかりと掴みます。取った後、“おそらく往路とは違う商品だ”と分かりました。後で写真を確認すると、鯛味ちくということで、やはり内容を変える心憎い演出が用意されていました。“折角なのでこのちくわを見せながらフィニッシュしよう”という邪念が湧き、ちくわを握りしめたまま走ることとします。

長時間の応援、ありがとうございました!

ラスト1kmになってから、何度も“もう終わるのかな”と期待させる似非最終コーナー地獄があった気がしますが、最後から二つ目を曲がって正面を見た時に、何となく鹿児島の城山っぽい感じがしました。手前に太い道路があって、すぐそこが丘になっている辺りが。最後の最後は何らかの厚底シューズを履いておられた方(音がそれっぽい)を振り切って、まるでちくわと共に最初から最後まで走ってきたかのような顔でフィニッシュできました。

アフター

レース当日

会場

特にダメージもなさそうなので、いつも通りチップを軽く外し、満面の笑みでメダルやタオルを受け取ってお礼をお伝えします。給水のアクエリアスを秒で飲み干すと、日陰におられたスイミーさんと再会できました。同じくはてなブロガーのハッサクさん( id:ha8ssa3ku9 )もご紹介いただき、世の中すごい方がおられるものだ(山が強い人は尊敬します)と思いながら、楽しくあれこれとお話しさせていただきました。

スイミーさんとはその後も一緒にふく鍋(しっかりフグも入っていました)とヨーグルト(山口のご当地ヨーグルト)を食べ、短いながらも楽しい時を過ごしましたが、伺いたいことはまだまだあるので、別大でまたお会いできる日を楽しみにしています。今回は本当にありがとうございました。

過去には売り切れもあったそうで、何か緩くて笑えます。

沢山あるのでご安心ください。

さてソロになってからは例のごとく健康を害することを恐れずに食べまくる時間です。“関門に間に合わなかったランナーにはこれがふるまわれる”とのことで面白かったので、遅いぞ武蔵を選びます。これはかなりのボリュームで、最初に割ってみると餡がたっぷり入っているのが分かります。棒天ぷらは迷うことなくふぐです。なんぼでもいける味です。エイドでゲットしたチョコパンとちくわも食べてバッチリです。なお、ここに至るまでにもアミノバイタル粉ゴールド、アミノバイタル粉、アミノプロテインプロテインバー一本と大量の水分を摂取しています。

ふぐの食感がたまらないですね。

がめつさここに極まれり。

遅いぞ武蔵、速いぞ猫ひろし

食事以外でも楽しいことがあり、運よく猫ひろしさんにも記念撮影に応じていただけました。写真を撮って下さった方もありがとうございました。ここには上げられません(私の顔をお茶の間にお届けするわけにはいきません)が、私はとても嬉しそうな顔で映っています。

更にそうじゃ吉備路マラソンのPRに来られていたスタッフさんに、“2019年に出たことがあってとても楽しかった”旨をお伝えできました。こういう時に私の頭は回転が遅く、言葉が出てこないのが惜しいですが、ブログくらいの勢いで話しかけられても正直怖いと思いますので、程々に落ち着いたということにしておきたいところです。人間そんなもんです。

ちゅっぴータオル、持ってます。
下関~門司観光

今日のお宿ヴィアイン下関さんは会場から近いので、荷物を預かっていただき、身軽になってから再出発です。交通規制でどう進めばよいか分からず引き返すこともありましたが、頑張って走っておられるランナーさんの最後の頑張りを応援できたり、フィニッシュゲートを間近で見直したりできたのでよかったです。

本当に温かく優しい空気に満ちています。

本来は巌流島に行くつもりだったのですが、乗り場に到着すると長蛇の、あまりにも長蛇の列。戻ってくる船も人がぎっしりインドの電車かと。おそらくイベント開催に伴い、唐戸・門司港線が無料になっていたことによる列だったのでしょうが、どう考えても平日の方が心身の負担も軽いのでプラン変更です。

潮風を感じながらのお散歩です。

まずは宇部の名産、小野茶のソフトクリームがあったため、くすのきカントリーマラソンの小野茶どら焼きを思い出しながら味わいました。お店の方にはピンピンしていることを驚かれましたが、同じくらいの走力の人が同じくらいのペースで走ればこんなもんです。ちなみにこの時はくすのきカントリーマラソンTシャツを着用していました。

こんもりタイプのソフトクリームでうまうまです。

亀山八幡宮赤間神宮は翌日に回すことにして、さっき下を通ったばかりの関門橋を改めてじっくり眺めます。大迫力ですし、周囲の景観もすっきりしていて気持ちいいです。

今はゆっくりと凝視できます(そんなに見ないで)。

少し行くと壇ノ浦古戦場跡。ここで平氏が最後を迎えたということで、中学時代にそういう史実を知っておくことが年を取ってから生きると感じました。長州藩が英国艦隊に大砲をぶっ放してこてんぱんにやり返された記念の砲台(再現)もあります。100円だったかを入れると音と煙が出るとのことでしたが、流石にいいおじさんが一人ではしゃぐのもどうかと思ったので我慢しました。

ここがあの、壇ノ浦です。

本当は砲撃したかったです。

ここまで来たからには、今日のうちに関門トンネルを歩いて福岡県に上陸しておきたいところです。関門トンネル人道はすぐそこ、エレベーターでそこそこ潜ります。村上春樹なら何時間も潜らされそうですが、現実の世界はもう少し穏やかです。ちなみに歩行者は無料、自転車と原付は20円です。

地下トンネルは期待通りのダンジョン感で、海中で県を跨ぐという得難い経験ができます。誰しも訪れてみたい映えスポットではないでしょうか。日曜昼で混むかと危惧したものの、スタートから早歩きで移動すれば、割といい感じでスペースを作れます。撮影後は速やかに場所を空け、いざ福岡県に足を踏み入れます

ここは誰だって来た過ぎでしょう。

門司側のエレベーターも見るからに頑強で、アインシュタインなら無重力空間の思考実験に用いそうなものですが、今日はそのような危険なことはありません。自転車の女性にマラソン完走を労っていただき嬉しかったです。

ご安全に。

地上に出ると関門橋が逆サイドから見えます。”おお、渡ってきたのだな”と誰しも感じることでしょう。とりあえず門司港の方に行ってみようと思いましたが、歩いているといつまで経っても着かない気がしたので、スロージョグで移動することとします。途中ノーフォーク広場で友好都市の歴史を知ったり、小さなトンネルを見たり、海沿いの道を面白がっているうちに割とあっさり門司港レトロに到着です。

ドラクエか何かの気分です。

祠はこんな感じです。

なんやかんやで見るとこ多し。

門司港レトロでは盛大にイベントが開催されており、出店も沢山です。歴史的建造物は外から眺めるだけに留め、おいしそうなお店を見て回ります。

北九州マラソンにもいずれ一度は出なくては。

大好きなチーズケーキのテントに近づいてみると、お店の方がいい感じでしたので、おすすめの抹茶を選びました。私が買った後は行列になっており、タイミングに恵まれました。とてもおいしかったですし、広島から来られているとのことだったので、いい一日になればと思います。

手軽に食べられ、濃厚なので満足感があります。

帰りはインドの電車、ではなく無料の船に乗ろうかと一瞬思ったのですが、当然ながら門司港側も大行列です。しかもバスも(多分門司まで)無料運行になっており、公共交通機関はどこを見ても人だらけです。ならば走るしかないでしょう。ランナーをやっていると、観光名所に行かなくとも、その辺の普通の道を走るだけでも思い出になるので、便利なものです。

じも!は前を通っただけですが。

今更さっき来た道を戻るのも気乗りしませんでしたし、ここは門司まで行ってみることにしました。途中、まだ日差しが暑く感じたりパン屋さんがお休みだったりもしましたが、九州上陸からトータル60分程で門司に到着(キロ7分くらい)。折角なのでパン活をとグランドアムールさんへ赴き、チーズがおいしいやわらかポンデと、ホタテのクリームシチューパイを購入します。電車までわずかの時間があったことから、門司駅の海側にも行ってみて、赤煉瓦エリアも見ながら、おいしくパンをいただきました。

全国のベーカリーを巡るんや。

何故門司までわざわざ行ったかというと、関門トンネルを在来線で通りたいと思ったからです。新幹線だとありがたみがありませんが、たった一駅のために乗るというのがまた風流といいますか。関門トンネルの絶景も楽しみですしね(※何かが見えるはずなどない)。車内で一番ワクワクしながらわずかの旅程を楽しみ、下関へと戻ってきました。

門司・下関間はICカードが使えます。そこから先は……。

夕食は駅前の一善さんにしました。マラソン後は、一人であれば定食を食べることが多いです。ここでは鯨カツ定食を楽しみにしていました。何といっても、ふく・くじら・あんこう祭りですから。鯨カツは味に深みがあり、生姜もいい感じに利いていておいしかったです。

どどんと揚がっていて見栄えもよしです。

18時前には食べ終わり、宿にチェックイン。やたらきれいで私ごときには勿体ないくらいです(しかし確かお安かったはず)。宿の大浴場で身体をよく洗ってほぐし、洗濯(ドラム式のきれいなものな上、稼働状況が部屋で分かり超便利)と振り返り、ご当地牛乳を飲み、翌日の予定検討を経て日付が変わる頃に就寝です。とっても楽しい一日でした。

大人の男は牛乳やろ(加齢による骨の劣化を憂いながら)。

翌日

歴史を感じつつパン活

部屋も静かでよく眠れました。普段通り6時ごろに覚醒しましたが。2019年くらいまでの遠征では疲れて逆に眠れない中、“勿体ないから観光しなくては!”という執念で無理して起きていた節がありましたが、今となっては心穏やかに眠り、身体も火照ったりしません。そこまで追い込めていないといえばそうなのですが、頑張ってもそれ程速く走れるわけでもないので、観光で見せ場を作る今のスタンスで十分です。かなり食べた割に体重もそこまで増えておらず、66.8kgでした。脚のむくみや筋肉痛も無いので、多分また数日で通常まで落ちると思います。

流石に西日本の西の方ですので、夜明けが遅いです。まだ暗い中、キロ8くらいで動いていきます。昨日走ったことでどこかに異常が出ていることもなく、おそらく何もかもがこれまで通りという感じでした。遅くしか走れなかったレース後に怪我が発覚するパターンは何度も経験していますので、それがなさそうで一安心です。マジックスピードとの相性もよさそうなので、メタスピードエッジ+を購入する日も近いかもしれません。

まだ暗いですが、それもまたご褒美です。

会場やスタート地点がすっかり片付いていることに感謝しつつ朝日を見ながら唐戸市場の方へ。朝から観光客と思しき方の姿が結構見られます。

昨日は本当に幸せな一日だったなあと。

朝からふぐの表情がよいですね。おはようございます。

天気が崩れる前に屋根のない所を回る必要がありますので、まずは昨日も前を通った赤間神宮へ。無事に走らせていただいたことのお礼をお伝えし、平家一門の墓耳なし芳一のお堂に畏怖の念を抱きながら巡ってきました。人間は何を願って生きているのだろうかと。

驕れるものも、そこまで驕りたかったのでしょうか。

続いて亀山八幡宮へ。こちらは神社へのお参り自体も勿論大事ですが、世界最大のふくの銅像亀山砲台跡、そして野球のボールが挟まったまま(昭和33年から?)の鳥居があって何かと楽しめる場所です。更にすぐ横には「床屋発祥の地」が。お昼のニュースでは、何やらこの場所にまつわるニュースが流れていました。

一度は訪れた方がよい場所の一つです。

逆光で見えにくいですが、確かに「山」の所にボールが。

説明がやたら詳しく、背後に隠れてしまっているのも乙です。

パン活は、朝7時から営業しているお店を調べてあります。まずはボンジュールさんへ。こちらでは下関のご当地パン、ロケットパンクランベリーデニッシュを選びます。魚肉ソーセージが揚げパンで包まれているソウルフード、これを食べずして下関を語ることはできないでしょう。クランベリーデニッシュも焼き立てで温かく、一瞬で食べきってしまいました。

身体に優しいパンが魅力のお店です。

続いてすぐ近くのパン工房玄さんへ。こちらはパンの種類が多いのですが、ほとんどのものが160円とお安くて驚きです。昨日走った旨をお伝えすると、ご主人も参加されていたとのことで、暗いうちからパンを焼かなくてはならないのにすごい体力と精神力だと脱帽します。定番のハムエッグも、厚切りカツサンドもとてもおいしく、よきパン屋さんに巡り合えてよかったです。

レーズンロールのでかさは金沢のボナペティと通じるものがあります。

またもやよきパン屋さんとの出会いに恵まれました。

北前船で北陸ともつながっていました。
決戦の地、巌流島へ

トータル60分でちょうど帰還できたので、宿の大浴場で一っ風呂浴びてから荷物を預かっていただき出発です。目指すは巌流島、そう、アントニオ猪木マサ斎藤が無観客デスマッチを行った場所です(そっち?)。昨日今日と何度この道を行ったり来たりしたのかと思いながらもスタスタ歩いて乗船上に到着。9:40の便に間に合います。往復900円のチケットを買うとわざわざ時刻表を手渡していただけました。

船はガンガン揺れますが、そんなことはお構いなしに展望デッキで離れ行く唐戸港と関門橋を見やり、波の描く模様に速さを感じているうちに到着。あっという間の10分間でした。

すぐ着くので船酔いも大丈夫です。知らんけど。

“そうかここでプロレスを、しかしプロレスは観客がいてこそ成立するものなのでは”と考えながら(まだ言うか)上陸。早速、下関・関門橋門司港を一つの視界に収められる場所に立ち、ここへやってきたことの特別な感情に悦に入ります。しかしエイドでランナーが前の方のテーブルに殺到するのと同様、観光客はまず目に飛び込んでくる絶景スポットに集まるものですので、観光のコツとしてはいきなり展望広場を目指すのがよいでしょう。どうせ後で、帰りの便までに時間が余って撮り放題ですので。

まあ普通この景色に殺到しますよね。

無人島というだけでときめくものがあります。

展望広場には、あの有名な、宮本さんと佐々木さんのしばき合いの銅像があります。真横からより、どちらかの背中側から見た方が迫力を感じます。それにしても真の剣豪が命を賭けた戦いで二時間待たされたというだけで心を乱すとは到底思えません。そりゃ数年待たされて寿命で追い込む作戦に出られたのなら怒るかもしれませんが。まあ人間何か一つのことだけで怒るはずもないので、色々な事情が積み重なっていたのだろうと思います。

実物は躍動感に溢れていてよかったです。

画像(と実物)はイメージです。

羽生さんの手形もありました。

かなり風が強くなってきましたが、半袖短パンで大丈夫なレベルでした。しばらく一人で座っていましたが、何を考えていたのかさっぱり思い出せません。10:50発の便でも空いていたので、やはり観光は平日午前に限ると思いました。巌流島から戻る途中で雨が降り出したので、火の山ロープウェイは諦めて屋内観光に絞ることにします。

船内も席があるので、雨でもご安心を。
唐戸市場~海響館海峡ゆめタワー

11時過ぎですが、唐戸市場の二階のお店には順番待ちの人が沢山待機しています。少し迷いましたが、一人ならそこまで待たなくてもよいだろうと名前を書いて突っ立っていること40分ほど(そこまで待っとるやないか)、ようやく順番が回ってきました。もう何があってもふくを食べるしかありませんので、ふく定食を選びます。

待望のふく定食は、とらふぐ刺身、ふく唐揚げ、ふくサラダ、ふく汁とふく尽くしです。もう食べ方が合っているのかも分からないまま、その歯ざわりや上品なあっさりした味、見た目も含めて全力で楽しみます。スマホなど触っている場合ではありません。食べている間は確実に幸福でしたし、この先も福が訪れること間違いなしです。

ここにふくがある。ここで踊れ。

既に一段落という様子でした。それにしてもうまそうです。

観光で雨は辛いものですが、幸い下関には海響館という水族館があるので、こちらをじっくり見学することとします。旅先で迷ったら、水族館、ロープウェイ、展望台に行っておけば外れはありません(それらがなくても城跡に行けば大丈夫です)。水族館と言えば、いわき、直江津、鹿児島、桂浜と巡っていますが、どこもその地域の魅力に特化した展示・解説があり、つまらないことがないのです。スマホVRでは絶対に味わえない世界です。ただし見入ってしまうためものすごく疲れますが。

海の街なら水族館で決まりです。

海響館も最初のエスカレーターの演出から始まり、瀬戸内海、関門海峡日本海というコンセプトを軸に据えた水槽と順路の構成は非常に分かりやすく、ついつい何度も立ち止まって“へええ”と思ってしまうものでした。

序盤から既によい感じです。

そして流石は下関、ふぐの解説はおそらくこれ以上のものはないというくらいで、やたらかわいい稚魚からトラフグの見分け方、350本くらいしか針がないハリセンボンや巨大なマンボウなど、もう面白くて面白くて。

この可愛さは反則では。

やはりご当地水族館は最高です。

スナメリバブルリングや、ペンギンの泳ぎ、そしてイルカ・アシカショーのよく考えられた演出とダイナミックな演技に誰もが目を輝かせて自然と感嘆の声を漏らす、そんな素敵な場所でした。ここは超おすすめです。

お利口なスナメリさん。

かわいいペンギンさんも沢山。

アシカさんがすぐそこに。

驚きと笑顔がいっぱいのショーでした。

www.kaikyokan.com

ここはすみっこ下関。

大迫力のシロナガスクジラ

最後まで観光の手を緩めないのが流儀ですので、海峡ゆめタワーを目指します。海響館にいた頃は雨風が強く、正直寒さを感じるくらいでしたが、幸いにも雨が止んでくれたので何らの不便もなく歩いて移動できました。ランナーは300円で入れます。

ゆめたん、実物は153mあります。

天気が悪かったので眺望はあまり期待できないかと思っていたのですが、そのようなことはなく、門司港の方も、昨日走ったコースもばっちり見えます。“え、老の山公園ですらあんなに遠いの?彦島は?”といった新鮮な感覚もあり、こうして高いところからコースを眺めて振り返るのもいいなあと思いました。しかし遠くから見るとアップダウンは小さく思えてしまうもので、実際に走ると“こんなにきついのか!”と打ちのめされること間違いなしです。

これだけ見られれば大満足です。

お礼を言って荷物を受け取り、16:08下関発で18:59新大阪着です。お土産もしっかり買えましたし、充実の観光になりました。自分の走りはともかく、大会の時間もとても幸ふくなものでした。

道頓堀ちゃうで。

幸ふくまんじゅうで締めました。

最後に

初めての下関海響マラソンは、下関という街、そこで暮らしておられる皆様、そしてランナーが響き合う場を体感させていただける素晴らしい大会でした。理想的な大会の一つだと断言できます。そして個人としても響く出会いがあったことから、特別な時間になりました。

雄大な景色を見て、水族館や歴史スポットを回り、おいしいものも沢山食べられる、そんな観光の魅力もしっかりと響き、幸ふくになって帰宅できるのが下関ですね。是非とも多くの方に実際に訪れて楽しんでほしいと思います。

海響のドラマは、これからも確実に響き続けます。下関の皆様、素敵な時間をご一緒させていただき本当にありがとうございました!

ここまでご覧いただきありがとうございます。一部だけでも、スクロールだけでも感謝です。

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